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Oracle Enterprise Manager Configuration Change Consoleインストレーション・ガイド
10gリリース5(10.2.0.5) for Microsoft Windows or UNIX Systems
B55859-01
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1 データベースをインストールする前のタスク

Configuration Change Consoleおよびそのコンポーネントのインストールは、次に示す順序で実行する必要があります。

  1. Oracleデータベースのインストールと構成

  2. Configuration Change Consoleサーバーのインストールと構成

  3. Configuration Change Consoleエージェントのインストール

データベースをインストールする前に、次の準備タスクについて一読することをお薦めします。

データベース・サイズの決定

ここでは、データベースのサイズ設定のガイドラインを示します。これは必ずしもすべての環境に対応するわけではありません。

データベースのサイズは、監視するデバイスの数よりも、予測される変更数と相関関係があります。最初の表は、ある環境で発生する可能性がある月次の変更件数を予測変更率に基づいて示しています。変更率が低い場合、構成されているルール・セットではそれほど多くの変更が発生しないことがわかります。これは、1か月間に収集する変更件数を見積る際のガイドラインとして使用することができます。データベース・パージを90日に設定している場合は、これらの数値を3倍にする必要があります。

表1-1 月次のイベント数とエージェント数の例

エージェント数 低い変更率(1日当たり5変更/エージェント) 標準の変更率(1日当たり30変更/エージェント) 高い変更率(1日当たり100変更/エージェント) 非常に高い変更率(1日当たり500変更/エージェント)

100

15K

90K

300K

1.5M

250

39K

234K

780K

3.9M

500

78K

468K

1.6M

8.0M

1000

155K

930K

3.1M

15.5M

2500

388K

2.3M

7.8M

--

5000

775K

4.7M

15.5M

--

10000

1.6M

9.3M

--

--

15000

2.3M

13.8M

--

--


(注意: 表中の--は、事前定義済の製品でサポートされる範囲を超える特別な構成を必要とする可能性がある非常に大規模な環境を表しています。)

次の表は、この環境における変更数に対するConfiguration Change Consoleの推定表領域サイズを示しています。この表に示された変更数は、アプリケーションがリポジトリに保持できる変更数を反映しています。データ・パージを3か月に設定している場合は、3か月間に予測される変更数がわかります。前の表は、1か月の合計変更件数の例を示しています。

3か月間イベントを格納しておく場合は、前の表の予測変更件数に3を掛ける必要があります。

表1-2 最小表領域サイズと変更件数

リポジトリに格納される合計変更数 GATEWAY表領域 GATEWAY_LGDATA表領域 GATEWAY_INDEX表領域 最小表領域サイズの合計

100K

2GB

2GB

4GB

8GB

500K

2GB

2GB

4GB

8GB

1.0M

3GB

2GB

4GB

9GB

5.0M

4GB

3GB

6GB

13GB

10.0M

6GB

4GB

8GB

18GB

20.0M

8GB

12GB

24GB

34GB

50.0M

10GB

30GB

60GB

100GB

100.0M

15GB

60GB

120GB

195GB


表領域のサイズが十分でないと、データベースが一杯になったときにデータが失われることがあります。データベースが許容量に達した場合は、サーバー・ログにエラー・メッセージが出力されます。このメッセージは、「管理」→「サーバー・レポート」→サーバーおよびデータベース・ログを選択し、表示される画面の下で確認できます。新しいデータは保存されなくなり、ユーザーが製品にログインすることもできなくなります。データの損失とユーザーのロックアウトを防ぐには、データベースで必要な領域を多めに見積るか、表領域が自動拡張できるようにディスク領域を少し残しておくことをお薦めします。

この表には、TEMP、UNDOまたはREDOログなどの他の表領域は含まれていません。独自のベスト・プラクティスに基づいて、これらに対して適切な容量のディスク領域を割り当てる必要があります。

システム要件

データベース・サーバーに対する特定のオペレーティング・システム要件は、必要なデータベース・サイズによって異なります。Oracle Databaseに対応するすべてのオペレーティング・システムがサポートされています。

次の表に、様々なサイズの環境に対する推奨値を示します。これらは、特定の顧客環境では多くの要因に応じて変更することが可能です。大まかなガイドラインとして使用してください。

表1-3 環境ごとの推奨サイズ

エージェント数 変更率 データベース・ホスト CPU/ホスト 物理メモリー 最小ディスク領域

100

標準

1

1デュアルコア3GHz

4GB

30GB

1000

標準

1

2デュアルコア3GHz

4GB

40GB

5000

標準

1

--

8GB

60GB

15,000

標準

1

4デュアルコア3GHz

8GB

150GB

1000

非常に高い

1

4デュアルコア3GHz

8GB

150GB


デプロイメント・サイズは、前のサイズ設定の項の説明に基づいています。合計推奨ディスク領域には、Configuration Change Consoleの3つの表領域と、Databaseソフトウェア、TempおよびUndoの各表領域のサイズが含まれます。最小推奨ディスク領域の値は、RAWイベントの保存が3か月のみで、Configuration Change Consoleの大半の機能を利用するという条件に基づいています。

大規模環境での考慮事項

変更率の高い環境のデータベースを設定する場合、いくつかの要素を考慮する必要があります。Configuration Change Consoleのリポジトリとして使用するデータベースの推奨事項を次に示します。

