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Oracle Enterprise Manager HP Service Manager Connectorインストレーションおよび構成ガイド
リリース1.0.4.0.0

E06256-02
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4 あらかじめ用意されているテンプレートの使用

この章では、すぐに利用できるService Manager IncidentManagement WSDLに基づいてHP Service Manager Connectorに同梱されている、あらかじめ用意されたチケット・テンプレートの詳細を説明します。チケット・テンプレートは、Enterprise Managerアラートの各属性と、HP Service Managerチケットの各属性との間のマッピングを指定するものです。

4.1 あらかじめ用意されているHP Service Managerテンプレート

表4-1に、あらかじめ用意されているテンプレートをリストします。Service Manager IncidentManagement WSDLを変更した場合、変更内容を反映するにはこれらのテンプレートを変更する必要がある場合もあります。

表4-1    あらかじめ用意されているHP Service Managerテンプレート 
テンプレート・グループ  テンプレートXSLグループ  説明 

デフォルト 

 

このテンプレート・グループでは、デフォルトを使用して新規Service Managerインシデント・レポートが作成されます。Enterprise Managerアラートがクリアされた際、Service Managerインシデントは自動的にクローズされません。 

 

Service_Manager_Default_Incident.xsl  

Service Managerインシデントを作成、更新および再オープンします。 

自動クローズ 

 

このテンプレート・グループでは、デフォルトを使用して新規Service Managerインシデント・レポートが作成されます。Enterprise Managerアラートがクリアされると、インシデントが自動的にクローズされます。 

 

Service_Manager_Default_Incident_AutoClose.xsl 

Service Managerインシデントを作成、更新、再オープンおよびクローズします。 

4.2 チケット・テンプレートの読取りおよびマッピング

この項では、前述の各チケット・テンプレートに対するマッピングについて説明します。チケット・テンプレートは、Enterprise Managerイベント・データをService Managerインシデントに変換するXLSファイルです。

マッピングは、HP Service Manager 7 Webサービスに用意されているIncidentReport.WSDLに依存します。表4-2および表4-3の情報は、自動クローズ・タイプのデフォルト・テンプレートに適用されます。ただし、インシデントの優先度の引き上げや自動クローズ機能を含めるかどうかなどの細かな設定以外、テンプレートは非常に似ています。この機能では、アラートのクリア・ステータスに基づいてインシデントを自動クローズする更新を行います。


注意

表中の*は、その値がリテラル文字列であることを示しています。**は、その属性が該当する場合と該当しない場合があることを示しています。 


表4-2    チケットの作成(Service_Manager_Default_Incident_AutoClose.xslマッピング) 
条件分岐  Service Managerチケットの属性  Enterprise Managerアラート属性   

 

Severity 

条件設定

Enterprise Manager Service Manager

25(クリティカル)2(緊急)

20(警告)3(中)

使用不可の発生 2(緊急)

エージェント使用不可 2(緊急)

ブラックアウト開始 3(中) 

導出 

TicketIDが空白の場合 

 

チケットIDがアラートに示されていない場合、作成インシデントとみなされます。 

 

 

Category 

Service Managerであらかじめ設定されているカテゴリのshared infrastructureに相当します。 

sharedinfrastructure 

 

Subcategory 

Service Managerであらかじめ設定されているサブカテゴリのenterpriseに相当します。 

enterprise 

 

ProductType 

Service Managerであらかじめ設定されているProductTypeのapplicationsに相当します。 

applications 

 

ProblemType 

Service Managerであらかじめ設定されているProblemTypeのnoneに相当します。 

none 

 

PrimaryAssignmentGroup 

Service Managerであらかじめ設定されているプライマリ割当てグループのHELPDESKに相当します。 

HELPDESK 

 

Incident
Description 

EMUser: チケットの自動発行によってチケットが作成された場合の通知ルール所有者、およびチケットの手動発行によってチケットが作成された場合のEnterprise Managerログイン・ユーザー。

ターゲット・タイプ: <TargetType>

ターゲット名: <TargetName>

MetricColumn: CPU使用率(%)などのメトリックの名前。

MetricName: メトリックのカテゴリ。「CPU使用率(%)」メトリックの場合は「負荷」になります。

KeyColumn**: 一連のオブジェクトを監視するメトリックの場合、KeyColumnは監視されるオブジェクトのタイプを表します。たとえば表領域オブジェクトを監視する「表領域使用率(%)」メトリックの場合、KeyColumnは「表領域名」になります。

KeyValues**: 一連のオブジェクトを監視するメトリックの場合、KeyValuesは重大度をトリガーした特定のオブジェクトを表します。たとえば、表領域オブジェクトを監視する「表領域使用率(%)」メトリックでは、重大度が警告またはクリティカルのときにUSERS表領域がトリガーされる場合、KeyValuesは「USERS」になります。

SeverityCollectionTimeTargetHost URL: アラートのコンテキストでのメトリック詳細ページのURL。Service Manager WebコンソールのService Managerインシデントを指します。 

アラート・コンテキストからの値 

Brief
Description(タイトル) 

 

