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Oracle Warehouse Builder インストレーションおよび管理ガイド
10gリリース2(10.2.0.2)for Microsoft Windows and UNIX Systems

B40080-01
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1 インストールの概要と要件

この章では、インストール・プロセスの概略を示し、ソフトウェアおよびハードウェアの要件について説明します。さらに、Oracle Warehouse Builderのアーキテクチャとそのコンポーネントを紹介します。この章では、次の項目について説明します。

Warehouse Builderのアーキテクチャとコンポーネント

Oracle Warehouse Builderは、Oracle Databaseを使用してデータを高品質の情報に変換する情報統合ツールです。図1-1に示すように、データベースによって、Warehouse Builderリポジトリ、Warehouse Builderで生成されるコード、およびターゲット・スキーマがホスティングされており、Oracle DatabaseはWarehouse Builderアーキテクチャの重要なコンポーネントです。

図1-1は、Warehouse Builderソフトウェアの主要コンポーネントの相互作用を示しています。デザイン・センターは、データを移動および変換する際にETLプロセスを設計、管理、スケジュールおよび配布するためのユーザー・インタフェースです。デザイン・センターで実行された作業に関連するすべてのメタデータは、Oracle Warehouse Builderリポジトリに格納されます。リポジトリはOracle Databaseにホスティングされており、リポジトリ・ブラウザを使用してリポジトリ内のメタデータのレポートを作成できます。また、ターゲット・スキーマもOracle Databaseにホスティングされます。コントロール・センター・サービスを使用して実行したETLプロセスの結果データは、Warehouse Builderによってターゲット・スキーマにロードされます。

図1-1    Warehouse Builderと従来のクライアント/サーバーの実装


画像の説明

デザイン・センター

デザイン・センターにより、ソースの定義およびターゲットおよびETLプロセスの設計のためのグラフィカル・インタフェースが提供されます。

コントロール・センター・マネージャ

デザイン・センター・クライアントには、ETLプロセスを配布し、実行できるコントロール・センター・マネージャがあります。コントロール・センター・マネージャは、配布のあらゆる側面を表示し、管理できる包括的な配布コンソールです。

ターゲット・スキーマ

ターゲット・スキーマは、データや、デザイン・センターで設計したキューブ、ディメンション、ビュー、マッピングなどのデータ・オブジェクトのロード先となるターゲットです。ターゲット・スキーマには、シノニムなどのWarehouse Builderコンポーネントが含まれます。シノニムにより、ETLマッピングを使用してリポジトリの監査/サービス・パッケージにアクセスできます。リポジトリには、実行情報や配布情報などのターゲット・スキーマに関するすべての情報が格納されます。

図1-1に示すように、ターゲット・スキーマはWarehouse Builderソフトウェア・コンポーネントではなく、Oracle Databaseの既存のコンポーネントです。したがって、複数のターゲット・スキーマを単一のWarehouse Builderリポジトリに関連付けることができます。ターゲット・スキーマとリポジトリは、1対1の関係にすることも、多対1の関係にすることもできます。たとえば、図1-2では、2つのターゲット・スキーマがリポジトリと同じデータベースにホスティングされています。ただし、1つのターゲット・スキーマを複数のリポジトリに関連付けることはできません。

Warehouse Builderリポジトリ

Warehouse Builderリポジトリは、リポジトリ所有者、1人以上のリポジトリ・ユーザーおよび1つのスキーマで構成されます。リポジトリ・スキーマには、設計メタデータを構成するすべてのソース、ターゲットおよびETLプロセスのメタデータ定義が格納されます。リポジトリには、設計メタデータだけでなく、オプションでコントロール・センター・マネージャおよびコントロール・センター・サービスで生成されるランタイム・データを含めることもできます。また、2つのリポジトリを作成して、一方を設計メタデータ用、他方をランタイム・メタデータ用にすることができます。

Warehouse Builderの初期インストール時に、リポジトリ・アシスタントを使用して1つ以上のリポジトリを定義します。その後の実装サイクルで、既存のリポジトリを管理したり、新しいリポジトリを作成したりする際にもリポジトリ・アシスタントを使用します。

