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Oracle Composite Application Monitor and Modelerユーザーズ・ガイド
リリース10.2.0.5
B56252-01
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2 ユーザー・インタフェースの操作

この章では、CAMMユーザー・インタフェースについて説明します。内容は次のとおりです。

2.1 CAMM UIの起動

Oracle Composite Application Monitor and Modeler(これ以降はCAMMと表記)は、サービス・モードとスタンドアロン・アプリケーション・モードという2つのモードで作動します。スタンドアロン・アプリケーション・モードでは、[CAMM Installation]\bin\standalone.batファイルを実行してCAMM UIを起動します。

サービス・モードでCAMM UIにアクセスするには、[CAMMInstallation]/bin/acsera.shを実行するかOracle CAMM Windowsサービスを起動してマネージャ・プロセスを開始してから、Webブラウザを使用します。

2.1.1 Webブラウザからのアクセス

Webブラウザを使用してCAMM UIにアクセスするには、アドレス・ボックスに次のURLを入力します。

https://[CAMM Machine Name or IP]:[port number]/qvadmin [new]

5560がCAMM Webコンテナのデフォルト・ポート番号です。

2.2 CAMM UIの一般的な要素

CAMM UIは、次のコア・コンポーネントで構成されます。

2.3 CAMMのナビゲート

CAMMが起動すると、操作ダッシュボードがメイン表示ウィンドウに表示されます。

このダッシュボードにはシステムの状態が表示されます。ダッシュボードで次のナビゲーション方法を使用して、異常な動作を詳しく調べることができます。

2.4 操作ダッシュボードのドリルダウン

操作ダッシュボードには、管理対象環境の様々なキー・エンティティの状態インジケータが表示されます。CAMMでは、信号の色で様々なキー・エンティティの状態を表します。

CAMMはコンポーネントごとに次の状態インジケータを使用して、包括的なビューを提供します。次の状態インジケータがあります。

CAMMではクラスタが認識されます。このため、これらのインジケータにはクラスタ全体での特定のエンティティの総合的な状態が表示されます。正符号(+)のアイコンをクリックすると詳細にドリルダウンすることができます。

2.4.1 複数の状態インジケータのステータス

複数の状態インジケータのステータスは、実際にはいくつかのメトリックの複合です。たとえば、パフォーマンス状態インジケータは、「平均実行時間」やSLO違反数などのメトリックで構成されます。このような詳細情報を使用すると、異常なステータスの背後の理由をすぐに判別することができます。

現在、状態インジケータの詳細へのドリルダウンは高レベルのビジネス機能に関してのみ使用できます。現在サポートされているビジネス機能は次のとおりです。

  • WebLogic Portal - ポータル・アプリケーション

  • Oracle SOA Suite - BPELプロセス

  • WebLogic Integration - プロセス

  • WebSphere Portal - ポータル・アプリケーション

さらにドリルダウンすることもできます。エンティティ名をダブルクリックすると、そのエンティティに関連する新しいビューアが表示されます。たとえば、エンティティがOracle WebLogic Integrationプラットフォームで実行しているビジネス・プロセスであるとします。これらのプロセス名のいずれかをダブルクリックすると、プロセス・フロー・ビューアが開きます。

2.4.2 プロセス・フロー・ビューア

プロセス・フロー・ビューアやその他のビューアにより、アプリケーション固有の多くの情報を得ることができ、詳しい分析が可能になります。

プロセス・フロー・ビューアは、2つのパネルで構成されます。左側は選択したプロセスのフロー、右側はメイン表示ウィンドウです。メイン表示ウィンドウには、ナビゲーション・ペインで選択したアイテムに対応する情報が表示されます。左側のパネルには選択したプロセスのフローが表示されます。これは、Oracle WebLogic Workshopで開発者に表示されるものと同じです。この独特の機能を使用すると、開発者などと話し合って、パフォーマンスの問題を迅速に解決することができます。

2.4.3 ノード・グループ

一部のプロセス・ノードはノードのグループです。正符号(+)や負符号(-)のアイコンをクリックすると、ノード・グループを展開および縮小することができます。ノード・グループを縮小すると、メイン表示ウィンドウに表示される情報が、ノード・グループ全体について自動的に集計されます。

操作ダッシュボードで他のエントリをダブルクリックすると、そのエントリをドリルダウンすることができます。たとえば、操作ダッシュボードで行を選択してダブルクリックすると、新しいポップアップ・ウィンドウが表示され、関連する下位レベルの統計が表示されます。操作ダッシュボードでエントリを選択してダブルクリックすると、詳しいパフォーマンス・メトリックを表示することができます。

2.5 「監視」ワークスペースのドリルダウン

「監視」ワークスペースは、ナビゲーション・ペインとメイン表示ウィンドウで構成されます。監視対象コンポーネントのナビゲートや関連メトリックの表示に使用されます。

2.5.1 Oracle WebLogicの場合

「監視」ワークスペースはツリー・ビューを使用して階層に編成されています。ツリーのルートから必要な情報まですぐにドリルダウンすることができます。正符号(+)のアイコンをクリックしてツリーを展開すると詳細を表示できます。

下位レベルのツリー・ノードを選択すると、メイン表示ウィンドウに、選択したアイテムに関連するパフォーマンス・データが表示されてグラフがレンダリングされます。たとえば、cssポータル・ツリーのcsrデスクトップ・ノードを選択すると、メイン表示ウィンドウに、ポータル・デスクトップ・パフォーマンス表とデスクトップ・ヒットおよびデスクトップ・レスポンス時間のグラフが表示されます。