<Message>

注意: Brief Descriptionフィールドは、Service Managerでインシデント・タイトルとして表示されます。 

アラート・コンテキストからの値 

Journal
Updates 

 

<severity>重大度のアラートに基づいてOracle Enterprise Manager HP Service Manager Connectorによって作成されたインシデント。
メッセージ: <message> 

アラート・コンテキストからの値 

AlertStatus 

 

作成操作時、Service ManagerによってデフォルトでOpenに設定されます。 

"Open" 

表4-3のマッピングは、イベント・ステータスの変更によって生じたインシデントの更新に固有のものです。

表4-3    チケットの更新(Service_Manager_Default_Incident_AutoClose.xslマッピング) 
条件分岐  チケット属性  Enterprise Managerアラート属性   

 

IncidentID 

TicketID 

チケット発行アクションを処理する前に、コネクタによってアラート・コンテキストに追加されます。Service Manager Webサービスで更新対象のインシデントを識別するために必要です。 

TicketIDが空白でない場合 

CONDITIONAL 

<EM_alert_message> 

アラート・コンテキストからの値。 

 

IMTicketStatus 

静的な値 

Open 

 

Status 

静的な値 

Reopen 

 

JournalUpdates 

猶予期間内に<EM_severity>重大度で対応するアラートが再トリガーされたため、チケットが再オープンされます。メッセージ:
<EM_alert_message> 

アラート・コンテキストからの値。 

SeverityCodeが15の場合、または重大度が使用不可の回復、エージェント使用不可の回復、ブラックアウト終了、またはメトリック・エラー終了の場合 

CONDITIONAL 

Enterprise Managerアラート・ステータスが条件に合う場合、インシデントをクローズするインシデントで更新が発生します。 

 

 

Status 

静的な値 

 

 

JournalUpdates 

静的 

Oracle Enterprise Managerによってクローズされるインシデント。

注意: インシデントのクローズ後はジャーナル更新を表示できないため、この値は確認できません。 

 

ResolutionFixType 

Service Managerであらかじめ設定されている解決修正タイプのpermanentに相当します。 

Permanent 

 

ClosureCode 

Service Managerであらかじめ設定されているクローズ・コードのUser Closureに相当します。 

User Closure 

 

Resolution 

静的 

アラートは、Oracle Enterprise Managerによって解決されました。 

その他 

 

 

 

 

JournalUpdates 

関連するアラートの重大度の変更により、更新されたチケット。
重大度: <EM_severity>メッセージ:
<EM_alert_message> 

アラート・コンテキストからの値。 

4.3 チケット・テンプレートのカスタマイズ

あらかじめ用意されているチケット・テンプレートで要件を満たせない場合は、テンプレートを変更できます。テンプレートは細かくカスタマイズできます。複雑な変更は、XSLTに習熟したユーザーのみが行うことをお薦めします。

HP Service ManagerのWebサービスを使用して、公開されているデータを変更できます。Webサービス情報の公開方法については、HP Service Managerのドキュメントを参照してください。このコネクタでは、Incident Management WSDLが使用されます。

カスタマイズの手順

既存のテンプレートのいずれかを基本テンプレートとして使用することをお薦めします。そのチケット・テンプレートを新しいファイルにコピーし、変更を加えた後、新しいチケット・テンプレートとして登録してください。

マッピングの変更

ほとんどの場合、チケット・テンプレートを変更するときには、マッピングのみを変更します。例4-1でこの概念を説明します。

例4-1    Service Manager Incident Management WSDLで公開されている既存のデータ要素の追加

  1. あらかじめ用意されているテンプレート(.XSL)を選択し、コピーを作成します。たとえば、Service_Manager_Default_Incident_AutoClose.XSLService_Manager_Main_Incident_AutoClose.XSLにコピーします。

  2. 変更を反映するよう新しいXSLドキュメントを変更します。この例では、デフォルトの企業を固定値AJAXに設定する簡単な変更を行います。図4-1のように、新たにコピーしたXSLファイルを編集モードで開きます。

    図4-1    HP Service Managerテンプレートの変更


    XSLには、インシデントの作成と更新の2つの主な分岐があります。この例では、最初の分岐のみを変更します。

  3. 前述のインシデント作成ブロックのコードに移動します。次に示すようにCompany要素をコメント解除し、固定テキストAJAXを追加します。

    <m:Company>AJAX</m:Company>
    
    

    これによって、Service Managerフィールド値のCompanyに値AJAXを指定するよう、コネクタ・フレームワークに示されます。

  4. ファイルを保存し、3.4.1項「チケット・テンプレートの登録」の説明のとおりテンプレートを登録します。

  5. これで、テンプレートを通知ルールで使用したり、手動チケット作成のテンプレートとして使用できます。これを使用した場合、Service Managerインシデントの作成時にインシデント企業がAJAXになること以外、あらかじめ用意されているコピー元のテンプレートと同様に動作します。当然、AJAXは有効なService Manager企業である必要があります。そうでない場合、リクエストが失敗します。

これは、チケット・テンプレートのカスタマイズの簡単な例です。Enterprise ManagerのアラートとService Managerインシデント・チケットとの間のデータ・マッピングを管理する複雑なXSLコードを記述することもできます。


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