リポジトリ実装のオプションの例は、「実装方針」を参照してください。

リポジトリ・ブラウザ

リポジトリ・ブラウザは、リポジトリのレポート作成するためのWebブラウザ・インタフェースです。メタデータの表示、レポートの作成、ランタイム操作の監査、および系統分析および影響分析を実行できます。リポジトリ・ブラウザは、デザイン・リポジトリ固有情報およびコントロール・センター固有情報を参照できるように編成されています。

コントロール・センター・サービス

コントロール・センター・サービスは、ロケーションの登録、およびコントロール・センター・マネージャからの配布のためのコンポーネントで、ETLマッピングおよびプロセス・フローを実行する機能です。

実装方針

この項では、Warehouse Builderを実装するための様々なオプションの概要について説明します。各オプションの実装方法の詳細は、第2章「Oracle Warehouse Builderリポジトリのインストール」を参照してください。

基本実装

最も単純なオプションは、すべてのクライアントとサーバーのコンポーネントを単一のローカル・コンピュータにインストールすることです。これは、概念実証を行ったり、パイロット・プログラムを開始したりする場合に適しています。

従来のクライアント/サーバー実装

図1-1に示すように、クライアント・コンポーネントは複数のクライアント・マシンに配置され、サーバー・コンポーネントは単一のサーバーに配置されます。

個別の設計およびランタイム環境実装

図1-2に示すような実装では、ソース、ターゲットおよびETLプロセスのメタデータ定義が1つのリポジトリに格納され、ユーザーはデザイン・センターを使用してアクセスします。

個別のリポジトリにはランタイム・データが格納されます。単一のコントロール・センター・サービスで、コントロール・センターおよびその配布と実行のアクティビティを管理します。

ランタイム・データは監査表に格納されます。ユーザーはリポジトリ・ブラウザでコントロール・センターの固有レポートから監査表にアクセスします。

デザイン・リポジトリとコントロール・センター・リポジトリ間の通信は、オブジェクトをターゲット・スキーマに配布するときにのみ発生します。

図1-2    分割リポジトリ実装


画像の説明

リモート・ランタイム環境実装

コントロール・センター・サービスは、オブジェクトのターゲット・スキーマへの配布を管理するWarehouse Builderサーバー・コンポーネントです。通常は、図1-2に示すように、コントロール・センター・サービスはターゲット・スキーマをホスティングするマシンにインストールできます。

例外的に、コントロール・センター・サービスをターゲット・スキーマと同じコンピュータにインストールできないことがあります。その場合は、かわりにリモート・ランタイム環境を実装します。

Warehouse Builderソフトウェアがターゲット・スキーマをホスティングするオペレーティング・システムでサポートされない場合、リモート・ランタイム環境を実装します。また、企業のセキュリティ・ポリシーで、ターゲット・スキーマをホスティングするコンピュータ上へのソフトウェアのインストールが制限されている場合も、リモート・ランタイム環境を考慮します。

詳細は、「リモート・ラインタイムの実装(オプション)」を参照してください。

Warehouse Builderをインストールする一般的な手順

Warehouse Builderをインストールする手順は、ソフトウェアを新しいサーバーにインストールするか、または既存のインストールをアップグレードするかにより異なります。既存のインストールをアップグレードする場合は、第3章「Oracle Warehouse Builder 10gリリース2(10.2)へのアップグレード」を参照してください。

新しいインストールを開始する場合は、次の指示に従って、このマニュアル内の該当する章および項を確認してください。

新しいインストールを開始するには:

  1. 実装方針を決定します。

    様々な環境と顧客のニーズに適合するために、Warehouse Builderはサーバーおよびクライアント・コンポーネントのインストール先を柔軟に選択できます。

    実装方針を策定するには、「Warehouse Builderのアーキテクチャとコンポーネント」および「インストール要件の概要」を参照してください。

  2. 『Oracle Warehouse Builderリリース・ノート』を確認します。

    リリース・ノートには、インストール上の注意点やインストール方針に影響する既知の問題が記載されている場合があります。リリース・ノートは、Oracle Warehouse Builder CD-ROMに収録されています。また、最新版はOracle Technology Network(http://otn.oracle.com)より入手できます。

