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Oracle Business Intelligence新機能ガイド
リリース10.1.3.4.1
B54795-01
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24 BI Publisherリリース10.1.3.3.3の新機能

この章では、リリース10.1.3.3.3で導入されリリース10.1.3.3.3〜10.1.3.4に適用されるBI Publisher機能について説明します。これらの機能については、リリース10.1.3.4用に更新されたBI Publisherドキュメント・セットにも記載されています。この章の内容は次のとおりです。

24.1 BI Publisherスケジューラ設定の更新版ではDataDirect Connect for JDBCドライバがバンドルされている

リリース10.1.3.3.3のBI Publisherでは、HyperionブランドのDataDirect Connect for JDBCドライバが付属しています。このドライバは、BI Publisherスケジューラ・データベースへの接続を設定するために使用できます。このドライバは、データベース・ベンダーが用意したネイティブJDBCドライバの代替ドライバとして使用できます。DataDirectドライバはBI Publisherとともにパッケージ化されているので、ドライバを手動でダウンロードしてインストールする必要はありません。

DataDirect Connect for JDBCドライバは、次のデータベース用に用意されています。

また今回のリリースでは、BI Publisherの「スケジューラ構成」ページも機能拡張されており、サポート対象スケジューラ・データベースの設定が容易になっています。

24.1.1 DataDirect ConnectドライバまたはネイティブJDBCドライバの使用に関する推奨事項

次の表は、サポート対象スケジューラ・データベース用のドライバ推奨事項を示しています。

データベース ネイティブJDBCドライバ DataDirect JDBCドライバ
Oracle 9i、Oracle 10g 推奨 サポート対象
IBM DB2 v8.1、v9.1 サポート対象 推奨
Microsoft SQL Server 2000、SQL Server 2005 サポート対象 推奨
MySQL 4.1.10a-NT、5.0 サポート対象 未提供

24.1.2 DataDirect Connect for JDBCドライバによるスケジューラ・データベースへの接続の設定

次の手順に従って、DataDirect Connect for JDBCドライバを使用してスケジューラ・データベースを設定します。

  1. 管理者資格証明を使用してBI Publisherにログインし、「管理」タブを選択します。

  2. システム・メンテナンス」で、「スケジューラ構成」を選択します。

  3. 次の各項に示すように、適切な接続文字列とデータベース・ドライバ・クラスを使用して、使用しているデータベース用のデータベース接続情報を入力します。

  4. 使用しているデータベース用の「ユーザー名」と「パスワード」を入力します。ユーザーは、データベースに接続しテーブルを作成できる権限が付与されている必要があります。

  5. 接続のテスト」をクリックし、BI Publisherがデータベースに接続できることを確認します。接続が失敗した場合、前述に示したフィールドに適切な情報が入力されていて、データベースが適切に設定されていることを確認します。

  6. スキーマのインストール」をクリックし、BI Publisherスケジューラのスキーマをデータベースにインストールします。

  7. BI Publisherアプリケーションを再起動します。

  8. スケジューラ・データベースがIBM DB2かMySQLの場合、データベースで新規作成したスケジューラ・テーブルのBLOB列のサイズを設定します(該当する場合)。第24.1.3項「BLOB列のサイズの設定」を参照してください。

24.1.2.1 IBM DB2用接続情報の入力

スケジューラ・データベースがIBM DB2 v8かIBM DB2 v9の場合、次を入力します。


注意:

スケジューラを構成するために入力するユーザーが、32Kページのサイズの表領域で設定されていることを確認してください。設定されていない場合、テーブルを作成しユーザーに割り当てます。またユーザーは、データベースに接続しテーブルを作成できる権限が付与されている必要があります。

