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Oracle® Enterprise Manager Grid Control基本インストレーション・ガイド
11gリリース1(11.1.0.1.0)
B61019-01
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2 Enterprise Managerシステムのインストール

この章では、既存の動作保証済Oracle DatabaseおよびOracle WebLogic Serverを使用して、完全なEnterprise Managerシステムをインストールする方法について説明します。特に、次の内容について説明します。

概要

インストーラによって提供される1番目のインストール・タイプである「新しいEnterprise Managerシステムのインストール」では、完全なEnterprise Managerシステムをインストールできます。このインストール・タイプでは、Oracle Management Repository(管理リポジトリ)の格納に既存の動作保証済Oracle Databaseが使用されます。

既存の動作保証済Oracle Databaseは、My Oracle Supportのノート412431.1にリストされているデータベースのいずれかである必要があります。

表2-1は、インストール・プロセス、およびこのインストール・タイプでインストールまたは構成されるソフトウェア・コンポーネントを示しています。

表2-1 Enterprise Managerシステムをインストールするためのインストール・プロセス

手順1

Oracle Management Service 11gリリース1のインストール

Oracleミドルウェア・ホームの場所にOracleホームを作成し、Oracle Management Service(OMS)ソフトウェア・バイナリをこの新規ホームにインストールします。

Oracleミドルウェア・ホームは、Oracle WebLogic Serverホーム、およびオプションで1つ以上のOracleホームから構成されます。

Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareの場合、OMSのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/oms11gです。

手順2

Oracle Management Agent 11gリリース1のインストール

Oracleミドルウェア・ホームの場所にOracleホームを作成し、Oracle Management Agent(管理エージェント)ソフトウェア・バイナリをこの新規ホームにインストールします。

Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareの場合、管理エージェントのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/agent11gです。

手順3

Oracle Web Tier 11gリリース1のインストール

Oracleミドルウェア・ホームの場所にOracleホームを作成し、Web Tierソフトウェア・バイナリをこの新規ホームにインストールします。

Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareの場合、Web TierのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/Oracle_WTです。

手順4

Oracle共通ディレクトリのインストール

Oracleミドルウェア・ホームの場所に構成ファイルを格納する共通ディレクトリを作成します。

Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareの場合、共通ディレクトリは/u01/app/Oracle/Middleware/oracle_commonです。

手順5

Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所の構成

Oracleミドルウェア・ホームの親ディレクトリ内に、OMS関連の構成ファイルを格納するEnterprise Manager Grid Controlのインスタンス・ホームを作成します。デフォルトのインスタンス・ホームはgc_instです。ただし、このホームを編集してカスタム名を指定することができます。

Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareで、デフォルトのインスタンス・ホーム名を維持する場合、インスタンス・ホームの場所は/u01/app/Oracle/gc_instです。

Oracleミドルウェア・ホームの親ディレクトリに書込み権限がない場合、OMSインスタンス・ベースがOracleミドルウェア・ホーム内に作成されます。

手順6

コア・コンポーネントの構成

コンフィギュレーション・アシスタントを実行して、次の手順を実行します。

  1. OMS関連の個別パッチの適用: (オプション)OMSのOracleホーム(oms11g)に個別パッチを適用します。

  2. SYSMANスキーマおよびMDSスキーマの構成: 指定した既存の動作保証済Oracle Databaseで、SYSMANスキーマおよびメタデータ(MDS)スキーマを構成し、次のデータ・ファイルを作成します。mgmt.dbfmgmt_ecm_depot1.dbfmgmt_ad4j.dbf

  3. OMSの構成: OMS、およびEnterprise Manager Grid Controlがデプロイされる独立したインスタンスを構成します。

  4. アドオンのOMS側構成: OMSのOracleホーム(oms11g)で検出される仮想化アドオンを構成します。

  5. OCMの構成必要な場合): Oracle Configuration Manager(OCM)を構成する場合、OMSのOracleホーム(oms11g)およびWeb階層のOracleホーム(Oracle_WT)に構成します。

  6. エージェント関連の個別パッチの適用: (オプション)管理エージェントのOracleホーム(agent11g)に個別パッチを適用します。

  7. 管理エージェントの構成: 管理エージェントを構成し、ターゲットの監視、情報の収集などを有効にします。

  8. OCMの構成必要な場合): Oracle Configuration Manager(OCM)を構成する場合、管理エージェントのOracleホーム(agent11g)に構成します。

  9. System Monitoring Plug-Inの構成: 管理エージェントのOracleホーム(agent11g)で検出されるSystem Monitoring Plug-Inを構成します。



注意:

インストール・プロセスが完了するには、約40分から50分かかります。この時間には、前提条件チェックの実行、ソフトウェア・バイナリの配置、Oracleホームの作成、およびコア・コンポーネントを構成するためのコンフィギュレーション・アシスタントの実行が含まれます。

開始する前に

開始する前に、次の点に留意してください。

前提条件

完全なEnterprise Managerシステムをインストールする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。必要に応じて、この項を印刷し、各前提条件に対して「はい」/「いいえ」を書き込むことができます。これにより、満たしている前提条件と満たしていない前提条件を記録できます。

表2-2 Enterprise Managerシステムをインストールするための前提条件

要件 説明 はい/いいえ

ハードウェア要件

付録A「ハードウェア要件」に示されているハード・ディスク領域と物理メモリーの要件を満たしていることを確認します。


オペレーティング・システム要件

My Oracle Supportのノート412431.1に示された動作保証済オペレーティング・システムにのみEnterprise Manager Grid Controlをインストールすることを確認します。


パッケージ要件

付録B「パッケージおよびライブラリ要件」に示されているオペレーティング・システム固有のパッケージのすべてをインストールしていることを確認します。


オペレーティング・システム・グループおよびユーザーの要件

付録C「オペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成の要件」に示されている必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーを作成していることを確認します。


一意のホスト名および静的IPアドレスの要件

ネットワーク構成をチェックして、インストール先のホストが、ネットワーク内の他のホストから認識可能な一意のホスト名と静的なIPアドレスに解決されることを確認します。

注意: 静的なIPアドレスのみを使用してください。動的なIPアドレスを使用すると、インストールは失敗します。


一時ディレクトリの領域要件

実行可能ファイルがコピーされる一時ディレクトリに、400MBの領域が割り当てられていることを確認します。たとえば、UNIXホストの場合は/tmp、Microsoft Windowsホストの場合c:\Tempになります。