  3. サーバーの準備

  4. RAC環境のみの場合は、「RAC環境にWarehouse Builderをインストールする手順」に進みます。その他の場合は、この説明の次の手順に進みます。

  5. Oracle Databaseの準備

  6. サーバーへのWarehouse Builderソフトウェアのインストール

    チェックリスト: Universal Installerを起動する前に」を確認してからOracle Universal Installerを起動し、プロンプトに従ってサーバーに指定するコンピュータにWarehouse Builderソフトウェアをインストールします。分割実装の場合は、リポジトリをホスティングする2台のマシンにそれぞれWarehouse Builderソフトウェアをインストールします。

  7. Oracle Warehouse Builderリポジトリのインストール

    リポジトリ・アシスタントにより、リポジトリのユーザーと所有者を定義するよう求められます。

    Windowsの場合、リポジトリ・アシスタントを起動するには、「スタート」メニューから「プログラム」を選択し、これまでの手順でインストール済のOracle製品グループにナビゲートします。「Warehouse Builder」→「Administration」→「Repository Assistant」を選択します。

    UNIXの場合、リポジトリ・アシスタントを起動するには、OWB_ORACLE_HOME/owb/bin/unixに移動し、reposinst.shを実行します。

  8. リポジトリのセキュリティ・ポリシーの設定(オプション)

    リポジトリをインストールすると、Warehouse Builderにより、デフォルトのメタデータ・セキュリティ・ポリシーが適用されます。デフォルト・ポリシーは、概念実証やパイロット・プロジェクトに適した最小のセキュリティ・ポリシーです。

    最大セキュリティ・ポリシーを選択して、デフォルトを上書きできます。あるいは、Warehouse Builderのセキュリティ・インタフェースを使用して、独自のセキュリティ・ポリシーを設計することもできます。いずれの場合も、リポジトリ・データベースのAdvanced Security Option(ASO)を有効にしておく必要があります。

  9. オプション・コンポーネントのインストール (オプション)

    ブラウザ、サード・パーティ・ツール、および関連するOracle製品などのオプション・コンポーネントを有効にする方法については、第5章を参照してください。

  10. Warehouse Builderソフトウェアをクライアント・マシンにインストールします。

    クライアントとして使用する各コンピュータについて、「Warehouse Builderソフトウェアのインストール」を繰り返します。

  11. インストール・プロセスを完了すると、「Warehouse Builderコンポーネントの起動」で説明しているように、すべてのWarehouse Builderコンポーネントを起動できます。

インストール要件の概要

実装方針を策定する際は、この項を参照してください。

表1-1に必要なコンポーネントを示します。また、表1-2にOracle Warehouse Builder環境の一部のオプション・コンポーネントを示します。

必須コンポーネント

表1-1は、Oracle Warehouse Builder環境で必要なコンポーネントの一覧です。この表に、各コンポーネントをインストールする際の重要な検討事項と詳細情報の参照先を示します。

表1-1    必須コンポーネント 
コンポーネント  要件 

サーバー・コンピュータ

オペレーティング・システムは、Oracle 10gデータベースがサポートされているWindowsまたはUNIXプラットフォームを使用できます。

動作保証されているハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システムのバージョンの最新リストは、OracleMetaLinkのWebサイト(http://metalink.oracle.com/)の動作保証リストを参照してください。 

Windowsでは、32bitおよび64bitアーキテクチャがサポートされます。コンピュータに最低850MBのディスク領域、768MBの利用可能メモリー、および768MBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域があることを確認してください。

UNIXでは、コンピュータに最低1100MBのディスク領域、768MBの利用可能メモリー、1100MBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域があることを確認してください。

サーバーの準備」を参照してください。 

Oracle Database

データベースは次のバージョンを使用できます。

  • Oracle9iリリース2(9.2.x)Enterprise Edition

  • Oracle Database 10g Enterprise Editionリリース1(10.1.x)

  • Oracle Database 10g Standard Editionリリース2(10.2.x)

  • Oracle Database 10g Enterprise Editionリリース2(10.2.x)

アナリティック・ワークスペースにディメンション構造を配布する場合、次のいずれかを使用する必要があります。

  • Oracle10gリリース1(10.1.0.2)とOracle 10.1.0.4パッチ・セット以上

  • Oracle10gリリース2(10.2.0.1)以上

 

