CREATE CACHE GROUP文は、次の処理を実行します。
キャッシュ・グループで定義される表を作成します。
キャッシュ・グループに関連付けられたすべての新しい情報を、適切なシステム表に挿入します。
キャッシュ・グループとは、Oracle Databaseの表からデータをキャッシュする表のセットのことで、外部キーを介して関連付けられます。 ルート表は1つで、この表は他の表を参照しません。 キャッシュ・グループに含まれる他のすべてのキャッシュ表は、キャッシュ・グループ内の表を1つのみ参照します。つまり、外部キーのリレーションシップによってツリーが形成されます。
キャッシュ表は、次の条件を満たす行の集合です。
Oracle表の垂直パーティションの行のサブセットで構成されている。
Oracle表と同じ名前のTimesTen表に保存されている。
データ・ストアに2つ以上のキャッシュ・グループがある場合、キャッシュ・グループは別々のOracle(およびTimesTen)表に対応している必要があります。
キャッシュ・グループ・インスタンスは、ルート表の1つの行と、ルート表の行に直接的または間接的に関連付けられている子表のすべての行を参照します。
ユーザー管理キャッシュ・グループおよびシステム管理キャッシュ・グループ
キャッシュ・グループは、システム管理またはユーザー管理のいずれかになります。
システム管理キャッシュ・グループは、TimesTenによって完全に管理され、プロパティは固定されています。 システム管理キャッシュ・グループには次のタイプがあります。
READONLY: 読取り専用キャッシュ・グループはOracleで更新され、Oracleからキャッシュに更新が伝播されます。
ASYNCHRONOUS WRITETHROUGH(AWT): AWTキャッシュ・グループはキャッシュで更新され、Oracleに更新が伝播されます。トランザクションはOracleでのコミットを待機せずに、キャッシュ上で続行します。
SYNCHRONOUS WRITETHROUGH(SWT): SWTキャッシュ・グループはキャッシュで更新され、Oracleに更新が伝播されます。トランザクションは、Oracleでコミットが発生したことを通知した後、キャッシュ上でコミットされます。
ローディングやアンローディングなど、システム管理のキャッシュ・グループはTimesTenによって管理されるため、これらのキャッシュ・グループの定義では、次のような特定の文や句は使用できません。
AWTおよびSWTキャッシュ・グループ定義でのWHERE句
キャッシュ表定義でのREADONLY、PROPAGATEおよびNOT PROPAGATE
AWTおよびSWTキャッシュ・グループ定義でのAUTOREFRESH
FLUSH CACHE GROUPおよびREFRESH CACHE GROUP操作は、AWTおよびSWTキャッシュ・グループでは使用できません。
AWTキャッシュ・グループを作成する前に、レプリケーション・エージェントを停止する必要があります。
ユーザー管理キャッシュ・グループは、アプリケーションまたはユーザーによって管理される必要があります。 ユーザー管理キャッシュ・グループのPROPAGATEは、同期型です。表レベルのREADONLYキーワードは、ユーザー管理キャッシュ・グループでのみ使用できます。
さらに、TimesTenとOracleの両方が、すべてのWHERE句を解析できる必要があります。
明示的にロードされるキャッシュ・グループおよび動的キャッシュ・グループ
明示的にロードされるキャッシュ・グループでは、LOAD CACHE GROUPまたはREFRESH CACHE GROUP文を使用してOracle表からTimesTenキャッシュ表に手動で新しいキャッシュ・インスタンスをロードするか、または自動リフレッシュ操作を使用して自動でロードします。
動的キャッシュ・グループでは、LOAD CACHE GROUPを使用してTimesTenキャッシュ表に手動で新しいキャッシュ・インスタンスをロードするか、または動的ロード操作を使用して要求時にロードできます。 動的キャッシュ・グループでの手動リフレッシュ操作または自動リフレッシュ操作では、既存のキャッシュ・インスタンスの更新または削除はできますが、新しいキャッシュ・インスタンスの挿入またはロードはできません。
どのキャッシュ・グループ・タイプ(READONLY、ASYNCHRONOUS WRITETHROUGH、SYNCHRONOUS WRITETHROUGH、USERMANAGED)でも、明示的にロードされるキャッシュ・グループとして定義できます。
AUTOREFRESHキャッシュ・グループ属性とPROPAGATEキャッシュ表属性の両方を持つユーザー管理キャッシュ・グループを除いて、どのキャッシュ・グループ・タイプでも動的キャッシュ・グループとして定義できます。
LRUエージングがデフォルトで定義されているため、動的キャッシュ・グループのデータはエージ・アウトされます。 ttAgingLRUConfig