REDOログの高速ディスク、ファイルシステムI/O

REDOログは、できるだけ高速なREDOログ専用のディスクに配置します。データベースでRAIDディスク構造を使用する場合は、RAID1を使用するディスクにREDOログを配置します。RAID5ディスク・レイアウトは、REDOログには遅すぎます。また、REDOログを異なるディスクに交互に配置して、ログ・ライターへのアーカイバの影響を最小にできます。

REDOログを低速なディスクに配置するか、REDOログ・ファイルのファイルシステムI/Oが低速な場合、ログでのI/O待機率が高くなるため、トランザクション・タイムアウトが発生します。

ログ・ライターの書込みパフォーマンスとI/Oサブシステムの設定

環境で使用可能なI/OサブシステムのOracle DBパフォーマンスでサポートされる、可能なかぎり最高かつ最適なパフォーマンスをデータベースで利用できるようにします。たとえば、Oracleデータベースでは、REDOログおよびデータファイルへの書込みで、ベンダーやOSのバッファ・キャッシュを省略してダイレクトI/Oを利用できます。また、Oracleデータベースでは非同期I/Oも利用できます。Oracle DB初期化パラメータdisk_asynch_ioは、デフォルトでtrueに設定されています(ASMやRAWデバイスの使用に有効)。filesystemio_optionsパラメータをチェックして、環境に適した値が使用されていることを確認することもできます。ダイレクトI/Oおよび非同期I/Oがサポートされているオペレーティング・システムおよびファイルシステムでは、それらを利用するようにデータベースを構成する必要があります。

Windows 32ビットのVLM構成

WindowsでのOracle DBプロセスは、PAE/AWEを使用することで、4GB制限を超える追加のRAMをデータ・セグメント(バッファ・キャッシュ)にのみ使用できます。その他すべてのプロセスのアドレス空間コンポーネントは、理論上の1.7または2.7GB制限内に収まる必要があります(/3GBの場合)。

また、この項で説明するように、レジストリにAWE_WINDOW_MEMORYを設定する必要があります。これはデフォルト制限の1GB以上にします。

このサポートを利用するための要件を次に示します。

  1. Oracle Databaseがインストールされているコンピュータに、4GBを超えるメモリーが搭載されている必要があります。

  2. boot.iniに/PAEスイッチを追加して、Physical Address Extensions(PAE)を利用できるようにオペレーティング・システムが構成されている必要があります。PAEを有効にするためにboot.iniを変更する手順は、Microsoft Knowledge Baseの記事Q268363を参照してください。

  3. /3GBパラメータをboot.iniに追加して、4GTサポートを有効にすることをお薦めします。4GTを有効にするためにboot.iniを変更する追加の要件と手順は、Microsoft Knowledge Baseの記事Q171793を参照してください。

  4. Oracle Databaseを実行するユーザー・アカウント(通常はLocalSystemアカウント)に、Windows 2000およびWindows XPのLock memory pages権限が必要です。

  5. VLMサポートを使用するデータベース・インスタンスの初期化パラメータ・ファイルに、USE_INDIRECT_DATA_BUFFERS=TRUEが指定されている必要があります。このパラメータが設定されていない場合、Oracle Database 10gリリース1(10.1)以上は以前のリリースと同じように動作します。初期化パラメータDB_BLOCK_BUFFERSおよびDB_BLOCK_SIZEは、Oracle Database用に選択した値に設定する必要があります。

  6. データベース・バッファの合計バイト数(DB_BLOCK_BUFFERSにDB_BLOCK_SIZEを掛けた値)に対する3GBの制限はなくなりました。

    動的SGAおよびマルチ・ブロック・サイズは、VLMでサポートされません。VLMが有効な場合、次の新しいバッファ・キャッシュ・パラメータはサポートされません。

    DB_CACHE_SIZE
    DB_2K_CACHE_SIZE
    DB_4K_CACHE_SIZE
    DB_8K_CACHE_SIZE
    DB_16K_CACHE_SIZE
    DB_32K_CACHE_SIZE
  7. レジストリ・パラメータAWE_WINDOW_MEMORYは、Oracleホームの該当するキーで作成および設定する必要があります。このパラメータはバイト単位で指定され、デフォルト値は1GBです。AWE_WINDOW_MEMORYは、3GBのアドレス空間のうち、データベース・バッファのマッピング用として確保する量をOracle Databaseに指示します。このメモリーはOracle Databaseの3GBの仮想アドレス空間から取得されるため、その値は3GB未満にする必要があります。このパラメータの値を大きくすると、アドレス空間の多くがバッファ用に使用され、バッファ用に使用されるAWEメモリーが少なくなる効果があります。ただし、AWEバッファへのアクセス速度は、仮想アドレス空間のバッファへのアクセス速度より若干遅いため、データベースの操作に悪影響を与えない範囲でできるだけ大きな値となるように、これらのパラメータを設定することをお薦めします。

    通常、AWE_WINDOW_MEMORYを高く設定するほど、Oracle Databaseで可能な接続数およびメモリー割当て量が少なくなります。AWE_WINDOW_MEMORYを低く設定するほど、パフォーマンスは低下します。

  8. このパラメータを設定した後、Oracle Databaseを起動できます。Oracle Databaseは以前と同じように動作しますが、インスタンスに使用可能なデータベース・バッファが増加します。また、システム・グローバル領域(SGA)にキャッシュ可能なOracle Databaseデータ・ブロックが増えるため、ディスクI/Oを減らすことができます。