Warehouse Builderリポジトリをデータベースにインストールするには、SYSDBA権限が必要です。

DB_BLOCK_SIZEに最適値の16384か、サーバーの最大許容ブロック・サイズが設定されていることを確認してください。

Oracle Databaseの準備」を参照してください。

必要に応じて次の項目を参照してください。

 

クライアント・コンピュータ

クライアント・マシンには、WindowsまたはLinuxオペレーティング・システムが必要です。  

Windowsでは、コンピュータに最低850MBのディスク領域、768MBの利用可能メモリー、1GBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域があることを確認してください。

Linux 32bit版では、コンピュータに最低1100MBのディスク領域、768MBの利用可能メモリー、1GBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域があることを確認してください。

クライアント・マシンの準備」を参照してください。 

Oracle Universal Installer

Warehouse Builderコンポーネントをサーバーまたはクライアントにインストールする際は、「チェックリスト: Universal Installerを起動する前に」を確認して、Oracle Universal Installerを起動します。 

Warehouse BuilderのOracleホームは個別に指定してください。たとえば、OWB_ORACLE_HOMEを指定します。

Warehouse Builderソフトウェアのインストール」を参照してください。 

Oracle Warehouse Builder コンポーネント

  • Warehouse Builder デザイン・センター(ETLプロセス設計に使用)

  • OMB Plus、スクリプト言語およびインタフェース

  • Warehouse Builderリポジトリ

  • リポジトリ・アシスタント(リポジトリ定義に使用)

  • コントロール・センター・サービス

  • リポジトリ・ブラウザ(リポジトリのメタデータおよび監査データの表示およびレポート作成に使用)

 

リポジトリは、1つに統合することができます。また、あるリポジトリに設計メタデータを格納し、別のリポジトリにコントロール・センター・サービスで生成されるランタイム・メタデータを格納するように、個別にリポジトリを定義することもできます。

ターゲット・スキーマをホスティングするサーバーごとにリポジトリをインストールします。必要に応じて、サーバー上に追加のWarehouse Builderコンポーネントをインストールせずにターゲット・スキーマを持つこともできます。

概要は、「Warehouse Builderのアーキテクチャとコンポーネント」を参照してください。例は、「拡張設定オプションを使用したリポジトリのインストール」を参照してください。 

オプション・コンポーネント

表1-2は、Oracle Warehouse Builder環境で使用可能な一部のオプション・コンポーネントの一覧です。この表に、各オプション・コンポーネントに関する重要な検討事項と詳細情報の参照先を示します。

表1-2    オプション・コンポーネント 
コンポーネント  要件 

Oracle E-Business Suite(オプション)

E-Business SuiteのデータまたはメタデータをWarehouse Builderユーザーが使用できるようにするオプションがあります。 

Oracle E-Business Suiteとの統合」を参照してください。  

Oracle Workflow(オプション)

これは、Oracle Workflowを使用してジョブ依存性を管理するためのオプションです。

Warehouse Builderプロセス・フローを使用する場合は、Oracle Workflowをインストールして配布を使用可能にする必要があります。 

Warehouse Builderは、次のバージョンと互換性があります。

  • Oracle Workflow 2.6.2(Oracle 9.2用)

  • Oracle Workflow 2.6.3(Oracle 10gリリース1用)

  • Oracle Workflow 2.6.4(Oracle 10gリリース2用)

Oracle Workflowのインストール」を参照してください。 

Oracle Enterprise Manager(オプション)

これは、Oracle Enterprise Managerを使用してジョブをスケジュールするためのオプションです。 

Warehouse Builderは、Oracle9i Enterprise Managerリリース2と互換性があります。

Oracle Enterprise Managerの構成」を参照してください。 

サード・パーティのName and Addressデータ(オプション)

これは、Name and Address演算子を使用してName and Addressデータをクレンジングする場合のオプションです。 

次のものをOracle Technology Networkに一覧されている認定ベンダーから入手する必要があります。

 

サーバーの準備

サーバーにOracle Databaseがインストールされていない場合は、使用しているオペレーティング・システム用のOracle Databaseのインストレーション・ガイドを調べます。Oracle Databaseをインストールする前に、必要なオペレーティング・システムのパッチをインストールしてください。