ポータル・デスクトップ・レイアウト・ビューでポートレットをダブルクリックすると、各レベルにドリルダウンして、ポータル・デスクトップの構造を表示することができます。

2.5.2 Oracle SOA Suiteの場合

Oracle SOA SuiteのワークスペースはWebLogicに似ていますが、ポータルとWLIプロセスではなく、BPELプロセス、ESBおよびWebサービスを中心に扱います。

Oracle WebLogicと同様に、左側のペインの「監視」ワークスペースはツリー・ビューを使用して階層に編成されています。ツリーのルートから必要な情報まですぐにドリルダウンすることができます。正符号(+)のアイコンをクリックしてツリーを展開すると詳細を表示できます。

下位レベルのツリー・ノードを選択すると、メイン表示ウィンドウに、選択したアイテムに関連するパフォーマンス・データが表示されてグラフがレンダリングされます。たとえば、BPEL Processesポータル・ツリーのDomainsデスクトップ・ノードを選択すると、メイン表示ウィンドウに、BPELプロセス・パフォーマンス表とBPELヒットおよびBPELレスポンス時間のグラフが表示されます。

BPELプロセス・ステータス・ビューでBPELプロセスをダブルクリックすると、各レベルにドリルダウンして、機能BPELプロセスの構造を表示することができます。

2.5.3 WebSphereの場合

WebSphereのワークスペースはOracle SOA SuiteおよびOracle WebLogicに似ていますが、ノードの細かい部分が少し異なります。

「監視」ワークスペースはツリー・ビューを使用して階層に編成されています。ツリーのルートから必要な情報まですぐにドリルダウンすることができます。正符号(+)のアイコンをクリックしてツリーを展開すると詳細を表示できます。

下位レベルのツリー・ノードを選択すると、メイン表示ウィンドウに、選択したアイテムに関連するパフォーマンス・データが表示されてグラフがレンダリングされます。たとえば、WebSphereのポータル・ツリーの仮想ポータル・デスクトップ・ノードを選択すると、メイン表示ウィンドウに、ポータル・デスクトップ・パフォーマンス表とデスクトップ・ヒットおよびデスクトップ・レスポンス時間のグラフが表示されます。

ポータル・デスクトップ・レイアウト・ビューでポートレットをダブルクリックすると、各レベルにドリルダウンして、ポータル・デスクトップの構造を表示することができます。

2.6 サービス・レベル目標値(SLO)の構成

Oracle CAMMでは、様々な測定について構成したしきい値はサービス・レベル目標値(SLO)と呼ばれます。SLOの構成は、効果的なパフォーマンス監視システムを設定して管理するための重要なアクティビティです。CAMMではSLOを容易に構成することができます。任意の要素を右クリックして、SLOを構成または表示できます。このルールは、CAMM UIおよび他のすべてのビューアに適用されます。

2.6.1 新しいSLOの作成

サービス・レベル目標値の構成を選択すると、サービス・レベル目標値構成ウィンドウが表示されます。このウィンドウを使用すると、既存のSLOの適用や新しいSLOの作成を行うことができます。「新規SLOの作成」をクリックすると、新しいSLOを設定するプロセスが順に示されます。

SLO作成の手順は次のとおりです。

  1. SLOファイルを選択します。構成の移植性を向上させるため、CAMMではSLO構成を様々なファイルに格納することができます。

  2. SLOのエンティティ・タイプを定義します。選択した監視要素に基づいて、適切なエンティティ・タイプがCAMMによって自動的に選択されます。たとえば、ポータル・デスクトップ要素のSLOを設定する場合、エンティティ・タイプは自動的に設定されます。

  3. その他の情報はデフォルトで入力されています。通常、SLOエンティティの値を変更する必要はありません。

  4. SLOエンティティ・タイプの値の設定が終了すると、「新規SLOの作成」をクリックして、SLO作成プロセスの2番目の手順「SLOパラメータの定義」に進みます。

2.6.2 SLOパラメータの定義

SLOパラメータを定義するには、次の手順を実行します。

  1. SLOパラメータの名前を入力します。

  2. パフォーマンス・メトリックを選択します。

  3. 監視ウィンドウ・サイズを定義します。これは、アラートが生成されるまでの条件の継続期間を決定します。

  4. SLOのしきい値を設定します。

  5. トリガーが起動されたときに取るアクションを選択します。事前定義済アクションのリストがビュー・ペインに表示されます。

  6. 新しいアクションを追加するには、「構成」ワークスペースのアクション構成ノードに移動します。

  7. 「保存」をクリックして、この監視対象要素のSLOを設定します。

  8. このウィンドウではすべての要素の不要なSLOを削除できます。

CAMMでSLOを設定すると操作ダッシュボードに影響することに注意してください。通常、CAMMのインストール直後にはSLOは定義されていません。このため、操作ダッシュボードにある信号の色を示すインジケータのほとんどは、グレー(ステータスなし)になっています。

2.6.2.1 しきい値違反イベントの伝播

CAMMは、しきい値違反イベントを上の階層に伝播するように設計されています。このため、SLOが下位レベルのメトリックに設定されていても、上位レベルの状態インジケータのライトがアクティブになります。また、そのコンポーネントのホストであるアプリケーション・サーバーについても状態インジケータのライトがアクティブになります。Oracleでは、これをSLOイベント伝播の包含アプローチと呼んでいます。下位レベルのSLOに違反すると、違反イベントは階層の一番上まで伝播し、そのイベントのすべてのコンテナのステータスが変化します。

