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Oracle Enterprise Manager Application Configuration Consoleスタート・ガイド
リリース5.3.2
B56955-01
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2 Application Configuration Consoleの概要

特定のタスクに取り組む前に、Application Configuration Consoleのユーザー・インタフェースと使用される用語の概要を確認して、全体の理解を深めます。

2.1 製品アーキテクチャ

図2-1に示すように、Application Configuration Consoleはマルチ階層のアプリケーションであり、その中にはクライアントおよびサーバーのコンポーネント、データベース・リポジトリ、そしてソフトウェアの管理対象リソースを表す企業のネットワーク・インフラストラクチャがあります。

図2-1 Application Configuration Consoleのアーキテクチャ

クライアント、データベースおよびサーバー間の相互作用

ターゲットとなるリソースは、管理しているアプリケーション・サーバー、Webサーバー、オペレーティング・システムなどです。Application Configuration Consoleにとってこれらの管理対象サーバーは、構成およびその他のファイルから成るアセットです。これらのアセットはクライアントで、インフラストラクチャをミラーリングする階層コンテナに編成できます。クライアントを使用して、Application Configuration Consoleサーバーからアセットをロードおよび管理します。Webブラウザを使用して、管理対象データにアクセスしてApplication Configuration ConsoleのWebレポートを生成できます。サーバーはOracleデータベースを使用してデータを保存し、Subversion(SVN)サーバーを使用してバージョニングを制御します。管理対象リソースとApplication Configuration Consoleサーバーの間には、ファイアウォールがある場合とない場合があります。

2.2 Application Configuration Consoleのユーザー・インタフェース

クライアントのUIを開きます。UIは個別のウィンドウ、またはフレームに分かれています。

ナビゲータ・ビューには、プロジェクトおよび構成と階層内でのそれぞれの関連性が、ファイル・エクスプローラのように表示されます。Application Configuration Consoleでは、すべての構成情報がプロジェクトの下に編成されます。プロジェクトには、他のコンテナまたはアセット、あるいはその両方を構成とともに含めることができます。ナビゲータ・ビューでアイテムを右クリックして、メニューから可能な操作を選択します。メニューのオプションは、クリックされたアイテムごとに異なります。ブレッドクラムには、選択したアイテムに対して相対的なナビゲータ・ビュー内のユーザー位置への階層パスが示されます。

エディタ領域には、構成のコンテンツと、コンテナおよび構成に関するメタデータが表示されます。ナビゲータ・ビューでアイテムをダブルクリックすると、そのアイテムがApplication Configuration Consoleのエディタ領域で開かれ、追加の操作を実行できます。複数のアイテムを同時に開くことができます。一番下にあるタブでは、開かれたアイテムを別の方法で表示および操作することができます。

その他のビューで最も一般的なものがアラート・ビューで、追跡対象の構成が変更されるとアラートが表示されます。ジョブ・ビューでは、実行が予定されているジョブ、またはすでに実行されたジョブ(スクリプト)の一覧が表示されます。同期化ビューでは、Application Configuration Consoleのコンテナとその外部リソース間での変更が表示されます。

詳細領域には、ナビゲータ・ビューで現在選択されているアイテムに関する情報が表示されます。選択されているアイテムのタイプによって情報は異なります。

2.3 用語

この項では、このドキュメントの以降の内容で示される概念やタスクの理解に役立つ用語の一覧を紹介します。さらに広範なApplication Configuration Console(または業界)の用語の一覧については、「用語集」を参照してください。

アラート

スケジューリングされたイベントの結果として、アセットおよびその外部リソースなどの要素間で差異が検出されたことの通知。アラートは、Application Configuration Consoleのクライアントのアラート・ビューに表示されます。アラートの電子メール通知をオプションで受信できます。

アセット

Application Configuration Consoleのキー・コンポーネント。アセットは管理対象のサーバー、デバイスおよびシステムを表します。たとえば、Webサーバーとアプリケーション・サーバーは両方ともアセットとして表されます。

認証パック

auth packと短縮される場合もあります。認証パックにはユーザー名およびパスワード(暗号化)、またはSSH証明書およびパスフレーズ、もしくは同様の資格証明が含まれます。認証パックを使用して、外部リソースが存在するホストに接続できます。

ベース・ディレクトリ

アセットの構成ファイルを検索するためのホスト・マシン上の開始点として、リソース仕様で指定されます。

比較

比較対象の要素の差異について、2つ以上のコンテナまたは構成を評価すること。

構成

プロパティおよびその値などの構成情報が含まれるオブジェクト。アセットには構成が含まれ、ここでは各構成が通常、1つの構成ファイルの構成情報を表します。アプリケーション・サーバー設定が含まれるXMLファイルなどがその例です。

コンテナ

システムの構成を定義するため、Application Configuration Consoleで作成するオブジェクト。Application Configuration Consoleではプロジェクト、環境、レイヤーおよびフォルダをコンテナとして認識しますが、ユーザーの用語に合せたラベルを階層コンテナに割当てできます。

エンドポイント

ネットワーク経由の情報の転送に使用されるプロトコル(FTP、SSHまたはUNCのいずれか)。外部リソースが存在するホストと組み合せて指定されます。

外部リソース

アセットのソース。リソースは、Application Configuration Consoleの外部の、コンピューティング・インフラストラクチャ内のどこかに存在するという意味で外部です。

ホスト

外部リソースが存在する、ネットワーク内のアドレス指定可能なマシン。ホストには、そのホストへの接続時に使用する、関連付けられたエンドポイントまたはプロトコルがあります。