Warehouse Builder 10gリリース2(10.2.0.2)は、Oracle Database 10gでサポートされるプラットフォームと同じプラットフォームで使用できます。

動作保証されているハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システム・バージョンの最新リストは、OracleMetaLinkのWebサイトの動作保証リストを参照してください。このWebサイトでは、互換性のあるクライアントおよびデータベースのバージョン、パッチおよび不具合の回避策の情報も提供されています。OracleMetaLinkのWebサイトは、次のURLでアクセスできます。

http://metalink.oracle.com/

UNIXサーバーの準備

Linux以外のすべてのUNIXプラットフォームでは、Warehouse Builderサーバー・コンポーネントのみがサポートされます。ただし、Linux 32bit版のプラットフォームでは、サーバーとクライアント・コンポーネントの両方をインストールできます。つまり、UNIXサーバー上にはリポジトリおよびコントロール・センター・サービスをインストールできますが、デザイン・センターおよびリポジトリ・ブラウザにはWindowsまたはLinux 32bit版のプラットフォームが必要です。

サーバー・コンポーネントのみをインストールする場合、UNIXオペレーティング・システムが表1-3の要件を満たしていることを確認してください。Linuxからアクセスするクライアント・コンポーネントもインストールする場合、「クライアント・マシンの準備」に示す追加のハードウェア要件を参照してください。

表1-3    UNIX動作環境のソフトウェア要件 
要件  詳細 

ディスク領域 

1100MB 

メモリー 

768MB

必要なメモリーは、実行されている機能とユーザー数によって増加します。 

ページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域 

1GB 

UNIXでの環境変数の設定

UNIXをインストールするときに、Oracleホームの環境変数を指定する必要があります。

表1-4に示すUNIXコマンドを使用します。ここで、full_pathはWarehouse Builder 10gリリース2(10.2.0.2)をインストールする場所のパスです。

表1-4    サーバー上のOracleホームの設定 
環境変数  Cシェル・コマンド  Kornシェル・コマンド  Bourneシェル・コマンド 

ORACLE_HOME 

setenv ORACLE_HOME full_path 

export ORACLE_HOME=full_path 

ORACLE_HOME=full_path; export ORACLE_HOME 

Microsoft Windowsサーバーの準備

Windowsプラットフォームでは、1台のコンピュータにWarehouse Builderサーバーまたはクライアント・コンポーネント、あるいはその両方をインストールできます。表1-5にWindowsオペレーティング・システムの要件を示します。これらの要件は、同じコンピュータにインストールする他のOracle製品の要件とあわせて必要となるものです。インストールする各Oracle製品のマニュアルを参照し、全体的なシステム要件を確認してください。

表1-5    Windows動作環境のソフトウェア要件 
要件  詳細 

ディスク領域 

850MB 

メモリー 

768MB

必要なメモリーは、実行されている機能とユーザー数によって増加します。 

ページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域 

1GB 

システム・アーキテクチャ 

32bitおよび64bit

注意: Oracleでは32bit版および64bit版のWarehouse Builderを提供しています。32bit版のWarehouse Builderは、32bit版のオペレーティング・システムで実行する必要があります。64bit版のWarehouse Builderは、64bit版のオペレーティング・システムで実行する必要があります。 

オペレーティング・システム 

Warehouse Builderは次のオペレーティング・システムで動作します。

  • Windows 2000(Service Pack 1以上)。Terminal ServicesとWindows 2000 MultiLanguage Edition(MLE)のすべてのEdition。

  • Windows Server 2003。

  • Windows NT Server 4.0、Windows NT Server Enterprise Edition 4.0、Terminal Server Edition(Service Pack 6a以上)。Windows NT Workstationのサポートは廃止されました。

  • Windows XP Professional。

 

Oracle Databaseの準備

Warehouse Builder 10gリリース2(10.2.0.2)は、次に示すリリースのOracle Databaseと使用する場合にサポートおよび動作保証されます。

Warehouse Builderリポジトリをインストールするデータベースごとに、SYSDBA権限を持つユーザーが必要です。

後の章で説明するように、Warehouse Builderデザイン・リポジトリまたはターゲット・スキーマを作成するすべてのコンピュータにOracle Databaseをインストールする必要があります。