たとえば、CaseManagementポートレットの平均レスポンス時間メトリックにパフォーマンスしきい値を定義したとします。cssポータルとcgServerの状態インジケータ・ライトがアクティブになることが予測できます。CaseManagementポートレットはcssポータルに含まれ、cssポータルはcssdemoアプリケーションに含まれ、cssdemoアプリケーションはcgServerにデプロイされているためです。

2.6.2.2 SLOのタイプ

包含の概念に加えて、CAMMではSLOが次のタイプに分類されます。

  • パフォーマンス

  • 可用性

  • エラー

  • ロード

例の平均レスポンス時間メトリックは正確にはパフォーマンス・タイプに分類されます。

ロード・タイプのメトリック(ポータル・デスクトップ・アクセス数など)にSLOを設定した場合、デスクトップのすべてのコンテナのロード状態インジケータがアクティブになります。たとえば、csrデスクトップのポータル・デスクトップ・アクセス数にSLOを設定します。このとき、cssポータル、cssdemoアプリケーションおよびcgServerインスタンスのロード状態インジケータがアクティブになります。

2.6.2.3 SLOイベント・ビューア

任意のツリー・ノードを右クリックして「サービス・レベル目標値イベントの表示」を選択すると、新しいウィンドウが開きます。選択したエンティティに関してトリガーされたすべてのSLO違反イベントが表示されます。関連するイベントのみが表示されるように自動的にフィルタが適用されます。

新しいSLOが追加されると、関連するグラフが更新され、それらの新しいしきい値が視覚的に表示されます。表2-1「SLOの線のタイプ」で、様々な線のタイプを説明します。

表2-1 SLOの線のタイプ

説明

実線(赤)

違反になるしきい値(値が高いときにトリガーされる)

実線(黄)

注意が必要なしきい値(値が高いときにトリガーされる)

点線(赤)

違反になるしきい値(値が低いときにトリガーされる)

点線(黄)

注意が必要なしきい値(値が低いときにトリガーされる)


2.7 SLOブラックアウトの構成

このオプションを使用して、指定した数のSLOの評価を回避するブラックアウト・タイムフレームを指定します。計画された停止時間または計画外の停止時間に不要なアラートが起動されるのを防ぐことができます。

  1. 任意のツリー・ノードを右クリックし、「SLOブラックアウトの構成」を選択すると、新しいウィンドウが開きます。

  2. 新しいウィンドウには、既存のすべてのSLOブラックアウト・イベントが表示されます。

  3. このウィンドウを使用して、既存のイベントの詳細を作成、削除または表示できます。

SLOブラックアウトの削除

  1. リストから既存のイベントを選択します。

  2. 「SLOブラックアウトの削除」をクリックします。

  3. エントリを削除することを確認し、「はい」をクリックします。

SLOブラックアウト・サマリー・リストの表示

  1. 「SLOブラックアウト・サマリー・リスト」をクリックします。

  2. 既存のSLOブラックアウト・イベントの詳細を確認します。

  3. 「SLOブラックアウト・リストの表示」をクリックして、前のウィンドウに戻ります。

SLOブラックアウトの作成

  1. 「SLOブラックアウトの作成」をクリックして、詳細ウィンドウを表示します。

  2. 表2-2「SLOブラックアウトの構成」を参照して、必要に応じて列に値を設定します。

    表2-2 SLOブラックアウトの構成

    列/メトリック 説明

    ブラックアウト名

    名前を入力します。

    説明

    作成しているSLOの説明を入力します。

    SLOファイル別のブラックアウト

    ファイル・レベルのブラックアウトを行うときに使用します。SLOファイルがリストに表示されます。ウィンドウの外部でファイルの選択や取消しを行えます。

    このオプションでは、ブラックアウトの対象は指定したSLOファイル名に限定されます。

    SLO別のブラックアウト

    SLOレベルのブラックアウトを行うときに使用します。SLOがリストに表示されます。ウィンドウの外部でSLOの選択や取消しを行えます。

    このオプションでは、ブラックアウトの対象は指定したSLO名に限定されます。

    エンティティ別のブラックアウト

    エンティティ・タイプ・レベルのブラックアウトを行うときに使用します。エンティティ・タイプがドロップダウン・メニューに表示されます。そこでエンティティを選択できます。

    このオプションでは、ブラックアウトの対象は選択したエンティティ・タイプに限定されます。

    年、日付、時間、分、期間

    これらの列の右側のガイドラインに従って、適切な情報を入力します。

    繰返し

    このブラックアウト・イベントを実行する頻度をドロップダウン・メニューから選択します。


2.8 時間フレーム

CAMMでは、情報を表示する時間ウィンドウの長さを指定できます。この時間ウィンドウの長さを指定するには、「時間フレーム」ドロップダウン・ボックスで適切な長さを選択します。次の「時間フレーム」の値を選択できます。


注意:

CAMMのデフォルトのデータ収集間隔は60秒です。データ収集間隔を調整すると、表示時間フレームが自動的に調整されます。データ収集間隔を構成する方法の詳細は、『Oracle Composite Application Monitor and Modelerインストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

CAMMによって、情報が自動的に調整されて、指定した時間ウィンドウに収まるように表示されます。ドリルダウンすると、特定の時間の範囲について詳しいパフォーマンス情報を見ることができます。