中央インベントリ要件

中央インベントリ・ディレクトリに100MBの領域が割り当てられていることを確認します。

また、中央インベントリ・ディレクトリが共有ファイル・システム上にないことを確認します。すでに共有ファイル・システム上にある場合、My Oracle Supportのノート1092645.1に示された手順に従って、非共有ファイル・システムにスイッチオーバーしてください。


UMASK値の要件

シェル起動ファイルのデフォルト・ファイル・モード作成マスク(umask)を022に設定していることを確認します。

たとえば、次のように指定します。

  • Bashシェルの場合:

    $ . ./.bash_profile

  • BourneまたはKornシェルの場合:

    $ . ./.profile

  • Cシェルの場合:

    % source ./.login


ファイル記述子要件

ファイル記述子を最小の4096に設定していることを確認します。

ファイル記述子に設定されている現在の値を確認するには、次のコマンドを実行します。

/bin/sh -c "ulimit -n"

現在の値が4096ではない場合、rootユーザーとして、次のエントリで/etc/security/limits.confファイルを更新してください。

<UID> soft nofile 4096

<UID> hard nofile 4096


JDK要件

Enterprise Manager Grid Controlをインストールする予定のホストに次のバージョンのJDKがインストールされていることを確認します。

  • Linuxプラットフォーム(32/64ビット): SUN JDK 1.6_18

  • Solarisプラットフォーム: SUN JDK 1.6_18

  • HP-UXプラットフォーム: JDK 6.0.05+

  • AIXプラットフォーム: JDK 1.6.0 SR6+

  • Microsoft Windowsプラットフォーム(64ビット): SUN JDK 1.6_18

プラットフォーム・ベンダーのWebサイトから、使用しているプラットフォーム用のJDKバージョンをダウンロードしてください。たとえば、Oracle WebサイトからLinuxプラットフォーム用のSUN JDK 1.6_18をダウンロードします。同様に、その他のベンダーの信頼できるWebサイトから、その他のプラットフォーム用のJDKをダウンロードしてください。

また、Linux x86_64プラットフォームにJDK 1.6_18をインストールする例については、My Oracle Supportのノート1063587.1にも紹介されています。

JDKをすでにインストール済の場合、<jdk>/binディレクトリに移動して次のコマンドを実行し、そのバージョンを確認してください。この問合せの出力に、完全なバージョン番号が示されます。

java -fullversion

注意: JROCKITはサポートされていません。


Oracle WebLogic Server要件

  • Oracle WebLogic Server 10.3.2(Oracle Fusion Middleware 11gリリース1のパッチ・セット1)が Enterprise Manager Grid Controlをインストールするホストにすでにインストール済であることを確認します。

  • 標準インストールでインストールされていることを確認します。カスタム・インストールだった場合、カスタム・インストールに選択されたコンポーネントが標準インストールに関連付けられているコンポーネントと同じであることを確認します。

  • ミドルウェア・ホーム・ディレクトリの下にインストールされていることを確認します。たとえば、/scratch/aime/Oracle/Middleware1/wlserver_10.3のようになります。

  • Oracle WebLogic Server 10.3.2がインストールされているミドルウェア・ホーム・ディレクトリに、他のOracle Fusion Middleware製品またはコンポーネントがインストールされていないことを確認します。

Enterprise Manager Grid Controlでは、このOracle WebLogic Server内に新しいドメインが作成され、既存のドメインは使用されません。

Oracle WebLogic Serverのインストールの詳細は、My Oracle Supportのノート1063762.1を参照してください。詳細、ダウンロード、デモについては、次のURLにアクセスしてください。

http://www.oracle.com/technology/products/weblogic/index.html


Oracle WebLogic Serverパッチ要件

Oracle Smart Updateユーティリティを使用して、Oracle WebLogic ServerにパッチID WDJ7を適用していることを確認します。このパッチは、バグ8990616、9100465および9221722を修正します。

このパッチの適用の詳細は、My Oracle Supportのノート1072763.1を参照してください。

Oracle Smart Updateユーティリティの詳細は、次のURLで入手可能なOracle Smart Updateのパッチおよびメンテナンス・パックのインストールに関するドキュメントを参照してください。

http://www.oracle.com/technology/products/weblogic/index.html


既存のデータベース・バージョンの要件

既存の動作保証済Oracle Databaseが、My Oracle Supportのノート412431.1にリストされているデータベースのいずれかであることを確認します。データベースは、製品のインストール先のホストまたはリモート・ホストのいずれかに存在できます。

(オプション)Oracle Database 11gリリース1(11.1.0.7.0)を使用してインストールする場合、Oracle Bug# 9066130のパッチを適用していることを確認します。

(オプション)Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.1.0)を使用してインストールする場合、Oracle Bug# 9002336および9067282のパッチを適用していることを確認してください。

注意: これらのパッチ、および各プラットフォームに対するパッチの適用の詳細は、My Oracle Supportのノート1073166.1を参照してください。


既存のデータベースがQUIESCE(停止)モードではないこと

既存の動作保証済Oracle DatabaseがQUIESCEモードではないことを確認します。確認するには、データベースで次のSQLコマンドを実行します。

select active_state from v$instance;


既存のデータベースにDatabase Controlがないこと

(アップグレードを行っている場合は、この前提条件は無視してください)

既存の動作保証済Oracle Databaseに、Database Control SYSMANスキーマがないことを確認します。Database Control SYSMANスキーマがある場合、つまり既存のデータベースがDatabase Controlで構成されている場合、構成を解除してください。

  1. データベースにDatabase Control SYSMANスキーマがあるかどうかを確認します。

    確認するには、SYSユーザーとしてデータベースにログインし、次の問合せを実行します。

    SELECT COUNT(*) FROM ALL_USERS WHERE USERNAME='SYSMAN'

    問合せの結果が1の場合、データベースにこのスキーマがあるということになるため、構成を解除してください。

  2. Database Controlの構成を解除する前に、環境変数ORACLE_HOMEをデータベースのOracleホームに、ORACLE_SIDをデータベースのSIDにそれぞれ設定します。

    たとえば、bashシェルで、次のように設定できます。

    export ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/11.2.0/dbhome_1

    export ORACLE_SID=orcl

  3. Database Controlの構成を解除します。

    スタンドアロン・データベースのDatabase Controlの構成を解除するには、データベースをインストールしたユーザーとしてデータベースのOracleホームから次のコマンドを実行します。コマンドがハングした場合、データベースを再起動しコマンドを再実行してください。