組込みプロシージャを使用して、LRUエージングの領域使用しきい値を上書きします。 また、動的キャッシュ・グループに時間ベースのエージングを定義して、LRUエージングを上書きすることもできます。
明示的にロードされるキャッシュ・グループおよび動的キャッシュ・グループの詳細は、『Oracle In-Memory Database Cacheユーザーズ・ガイド』を参照してください。 動的ロード操作の詳細は、『Oracle In-Memory Database Cacheユーザーズ・ガイド』のキャッシュ・グループの動的ロードに関する説明を参照してください。
ローカル・キャッシュ・グループおよびグローバル・キャッシュ・グループ
ローカル・キャッシュ・グループまたはグローバル・キャッシュ・グループを作成できます。
ローカル・キャッシュ・グループでは、キャッシュ表のデータは、TimesTenデータベースが同じキャッシュ・グリッドのメンバーであってもTimesTenデータベース間で共有されません。 そのため、データベースに重複したデータまたは同じデータが含まれる可能性があります。 どのキャッシュ・グループ・タイプでもローカル・キャッシュ・グループとして定義できます。 ローカル・キャッシュ・グループは、動的または明示的にロードできます。
グローバル・キャッシュ・グループでは、キャッシュ表のデータはキャッシュ・グリッド内のTimesTenデータベース間で共有されます。 異なるグリッド・メンバーによる同じデータへの更新は、グリッドによって調整されます。 動的なAWTキャッシュ・グループのみ、グローバル・キャッシュ・グループとして定義できます。
ローカル・キャッシュ・グループおよびグローバル・キャッシュ・グループの詳細は、『Oracle In-Memory Database Cacheユーザーズ・ガイド』を参照してください。 特に、『Oracle In-Memory Database Cacheユーザーズ・ガイド』のグリッド・メンバー間でのデータ共有の例に関する説明を参照してください。
必要な権限
CREATE CACHE GROUPまたはCREATE ANY CACHE GROUPおよび
CREATE TABLE(キャッシュ・グループ内のすべての表が現在のユーザーによって所有されている場合)またはCREATE ANY TABLE(キャッシュ・グループ内の1つ以上の表が現在のユーザーによって所有されていない場合)
SQL構文
キャッシュ・グループのタイプごとに、次のようなCREATE CACHE GROUP文があります。
グローバル・キャッシュ・グループを作成するCREATE CACHE GROUP文は、次のとおりです。
CREATE READONLY CACHE GROUP
READONLYのキャッシュ・グループは、次の構文で作成します。
CREATE [DYNAMIC] READONLY CACHE GROUP [Owner.]GroupName [AUTOREFRESH [MODE {INCREMENTAL | FULL}] [INTERVAL IntervalValue {MINUTE[S] | SECOND[S] | MILLESECOND[S] }] [STATE {ON|OFF|PAUSED}] ] FROM {[Owner.]TableName ( {ColumnDefinition[,…]} [,PRIMARY KEY(ColumnName[,…])] [,FOREIGN KEY(ColumnName [,…]) REFERENCES RefTableName (ColumnName [,…]) [ON DELETE CASCADE] [UNIQUE HASH ON (HashColumnName[,…]) PAGES=PrimaryPages] [WHERE ExternalSearchCondition] [AGING USE ColumnName LIFETIME Num1 {MINUTE[S] |HOUR[S] | DAY[S]} [CYCLE Num2 {MINUTE[S] |HOUR[S] |DAY[S]}] [ON|OFF] ] } [,...];
CREATE ASYNCHRONOUS WRITETHROUGH CACHE GROUP
ASYNCHRONOUS WRITETHROUGHのキャッシュ・グループは、次の構文で作成します。
CREATE [DYNAMIC] [ASYNCHRONOUS] WRITETHROUGH CACHE GROUP [Owner.]GroupName FROM {[Owner.]TableName ( {ColumnDefinition[,…]} [,PRIMARY KEY(ColumnName[,…])] [FOREIGN KEY(ColumnName [,…]) REFERENCES RefTableName (ColumnName [,…])] [ ON DELETE CASCADE ] UNIQUE HASH ON (HashColumnName[,…]) PAGES=PrimaryPages] [AGING {LRU| USE ColumnName LIFETIME Num1 {MINUTE[S] |HOUR[S] |DAY[S]} [CYCLE Num2 {MINUTE[S] |HOUR[S] |DAY[S]}] }[ON|OFF] ] } [,...];