たとえば、ポータル・キャンペーンの平均レスポンス時間に関するグラフに関して、時間フレームが異なる2つのスクリーンショットを使用するドリルダウン・プロセスについて説明します。最初のグラフの時間フレームは24時間です。2番目のグラフの時間フレームは1時間です。時間フレームの粒度を高くすることで、ドリルダウン操作を実行します。

この例で、IT操作スタッフが、ポータル・キャンペーン・サブシステムのレスポンス時間が異常に長いことに気づいたとします。スタッフは、問題の範囲を確認するために調査することにしました。「時間フレーム」を24時間から1時間に変更すると、14:17から14:18の間にポータル・キャンペーンのレスポンス時間が平均の1000ミリ秒から5000ミリ秒に急上昇したことを確認できます。この問題は継続しませんでしたが、場合によってはさらに調査を行う根拠になります。

2.9 表示間隔

表示間隔は、メイン表示ウィンドウに表示されるデータの開始時間と終了時間を示します。表示間隔は、次の設定を変更したときに変更されます。

2.9.1 時間フレーム

新しい時間フレームを選択すると、表示間隔は、選択した時間フレームに合うように自動的に変わります。たとえば、時間フレームを1時間から2時間に変更すると、表示間隔の開始値が変わります。

2.9.2 間隔コンテキスト

表示間隔は、間隔コンテキストの設定によっても変更されます。間隔コンテキストの設定は次のとおりです。

  • 間隔コンテキストを終了時間は現在のシステム時間に設定

    CAMMのデフォルトの間隔コンテキストでは、表示間隔の終了値として現在のシステム時間が使用されます。このデフォルト設定では、表示間隔がスライドし、メイン表示ウィンドウで最新のパフォーマンス情報を表示できます。

  • 間隔コンテキストを終了時間を固定に設定

    間隔コンテキストの設定を変更して、表示間隔の終了値として固定の時刻を使用することもできます。固定の間隔コンテキストを選択すると、パフォーマンス・データを表示する固定時間ウィンドウを作成できます。固定時間ウィンドウは、分析タスクを実行するときに特に役立ちます。

  • 日付セレクタおよび時間セレクタ

    間隔コンテキストに対して終了時間の固定を選択したときは、CAMM UIで日付セレクタと時間セレクタを組み合せて使用して、表示間隔の開始値と終了値を設定できるようになります。日付セレクタおよび時間セレクタを開くには、開始時間と終了時間の横の緑のアイコンをクリックします。

    日付セレクタおよび時間セレクタを使用すると、ニーズに合う特定の表示間隔を設定できます。また、日付セレクタおよび時間セレクタを使用することで、現在のパフォーマンスの傾向と履歴データを比較できるようになります。


注意:

開始時間の変更と終了時間の変更は概念が異なります。時間フレームを変更するときは、必ず終了時間を最初に変更してから次に開始時間を変更するようにお薦めします。終了時間を変更するとウィンドウが時間軸を移動しますが、開始時間を変更するとウィンドウ・サイズが増減するためです。

2.9.3 時間フレーム制限のオフ

24時間を超えるデータの表示をサポートするように、CAMMではデータ表示のために独自の時間フレームを指定することができます。このためには、間隔コンテキスト終了時間を固定に設定し、時間フレームの使用チェック・ボックスを選択解除します。時間フレーム制限をオフにすると、8日間分のデータを表示できるようになります。

たとえば、日付セレクタと時間セレクタで開始時間と終了時間を調整して、時間フレームを8日間に指定すると、1つのグラフに8日分のデータが表示されるように調整されます。この機能により、長時間にわたる傾向の分析を実行することができます。

2.10 リフレッシュ・レート

CAMMでは、メイン表示ウィンドウの情報は自動的にリフレッシュされません。デフォルトのリフレッシュ・レートが「なし」に設定されているためです。ただし、リフレッシュ・レート・ドロップダウン・ボックスで適切な値を選択すると、メイン表示ウィンドウの情報をリフレッシュする間隔を指定できます。

CAMMでは、メイン表示ウィンドウの情報を次の間隔で自動的にリフレッシュすることができます。

2.11 問合せ

この機能を使用すると、迅速かつ容易にパフォーマンス測定を探すことができます。使用される問合せ文字列に基づいて、CAMMが最も適切なビューを判別して表示します。次の項では、CAMMでサポートされる問合せのタイプについて説明します。

2.11.1 URL問合せ

アプリケーションのURLを使用して、CAMMでパフォーマンス測定を検索できます。URL問合せの一般的なユースケースとしては、実行速度が遅いJ2EEアプリケーションのURLをブラウザからコピーして、CAMM URL問合せダイアログ・ボックスに貼り付ける場合があります。

URL問合せを使用すると、次の種類のアプリケーションについてパフォーマンス測定とモデル視覚化を調べることができます。

  • BPELプロセス(.bpel)

  • ポータル(.portal)

  • プロセス(.jpd)

  • Javaページ・フロー(.jpf)

  • Strutsアクション(.do)

  • Webサービス

  • Java Server Pages(.jsp)

  • サーブレット

2.12 グラフとデータ・アイテム

CAMMにはパフォーマンス情報が様々な形式で表示されます。CAMMで最もよく使用される表示形式は、表とグラフです。

2.13 表とグラフでの右クリック操作

CAMMでは様々な表やグラフに対して単純な操作を実行できます。表とグラフに対応している右クリック操作のリストを次に示します。

表2-3 表とグラフでの右クリック

右クリック操作 説明

セル値のコピー

この右クリック操作は表専用です。この操作では、セルの値がコピーされます。通常のコピーや貼付け操作を行えます(表のみ)。

CSVとしてエクスポート

この右クリック操作は表とグラフの両方に対応します。この操作では、表またはグラフのすべての値がカンマ区切り値(CSV)ファイルとして保存されます。その後、CSVファイルをMicrosoft Excelなど他のアプリケーションにインポートすることができます。