    $<ORACLE_HOME>/bin/emca -deconfig dbcontrol db -repos drop -SYS_PWD <sys pasword> -SYSMAN_PWD <sysman password>

    Real Application Cluster(RAC)データベースのDatabase Controlの構成を解除するには、データベースをインストールしたユーザーとしてデータベースのOracleホームから次のコマンドを実行します。コマンドがハングした場合、データベースを再起動しコマンドを再実行してください。

    $<ORACLE_HOME>/bin/emca -deconfig dbcontrol db -repos drop -cluster -SYS_PWD <sys pasword> -SYSMAN_PWD <sysman password>

    注意: 構成解除の操作がハングした場合、My Oracle Supportのノート375946.1を参照してください。


既存のデータベースにSYSMANおよびSYSMAN_MDSスキーマがないこと

(アップグレードを行っている場合は、この前提条件は無視してください)

既存の動作保証済Oracle Databaseに、Enterprise Manager Grid Control SYSMANスキーマおよびメタデータ(MDS)スキーマがないことを確認します。

  1. データベースにEnterprise Manager Grid Control SYSMANスキーマおよびMDSスキーマがあるかどうかを確認します。

    確認するには、SYSユーザーとしてデータベースにログインし、次の問合せを実行します。

    SELECT COUNT(*) FROM ALL_USERS WHERE USERNAME IN ('SYSMAN','SYSMAN_MDS');

    問合せの結果が1の場合、データベースにこれらのスキーマがあるということになるため、削除してください。

  2. スキーマを削除する前に、環境変数LD_LIBRARY_PATHをOMSのORACLE_HOME/libディレクトリに設定します。また、ORACLE_HOMEをOMSのOracleホームに設定します。

  3. OMSのOracleホームから次のコマンドを実行してスキーマを削除します。

    $<ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/bin/RepManager <repository_database_host> <repository_database_port> <repository_database_sid> -action dropall -dbUser <repository_database_user> -dbPassword <repository_database_password> -dbRole <repository_database_user_role> -mwHome <middleware_home> -mwOraHome <oms_oracle_home> -oracleHome <oms_oracle_home>

    10gリリース2(10.2.x.x)管理リポジトリに属するスキーマを削除する場合、次の引数を指定せずに前のコマンドを実行します。-mwHome <middleware_home> -mwOraHome <middleware_ora_home> -oracleHome <oracle_home>

    注意:

    - Microsoft Windowsの場合、RepManager.batを起動します。

    - RepManager 11.1は、-action dropall(SYSMANとSYSMAN_MDSの削除)および-action drop(SYSMANのみ削除)をサポートします。

    - RepManager 10.2.0.5は、-action drop(SYSMANのみ削除)をサポートします。

  4. スキーマを削除した後、データベース・ファイルmgmt.dbfおよびmgmt_ecm_depot1.dbfを手動で削除します。

    SYSとして次のコマンドを実行すると、これらのファイルを見つけられます。

    SELECT FILE_NAME FROM DBA_DATA_FILES WHERE UPPER (TABLESPACE_NAME) LIKE 'MGMT%';


データベース初期化パラメータの要件

管理リポジトリを作成できるように、既存の動作保証済Oracle Databaseのデータベース初期化パラメータを正しく設定していることを確認します。パラメータ設定の詳細は、「データベース初期化パラメータの設定」を参照してください。


ファイングレイン・アクセス・コントロール要件

管理リポジトリを作成できるように、既存の動作保証済Oracle Databaseでファイングレイン・アクセス・コントロール・オプションがTRUEに設定されていることを確認します。確認するには、次のコマンドを実行します。

select value from v$option where parameter = 'Fine-grained access control';


UNDO表領域のサイズ要件

UNDO表領域に200MB以上の領域があることを確認します。確認するには、次の問合せを実行します。

SELECT SUM(DECODE(autoextensible,'YES',200*1024*1024+1,bytes)) total

FROM dba_data_files f, dba_tablespaces s

WHERE s.contents = 'UNDO'

AND s.tablespace_name = f.tablespace_name;

注意: この問合せの結果はバイトで示されます。

最小領域が200MB未満の場合、次のコマンドを実行して、200MBに設定してください。

alter database datafile <location datafile> resize 200M;


UNDO表領域および一時表領域の設定要件

UNDO表領域およびTEMP表領域が、既存の動作保証済Oracle Database内で自動拡張可能であることを確認します。確認するには、次のコマンドを実行します。

select count(*) from  dba_temp_files where tablespace_name='TEMP' and AUTOEXTENSIBLE  <> 'YES';

select count(*) from dba_data_files where tablespace_name='UNDOTBS' and AUTOEXTENSIBLE <> 'YES';

問合せの結果が0の場合、表領域は自動拡張可能です。結果が0以外の場合、次の場所で入手可能な『Oracle Database管理者ガイド』を参照して、表領域を自動拡張可能にしてください。

http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html


アーカイブ・ロギングの設定要件

(推奨)データの継続性が重要視されるすべての環境では、既存の動作保証済Oracle Databaseでアーカイブ・ロギングを有効にしていることを確認します。確認するには、次のコマンドを実行します。

select log_mode from v$database;


表領域関連のハード・ディスク領域の要件

次の表領域に1GB以上のハード・ディスク領域を割り当てていることを確認します。

  • 管理表領域(mgmt.dbf

  • 構成データ表領域(mgmt_ecm_depot1.dbf

  • JVM診断データ表領域(mgmt_ad4j.dbf

また、表領域データファイルに対して自動拡張機能を常に有効にしておくことをお薦めします。

監視対象のターゲット数が増えれば、ストレージ・デバイスに対する入出力パフォーマンスの需要も増加し、領域要件も大きくなることに注意してください。


ホスト・ファイル要件

/etc/hostsファイルで指定されているホスト名が一意であり、そのホストの正しいIPアドレスにマップされていることを確認します。マップされていないと、インストールは「製品固有の前提条件のチェック」ページで失敗する可能性があります。

/etc/hostsファイルの推奨形式は、<ip> <fully_qualified_host_name> <short_host_name>です。

次に例を示します。

141.81.5.71 host1.foo.com host1

IPv6エントリは、11gリリース1(11.1)のフレッシュ・インストールのファイルでサポートされています。ただし、10gリリース4(10.2.0.4)以上のバージョンから11gリリース1(11.1)へのアップグレードではサポートされません。