CREATE SYNCHRONOUS WRITETHROUGH CACHE GROUP
SYNCHRONOUS WRITETHROUGHのキャッシュ・グループは、次の構文で作成します。
CREATE [DYNAMIC] SYNCHRONOUS WRITETHROUGH CACHE GROUP [Owner.]GroupName FROM {[Owner.]TableName ( {ColumnDefinition[,…]} [,PRIMARY KEY(ColumnName[,…])] [FOREIGN KEY(ColumnName [,…]) REFERENCES RefTableName (ColumnName [,…])}] [ ON DELETE CASCADE ] [UNIQUE HASH ON (HashColumnName[,…]) PAGES=PrimaryPages] [AGING {LRU| USE ColumnName LIFETIME Num1 {MINUTE[S] |HOUR[S] |DAY[S]} [CYCLE Num2 {MINUTE[S] |HOUR[S] |DAY[S]}] }[ON|OFF] ] } [,...];
CREATE USERMANAGED CACHE GROUP
ユーザー管理キャッシュ・グループは、次の構文で作成します。
CREATE [DYNAMIC][USERMANAGED] CACHE GROUP [Owner.]GroupName [AUTOREFRESH [MODE {INCREMENTAL | FULL}] [INTERVAL IntervalValue {MINUTE[S] | SECOND[S] | MILLESECOND[S] }] [STATE {ON|OFF|PAUSED}] ] FROM {[Owner.]TableName ( {ColumnDefinition[,…]} [,PRIMARY KEY(ColumnName[,…])] [FOREIGN KEY(ColumnName[,…]) REFERENCES RefTableName (ColumnName [,…])] [ON DELETE CASCADE] [, {READONLY | PROPAGATE | NOT PROPAGATE}] [UNIQUE HASH ON (HashColumnName[,…]) PAGES=PrimaryPages] [WHERE ExternalSearchCondition] [AGING {LRU| USE ColumnName LIFETIME Num1 {MINUTE[S] |HOUR[S] |DAY[S]} [CYCLE Num2 {MINUTE[S] |HOUR[S] |DAY[S]}] }[ON|OFF] ] } [,...];
CREATE DYNAMIC ASYNCHRONOUS WRITETHROUGH GLOBAL CACHE GROUP
グローバルな動的キャッシュ・グループを作成してキャッシュ・グリッド内のデータをキャッシュするには、次の構文を使用します。
CREATE DYNAMIC ASYNCHRONOUS WRITETHROUGH GLOBAL CACHE GROUP [Owner.]GroupName FROM {[Owner.]TableName ( {ColumnDefinition[,…]} [,PRIMARY KEY(ColumnName[,…])] [FOREIGN KEY(ColumnName [,…]) REFERENCES RefTableName (ColumnName [,…])] [ ON DELETE CASCADE ] UNIQUE HASH ON (HashColumnName[,…]) PAGES=PrimaryPages] [AGING {LRU| USE ColumnName LIFETIME Num1 {MINUTE[S] |HOUR[S] |DAY[S]} [CYCLE Num2 {MINUTE[S] |HOUR[S] |DAY[S]}] }[ON|OFF] ] } [,...];
パラメータ
キャッシュ・グループ定義のFROMキーワードより前のパラメータは、次のとおりです。
パラメータ | 説明 |
---|---|
[ Owner .] GroupName |
新しいキャッシュ・グループに割り当てられる所有者および名前です。 |
[DYNAMIC] |
指定すると、動的キャッシュ・グループが作成されます。 |
AUTOREFRESH |
AUTOREFRESHパラメータは、Oracle Databaseからキャッシュ・グループに自動的に変更を伝播します。 詳細は、「キャッシュ・グループのAUTOREFRESH」を参照してください。 |
MODE [INCREMENTAL | FULL] |