  • データベース・タイプ: 「IBM DB2 v9」か「IBM DB2 v8」をリストから選択します。

  • 接続文字列: 次の接続文字列パラメータを入力します。

    jdbc:hyperion:db2://<hostname>:<port>;DatabaseName=<DATABASENAME>

    次に例を示します。

    jdbc:hyperion:db2:// 130.35.50.180:50000;DatabaseName=SAMPLE

  • データベース・ドライバ・クラス: hyperion.jdbc.db2.DB2Driver

24.1.2.2 Microsoft SQL Server用接続情報の入力

スケジューラ・データベースがMicrosoft SQL Server 2000かSQL Server 2005の場合、次を入力します。


注意:

使用しているMicrosoft SQL Serverが混合認証モードで設定されていることを確認してください。また、スケジューラを構成するために入力するユーザーにdb_ownerロールが付与されていることを確認してください。

  • データベース・タイプ: 「Microsoft SQL Server 2000」か「Microsoft SQL Server 2005」をリストから選択します。

  • 接続文字列: 次の接続文字列パラメータを入力します。

    jdbc:hyperion:sqlserver://<hostname>:<port>;DatabaseName=<Databasename>

    次に例を示します。

    jdbc:hyperion:sqlserver://my.databaseserver.com:1433;DatabaseName=BIPublisher

  • データベース・ドライバ・クラス: hyperion.jdbc.sqlserver.SQLServerDriver

24.1.2.3 Oracle用接続情報の入力

スケジューラ・データベースがOracle 10gかOracle 9iの場合、次を入力します。


注意:

入力するデータベース・ユーザーには、データベースに接続しセッションやテーブルを作成できる権限が付与されているだけでなく、割当て制限(たとえば、USERSには100M、TEMPには1M)が割り当てられていることを確認してください。

  • データベース・タイプ: 「Oracle 10g」か「Oracle 9i」をリストから選択します。

  • 接続文字列: 次の接続文字列パラメータを入力します。

    jdbc:oracle:thin:@<hostname>:<port#>:<oracle SID>

    次に例を示します。

    jdbc:oracle:thin:@bipub.mycompany.com:1521:bipub

  • データベース・ドライバ・クラス: oracle.jdbc.driver.OracleDriver

24.1.2.4 MySQL用接続情報の入力

スケジューラ・データベースがMySQL 4.1かMySQL 5.0の場合、次を入力します。


注意:

MySQLのJDBCドライバをダウンロードしてから、BI Publisherが実行しているアプリケーション・サーバーに登録する必要があります。MySQLのJDBCドライバは、次のページからダウンロードできます。

http://www.mysql.com/products/connector/j/

ドライバの登録方法の詳細は、ご使用のアプリケーション・サーバーのドキュメントを参照してください。


  • データベース・タイプ: 「MySQL 4.1」か「MySQL 5.0」をリストから選択します。

  • 接続文字列: 次の接続文字列パラメータを入力します。

    jdbc:mysql://<hostname>:<port#>:<database name>

    次に例を示します。

    jdbc:mysql://localhost:3306/bipublisher

  • データベース・ドライバ・クラス: com.mysql.jdbc.Driver

24.1.3 BLOB列のサイズの設定

BI Publisherでスケジューラのスキーマがデータベースにインストールされると、XMLP_SCHED_OUTPUTという名前のテーブルが作成されます。このテーブルにはBLOB列があり、BI Publisherスケジューラの出力とデータがこの列に格納されます。BLOB列のサイズは2GB以上に設定することをお薦めします。この推奨サイズより小さいと、スケジューラでは大きなレポートを処理できない場合があります。スケジューラのスキーマをIBM DB2かMySQLのデータベースにインストールした場合、次に示すBLOB列のサイズを更新する必要があります。

XMLP_SCHED_OUTPUTテーブルのBLOB列を次に示します。これらの列のサイズを2GB以上に再設定します。

  • XML_DATA

  • DOCUMENT_DATA

IBM DB2データベースの列のサイズを更新するコマンドの例を次に示します。

alter table xmlp_sched_output alter column STATUS_DETAIL set data type BLOB(1000000000);