行数のカウント

この右クリック操作は表専用です。この操作では、選択した表の行数が返されます(表のみ)。

ビューに合せる

表またはグラフをペイン全体に表示します。

ビューのリストア

レイアウトをデフォルト状態に戻します。

表の列の表示/非表示

表から列を消去します。または消去した列を元に戻します(表のみ)。

系列の有効化/無効化

グラフから線を消去します。または消去した線を元に戻します(グラフのみ)。


たとえば、行数のカウントの右クリック操作を使用して、任意の表の合計行数を取得することができます。

2.14 比較ビュー

CAMMでは、パフォーマンス分析のための分析ツールがいくつか提供されます。これらのツールの1つが比較ビューです。比較ビューにアクセスするには、CAMMのメイン表示ウィンドウを右クリックして「比較ビューの作成」を選択します。

比較ビュー・ウィンドウが表示されたら、日付セレクタと時間セレクタを使用して、比較ビューの2つのウィンドウそれぞれに開始時間と終了時間を指定します。このツールを使用して、2つの時間フレームのパフォーマンス統計を比較することができます。


ヒント:

比較ビューを使用すると、特定のアプリケーションまたはコンポーネントの現在のパフォーマンスが、パフォーマンスの履歴または以前に取得したベースライン・パフォーマンスと大きく異なるかどうかを判断できます。

比較ビューは、履歴でのパフォーマンスの特徴に対して現在のパフォーマンスの特徴を評価するときに役立ちます。

2.15 PDFとしての保存

アプリケーションのパフォーマンス問題に取り組むスタッフ間の共同作業の効率を上げるため、CAMMにはすべてのビューをPDFファイルとして保存する機能があります。特定のビューをPDFファイルとして保存するには、CAMMのメイン表示ウィンドウを右クリックし、「このビューをPDFファイルとして保存」を選択します。

2.16 簡易スクローラ

簡易スクローラは、CAMMで様々なビューをナビゲートするために役立つ機能です。簡易スクローラを起動するには、メイン表示ペインでビューを右クリックし、簡易スクローラ・オプションを選択します。簡易スクローラの内側のボックスをドラッグしてナビゲートします。

2.17 「ズーム・イン」および「ズーム・アウト」ツールバー

一部のビューでは、CAMMによってズーム機能が提供されます。この機能を使用すると、拡大して図の細部を確認したり、縮小して全体の構造を把握したりすることができます。

「ズーム・イン」および「ズーム・アウト」ツールバーには、ビューを10%ずつ拡大するアイコン、ビューを10%ずつ縮小するアイコン、ビューを標準サイズ(100%)に戻すアイコンがあります。ドロップダウン・ボックスを使用すると、迅速にビューの拡大または縮小を行うことができます。

2.18 カスタム・メトリック

CAMMでは、インテリジェント機能により、AppSchemaモデルに基づいて関連するパフォーマンス・メトリックが選択されますが、カスタム・メトリックを追加構成して、監視環境をさらにカスタマイズすることができます。また、問題を診断するとき、問題の根本原因を特定するためにより多くの内容の表示が必要な状況で、カスタム・メトリックを使用することもできます。

新しいカスタム・メトリックを構成するには、まず右クリックして「カスタム・メトリックの構成」を選択します。CAMMによって構成のプロセスが順に示されます。

カスタム・メトリック構成ウィンドウには、次のフィールドが含まれます。表2-4を参照してください。

表2-4 カスタム・メトリック構成ウィンドウ

フィールド 説明

名前

このテキスト・フィールドでは、カスタム・メトリックの表示名を定義します。

リソース名

このドロップダウン・メニューでは、カスタム・メトリックを収集するリソースを定義します。

クラス名

このテキスト・フィールドでは、カスタム・メトリックに関連付ける完全修飾クラス名(パッケージおよびクラス)を定義します。

メソッド名

このオプション・テキスト・フィールドでは、カスタム・メトリックに関連付けるメソッド名を定義します。

使用方法:

  1. 「*」を入力すると、すべてのメソッドが指定されます。

  2. ワイルドカードなしでメソッドをカンマで区切って指定すると、メソッド・エンティティが作成され、それらのメソッドのみがエージェントに指定されます。

  3. ワイルドカードを先頭か末尾に付けたメソッドをカンマで区切って指定すると、ワイルドカード付きで指定されたメソッドを指定するようにエージェントが指示されます。

  4. 1)または2)の指定で、前に「!」を付けると、除外リストになります。除外リストに定義されていないクラスのすべてのメソッドを指定するようにエージェントが指示されます。

メソッド・フィールドの例:

  1. methodA,methodB,methodC

  2. ejb*,*context,methodA

  3. !ejb*,*context,methodA


カスタム・メトリックを定義した後で、そのカスタマイズに関連するアプリケーション・サーバー・インスタンスを再起動します。新しいカスタム・メトリックは、CAMMナビゲーション・ツリーのカスタム・メトリック・ノードの下に表示されます。

新たに構成したカスタム・メトリックによって、クラス・レベルのパフォーマンス・データ(呼出し数やレスポンス時間など)がレポートされます。

2.19 ダッシュボードへのプロモート

ダッシュボードへのプロモート機能を使用すると、メトリックを操作ダッシュボードに追加することができます。新しいメトリックを操作ダッシュボードに追加する方法を次の手順で説明します。