自動リフレッシュ時に更新されるキャッシュ内の行を指定します。INCREMENTAL句が指定された場合、TimesTenは前回の伝播以降にOracleに加えられた変更のみをリフレッシュします。FULL句が指定された場合、TimesTenは自動リフレッシュのたびにキャッシュ内のすべての行を更新します。 デフォルトの自動リフレッシュ・モードはINCREMENTALです。 |
INTERVAL IntervalValue |
自動リフレッシュを行う時間隔を分、秒またはミリ秒の単位で指定します。IntervalValue には、AUTOREFRESHを実行する頻度をMINUTES、SECONDSまたはMILLISECONDSの単位の整数値で指定します。 IntervalValue のデフォルト値は5分です。指定した時間隔でAUTOREFRESHを完了できない場合は、実行時に警告が生成され、現在の処理が終了するまで次回のAUTOREFRESHを待機します。待機キューが10に達すると、サポート・ログに通知メッセージが生成されます。 |
STATE [ON | OFF | PAUSED] |
キャッシュ・グループの作成時に自動リフレッシュをON、OFFまたはPAUSEDのいずれにするかを設定します。 この設定は、ALTER CACHE GROUP文を使用して後で変更できます。デフォルトでは、自動リフレッシュの状態はPAUSEDです。 |
FROM |
キャッシュ・グループに1つ以上の表定義を指定します。 |
FROMキーワード以降のすべての記述は、キャッシュ・グループがキャッシュするOracle表の定義で構成されています。各表定義の構文は、CREATE TABLE文と同様です。 ただし、キャッシュ・グループ表には、主キー制約が必要です。
表定義には、次のパラメータがあります。
パラメータ | 説明 |
---|---|
[ Owner .] TableName |
新しい表に割り当てる所有者および名前です。所有者名を指定しない場合は、新しい表の所有者名としてログイン名が使用されます。 |
ColumnDefinition |
表の個々の列の名前、データ型およびNULL値可能かどうかを指定します。各表には、列が少なくとも1つ必要です。 詳細は、「列定義」を参照してください。 |
PRIMARY KEY ( ColumnName [,…]) |
表に主キーを指定します。 キャッシュ・グループには、主キー制約が必要です。 ColumnName は、作成される表の主キー列の名前です。 主キーには最大16列を指定できます。1つの指定内でUNIQUEとともに指定することはできません。 |
FOREIGN KEY ( ColumnName [,…]) |
表に外部キーを指定します。 ColumnName は、作成される表の外部キー列の名前です。「FOREIGN KEY 」を参照してください。 |
REFERENCES RefTableName ( ColumnName [,…]) |
外部キーを関連付ける表を指定します。 RefTableName は参照される表の名前で、ColumnName はその表の参照される列の名前です。 |
[ON DELETE CASCADE] |
ON DELETE CASCADE参照アクションを有効にします。指定されている場合、参照先キーの値を含む行が親表から削除されると、依存する外部キーの値を持つ子表の行も削除されます。 |
READONLY |
キャッシュされた表に対する変更の禁止を指定します。 |
PROPAGATE| NOT PROPAGATE |
キャッシュされた表への変更が、コミット時に自動的に対応するOracle表に伝播されるかどうかを指定します。 |
UNIQUE HASH ON ( HashColumnName ) |
この表にハッシュ索引を作成することを指定します。 HashColumnName には、この表のハッシュ・キーに含める列を指定します。ハッシュ索引に指定される列は、主キーの列と同じである必要があります。 |
PAGES= PrimaryPages |
表の想定ページ数を指定します。 PrimaryPages の数値に基づいて、ハッシュ索引用に作成されるハッシュ・バケットの数が決まります。最小値は1です。想定したページ数が少なすぎると、パフォーマンスが低下します。 詳細は、「CREATE TABLE」を参照してください。 |
WHERE ExternalSearchCondition |
WHERE句は、Oracleにより、キャッシュ・グループ表に対して評価されます。このWHERE句は、キャッシュ・グループに対するすべてのLOADとREFRESH処理に追加されます。他の表を直接参照することはできません。これはTimesTenおよびOracleの両方で解析されます。 『Oracle In-Memory Database Cacheユーザーズ・ガイド』のWHERE句の使用に関する説明を参照してください。 |
AGING LRU [ON | OFF] |
指定する場合、ルート表にLRUエージング・ポリシーを定義します。LRUエージング・ポリシーはキャッシュ・グループのすべての表に適用します。LRUエージング・ポリシーでは、エージングのタイプ(LRU)、エージング状態(ONまたはOFF)およびLRUエージング属性を定義します。