列のサイズを再設定する方法の詳細は、ご使用のデータベースのドキュメントを参照してください。

24.2 「このレポートへのリンク」はレポートのオプションとして設定可能

BI Publisherのレポート・ビューアでレポートを表示すると、「このレポートへのリンク」リンクが表示され、現在のレポートのURLをコピーできるようになります。以前はこのリンクの表示を無効にすることはできませんでした。リリース10.1.3.3.3では、この機能に「レポートリンクの表示」レポート・プロパティが追加されました。このプロパティは、「レポート」定義の「一般設定」ページで設定できます。この機能強化により、レポートへのリンクをユーザーが使用できるかどうかを選択できるようになりました。

デフォルトでは、「レポートリンクの表示」プロパティは有効です。

レポートの設定を変更する手順は次のとおりです。

  1. 管理者資格証明かレポート開発者資格証明を使用してBI Publisherにログインします。

  2. 適切なレポートにナビゲートし、「編集」リンクをクリックします。

  3. レポート定義の「レポート・プロパティ」ペインにある「一般設定」で、「レポートリンクの表示」ボックスを選択すると、レポートの「このレポートへのリンク」機能が有効になります。ボックスの選択を解除すると、レポートの当該機能が無効になります。

24.3 RTF出力用ページ区切り制御コマンドのサポート強化

以前のBI Publisherでは、次のPDF出力用ページ区切り制御コマンドのみ認識されていました。

リリース10.1.3.3.3では、これらがRTF出力で同様にサポートされています。

24.3.1 次の段落と分離しないで保持するコマンドのサポート

RTF標準には、次の段落と分離しないで保持するコマンドがあります。このコマンドにより、有効にされている段落と次の段落との間における改ページが抑止されます。

次の段落と分離しないで保持するコマンドをMicrosoft Wordで有効にする手順は次のとおりです。

  1. ページでまとめる対象となる段落を選択します。

  2. 書式」メニューで、「段落」を選択してから「改ページと改行」タブをクリックします。

  3. 次の段落と分離しない」ボックスを選択します。

24.3.2 段落を分割しないでそのまま保持するコマンド

RTF標準には、段落にあるすべての行をまとめるコマンド(段落を分割しないでそのまま保持するコマンド)があります。これによって、段落が複数のページにまたがることがなくなります。

段落を分割しないでそのまま保持するコマンドをMicrosoft Wordで有効にする手順は次のとおりです。

  1. 書式」メニューで、「段落」を選択してから「改ページと改行」タブを選択します。

  2. 段落を分割しない」ボックスの選択を解除します。

24.3.3 表のタイトル行を繰り返すコマンドのサポート

RTF標準には、表が複数のページにまたがる場合に表のタイトル行を繰り返すコマンドがあります。

表のタイトル行を繰り返すコマンドをMicrosoft Wordで有効にする手順は次のとおりです。

  1. タイトル行を1行以上選択します。

  2. 罫線」メニューで、「タイトル行の繰り返し」を選択します。

24.3.4 表の行をまとめるコマンドのサポート

RTF標準には、表にある行の途中で改ページしないようにするコマンドがあります。

表の行をまとめるコマンドをMicrosoft Wordで有効にする手順は次のとおりです。

  1. 表を選択します。

  2. 罫線」メニューで、「表のプロパティ」を選択してから「」タブを選択します。

  3. 行の途中で改ページする」チェック・ボックスの選択を解除します。

24.4 複数のカスケード・パラメータのサポート

カスケード・パラメータにより、リレーションシップのあるパラメータのセットにおいて各パラメータで使用できる値をフィルタ処理できます。カスケード・パラメータのセットにおいて最初のパラメータから選択したものにより、次のパラメータで使用できる値が決まります。この方法により、各カスケード・パラメータで選択可能な値の数を管理可能な数にフィルタ処理できます。以前のリリースでは、カスケード・パラメータのレベルは2つまでサポート可能でした。リリース10.1.3.3.3のBI Publisherでは、カスケード・パラメータのレベルは2つ以上サポートされています。