RFC 952では、名前(ネット、ホスト、ゲートウェイまたはドメイン名)は24文字以内のテキスト文字列で、アルファベット(A-Z)、数字(0-9)、マイナス記号(-)およびピリオド(.)から構成されることが前提となっています。ピリオドは、ドメイン・スタイル名のコンポーネントを区切るために使用する場合にのみ許可されることに注意してください。ブランクまたはスペースを名前に含めることはできません。大文字と小文字は区別されません。先頭の文字は英文字である必要があります。

また、使用する環境でDNSサーバーが構成される場合、DNSを使用してOMSをインストールするホストの名前を解決する必要があります。

たとえば、次のコマンドで返される出力はすべて同じである必要があります。

nslookup host1

nslookup host1.foo.com

nslookup 141.81.5.71


インストール・ユーザー要件

インストール・ユーザーが次の要件を満たしていることを確認します。

  • (UNIXのみ)rootユーザーはインストールを実行しないでください。

  • (Microsoft Windowsのみ)ユーザーは、ORA-DBAグループに属しており、管理者権限を持っている必要があります。

  • (Microsoft Windowsのみ)ユーザーは、DBAグループに属しており、次の作業、つまりオペレーティング・システムの一部として機能、トークン・オブジェクトの作成、バッチ・ジョブとしてログオン、およびプロセスのメモリー・クォータの調整を実行する権限持っている必要があります。

    エージェント・ユーザーにこれらの権限があることを確認するには、「スタート」メニューから「設定」をクリックし、「コントロール パネル」を選択します。「コントロール パネル」ウィンドウから「管理ツール」を選択し、「管理ツール」ウィンドウから「ローカル セキュリティ設定」を選択します。「ローカル セキュリティ設定」ウィンドウのツリー構造から「ローカル ポリシー」を展開し、次に「ユーザー権利の割り当て」を展開します。


権限要件

次の場所に対してアクセスおよび書込みができることを確認します。

  • Oracleミドルウェア・ホームの場所

  • Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所

これらの場所の詳細は、次の場所で入手可能な『Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

実行可能ファイルがコピーされる一時ディレクトリに対して書込み権限があることを確認します。たとえば、/tmpまたはc:\Tempです。


近接度要件

OMSがインストールされるホストと管理リポジトリが構成されるホストが、互いに近くに置かれていることを確認します。理想的には、2つの間のラウンドトリップ・ネットワーク待機時間が1ミリ秒未満になるようにする必要があります。


ファイアウォール要件

使用している環境内にファイアウォールがある場合、次の場所で入手可能な『Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』のファイアウォールに対するEnterprise Managerの構成に関する章を参照してください。

http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html


インターネット接続要件

構成情報の収集とMy Oracle Supportへのアップロードが自動的に行われるようにするために、インストーラを実行しているホストがインターネットに接続可能であることをお薦めします。



データベース初期化パラメータの設定

前提条件の1つとして、管理リポジトリを作成できるように、表2-3表2-4に示されている初期化パラメータを既存の動作保証済Oracle Databaseに設定していることを確認します。初期化パラメータの設定方法の詳細は、My Oracle Supportのノート1073647.1を参照してください。


重要:

パラーメータの設定後、データベースを再起動してください。

表2-3 固定初期化パラメータの設定

固定初期化パラメータ

cluster_database

(Oracle RAC Databaseの場合のみ)

TRUE

compatible

10.2.0.1.0以上

max_commit_propogation_delay

(Oracle RAC Databaseの場合のみ)

0

remote_login_passwordfile

SHAREDまたはEXCLUSIVE

statistics_level

TYPICAL

timed_statistics

TRUE

undo_management

AUTO

workarea_size_policy

AUTO


表2-4 変数の初期化パラメータの設定

変数の初期化パラメータ

db_block_size

8192以上

instance_groups

次の場所で入手可能なOracle Databaseリファレンス・ガイド内の記載に従います。

http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html

job_queue_processes

(インストールの場合)10以上

(アップグレードの場合)Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース4(10.2.0.4)以上のバージョンをアップグレードする場合、アップグレードする前に値を0に設定していることを確認します。アップグレード後、製品のアップグレード前の元の値にリセットしてください。

log_buffer

10485760以上

memory_target

Oracle Database 11gリリース2(11.2)以上

次の場所で入手可能なOracle Databaseリファレンス・ガイド内の記載に従います。

http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html

open_cursors

300以上

parallel_instance_groups

次の場所で入手可能なOracle Databaseリファレンス・ガイド内の記載に従います。

http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html

processes

500以上

session_cached_cursors

200以上

sga_target

次の場所で入手可能なOracle Databaseリファレンス・ガイド内の記載に従います。

http://www.oracle.com/technology/documentation/database.html


インストール手順

完全なEnterprise Managerシステムをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、インストーラを起動します。

    <Software_Location>/runInstaller

    このコマンドで、<Software_Location>は、<DVD>または<Software_Downloaded_Location>のいずれかです。


    注意:

    • Microsoft Windowsオペレーティング・システムの場合、runInstallerではなくsetup.exeを実行してください。

    • Microsoft Windowsで、ソフトウェアのダウンロード場所へのパスに、スペースで区切られた2つ以上の単語から構成されるサブディレクトリ名が含まれる場合、そのサブディレクトリの親ディレクトリに、そのサブディレクトリの最初の単語と一致する名前を持つファイルが含まれないようにしてください。

      たとえば、ソフトウェアがC:\Documents and Settingsにダウンロードされる場合、setup.exeを起動する前に、Documentsというタイトルのファイル(たとえば、C:\Documentsなどのショートカット・ファイル)がC:\ドライブ内にないようにしてください。

    • 複数のOMSを持つことを計画している場合、管理エージェントによってアップロードされるすべてのメトリック・データを格納する共通の場所を維持するために、共有ファイル・システム・ローダーを構成することを強くお薦めします。中央ディレクトリを構成している場合、同じOracle Databaseに接続される後続の追加OMSのインストールはすべて、この中央ディレクトリに自動的にマップされます。

      共有ファイル・システム・ローダーを構成する場合、次のコマンドを使用してインストーラを起動します。指定する場所が、すべてのOMSからアクセスおよび書込み可能であることを確認してください。

      ./runInstaller SHARED_RECEIVE_DIRECTORY_LOCATION=<absolute_path_to_central_directory>