エージング状態をONまたはOFFのいずれかに設定します。ONはエージング状態が有効であり、エージングが自動的に実行されることを示します。OFFはエージング状態が無効であり、エージングが自動的に実行されないことを示します。両方の場合、エージング・ポリシーが定義されます。デフォルトはONです。 動的キャッシュ・グループでは、LRUエージングはデフォルトでONに設定されます。 かわりに時間ベースのエージングを指定できます。 LRU属性はプロシージャ LRUエージングは、自動リフレッシュが設定されたキャッシュ・グループではサポートされません。 LRUエージングの詳細は、『Oracle In-Memory Database Cacheユーザーズ・ガイド』のキャッシュ・グループでのエージングの実装に関する説明を参照してください。 |
AGING USE ColumnName ...[ON|OFF] |
指定する場合、ルート表に時間ベースのエージング・ポリシーを定義します。時間ベースのエージング・ポリシーはキャッシュ・グループのすべての表に適用します。時間ベースのエージング・ポリシーでは、エージングのタイプ(時間ベース)、エージング状態(ONまたはOFF)および時間ベースのエージング属性を定義します。
エージング状態をONまたはOFFのいずれかに設定します。ONはエージング状態が有効であり、エージングが自動的に実行されることを示します。OFFはエージング状態が無効であり、エージングが自動的に実行されないことを示します。両方の場合、エージング・ポリシーが定義されます。デフォルトはONです。 時間ベースのエージング属性はSQLレベルで定義され、LIFETIME句およびCYCLE句で指定します。 時間ベース・エージングに使用する列の名前として エージングに使用される列の値は、アプリケーションによって更新されます。この列の値が不明な行がある場合、その行がエージ・アウトされないようにするには、列に大きなデフォルト値を定義します(この列はNULLにはできません)。 時間ベースのエージングの詳細は、『Oracle In-Memory Database Cacheユーザーズ・ガイド』のキャッシュ・グループでのエージングの実装に関する説明を参照してください。 |
LIFETIME Num1 {MINUTE[S]|HOUR[S]DAY[S]} |
LIFETIMEは時間ベースのエージング属性で、必須の句です。
AGING USE LIFETIME句には、データがキャッシュに保持されることが保証される時間を指定します。
時間の単位の概念がサポートされています。時間の単位にDAYSを指定した場合、タイムスタンプの日付が同じ日になっているすべての行が同時にエージ・アウトされます。また、HOURSを時間の単位に指定した場合は、タイムスタンプ値の時間が同じ行が、すべて同時にエージ・アウトされます。LIFETIMEの3 DAYSは、LIFETIMEの72 HOURS(3×24)やLIFETIMEの432 MINUTES(3×24×60)とは異なります。 |
[CYCLE Num2 {MINUTE[S] |HOUR[S]| DAY[S]}] |
CYCLEは時間ベースのエージング属性で、オプションです。LIFETIME句の後にCYCLE句を指定します。
CYCLE句は、データが指定したLIFETIME値を超えているかどうか、その結果エージ・アウト(削除)する必要があるかどうかを確認するために、システムで行をチェックする頻度を指定します。
CYCLE句を指定しない場合、デフォルト値は5分です。 エージング状態がOFFの場合、エージングは自動的に実行されず、CYCLE句は無視されます。 |
説明
2つのキャッシュ・グループで所有者名とグループ名を同じにすることはできません。所有者名を指定しない場合、ログイン名が新しいキャッシュ・グループの所有者名になります。
WHERE句に動的パラメータを指定することはできません。
Oracleの一時表はキャッシュできません。
各表は、Oracle Databaseの表と対応している必要があります。
小文字のデリミタ付き識別子を使用してキャッシュ表に名前を付けることはできません。 TimesTenの表の名前は大文字と小文字が区別されず、大文字として格納されます。 キャッシュ表の名前は、Oracle表の名前と同じである必要があります。 TimesTenの大文字の表名は、大文字と小文字が混在するOracleの表の名前と一致しません。解決方法として、Oracleの表のシノニムを作成し、そのシノニムをキャッシュ・グループの表名として使用します。 この解決方法は、読取り専用キャッシュ・グループまたはAUTOREFRESH属性を持つキャッシュ・グループには適用できません。
キャッシュ表の各列の名前およびデータ型は、Oracle表の各列の名前およびデータ型と一致している必要があります。 『Oracle In-Memory Database Cacheユーザーズ・ガイド』のOracleとTimesTenのデータ型のマッピングに関する説明を参照してください。また、WHERE句内で列名を参照する場合は、各列名を所有者と表名で完全に修飾する必要があります。