24.5 外部イメージの垂直位置合せのサポート

リリース10.1.3.3.3のBI Publisherでは、FO要素であるexternal-graphicのvertical-align属性がサポートされています。これによって、外部参照されるイメージ・インラインをテキストとともに位置合せのフォーマット処理ができます。XSL-FOテンプレートやRTFテンプレートのコードを記述する際、この属性を適用できます。

属性の有効な値を次に示します。

URL参照を使用してイメージを挿入する方法の詳細は、『Oracle Business Intelligence Publisherレポート・デザイナーズ・ガイド』のガイドラインを参照してください。

  1. テンプレートでダミーのイメージを挿入します。

  2. イメージを選択してから、Microsoft Wordの「図の書式設定」ダイアログを起動します。「Web」タブを選択します。

  3. 代わりに表示する文字列」リージョンで、イメージURLを参照する次の構文を入力します。

    url:{'http://image location'}

    次に例を示します。

    url:{'http://www.oracle.com/images/ora_logo.gif'}

  4. 垂直位置合せをフォーマット処理するには、URLの前にXSL属性値を宣言します。たとえば、イメージをテキストの下部(text-bottom)に位置合せするには、次を入力します。

    <xsl:attribute name="vertical-align">text-bottom</xsl:attribute> url:{'http://www.oracle.com/images/ora_logo.gif'}

24.6 レポートにおける複数の通貨記号の表示のサポート

format-currency関数では、3番目のパラメータであるdisplaySymbolOrNotを指定できるようになりました。これによって複数の通貨コードを1つのレポートで表示できます。format-currency関数に渡すレポート・データにおいて、ISO(国際標準化機構)通貨コードを指定する必要があります。

format-currency関数のパラメータを次に示します。

<?format-currency:Amount;CurrencyCode;displaySymbolOrNot?>

前述の内容に関する説明を次に示します。

Amount: データにおいて金額値のあるXML要素のタグ名を指定します。

CurrencyCode: 3文字のISO通貨コードのあるXML要素のタグ名を指定します。通貨コードのある要素をデータで指定する必要があります。

displaySymbolOrNot: trueまたはfalseを指定します。trueに設定すると、CurrencyCodeの値に基づいてレポートに通貨記号が表示されます。

通貨記号を表示しない場合、falseを入力するか単純にパラメータを指定しないことができます。

24.6.1 使用例

次のXML例には、Amount(Trans_amount)のある要素と、ISO通貨コード(Cur_Code)のある要素が指定されています。

<ROW>
<Trans_Amount>123</Trans_Amount>
<Cur_Code>USD</Cur_Code>
</ROW>
<ROW>
<Trans_Amount>-456</Trans_Amount>
<Cur_Code>GBP</Cur_Code>
</ROW>
<ROW>
<Trans_Amount>748</Trans_Amount>
<Cur_Code>EUR</Cur_Code>
</ROW>
<ROW>
<Trans_Amount>-987</Trans_Amount>
<Cur_Code>JPY</Cur_Code>
</ROW>

これらの金額をそれぞれ適切な通貨記号とともに表示するには、テンプレートにおいて表示対象となる金額のフィールドに次を入力します。

<?format-currency:Trans_Amount;Cur_Code;'true'?>

次の図は、実行可能な出力例を示します。

複数の通貨記号が表示されたレポート出力例

format-currency関数の使用方法の詳細は、Oracle BI Publisherのブログで複数の通貨記号のあるレポートに関するエントリ(http://blogs.oracle.com/xmlpublisher/2007/08/14)を参照してください。

ISO通貨コードの詳細は、ISOのWebサイト(http://www.iso.org/iso/home.htm)を参照してください。