操作ダッシュボードに新しいメトリックを追加するには、次のようにします。

  1. ナビゲーション・ツリーでノードを右クリックして「ダッシュボードへのプロモート」を選択し、ダッシュボード構成ウィンドウをアクティブ化します。

  2. 「ダッシュボード・プロモーションの作成」をクリックします。

  3. 操作ダッシュボードにプロモートするメトリックをドロップダウン・メニューから選択します。

  4. 「作成」をクリックします。

  5. 「名前」ボックスに名前を入力します。

  6. 「保存」をクリックします。

  7. ダッシュボード構成ウィンドウを閉じます。

  8. 「はい」をクリックして、ウィンドウを閉じることを確認します。

    この操作により新しいエントリが操作ダッシュボードに表示されます。

2.20 機能ビュー

機能ビューは、AppSchema視覚化の1つのタイプです(AppSchema視覚化は、AppSchemaモデルに格納されている情報をCAMMが視覚的に表す方法)。このビューは、ビジネス機能が様々な機能ビルディング・ブロックによってどのように構成されているかを理解できるように設計されています。表2-5に、CAMMで現在使用可能な機能ビューのリストを示します。

表2-5 機能ビュー

エンティティ・タイプ 機能ビュー 説明

プロセス

プロセス・ワークフロー・ビュー

この機能ビューは、選択したWLIおよびOracle BPELのビジネス・プロセスに関連付けられたワークフローを示します。すべてのプロセス・ノードと各ノード間の関係が表示されます。

ページフロー

ページフロー機能ビュー

この機能ビューは、JPSおよびStrutsのページフローに関連付けられている論理フローを示します。ページフローのすべてのページと各ページ間の関係が表示されます。

OSBプロキシ・サービス

プロキシ・サービス機能ビュー

この機能ビューは、OSBプロキシ・サービスに関連付けられているパイプラインとステージのフローを示します。


選択したエンティティのタイプによって、様々な機能ビューがCAMMに表示されます。右クリックして「機能ビューの表示」を選択すると、選択したエンティティに関連する機能ビューが表示されます。

2.21 トポロジ・ビュー

トポロジ・ビューは、AppSchema視覚化のもう1つのタイプです(AppSchema視覚化は、AppSchemaモデルに格納されている情報をCAMMが視覚的に表す方法)。このビューは、アプリケーション環境が様々なアプリケーション、アプリケーション・サーバー・インスタンスおよび共有リソースによってどのように構成されているかを理解できるように設計されています。この情報は、複合アプリケーションとそのビルディング・ブロックを、アプリケーション・サーバー・インスタンスと共有リソースにマップするときに役立ちます。

最高レベルのトポロジ・ビューは、ドメイン、外部リソースおよび共有データベース・リソースを図として表します。次の例で使用されるアプリケーションは、CSSデモとMedRecデモです。

たとえば、1つのトポロジに、2つのCAMM管理対象リソース、CSSドメインおよびMedRecドメイン、2つの外部リソース、1つの共有データベース・リソースが含まれているとします。トポロジ・ビューで様々なエンティティを結ぶ線は、エンティティからエンティティへ行われるコールを示します。特定のコールの詳細を調べるには、その線にマウスを置いてポイントします。

トポロジ・ビューでは、様々なタイプの線を非表示にすることができます。線のタイプを非表示にするには、トポロジ・ビューを右クリックし、エッジ・タイプ・オプションを選択して、現在のトポロジ・ビューに関連付けられている様々なエッジ・タイプ(矢印)のリストを表示します。

2.21.1 エッジのタイプと色

エッジのタイプには次のものがあります。

  • デプロイメント・エッジ: デプロイメント・ディスクリプタに定義されているコンポーネントの関係

  • メソッド・コール: ランタイム実行中に作成される動的なコール

トポロジ・ビューに表示される色を表2-6で説明します。

表2-6 エッジ・タイプの色分け

説明

デプロイメント・エッジ。デプロイメント・ディスクリプタにおける参照(resource-ref、ejb-ref、ejb-local-ref)を表します。strutsモジュールでは、転送を示します。

紫のエッジ

実行ビューで、選択した時間フレームにメソッド・コールが発生しなかったことを表すために使用されます。たとえば、プローブ・ポイントがエージェントによって作成されたが、選択した時間フレームにはメトリックが存在しなかった場合です。

オレンジのエッジ

オレンジのエッジは、選択した時間フレームのアクティブなメソッド・コールを表すために実行ビューで使用されます。たとえば、選択した時間フレームにそのエッジのメトリックが存在する場合です。


エッジ・タイプに関して次のアクションを実行できます。

  • トポロジ・ビューで特定のタイプの線をすべて非表示にするには、そのエッジ・タイプを選択解除します。特定のエッジ・タイプを選択すると、対応する線が表示されます。

  • 特定のエンティティに結び付いていないすべての線を非表示にするには、監視対象エンティティをトポロジ・ビューで選択し、右クリックして「その他のエッジを非表示」を選択します。

  • 管理対象エンティティに結び付いていないすべての矢印を非表示にするには、エンティティを選択して、「その他のエッジを非表示」を選択します。

  • 選択した管理対象リソース固有のトポロジを表示するには、特定の管理対象リソースを選択してダブルクリックします。

  • 特定の管理対象リソースにドリルダウンすると、アプリケーション・サーバー・インスタンスとそのインスタンスが使用する共有リソースとの関係が明らかになります。エンティティを右クリックしてデプロイメント・トポロジの表示オプションを選択しても、同じビューを表示することができます。