WHERE句は、キャッシュ・グループ表のみ直接参照できます。 キャッシュ・グループ外の表は、副問合せでのみ参照できます。
一般的には、CREATE CACHE GROUP、LOAD、UNLOAD、REFRESHまたはFLUSH文のWHERE句の列名を完全に修飾する必要はありません。ただし、同一キャッシュ・グループ内の複数の表を結合する問合せがTimesTenによって自動的に生成されるため、キャッシュ・グループ内の1つ以上の表に同じ名前の列がある場合、列は完全に修飾される必要があります。
デフォルトでは、キャッシュ・グループ表で主キーを使用するために範囲索引が作成されます。主キーに対してハッシュ索引を指定するには、UNIQUE HASH句を使用してください。
アプリケーションでキャッシュ・グループ表の主キーに対して範囲問合せを実行する場合は、UNIQUE HASH句を省略して、そのキャッシュ・グループ表に対して範囲索引を選択してください。
ただし、主キーの完全一致検索のみをアプリケーションで実行する場合は、ハッシュ索引の方がレスポンス時間およびスループットが優れている場合があります。その場合は、UNIQUE HASH句を指定します。 UNIQUE HASH句の詳細は、「CREATE TABLE」を参照してください。
表の主キーで使用する索引を変更するには、ALTER TABLEを使用します。
伝播属性が指定されたキャッシュ・グループ表と、SWTキャッシュ・グループおよびAWTキャッシュ・グループの表の場合、ON DELETE CASCADEで指定する外部キーは、Oracle表のON DELETE CASCADEで指定されている外部キーの適切なサブセットであることが必要です。
AUTOREFRESHパラメータは、Oracle DatabaseからTimesTenキャッシュ・グループに自動的に変更を伝播します。 明示的にロードされるキャッシュ・グループの場合、削除、更新および挿入がOracle Databaseからキャッシュ・グループに自動的に伝播されます。 動的キャッシュ・グループの場合、削除と更新のみが伝播されます。 指定されたOracle表への挿入は動的キャッシュ・グループには伝播されません。 これらは、アプリケーションで参照されたときに、動的にIMDB Cacheにロードされます。 また、アプリケーションで明示的にロードすることもできます。
キャッシュ・グループでAUTOREFRESHを使用するには、キャッシュ・グループを作成する際にAUTOREFRESHを指定する必要があります。MODE、STATEおよびINTERVAL AUTOREFRESHの設定は、ALTER CACHE GROUPコマンドを使用することによって、キャッシュ・グループが作成された後で変更できます。キャッシュ・グループをAUTOREFRESHまたはPROPAGATEに指定した後は、これらの属性を変更することはできません。
TimesTenでは、FULL AUTOREFRESHまたはINCREMENTAL AUTOREFRESHがサポートされています。FULLモードでは、キャッシュ全体が定期的にアンロードされてから再ロードされます。 INCREMENTALモードでは、Oracle Databaseにトリガーがインストールされて変更の追跡が行われ、特定のOracle表で変更された行のみが定期的に更新されます。 自動リフレッシュの状態がPAUSEDになっている場合を除き、最初の増分リフレッシュは常に完全リフレッシュになります。デフォルトのモードはINCREMENTALです。
Oracle表のほとんどの行が変更されている場合は、FULL AUTOREFRESHがより有効です。変更が少ない場合は、INCREMENTAL AUTOREFRESHがより有効です。
TimesTenは、AUTOREFRESHを指定した文を含むトランザクションがコミットされたときに、AUTOREFRESH操作をスケジュールします。AUTOREFRESHをスケジュールする文は、次のとおりです。
AUTOREFRESHを指定し、AUTOREFRESH状態をONに指定したCREATE CACHE GROUP文
AUTOREFRESH状態をONに変更したALTER CACHE GROUP文
自動リフレッシュの状態がPAUSEDに指定されている、空のキャッシュ・グループに対して実行されるLOAD CACHE GROUP文
AUTOREFRESHの頻度は、指定した時間隔によって決まります。
AUTOREFRESHのSTATEには、ON、OFFまたはPAUSEDが指定できます。デフォルトでは、自動リフレッシュの状態はPAUSEDです。
NOT PROPAGATE属性とAUTOREFRESH属性を同時に使用することはできません。
時間ベースのエージングでは、スライド期間を指定できます。 『Oracle In-Memory Database Cacheユーザーズ・ガイド』のスライド期間の構成に関する説明を参照してください。