マッピング

マッピングは、外部リソースの構成情報がApplication Configuration Consoleに提供され、コンテナ・ツリーに表示される方法を制御します。Application Configuration Consoleでは、特化したマッピングや汎用的マッピングなど、様々な方法をサポートしています。

メタデータ

メタデータは2つの形式を取ります。メタデータはシステムで定義され、作成された日時や最後に更新したユーザーなどの、コンテナまたは構成に関する注釈的な情報です。メタデータはユーザーが定義することもでき、それは比較設定、変数、ナビゲータ・ビュー階層などの値の置換を促進するためによく使用されます。

マイ・ワークスペース

Application Configuration Console内でのプロジェクト、コンテナおよび構成の階層であり、ユーザーのプライベートな作業領域であるため、他のユーザーは参照できません。

解析

解析はマッピング・プロセスの第1段階で、ここでは構成ファイルの物理的表示が構文ツリーと呼ばれる内部的な格納形式に変換されます。

権限

権限がユーザー・グループに付与されると、そのグループ・メンバーは、アセットおよび構成の表示と変更、コマンドおよびスクリプトの実行、そしてアセットおよび構成のプロビジョニングと更新を行うことができます。

物理ビュー

これは、アセットがロードまたは更新された際に外部リソースに保存されているとおりの、構成のRAWテキスト・ビューです。

プライマリ・ビュー

これは、XMLなどのファイル・タイプに基づいてエディタ領域での表示用に変換された、構成の解析済ビューです。標準的な表示は、要素内のプロパティの名前/値のペアです。これは構成のデフォルト・ビューです。

プロビジョニング

アセットをApplication Configuration Consoleからその対象となる外部リソースにコミットする、または書き出すことです。これは、外部リソースを変更する唯一のApplication Configuration Consoleの処理です。

パブリック・ワークスペース

Application Configuration Console内でのプロジェクト、コンテナおよび構成の階層で、すべてのユーザーが参照できます。マイ・ワークスペース内の何かを共有している場合、共有しているユーザーはそれをこのフォルダで参照できます。

リソース定義

使用するファイル名およびマッピングのタイプなど、外部リソースの構造を定義するリソース仕様の詳細部分。

リソース仕様

resource specと短縮される場合もあります。リモート・システムからApplication Configuration Consoleにアセットとしてロードできるファイルおよびリソースを識別します。リソース仕様には、アセットを形成するファイルおよびディレクトリをロードするためのファイル・リソース仕様と、コマンドの出力をアセットとして保存するためのコマンド・リソース仕様の2種類があります。この仕様は両方とも、外部リソースの詳細を示す1つ以上のリソース定義で構成されます。

リソース・ビュー

デフォルトのアセット・ビュー。このビューは、外部リソースにおけるアセットの構成の表示を示します。

ロールバック

プロビジョニングまたは更新処理の後に、前のバージョンのアセットまたは構成にリストアすること。

同期化

Application Configuration Consoleまたは外部リソースに変更があるかどうかを判断し、一方を更新するか、もう一方をプロビジョニングすることで、両方が同じになるようにすること。

追跡

Application Configuration Consoleまたは外部リソース内の変更を検出する目的で、アセットおよび構成を監視すること。差異が検出されると、Application Configuration Consoleではアラートが表示され、オプションで電子メール通知が指定受信者に送信されます。

変換

変換はマッピング・プロセスの第2段階です。これにより、構成データは、内部的な格納書式から、構成ビューに表示される構造化表示に変換されます。

更新

Application Configuration Consoleのアセットを対応する外部リソースで上書きすることです。

バージョニング

バージョンは、アセットおよびその構成の段階のスナップショットです。プロビジョニング、更新および追跡などのイベントでは、バージョンが自動的に保存されます。保存されたバージョンには、Application Configuration Consoleデータと外部リソースの両方が含まれます。バージョンは監査証跡とリカバリ・メカニズムを提供します。

2.4 実行可能なユーザーと操作

このドキュメントでは必ずしも必要ではありませんが、Application Configuration Consoleが備えている権限モデルの特定の側面を確認しておくと、概要の理解に役立ちます。

ユーザーがApplication Configuration Consoleで何かを作成すると、そのユーザーが所有者となります。所有者として、そのユーザーのみが、作成したものを他のユーザーと共有できます。何かを共有している場合、共有しているユーザーはそれをパブリック・ワークスペースで参照できます。他のユーザーに所有権を譲渡することもできます。その場合、所有権がマイ・ワークスペース・フォルダから削除されて、新しい所有者のマイ・ワークスペース・フォルダに表示されます。

読取りおよび書込みの一般的な権限以外に、認証パックに限定された追加権限(外部読取り、外部書込み、外部実行)があります。この権限では、プロビジョニング、更新、追跡および比較などの、外部リソースに関連する操作を実行する権利が付与されます。グループによって、Application Configuration Consoleの情報を表示および変更する権限を保有するユーザーを制御します。1つのグループには、1人以上のApplication Configuration Consoleのユーザーが含まれます。コンテナまたは構成を共有する際は、個々のユーザーではなく、ユーザーのグループに権限を設定します。読取り権限や書込み権限など、異なる権限を別々のグループに付与することができます。

システムのユーザーは、管理者グループとすべてのユーザー・グループの2大グループに分類できます。これらの両方のグループのユーザーは元々、Application Configuration Consoleのインストールの構成要素として認識されている、LDAPディレクトリ・サービスなどの外部認証システムのユーザーです。したがって、新規のユーザーを直接、Application Configuration Consoleのユーザー・リストに加えることはできません。ユーザーはサービスに追加する必要があります。

管理者グループのメンバーには、次のことが可能になる、他のユーザーにはない権限および能力があります。