  • 特定のアプリケーション・サーバー・インスタンスにドリルダウンすると、J2EEアプリケーションと共有リソースのコール関係が明らかになります。この情報は、インフラストラクチャでのアプリケーションの分散状況を理解するときに役立ちます。

CAMMでは、トポロジ・ビューを層形式で表示することもできます。これにより、様々なサーバーや共有リソース間の依存関係を視覚化しやすくなります。層形式のトポロジ・ビューにアクセスするには、トポロジ・ビューでアプリケーション・エンティティを選択し、右クリックして「層での依存関係の表示」を選択します。

層依存トポロジ・ビューはCAMMの左側のペインに表示され、関連する外部コールがメイン表示ウィンドウに表示されます。表2-7に、外部コール表のメトリックとその説明のリストを示します。

表2-7 外部コールのメトリック・リスト

列/メトリック 説明

コール元クラス

外部コールを行うローカル・クラスの名前。

コール元メソッド

外部コールを行うローカル・クラス内のメソッド名。

ターゲットURL

外部コールに関連付けられているターゲットURL。

クラス

外部コールに関連付けられているターゲット・クラスの名前。

メソッド

外部コールに関連付けられているターゲット・メソッドの名前。

呼出し数

特定の外部コールの合計呼出し回数。

レスポンス時間(ミリ秒)

特定の外部コールの平均レスポンス時間(ミリ秒)。



ヒント:

外部コールには、様々なサーバー、アプリケーションおよび共有リソース間で行われたコールのタイプを判別するために使用できる情報が含まれます。この情報を使用して、クロスJVMコールに関連する問題を診断します。ターゲットURLからは、行われた外部コールのタイプに関する情報を得ることができます。


注意:

トポロジ・ビューは、「アプリケーション」ノードおよび「リソース」ノードの下にあるノードに対して表示できます。「トポロジ」タブに、特定のアプリケーションに関連するトポロジ・ビューが表示されます。

2.22 アーキテクチャ・ビュー

アーキテクチャ・ビューは、AppSchema視覚化のもう1つのタイプです(AppSchema視覚化は、AppSchemaモデルに格納されている情報をCAMMが視覚的に表す方法)。このビューは、モジュールおよびコンポーネント・レベルでのJ2EEおよびSOAアプリケーションの構造と動作を理解できるように設計されています。一部のアーキテクチャ・ビューには組込み遅延分析が含まれており、所定のコール・パスの潜在的なボトルネックを識別することができます。

CAMMのアーキテクチャ・ビューでは、モジュール・レベルとコンポーネント・レベルという2つのレベルで、アプリケーションの構造とコンポーネントの関係が表示されます。CAMMは、各レベルでアクティブなコール・パスと潜在的なコール・パスの両方を表示できます。表2-8に、アーキテクチャ・ビューの様々なタイプを示します。

特定のアプリケーションをドリルダウンすると、アーキテクチャ・ビューが起動されます。この操作によって、高レベルのリソース中心トポロジ・ビューから、アプリケーション中心トポロジ・ビューを経て、モジュール中心アーキテクチャ・ビューへと至る論理的な経過がわかります。この論理ドリルダウンを使用すると、アプリケーション・ランタイム環境の構造を理解し、問題を診断することができます。

表2-8 アーキテクチャ・ビューの様々なタイプ

タブ名 説明

モジュール・レベルの実行

これは、モジュール・レベルでのデフォルトのアーキテクチャ・ビューです。モジュール・レベルの実行ビューには、様々なJ2EEモジュール(EAR、WAR、JARなど)間のアクティブなコール関係が表示されます。共有リソースも含まれます。

モジュール・レベル

モジュール・レベル・ビューには、様々なJ2EEモジュール間の潜在的なコール関係が表示されます。共有リソースも含まれます。静的なビュー内で結び付いていないオブジェクトは、このレベルには含まれないことにも注意してください。また、オブジェクト間の静的な結び付きがまったくない場合は、すべての潜在的なオブジェクト関係が表示されます。

コンポーネント・レベルの実行

これは、コンポーネント・レベルでのデフォルトのアーキテクチャ・ビューです。コンポーネント・レベルの実行ビューには、様々なJ2EEコンポーネント(EJB、サーブレット、JSPなど)間のアクティブなコール関係が表示されます。共有リソースも含まれます。

コンポーネント・レベル

「コンポーネント・レベル」ビューには、様々なJ2EEコンポーネント間の潜在的なコール関係が表示されます。共有リソースも含まれます。モジュール・レベルと同様に、静的なビュー内で結び付いていないオブジェクトは、このレベルには含まれません。また、オブジェクト間の静的な結び付きがまったくない場合は、すべての潜在的なオブジェクト関係が表示されます。


このような様々なタイプのアーキテクチャ・ビューは、さらに情報を提供するように色分けされています。表2-9に色分けとその意味を示します。

表2-9 アーキテクチャ・ビューの色分け

背景色 説明

オレンジ

オレンジの背景色は、アプリケーションまたはモジュールのエントリ・ポイントを表します。オレンジ色は、それらのエンティティが、現在選択している同じアプリケーションまたはモジュールに属している(コンテキスト内である)ことも表します。