表のエージング・ポリシーを定義した後に、エージング・ポリシーをLRUから時間ベースに、または時間ベースからLRUに変更できません。最初にエージングを削除し、表を変更して新しいエージング・ポリシーを追加する必要があります。
エージング・ポリシーは、エージング状態を変更するように定義する必要があります。
1つのシステムでLRUエージングと時間ベースのエージングの両方を組み合せて使用できます。LRUエージングのみを使用する場合、エージング・スレッドはデータ・ストア全体に指定されたサイクルに基づいて起動します。一方、時間ベースのエージングのみを使用する場合、エージング・スレッドは最適な頻度に基づいて起動します。この頻度は、すべての表のCYCLE句に指定された値によって決定されます。LRUエージングと時間ベースのエージングの両方を使用する場合は、両方のタイプを組み合せて考慮した上でスレッドが起動します。
エージング状態がONかOFFかにかかわらずエージング処理をすぐにスケジュールするには、ttAgingScheduleNow
プロシージャをコールします。
LRUエージングでは、行がアクセスされているかまたは参照されているかどうかを、次のルールで判断します。
SELECT文の結果セットを構築するために使用された行
INSERT...SELECT文の結果セットを構築するために使用された行
更新または削除対象の行
コマンドで参照される表に対してLRUエージングの削除や追加を行うと、コンパイルされたコマンドは無効と指定され、再コンパイルが必要になります。
LRUエージングでは、子行がエージングの対象でない場合、この子行とその親行は削除されません。ON DELETE CASCADEの設定は無視されます。
時間ベースのエージングでは、親行がエージングの対象である場合、すべての子行が削除されます。ON DELETE CASCADEは、設定の有無にかかわらず無視されます。
ルート表にLRUエージング・ポリシーまたは時間ベースのエージング・ポリシーを指定します。ポリシーはキャッシュ・グループのすべての表に適用します。
時間ベースのエージング・ポリシーの場合、エージング列を追加または変更できません。これは、NOT NULL列を追加または変更できないためです。
キャッシュ・グループのエージングを定義する場合の制限:
LRUエージングは、自動リフレッシュ属性が設定されたキャッシュ・グループではサポートされません。
キャッシュ・エージェントがアクティブの間は、読取り専用キャッシュ・グループまたはAUTOREFRESH属性を持つキャッシュ・グループに対するエージング・ポリシーの追加、変更または削除はできません。まず、キャッシュ・エージェントを停止してください。
時間ベースのエージングに使用されている列は削除できません。
キャッシュ・グリッド内のデータをキャッシュするには、動的なASYNCHRONOUS WRITETHROUGHグローバル・キャッシュ・グループを作成する必要があります。 このキャッシュ・グループを作成する前に、TimesTenデータベースをキャッシュ・グリッドと関連付けておく必要があります。 キャッシュ・グリッドおよびグローバル・キャッシュ・グループの作成と使用の詳細は、『Oracle In-Memory Database Cacheユーザーズ・ガイド』のキャッシュ・グリッドおよびグローバル・キャッシュ・グループの説明を参照してください。
例
READONLYキャッシュ・グループを作成します。
CREATE READONLY CACHE GROUP customerorders AUTOREFRESH INTERVAL 10 MINUTES FROM customer (custid INT NOT NULL, name CHAR(100) NOT NULL, addr CHAR(100), zip INT, region CHAR(10), PRIMARY KEY(custid)), ordertab (orderid INT NOT NULL, custid INT NOT NULL, PRIMARY KEY (orderid), FOREIGN KEY (custid) REFERENCES customer(custid));
ASYNCHROUS WRITETHROUGHキャッシュ・グループを作成します。
CREATE ASYNCHRONOUS WRITETHROUGH CACHE GROUP cstomers FROM customer (custid INT NOT NULL, name CHAR(100) NOT NULL, addr CHAR(100), zip INT, PRIMARY KEY(custid));
SYNCHRONOUS WRITETHROUGHキャッシュ・グループを作成します。
CREATE SYNCHRONOUS WRITETHROUGH CACHE GROUP customers FROM customer (custid INT NOT NULL, name CHAR(100) NOT NULL, addr CHAR(100), zip INT, PRIMARY KEY(custid));