リポジトリのサイズ要件は、キャラクタ・セットによって異なります。たとえば、AL32UTF8キャラクタ・セットを使用する空のリポジトリの表領域には、約90MBが必要です。シングルバイト・キャラクタ・セットのWarehouse Builderリポジトリを平均的に使用する場合は、1330MBを追加し、合計1420MBに設定することをお薦めします。マルチバイト・キャラクタ・セットの場合は、さらに表領域を増やす必要があります。

Warehouse Builderで使用可能なメタデータ・セキュリティ・オプションを実装する場合、データベースのOracle Advanced Securityオプションを有効にします。メタデータ・セキュリティ・オプションの概要は、「リポジトリのセキュリティ・ポリシーの設定(オプション)」を参照してください。

Warehouse Builderリポジトリの構成設定

Warehouse Builderをインストールする前に、必要な構成パラメータを設定してOracle Databaseを準備します。データベースで設計コンポーネントとランタイム・コンポーネントの両方をホスティングする場合、Oracle 10gデータベースはサーバー・リソースが最適化されるように自己調整されます。設定の必要な追加パラメータは、「フラット・ファイル・ターゲットのターゲット・データ・ファイルのパスの設定」を参照してください。

設計コンポーネントとランタイム・コンポーネントを個別のデザイン・リポジトリに配置する場合、「デザイン・リポジトリ・データベース・インスタンスのパラメータ」および「ランタイム・リポジトリ・データベース・インスタンスのパラメータ」を参照してください。

デザイン・リポジトリ・データベース・インスタンスのパラメータ

Oracle 10gデータベースでは、サーバー・リソースが最適化されるように、構成設定が自己調整されます。Warehouse Builderが効率的に実行されるように、DB_BLOCK_SIZEが最適値に設定されていることを確認してください。

表1-6は、パフォーマンスを保証するための最初の目安となる初期化パラメータを示しています。

表1-6    デザイン・リポジトリ・インスタンス用初期化パラメータ 
初期化パラメータ  設定値  コメント 

COMPATIBLE 

10.2.0.1 

初期化パラメータにこのパラメータがない場合は、最後に追加してください。  

DB_BLOCK_SIZE 

8192 

このパラメータはデータベースの作成時に設定され、変更できません。

Warehouse Builderでは、デザイン・リポジトリに8192を超える値を設定することはお薦めしません。 

DB_CACHE_SIZE 

104877600  

これは100MBです。 

LOCK_SGA 

TRUE 

SGAの設計を物理メモリーにロックすることをお薦めします。 

O7_DICTIONARY_ACCESSIBILITY 

TRUE 

REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEパラメータをEXCLUSIVEに設定する代替手段として、これをTRUEに設定します。これによって、SYSユーザーに接続するときに次の文が機能します。

connect sys/<<sys_password>>@TNS_NAME_OF_DB 

OPEN_CURSORS 

300 

これより高い値も設定できます。 

REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE 

EXCLUSIVE 

この設定は、次のconnect文を動作させるために必要です。

connect sys/<<sys_password>>@TNS_NAME_OF_DB as sysdba;

ただし、このパラメータをEXCLUSIVEではなくNONEに設定した場合は、前述のように07_DICTIONARY_ACCESSIBILITYパラメータを設定します。 

ランタイム・リポジトリ・データベース・インスタンスのパラメータ

Warehouse Builderランタイム・コンポーネントをサポートするには、Oracle Databaseインスタンスを変更する必要があります。表1-7にデータベース構成パラメータを示します。

表1-7    ランタイム・インスタンスの初期化パラメータ 
初期化パラメータ  設定値  コメント 

AQ_TM_PROCESSES  

1 

このパラメータは、Warehouse BuilderおよびOracle Workflowアドバンスト・キューイング・システムの場合は必須です。 

COMPATIBLE 

10.2.0.1 

初期化パラメータにこのパラメータがない場合は、最後に追加してください。  

DB_BLOCK_SIZE 

16384 

このパラメータはデータベースの作成時に設定されます。変更しないでください。

推奨値は16384です。サーバーで使用できるブロック・サイズがこれより小さい場合は、使用可能な最大サイズを設定してください。コンピュータのRAMが512MBより少ない場合は、9600をお薦めします。 

