10.x より前の環境でカスタマイズ バージョンのノード マネージャを使用している場合、WebLogic アップグレード ウィザードを使用して、ノード マネージャを WebLogic Server 10.3.1 のアプリケーション環境で使用できるようアップグレードすることができます。
次の節では、WebLogic アップグレード ウィザードを使用してノード マネージャをアップグレードする方法について説明します。
ノード マネージャの詳細については、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server ノード マネージャ管理者ガイド』の「ノード マネージャの概要」を参照してください。
ノード マネージャのアップグレードでは、アップグレードするノード マネージャのホーム ディレクトリを指定します。WebLogic アップグレード ウィザードは次のタスクを実行します。
ノード マネージャが WebLogic Server 10.3.1 のアプリケーション環境で実行されるよう、指定されたディレクトリにあるノード マネージャをアップグレードする。アップグレード ウィザードは nodemanager.properties ファイルをアップグレードして NodeManagerSerializedSystemIni.dat を nm_data.properties に変換する。
注意 : nodemanager.properties ファイルは書き込み可能にしてください。 |
既存のログと状態管理ファイルのバックアップを作成し、weblogic-nodemanager-backup.zip という名前の zip ファイルに保存する。
既存のノード マネージャ ファイルは、アップグレード プロセス中にすべて上書きされます。
ドメインをアップグレードするときにノード マネージャの認可に使用されるユーザ名とパスワードを指定するよう求められます。詳細については、「表 5-1 WebLogic ドメインをアップグレードする手順」を参照してください。10.0 より前のバージョンでノード マネージャによって使用されているリスン ポート番号は、アップグレード プロセスでも維持されます。
注意 : 10.3.1 製品をインストールするとき、ノード マネージャのリスン ポートを 10.0 より前のバージョンで使用されているリスン ポートと同じ番号に設定するようにしてください。ノード マネージャのデフォルトのリスン ポート番号は 5556 です。 |
アップグレード プロセスが完了したら、以下のタスクを実行します。
「手順 4 : ノード マネージャへのマシンの登録」の説明に従って、マシンをノード マネージャに登録
ノード マネージャのユーザ名、パスワード、およびリスン ポートが適切に設定されていることを確認
WebLogic Server 10.3.1 環境で実行するすべてのノード マネージャ インスタンスをアップグレードする必要があります。具体的には、ドメイン内のすべてのマシンのノード マネージャをアップグレードする必要があります。WebLogic アップグレード ウィザードでは、次のどちらかのモードでアップグレードを実行することができます。
グラフィカル : グラフィカル ユーザ インタフェースを使用して対話形式でノード マネージャをアップグレードする場合に使用する。
サイレント : アップグレード要件をファイルで指定してバックグラウンドでノード マネージャをアップグレードする場合に使用する。
ドメイン内のすべてのマシンのノード マネージャをアップグレードする必要があります。
以下の節では、ノード マネージャをアップグレードする方法について説明します。
次の節では、グラフィカル モードで WebLogic アップグレード ウィザードを使用してノード マネージャをアップグレードする方法について説明します。
ノード マネージャをアップグレードするためグラフィカル モードで WebLogic アップグレード ウィザードを起動する方法
注意 : グラフィカル モードでアップグレード ウィザードを実行するために使用するコンソールでは、Java ベースの GUI がサポートされていなければなりません。グラフィカル表示をサポートしていないシステム上でアップグレード ウィザードをグラフィカル モードで起動しようとすると、エラー メッセージが表示されます。 |
グラフィカル モードで WebLogic アップグレード ウィザードを起動してノード マネージャをアップグレードするには、次の手順に従います。
WebLogic ドメインが稼動していないことを確認します。
MS-DOS コマンド プロンプト ウィンドウ (Windows) またはコマンド シェル (UNIX) を開き、「手順 6 : 環境の設定」の説明に従って環境を設定します。
ノード マネージャ ディレクトリが 10.0 より前のバージョンのインストール ディレクトリ、たとえばデフォルトのディレクトリである WL_HOME/common/nodemanager (WL_HOME は WebLogic Server のインストール先のルート ディレクトリ) にある場合は、そのノード マネージャ ディレクトリの内容を、次に示す 10.3.1 のインストール ディレクトリにコピーします。
MW_HOME/wlserver_10.3/common/nodemanager
この場合、10.3.1 のインストール ディレクトリにある、ノード マネージャの「コピー」をアップグレードする必要があります。
注意 : 現在のディレクトリ構造は維持されなければなりません。ログ ファイル (.log) は新しい場所にコピーする必要はありません。 |
ノード マネージャ ディレクトリが 10.0 より前のバージョンのインストール先のディレクトリにない場合は、この手順を省略することができます。
コマンド プロンプトで、次のコマンドを入力します。