    • インストールが正常に終了した後、OMSおよび管理エージェントは自動的に起動されます。自動的に起動しないようにするには、次のコマンドを使用してインストーラを起動してください。

      ./runInstaller START_OMS=false b_startAgent=false

      ただし、START_OMS=false引数を渡す場合、インストール時にEMCLIツールは構成されず、結果としてEMCLIコマンドは機能しません。したがって、インストールの終了後、$<ORACLE_HOME>/binディレクトリにEMCLIツールを手動で構成する必要があります。その方法については、次の場所で入手可能な『Oracle Enterprise Manager コマンドライン・インタフェース』を参照してください。

      http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

    • デフォルトでは、GCDomainがWebLogicドメインの作成に使用されるデフォルト名です。

      これを上書きするには、次のコマンドを使用してインストーラを起動し、一意のカスタムWebLogicドメイン名を指定してください。

      ./runInstaller WLS_DOMAIN_NAME=<Custom_Domain_Name>


  2. My Oracle Supportの詳細を指定します。

    My Oracle Supportの詳細の指定

    (オプション)「My Oracle Supportの詳細」画面でMy Oracle Support資格証明を指定し、Oracle Configuration Managerを有効にします。Oracle Configuration Managerをここで有効にしない場合、手順(3)に進みます。

    インストール・ウィザードを実行しているホストがインターネットに接続されていない場合、電子メール・アドレスのみを指定し、他のフィールドは空白のままにしてください。インストールの完了後、構成情報を手動で収集し、My Oracle Supportにアップロードしてください。


    注意:

    構成情報の手動による収集およびMy Oracle Supportへのアップロードについての詳細は、次の場所で入手可能な『Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html


  3. 「次へ」をクリックします。

  4. 更新を確認します。

    ソフトウェア更新の確認

    「更新の確認」画面で、Enterprise Manager Grid Controlのインストールの進行中に自動的に実行されるソフトウェア更新のダウンロード元およびインストール元となるソースを次のいずれかから選択します。ここで適用しない場合、「ソフトウェアの更新のスキップ」を選択します。


    注意:

    My Oracle Support資格証明を指定せず、インストール時にソフトウェア更新のインストールをスキップすることを選択した場合、いつでもEnterprise Manager Grid Controlコンソールを使用して、後で資格証明を登録し、推奨されるセキュリティ・パッチを表示できます。これを行うには、Enterprise Manager Grid Controlにログインし、画面の右上隅の「プリファレンス」をクリックします。「一般」ページの左のメニュー・バーから 「優先資格証明」をクリックします。「優先資格証明」ページで、「My Oracle Support優先資格証明」セクションから「資格証明の設定」をクリックします。「My Oracle Support優先資格証明」ページで、資格証明を指定し「適用」をクリックします。

    • インストーラによってMy Oracle Supportに接続され、更新が自動的にダウンロードされるようにするには、「My Oracle Supportから更新をダウンロードしてインストール」を選択します。サイトに接続するには、My Oracle Supportアカウントのユーザー名とパスワードを指定します。

      使用しているネットワークからインターネットへの接続にプロキシを介する必要がある場合は、「プロキシ設定」を選択し、プロキシ接続の詳細を指定します。接続をテストするには、「接続テスト」をクリックします。


      注意:

      My Oracle Supportの詳細を指定した後、「次へ」をクリックすると、インストール・ウィザードは、My Oracle Supportに接続し、新しいソフトウェア更新がないかチェックします。見つかった新しいソフトウェア更新が表示されます。更新をインストールする場合は、「更新のダウンロード」をクリックします。更新をインストールしない場合は、「更新のスキップ」をクリックします。

    • (推奨)ソフトウェア更新がすでにダウンロード済でアクセス可能な場所にある場合、「ステージング場所から更新をインストール」を選択します。場所を指定するか、「参照」をクリックしてホストを検索し場所を選択します。指定または選択した場所は、ソフトウェア更新が保存されるUpdatesディレクトリとなるようにします。

      たとえば、ソフトウェア更新が/scratch/OracleHomes/Updatesで入手可能である場合、/scratch/OracleHomes/Updatesと指定します。


    注意:

    ソフトウェア更新およびそれらを手動でダウンロードする方法の詳細は、次の場所で入手可能な『Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

    自動更新機能の詳細および自動更新で使用可能なパッチについては、My Oracle Supportのノート1101208.1および1099123.1を参照してください。


  5. 「次へ」をクリックします。

    手順(4)でMy Oracle Supportの詳細を指定した場合、インストーラは、My Oracle Supportに接続し、新しいソフトウェア更新がないかチェックします。見つかった新しいソフトウェア更新が表示されます。更新をインストールする場合は、「更新のダウンロード」をクリックします。更新をインストールしない場合は、「更新のスキップ」をクリックします。

    同様に、パッチ(個別パッチを含む)が見つかった場合、「製品の更新」画面が表示されます。すべてのパッチを適用する場合、「製品の更新」画面で、「ソフトウェア更新の適用」を選択し、「次へ」をクリックします。適用しない場合、オプションの選択を解除し、「次へ」をクリックします。

  6. インストール・タイプを選択します。

    インストール・タイプの選択

    「インストール・タイプの選択」画面で、「新しいEnterprise Managerシステムのインストール」を選択します。

  7. 「次へ」をクリックします。

    Enterprise Manager Grid Controlが、UNIXオペレーティング・システムで実行中のホストにインストールする最初のOracle製品である場合、「Oracleインベントリ」画面が表示されます。詳細は手順(8)を参照してください。最初の製品ではない場合、「前提条件の確認」画面が表示されます。詳細は手順(10)を参照してください。

    Enterprise Manager Grid Controlが、Microsoft Windowsオペレーティング・システムで実行中のホストにインストールする最初のOracle製品である場合、「Oracleインベントリ」画面は表示されません。Microsoft Windowsでは、デフォルトのインベントリ・ディレクトリは次のようになります。

    <system drive>\Program Files\Oracle\Inventory
    
  8. インベントリ詳細を指定します。

    インベントリ詳細の指定

    「Oracleインベントリ」画面で、次のようにします。

    1. インベントリ・ファイルおよびディレクトリを配置するディレクトリへのフルパスを指定します。


      注意:

      中央インベントリの場所には、共有ファイル・システム上の場所を指定しないでください。すでに共有ファイル・システム上にある場合、My Oracle Supportのノート1092645.1に示された手順に従って、非共有ファイル・システムにスイッチオーバーしてください。