緑の背景色は、アプリケーションまたはモジュールのエントリ・ポイントを表します。緑色は、それらのエンティティが、他のアプリケーションまたはモジュールに属している(コンテキスト外である)ことも表します。緑色は、共有リソースを表すためにも使用されます。

白の背景色は、それらのエンティティが、現在選択している同じアプリケーションおよびモジュールに属している(コンテキスト内である)ことを表します。

青の背景色は、それらのエンティティが、他のアプリケーションおよびモジュールに属している(コンテキスト外である)ことを表します。青色は共有リソースも表します。


CAMMでは、様々なJ2EEモジュールと共有リソースのアクティブなコール関係が図として示されます。

2.22.1 アーキテクチャ・ビューのアクセス

アーキテクチャ・ビューにアクセスする方法はいくつかあります。1つは、「アプリケーション」ノードの下の、特定のアプリケーションに関連付けられている「デプロイ」ノードを使用する方法です。アプリケーション固有のアーキテクチャ・ビューには、Oracle Treeの「デプロイ」ノードを使用してアクセスできます。

また、アーキテクチャ・ビューには、操作ダッシュボードからの診断ドリルダウンの中でアクセスすることもできます。診断ダッシュボードで問題のある行をダブルクリックすると、詳しいパフォーマンス・データを含むポップアップ・ウィンドウが表示されます。またダブルクリックすると、対応するアーキテクチャ・ビューが表示されます。

アーキテクチャ・ビューにアクセスするもう1つの方法としては、管理対象エンティティを右クリックして「アーキテクチャ・ビュー」を選択します。右クリックして「アーキテクチャ・ビュー」を選択すると、ドリルダウン・プロセスが開始します。

2.22.1.1 アーキテクチャ・ビューの矢印

アーキテクチャ・ビューで様々なエンティティを結ぶ矢印は、エンティティからエンティティに行われるコールを示します。特定のコールの詳細を調べるには、その矢印にマウスを置いてポイントします。マウスを矢印に重ねると、アーキテクチャ・ビューの特定のコールの詳細が表示されます。

アーキテクチャ・ビューでは、様々なタイプの矢印を非表示にすることができます。これには、アーキテクチャ・ビューを右クリックし、エッジ・タイプ・オプションを選択して、現在のアーキテクチャ・ビューに関連付けられている様々なエッジ(矢印)タイプのリストを表示します。特定のエッジ・タイプを選択解除すると、アーキテクチャ・ビューでそのタイプのすべての線が非表示になります。特定のエッジ・タイプを選択すると、対応する線が表示されます。

エッジ・タイプの色の説明は、表2-6を参照してください。特定のエンティティに結び付いていないすべての線を非表示にするには、監視対象エンティティをアーキテクチャ・ビューで選択し、右クリックして「その他のエッジを非表示」を選択します。管理対象エンティティに結び付いていないすべての矢印を非表示にするには、エンティティを選択して、「その他のエッジを非表示」を選択します。

2.22.1.2 アーキテクチャ・ビュー・サマリー

アーキテクチャ・ビュー・サマリーでは、表示されるアクティブなコール・パスに関連付けられている遅延分析が提供されます。右側のペインの表と円グラフから、表示されているコール・パス内の最大の遅延原因をつきとめることができます。コール・パスの特定のコンポーネントを選択すると、コンポーネント固有の情報が表示されます。次のタブがあります。

  • 「サマリー」タブ: インバウンド・コールとアウトバウンド・コール両方の高レベルの遅延データが含まれます。

  • 「インスツルメンテーション」タブ: 選択したコンポーネントに関連するメソッド・レベルの詳しいパフォーマンス・データが表示されます。「インスツルメンテーション」タブをクリックすると、メソッド・レベルの詳しいパフォーマンス測定および情報が表示されます。

  • エラー/例外タブ: には、選択したポータルまたはBPELプロセスに関連するエラー・メトリックが表示されます。

  • 「SQL文」タブ: 選択したコンポーネントに関連するSQL文とそのパフォーマンス・データが表示されます。

  • 「トランザクション」タブ: 選択したポータルまたはそのポータルの子に関連するトランザクション・イベントが表示されます。

2.23 メトリック・タイプ

表2-10に、CAMMで提供される様々なタイプのメトリックを示します。

表2-10 メトリック・タイプ

メトリック・タイプ メトリックの説明

アクティブ・セッション

完了数

保留中のリクエスト

実行中インスタンス

最大容量

最大メッセージ数

スナップショット数

ある時点での監視対象エンティティに関する件数。このようなスナップショットは傾向グラフにプロットされます。

処理済リクエスト

合計セッション

(プロセス)中断

(プロセス)終了

(メソッド)呼出し数

受信バイト数

集計数

表示時間ウィンドウの開始時から増分的に集計された、監視対象エンティティに関する件数。このような集計数はサマリー表に表示されます。

レスポンス時間

経過時間

接続遅延

平均時間

サンプリング間隔(デフォルトは60秒)ごとに計算されます。平均時間は、監視対象のビジネス作業ユニットを完了するためにかかった時間の合計を、完了したビジネス作業ユニットの数で割ったものです。

このデータは次の2つの方法で使用されます。

  1. 傾向グラフに平均時間がプロットされます。

  2. 表示時間ウィンドウについてこのビジネス作業単位の平均時間が計算され、サマリー表に表示されます。

最小/最大

最小および最大のレスポンス時間測定

収集サンプリング間隔で検出される最小および最大のレスポンス時間測定。これらは、平均レスポンス時間測定とともに、それらの埋込みデータベースに格納されています。デフォルトは60秒です。