Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド 10gリリース2(10.2) for Microsoft Windows and UNIX Systems B19264-06 |
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この章は、Oracleソフトウェアをインストールする開発者、管理者およびその他すべてのユーザーが、Oracle Universal Installerに関連する主要な概念を理解できるようにすることを目的としています。
この章の内容は次のとおりです。
Oracleには、ソフトウェアをデプロイするための2つのユーティリティが用意されています。
Oracle製品をインストールするためのOracle Universal Installer
個別パッチを適用するためのOPatch
Oracle Universal Installer 10gリリース2(10.2)は、CDまたはステージング先のHTTPの場所からOracleコンポーネントをインストールするJavaベースのインストーラです。コンポーネントベースのインストールの他に、統合されたバンドルやスイートのインストール、Web上でのインストールなど、複雑なインストールを実行します。
OPatchはOracleが提供するユーティリティであり、Oracleのソフトウェアに個別パッチを適用するプロセスを支援します。OPatch 10.2は、Oracle Universal Installerを必要とするJavaベースのユーティリティです。Oracleがソフトウェアをリリースする対象のすべてのオペレーティング・システムで動作します。OPatchの詳細は、第8章「OPatchを使用したOracleソフトウェアへのパッチの適用」を参照してください。
Oracle Universal InstallerおよびOPatchは、次のアクティビティを実行します。
インストールは、リリースまたはステージング領域から製品を選択し、それらをターゲット・ディレクトリにデプロイするプロセスです。インストールには4つのモードがあります。各モードについては、「インストールのモード」で説明します。
クローニングは、構成を保持したまま既存のインストールを別の場所にコピーするプロセスです。クローニングを使用して、Oracle製品の複数のコピーを異なるコンピュータにインストールできます。クローニングの際には、Oracle Universal Installerがクローン・モードで起動し、ホームをターゲットの環境に適応させます。クローン・モードのOracle Universal Installerは、元のOracleホームのインストール時に実行されたすべてのアクションを再現します。インストールとクローニングの違いは、クローニングの場合はOracle Universal Installerのアクションがクローン・モードで実行されることです。各アクションにより、クローン時の処理が決まります。クローニングの詳細は、第7章「Oracle Universal Installerを使用したOracleソフトウェアのクローニング」を参照してください。
パッチの適用時には、ファイルの小さな集合が既存のインストールにコピーされ、特定のバグが修正されます。OPatchはOracleが提供しているユーティリティであり、Oracleソフトウェアへのパッチの適用を容易にします。OPatchの詳細は、第8章「OPatchを使用したOracleソフトウェアへのパッチの適用」を参照してください。
Oracle Universal Installerにより、製品をあるバージョンから別のバージョンにアップグレードできます。アップグレードとは、メジャーな製品拡張であり、多くの場合、アップグレードされたソフトウェアのインストールが必要になります。たとえば、Oracle9iデータベースをOracle 10gリリース2(10.2)データベースに変換する場合、これをアップグレードと呼びます。
パッチ・セットはパッチのグループで構成されます。たとえば、Oracle 10gリリース1(10.1)データベースをリリース10.1.1からリリース10.1.2に変換する場合、これをパッチ・セットの適用と呼びます。
Oracleホームは、クラスタ内の複数のノードにインストールできます。Oracle Universal Installerの-addNode
フラグを使用して、特定のOracleホームのクラスタを拡張できます。Oracleホームには複数のノードを追加できます。-addNode
フラグを指定したOracle Universal Installerは、追加されるノードではなく常にローカル・ノードで実行されます。ノードの追加がOracleクラスタウェア・レイヤーとReal Application Clustersデータベース・レイヤーのどちらで実行されるかに応じて、Oracleクラスタウェア・ノードまたはReal Application Clustersノードにノードを追加できます。ノードの追加の詳細は、「一括デプロイメントでのクラスタへのノードの追加」を参照してください。
Oracle Universal Installerでは、次のインベントリ操作がサポートされます。
Oracle Universal Installerでは、-attachHome
フラグを使用し、Oracleホームをインベントリにアタッチしてセントラル・インベントリを設定するか、セントラル・インベントリに既存のOracleホームを登録します。
詳細は、「セントラル・インベントリの作成」を参照してください。
Oracle Universal Installerでは、-detachHome
フラグを使用して、セントラル・インベントリからOracleホームを削除します。
詳細は、「セントラル・インベントリからのOracleホームのデタッチ」を参照してください。
Oracle Universal Installerでは、-updateNodeList
フラグを使用して、ノードのリストを取得し、inventory.xml
ファイルを更新します。CRS
フラグがTRUE
に設定されている場合、oraclehomeproperties.xml
ファイルはOracleクラスタウェア・ホーム情報を使用して更新されます。
詳細は、「クラスタのノードの更新」を参照してください。
次に、Oracle Universal Installerの実行時に作成される主要なエンティティを示します。
製品がOracle Universal Installerを使用してインストールされた場合、Oracle Universal Installerインベントリには、ホスト上のすべてのOracleホームにインストールされているすべてのOracleソフトウェア製品に関する情報が格納されます。インベントリは次のもので構成されます。
セントラル・インベントリ
Oracleホーム・インベントリ
インベントリの詳細および構造は、「Oracle Universal Installerインベントリについて」を参照してください。
Oracleホームは、Oracle製品が実行されるシステム・コンテキストです。このコンテキストは次のもので構成されます。
製品がインストールされたディレクトリの場所
対応するシステム・パス設定
そのホームにインストール済の製品に関連付けられているプログラム・グループ(該当する場合)
そのホームから実行されているサービス
Oracleホームの詳細は、第3章「Oracleホームの管理」を参照してください。
Oracle Universal Installerは、次のモードで実行できます。
Graphical User Interface(GUI)モードを使用して、ダイアログで要求された情報を入力することでインストールを実行できます。この方法は、少数のホストで少数の製品を異なる設定でインストールする場合に便利です。
このモードを使用して、レスポンス・ファイルまたはコマンドライン・エントリを特定の対話型ダイアログと組み合せて使用することで、必要な情報を指定できます。インストールの際、手動での入力が必要なカスタム情報に加えて、レスポンス・ファイルで取得できるパラメータの共通セットがある場合は、この方法が最も便利です。
このモードを使用して、GUIを省略し、必要な情報をレスポンス・ファイルで指定できます。この方法は、複数のホストに同じ製品を複数回インストールする場合に最も便利です。レスポンス・ファイルを使用して、インストール・パラメータがわかっている製品のインストールを自動化することもできます。
サイレント・インストールの詳細は、第4章「レスポンス・ファイルのカスタマイズおよび作成」を参照してください。
クラスタ・インストールでは、Oracle Universal Installerを使用して、ネットワーク・アクセスが可能でOracleクラスタウェアによりバインドされているクラスタのノードにソフトウェアをインストールします。Oracle Universal Installerを使用して、製品をインストールするOracleホームを拡張し、クラスタ上の追加ノードを含めることができます。クラスタ・インストールではOracleクラスタウェアをインストールする必要があります。
クラスタ・インストールの詳細は、第6章「クラスタ環境インストール」を参照してください。