      注意:

      今回がホスト上の最初のOracle製品の場合、デフォルトの中央インベントリの場所は/home/<user_name>/oraInventoryになります。ただし、すでにOracle製品がホスト上にある場合、中央インベントリの場所は、oraInst.locファイルで参照できます。oraInst.locファイルは、LinuxおよびAIXの場合/etcディレクトリに、Solaris、HP-UXおよびTru64の場合/var/opt/oracleディレクトリにあります。

    2. Oracleインベントリ・ディレクトリを所有する適切なオペレーティング・システム・グループ名を選択します。選択するグループは、そのOracleインベントリ・ディレクトリに対する書込み権限を持っている必要があります。


    注意:

    このホストでの最初のOracle製品のインストールであると特定された場合のみ、この画面が表示されます。

  9. 「次へ」をクリックします。

  10. 前提条件を確認します

    前提条件の確認

    「前提条件の確認」画面に、インストール・ウィザードによって実行された前提条件チェックのステータスが表示されます。

    前提条件チェックの結果は、「警告」「失敗」または「成功」ステータスのいずれかになります。すべての前提条件チェックが成功したら、「次へ」をクリックして次の画面に進みます。ただし、結果が「警告」または「失敗」の前提条件チェックがあった場合、次を行います。

    • 「失敗」ステータスおよび「警告」 ステータスの前提条件チェックについては、インストールを続行する前に、問題を調査して修正してください。また、最新のソフトウェア更新がOracleよりリリースされている場合、そのソフトウェア更新で前提条件を更新して、再実行できます。ソフトウェア更新を手動でダウンロードして前提条件を更新する方法については、手順(4)を参照してください。

    • 使用している環境内で問題を修正した後、この画面に戻り「再確認」をクリックして、前提条件を再度確認してください。

    • すべての前提条件チェックを無視して続行する場合は、「すべて無視」を選択してください。ただし、「失敗」および「警告」ステータスの前提条件チェックを無視すると、インストールが失敗する可能性があります。このため、問題を修正し、すべてのチェックに成功した場合のみ続行することをお薦めします。

  11. 「次へ」をクリックします。

  12. インストール場所を指定します。

    インストール場所の指定

    「インストール場所の指定」画面で、Enterprise Manager Grid Controlのコア・コンポーネントのインストールおよび構成ファイルの格納に必要な情報を指定します。

    • 「Oracleミドルウェア・ホームの場所」で、デフォルトのミドルウェアの場所を確認してそれを受け入れるか、製品をインストールするホスト上にある別のミドルウェアの場所を選択または指定します。ミドルウェアの場所に、OMSのOracleホームおよび管理エージェントのOracleホームを作成するための書込み権限があることを確認してください。

      たとえば、デフォルトの場所/u01/app/Oracle/Middlewareを受け入れる場合、OMSのOracleホームは、/u01/app/Oracle/Middleware/oms11gと作成され、管理エージェントのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/agent11gと作成されます。


      注意:

      ここで受け入れた、選択した、または指定したミドルウェア・ホームは、Enterprise Manager Grid Controlに対してのみ使用されます。Enterprise Manager Grid Controlに指定された同じミドルウェア・ホームに、他のOracle Fusion Middleware製品またはコンポーネントがインストールされていないことを確認してください。

    • 「OMSインスタンス・ベースの場所」で、デフォルトのインスタンス・ベースの場所を確認してそれを受け入れるか、または製品をインストールするホスト上にあり、OMSの構成ファイルを格納するための書込み権限のある別のインスタンス・ベースの場所を指定します。

      デフォルトでは、インスタンス・ベースは、Oracleミドルウェア・ホームの親ディレクトリの下になります。デフォルトのインスタンス・ホーム名はgc_instです。ただし、このホームを編集してカスタム名を指定することができます。

      たとえば、Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareで、デフォルトのインスタンス・ホーム名を維持する場合、インスタンス・ホームの場所は/u01/app/Oracle/gc_instです。

      Oracleミドルウェア・ホームの親ディレクトリに書込み権限がない場合、インスタンス・ベースがOracleミドルウェア・ホーム自体の中に作成されます。


    注意:

    Oracleミドルウェア・ホームおよびOMSインスタンス・ベースの場所の詳細は、次の場所で入手可能な『Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html


  13. 「次へ」をクリックします。

  14. WebLogic Serverドメインを作成します。

    WebLogic Serverドメインの作成

    「WebLogic Serverドメインの作成」画面で、WebLogic資格証明とノード・マネージャ資格証明を指定します。

    デフォルトでは、WebLogicドメイン名はGCDomain、ノード・マネージャ名はnodemanagerです。これらは編集不可のフィールドです。インストーラは、Oracle WebLogicドメインの作成およびその他の関連コンポーネント(管理サーバー、管理対象サーバーおよびノード・マネージャなど)の作成にこの情報を使用します。ノード・マネージャを使用すると、Oracle WebLogic Serveインスタンスをリモートで起動、停止または再起動できます。また、ノード・マネージャは、高可用性が求められるアプリケーションでの使用をお薦めします。

  15. 「次へ」をクリックします。

  16. Oracle Databaseに接続します。

    Oracle Databaseへの接続

    「Oracleデータベースへの接続」画面で、既存のデータベースが存在するホストの完全修飾名、データベースのリスナー・ポートとそのサービス名またはシステムID(SID)、およびSYSユーザー・アカウントのパスワードを指定します。

    インストーラは、この情報を使用して、管理リポジトリが構成される既存の動作保証済Oracle Databaseに接続します。

  17. 「次へ」をクリックします。


    注意:

    Oracle RACデータベースに接続していて、そのノードのいずれかの仮想IPアドレスを指定している場合、インストール・ウィザードで「接続文字列」ダイアログが表示され、クラスタの一部であるその他のノードの情報で接続文字列を更新するように求められます。接続文字列を更新して「OK」をクリックします。接続をテストするには、接続テストをクリックします。

  18. Oracle Management Repositoryを構成します。

    Oracle Management Repositoryの構成

    「Oracle Management Repositoryの構成」画面で、次のようにします。

    1. 「SYSMANパスワード」で、SYSMANユーザー・アカウントを作成するためのパスワードを指定します。SYSMANユーザー・アカウントは、SYSMANスキーマの作成に使用されます。SYSMANスキーマは、Enterprise Manager Grid Controlの管理で使用されるほとんどのリレーショナル・データを保持します。また、SYSMANは、Enterprise Manager Grid Controlのスーパー管理者でもあります。