java weblogic.Upgrade -type nodemanager [-out file]
-out
引数は省略可能です。これにより、すべての標準出力 (stdout
) とエラー メッセージが書き込まれるファイルを指定することができます。デフォルトでは、これらのメッセージはコマンド ウィンドウに書き込まれ、アップグレード プロセスの終了時にそのサマリが表示されます。
このコマンドを実行すると、図 4-1 のように WebLogic アップグレード ウィザードが起動します。
[次へ] をクリックして、次のウィンドウに進みます。
表 4-1 に、WebLogic アップグレード ウィザードを使用してノード マネージャをアップグレードする手順の概要を示します。
表 4-1 ノード マネージャをアップグレードする手順
手順 | 実行する操作 |
---|---|
ノード マネージャ ホーム ディレクトリの選択 |
ローカルのディレクトリ階層を移動してアップグレードするノード マネージャ インスタンスのホーム ディレクトリを選択する。 ノード マネージャのホーム ディレクトリには、nodemanager.properties ファイル、ログ、およびその他の関連ファイルが格納されている。ノード マネージャにより生成されるファイル セットは、リリースとサービス パックにより異なる。 ノード マネージャのデフォルトのホーム ディレクトリは、WL_HOME/common/nodemanager (WL_HOME は WebLogic Server のインストール先のルート ディレクトリ)。 [次へ] をクリックして、次のウィンドウに進む。 |
ノード マネージャ ホーム ディレクトリのアップグレード |
ウィザードの進行状況 (アップグレードされたコンフィグレーションの保存やアップグレード プロセス中に作成された一時ファイルの削除) を確認する。進行状況を通知するメッセージがウィンドウに表示される。 このプロセスが完了したら、[次へ] をクリックして、次のウィンドウに進む。 |
アップグレード完了 |
アップグレードが完了したら表示されるアップグレード結果を確認する (さらなる検討を要する重要なメッセージなど)。 [完了] をクリックして WebLogic アップグレード ウィザードを閉じる。 注意 : ノード マネージャを使用する前に、「手順 4 : ノード マネージャへのマシンの登録」の説明に従って、マシンを登録する必要がある。この手順は、WebLogic ドメインのアップグレード プロセスが完了してから実行すること。 |
たとえば、ノード マネージャがリモート マシンにある場合などに、WebLogic アップグレード ウィザードをグラフィカル モードで使用するのは合理的ではありません。このような場合、ウィザードをサイレント モードで使用して、ノード マネージャをアップグレードすることができます。
サイレント モードで WebLogic アップグレード ウィザードを起動してノード マネージャをアップグレードするには、次の手順に従います。
ドメイン内のノード マネージャとすべての WebLogic Server インスタンスが稼動していないことを確認します。
MS-DOS コマンド プロンプト ウィンドウ (Windows) またはコマンド シェル (UNIX) を開き、「手順 6 : 環境の設定」の説明に従って環境を設定します。
ノード マネージャ ディレクトリが 10.0 より前のバージョンのインストール ディレクトリ、たとえばデフォルトのディレクトリである WL_HOME/common/nodemanager (WL_HOME は WebLogic Server のインストール先のルート ディレクトリ) にある場合は、そのノード マネージャ ディレクトリの内容を 10.3.1 のインストール ディレクトリにコピーします。
この場合、10.3.1 のインストール ディレクトリにある、ノード マネージャの「コピー」をアップグレードする必要があります。
注意 : 現在のディレクトリ構造は維持されなければなりません。ログ ファイル (.log) は新しい場所にコピーする必要はありません。 |
ノード マネージャ ディレクトリが 10.0 より前のバージョンのインストール先のディレクトリにない場合は、この手順を省略することができます。
(省略可能) アップグレード要件を定義する XML スクリプトを作成します。詳細については、「サイレント アップグレード用 XML スクリプト リファレンス」を参照してください。
アップグレードするノード マネージャ ディレクトリに移動します。
コマンド プロンプトで、次のコマンドを入力します。
java weblogic.Upgrade -mode silent -type nodemanager [-responses xmlfile] [-out file]
-responses
引数と -out
引数は省略可能です。この 2 つの引数は、次の設定のデフォルト値をオーバーライドする場合に含めます。
アップグレード要件を定義する XML ファイルの場所。-responses
引数でファイルを指定しない場合、ウィザードはデフォルト値をアップグレード プロセスで使用します。XML ファイルの形式とデフォルト値の詳細については、「サイレント アップグレード用 XML スクリプト リファレンス」を参照してください。
すべての標準出力 (stdout
) とエラー メッセージが書き込まれる出力ファイル。-out
引数でファイルを指定しない場合、これらのメッセージはコマンド ウィンドウに書き込まれます。
注意 : ノード マネージャを使用する前に、「手順 4 : ノード マネージャへのマシンの登録」の説明に従って、マシンを登録する必要があります。この手順は、WebLogic ドメインのアップグレード プロセスが完了してから実行してください。 |