USERMANAGEDキャッシュ・グループを作成します。
CREATE USERMANAGED CACHE GROUP updateanywherecustomers AUTOREFRESH MODE INCREMENTAL INTERVAL 30 SECONDS STATE ON FROM customer (custid INT NOT NULL, name CHAR(100) NOT NULL, addr CHAR(100), zip INT, PRIMARY KEY(custid), PROPAGATE);
時間ベースのエージングが指定されたキャッシュ・グループを作成します。 エージング用の列として、agetimestamp
を指定します。 LIFETIMEは2時間、CYCLEは30分を指定します。エージング状態は指定しないため、デフォルト設定(ON)が使用されます。
CREATE READONLY CACHE GROUP agingcachegroup AUTOREFRESH MODE INCREMENTAL INTERVAL 5 MINUTES STATE PAUSED FROM customer (customerid NUMBER NOT NULL, agetimestamp TIMESTAMP NOT NULL, PRIMARY KEY (customerid)) AGING USE agetimestamp LIFETIME 2 HOURS CYCLE 30 MINUTES; Command> DESCRIBE customer; Table USER.CUSTOMER: Columns: *CUSTOMERID NUMBER NOT NULL AGETIMESTAMP TIMESTAMP (6) NOT NULL AGING USE AgeTimestamp LIFETIME 2 HOURS CYCLE 30 MINUTES ON 1 table found. (primary key columns are indicated with *)
Oracleで大文字と小文字が混在するデリミタ付き識別子の表名にシノニムを使用すると、大文字と小文字が混在する表名をTimesTenでキャッシュできます。最初に、大文字と小文字が混在するOracle表の名前をキャッシュしてみます。 「Could not find 'NameofTable' in Oracle」
というエラーが表示されます。
Command> AUTOCOMMIT 0; Command> PASSTHROUGH 3; Command> CREATE TABLE "MixedCase" (col1 NUMBER PRIMARY KEY NOT NULL); Command> INSERT INTO "MixedCase" VALUES (1); 1 row inserted. Command> COMMIT; Command> CREATE CACHE GROUP MixedCase1 from "MixedCase" (col1 NUMBER PRIMARY KEY NOT NULL); 5140: Could not find SAMPLEUSER.MIXEDCASE in Oracle. May not have privileges. The command failed.
次に、シノニム"MIXEDCASE"
を作成し、そのシノニムを表名として使用します。
Command> AUTOCOMMIT 0; Command> PASSTHROUGH 3; Command> CREATE SYNONYM "MIXEDCASE" FOR "MixedCase"; Command> COMMIT; Command> CREATE CACHE GROUP MixedCase2 FROM "MIXEDCASE" (col1 NUMBER PRIMARY KEY NOT NULL); Warning 5147: Cache group contains synonyms Command> COMMIT;
読取り専用キャッシュ・グループまたはAUTOREFRESH属性を持つキャッシュ・グループでシノニムの名前を使用してみます。次のエラーが表示されます。
Command> AUTOCOMMIT 0; Command> PASSTHROUGH 3; Command> CREATE SYNONYM "MIXEDCASE_AUTO" FOR "MixedCase"; Command> COMMIT; Command> CREATE READONLY CACHE GROUP MixedCase3 AUTOREFRESH MODE INCREMENTAL INTERVAL 10 MINUTES FROM "MIXEDCASE_AUTO" (Col1 NUMBER PRIMARY KEY NOT NULL); 5142: Autorefresh is not allowed on cache groups with Oracle synonyms The command failed.
関連項目