      パスワードはスペースを含めず8文字以上とします。先頭は文字とし、1つ以上の数字、大文字および小文字を含めるようにしてください。

    2. 「管理表領域」には、管理表領域のデータ・ファイル(mgmt.dbf)を格納できる場所のフルパスを指定します。インストーラはこの情報を使用して、監視対象のターゲットのデータ、メトリックなどを格納します。指定したパスには、ファイル名までを含めます。

      たとえば、/u01/oracle/prod/oradata/mgmt.dbfのようになります。

    3. 「構成データ表領域」には、構成データ表領域のデータ・ファイル(mgmt_ecm_depot1_.dbf)を格納できる場所のフルパスを指定します。これは、監視対象ターゲットから収集される構成情報の格納に必要です。指定したパスには、ファイル名までを含めます。

      たとえば、/u01/oracle/prod/oradata/mgmt_ecm_depot1.dbfのようになります。

    4. 「JVM診断データ表領域」には、JVM診断データ表領域のデータ・ファイル(mgmt_ad4j.dbf)を格納できる場所のフルパスを指定します。指定したパスには、ファイル名までを含めます。Enterprise Manager Grid Controlでは、JVM関連の監視データを格納するためにこのデータ・ファイルが必要です。

      たとえば、u01/oracle/prod/oradata/mgmt_ad4j.dbfのようになります。


    注意:

    ストレージにOracle自動ストレージ管理(Oracle ASM)を使用するデータベースで管理リポジトリを構成している場合、データ・ファイルの場所を指定する際、表領域の作成にはディスク・グループのみが使用されます。たとえば、+DATA/a.dbfを指定すると、Oracle ASMでの表領域の作成には+DATAのみが使用され、ディスク・グループ上のデータ・ファイルの正確な場所が、Oracle Managed Filesによって特定されます。

  19. 「次へ」をクリックします。

  20. Oracle Management Serviceを保護します。

    OMSの保護

    「セキュアなOracle Management Service」画面で、次のようにします。

    1. 「登録パスワード」では、Enterprise Manager Grid Controlシステムに追加される新しい管理エージェントを認証し、ロックされたOMSとのHTTPSプロトコルによる通信をセキュアな管理エージェントのみに許可するために使用するパスワードを指定します。

    2. OMSと管理エージェント間の通信のセキュリティを強化する場合、「OMSとの通信にセキュアなエージェントのみを使用」 を選択します。

      OMSは常にセキュア・モードで実行され、ロック済またはロック解除済状態になります。ロック解除済の状態では、保護されている管理エージェントおよび保護されていない管理エージェントが、HTTPおよびHTTPSプロトコルを使用してOMSとそれぞれ通信します。ただし、ロック済の状態では、保護されている管理エージェントのみがHTTPSプロトコルを使用してOMSと通信します。

      OMSをロック済の状態にするには、このオプションを選択します。

    3. アクセスを保護し、HTTPSプロトコルを使用したEnterprise Manager Grid Controlコンソールへのアクセスのみをユーザーに許可するには、「コンソールへのセキュア・アクセスのみを許可」を選択します。

  21. 「次へ」をクリックします。

  22. ポートをカスタマイズします。

    ポートのカスタマイズ

    「ポートのカスタマイズ」画面で、様々なコンポーネントに使用されるポートをカスタマイズし、「次へ」をクリックします。

    staticports.iniファイルがインストール中に渡される場合、staticports.iniファイルで定義されたポートがデフォルトで表示されます。ファイルが渡されない場合、推奨範囲から使用可能な最初のポートが表示されます。


    注意:

    割り当てられているデフォルト・ポート、およびデフォルト・ポートのかわりにカスタム・ポートを使用できる可能性の詳細は、次の場所で入手できる『Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html


    デフォルト・ポートを維持するか、カスタマイズするかを選択できます。ポートをカスタマイズするには、表の「ポート」列のポート値を編集し、「推奨されるポート範囲」列で推奨されている空きカスタム・ポートを指定します。

  23. 「次へ」をクリックします。

  24. 確認します。

    確認

    「確認」画面で、選択したインストール・タイプに指定した詳細を確認します。

    • 詳細を変更するには、変更する画面に到達するまで、「戻る」を繰返しクリックします。

    • 詳細を確認し問題がない場合、「インストール」をクリックしてインストール・プロセスを開始します。

  25. ソフトウェア・バイナリのコピー後、allroot.shスクリプト、および今回がホストでの最初のOracle製品のインストールの場合oraInstRoot.shスクリプトを実行するように要求されます。別のウィンドウを開き、rootとしてログインし、これらのスクリプトを手動で実行します。

    Microsoft Windowsオペレーティング・システム上でインストールしている場合、このスクリプトの実行は要求されません。手順(26)で説明されているように、「コンフィギュレーション・アシスタント」画面が直接表示されます。

  26. 「コンフィギュレーション・アシスタント」画面に、このインストール・タイプに実行されたコンフィギュレーション・アシスタントが表示されます。失敗したコンフィギュレーション・アシスタントがあり、それらを再実行する場合は、問題を修正してから、失敗したコンフィギュレーション・アシスタントを選択し、「再試行」をクリックします。スタンドアロン・モードで後で再実行する場合は、「取消」をクリックしインストーラを終了します。


    注意:

    コンフィギュレーション・アシスタントが失敗した場合、関連するログ・ファイルを確認し問題を解決して、コンフィギュレーション・アシスタントを再実行します。手順は、次の場所で入手可能な『Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』に説明されています。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

    また、同じ場所で入手可能なEnterprise Manager Grid Controlインストレーションおよびアップグレードのマスター・ノートも参照できます。このURLにアクセス後、 「Release Notes」タブをクリックし、「Master Support Notes」セクションで「HTML」をクリックします。


  27. 「インストールの終了」画面に、Enterprise Managerのインストールに関連する情報が表示されます。情報を確認し、「閉じる」をクリックして、インストール・ウィザードを終了します。

    このインストールの詳細は、OMSのOracleホームで入手可能な次のファイルを参照してください。

    $<ORACLE_HOME>/install/setupinfo.txt

インストール後の作業

インストール後、次の作業を実行します。

  1. インストールを確認します。

    1. OMSのOracleホームに移動し、次のコマンドを実行して、OMSが稼働中であることを示すメッセージを確認します。

      $<ORACLE_HOME>/bin/emctl status oms

    2. 管理エージェントのOracleホームに移動し、次のコマンドを実行して、管理エージェントが稼働中であることを示すメッセージを確認します。

      $<ORACLE_HOME>/bin/emctl status agent

    3. 管理エージェントのOracleホームに移動し、次のコマンドを実行して、EMDアップロードが正常に完了したことを示すメッセージを確認します。

      $<ORACLE_HOME>/bin/emctl upload


    注意:

    デフォルトでは、HTTPSプロトコルを使用する場合のみEnterprise Manager Grid Controlにアクセスできます。HTTPプロトコルを使用する場合、OMSのOracleホームから次のコマンドを実行してそのロックを解除します。

    emctl secure unlock -console


  2. セキュアなプロトコル(HTTPS)を使用してEnterprise Manager管理サーバーに接続するには、次のようにします。

    1. 環境内で追加のSSL引数を指定します。これを行うには、JAVA_OPTIONSを設定し、ocmrepeaterctlスクリプトを起動する前に使用する適切なSSL引数を追加します。

      JAVAオプションの詳細は、次のURLにアクセスしてください。

      http://download.oracle.com/docs/cd/E12840_01/wls/docs103/client/security.html#wp1077561

      http://download-llnw.oracle.com/docs/cd/E12840_01/wls/docs103/config_scripting/using_WLST.html#wp1093943

      デモ用信頼証明書またはカスタムの信頼証明書のいずれがSSLレルムによって使用されているかによって、SSL引数には次が含まれます。

      [
        [
          <
             -Dweblogic.security.TrustKeyStore=DemoTrust
            [ -Dweblogic.security.JavaStandardTrustKeystorePassPhrase=password ]   
          >
          |
          <
             -Dweblogic.security.CustomTrustKeyStoreFileName=filename          
             -Dweblogic.security.TrustKeystoreType=CustomTrust     
             [ -Dweblogic.security.CustomTrustKeystorePassPhrase=password ]
          >
        ]
        [  
          < -Dweblogic.security.SSL.hostnameVerifier=classname >
         |
          < -Dweblogic.security.SSL.ignoreHostnameVerification=true >
        ]
      ]
      
    2. 管理サーバーでHTTPトンネリングが有効であることを確認します。これを確認するには、Oracle Weblogic Server管理コンソールにログインして、次のようにします。

      (i)ホームページの左側の「ドメイン構造」パネルで、「環境」を展開し、「サーバー」をクリックします。

      (ii)「サーバーのサマリー」ページの「サーバー」表から管理サーバーをクリックします。

      (iii)「<Admin_Server>の設定」ページで、「プロトコル」タブをクリックし、「HTTP」サブタブをクリックします。

      (iv)「HTTP」ページで、「トンネリングの有効化」を選択し、「保存」をクリックします。

  3. 付録G「監視対象となるデータベース・ターゲットおよびASMターゲットの構成」の説明に従って、監視するOracle DatabaseおよびOracle自動ストレージ管理(Oracle ASM)ターゲットを構成します。

  4. 付録H「Oracle Management Serviceのプロキシ構成の設定」の説明に従って、プロキシ・サーバーを構成します。

  5. Enterprise Manager Grid Controlコンソールへのアクセスには、My Oracle Supportのノート412431.1に示された動作保証済ブラウザのみを使用してください。

  6. (オプション)完全なEnterprise Managerシステムのインストール中に共有ファイル・システム・ローダーを構成していない場合、ここでその共有場所を構成するには、OMSのOracleホームから次のコマンドを実行します。

    $<ORACLE_HOME>/bin/emctl config oms loader -shared yes -dir <Loader_Directory>

    次に例を示します。

    $<ORACLE_HOME>/bin/emctl config oms loader -shared yes -dir /share/recv

  7. (オプション)別の管理リポジトリに接続する場合、OMSを停止して次のコマンドを実行し、OMSを再起動します。

    emctl config oms -store_repos_details (-repos_host <host> -repos_port <port> -repos_sid <sid> | -repos_conndesc <connect descriptor>) -repos_user <username> [-repos_pwd <pwd>] [-no_check_db]


    注意:

    Linuxでは、シングルおよびダブルの引用符を使用して接続記述子を二重にエスケープする必要があります。ただし、Microsoft Windowsでは必要ありません。

    たとえば、Linuxでは次のように指定します。

    emctl config oms -store_repos_details -repos_host myreposhost.mydomain.com -repos_port 12345 -repos_sid mydb -repos_conndesc '"(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=myreposhost.mydomain.com)(PORT=12345))(CONNECT_DATA=(SID=mydb)))"' -repos_user sysman

    たとえば、Microsoft Windowsでは次のように指定します。

    emctl config oms -store_repos_details -repos_host myreposhost.mydomain.com -repos_port 12345 -repos_sid mydb -repos_conndesc (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=myreposhost.mydomain.com)(PORT=12345))(CONNECT_DATA=(SID=mydb))) -repos_user sysman


  8. (オプション)SYSMANパスワードを変更する場合、OMSを停止して次のコマンドを実行し、OMSを再起動します。

    emctl config oms -change_repos_pwd

  9. (オプション)新たにインストールされたターゲットを検出する場合、スタンドアロンの管理エージェントをクラスタ・ベースの管理エージェントに変換する場合、クラスタの新規ノード上のターゲットを検出する場合、またはクラスタ・ベースの管理エージェントを再構成する場合、agentcaスクリプトを実行して、すべての新規ターゲットを再構成し検出する必要があります。agentcaスクリプトの詳細、および管理エージェントを再構成しすべての新規ターゲットを検出する方法については、次の場所で入手可能な『Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド』を参照してください。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

  10. (オプション)WLS内のトランザクション・リクエストを追跡する リクエスト監視機能を有効にする場合、 JVM診断、および監視対象のターゲットに対して構成されたアプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)マネージャおよびエージェントが必要です。

    JVM診断のインストールおよびリクエスト監視機能の有効化の詳細は、Oracle Enterprise Manager管理ガイドを参照してください。

    Enterprise Manager Grid ControlでのADP機能の有効化の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Management Pack Plus for SOAスタート・ガイド』を参照してください。

    いずれのガイドも、次の場所で入手可能です。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html