DB_CACHE_SIZE 

314632800 

この値は、300MBまたはシステムの許容限度まで高くすることができます。より大きな共有メモリー・セグメントを使用できるようにオペレーティング・システム・パラメータを調整する必要がある場合があります。

SGA_TARGETパラメータの値を設定する場合は、DB_CACHE_SIZEパラメータの値は設定しないでください。 

DB_FILE_MULTIPLE_BLOCK_READ_COUNT 

16 

16は推奨値ですが、可能なら32をお薦めします。 

DB_WRITER_PROCESSES 

コメントを参照 

CPUが8個未満の場合は、DB_WRITER_PROCESSES1に設定します。このパラメータ値を8CPUごとに2ずつ増やします。 

DBWR_IO_SLAVES 

n 

nはCPUの数を表します。

次のような場合は、このパラメータを0に設定して無効にします。

  • DB_WRITER_PROCESSESの値が1より大きい場合。この場合、DBWR_IO_SLAVESパラメータを調整してもその効果はありません。

  • CPUが1つのみで、プラットフォームで非同期I/Oがサポートされていない場合。

 

DISK_ASYNCH_IO 

TRUE 

プラットフォームで非同期I/Oがサポートされていない場合、DBWR_IO_SLAVES4などの正数に設定し、非同期I/Oをシミュレートします。 

ENQUEUE_RESOURCES 

3000以上(大きなMDLファイルをインポートする場合)。 

エラーなしでインストールを完了するには、最小設定の「1」が必要です。 

JAVA_POOL_SIZE 

20MB 

推奨最小値は20MBです。

0以外の値をSGA_TARGETパラメータに設定した場合は、JAVA_POOL_SIZEパラメータに値を設定しないでください。 

JOB_QUEUE_PROCESSES 

10以上 

最適な設定は10です。JOB_QUEUE_PROCESSES0に設定した場合は、コントロール・センター・サービスは実行されず、エラー・メッセージが生成されます。 

LARGE_POOL_SIZE 

0 

SGA_TARGETパラメータの値を設定した場合は、このパラメータの値は設定しないでください。このパラメータによって、サーバーでLARGE_POOL_SIZEが自動的に設定されます。

前提条件: PARALLEL_AUTOMATIC_TUNINGは、TRUEに設定する必要があります。 

LOG_BUFFER 

コメントを参照 

512Kより大きい値に設定し、CPU数の128K倍にする必要があります。 

LOG_CHECKPOINT_TIMEOUT 

3000 

この設定で、チェックポイントを実行するタイムアウトがデフォルトの3分間から5分間に増加します。 

MAX_COMMIT_PROPAGATION_DELAY 

RACシステムにインストールする場合にのみ必要です。これが0に設定されていない場合、データ伝播遅延によりコントロール・センター・サービスで NO_DATA_FOUNDエラーが発生する場合があります。 

OPEN_CURSORS 

500 

複数のセッションを起動する場合や、1つのセッションで複数のマッピングか複雑なマッピングを実行する場合は、より高い値を指定できます。 

OPTIMIZER_MODE 

all_rows 

使用可能な他のオプティマイザ・モードは、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』および『Oracle データ・ウェアハウス・ガイド』を参照してください。  

PARALLEL_ADAPTIVE_MULTI_USER 

TRUE 

このパラメータの前提条件として、PARALLEL_AUTOMATIC_TUNINGTRUEに設定します。 

PARALLEL_AUTOMATIC_TUNING 

TRUE 

この設定によって、パラレル処理のチューニングがサーバーで実行されます。

このパラメータは、Oracle9iまたはOracle8iデータベースの場合のみ設定します。Oracle 10g以降では、このパラメータは使用できないため、SGA_TARGETを0以外の値に設定することをお薦めします。 

PGA_AGGREGATE_TARGET 

314572800 

これは300MBです。ソートや集計を頻繁に行う場合は、この値を増やすことができます。ただし、PGA_AGGREGATE_TARGETは、空き物理メモリー・サイズより小さくする必要があります。 

PLSQL_OPTIMIZE_LEVEL 

2 

Oracle Database 10gリリース2(10.2.0.2)のPL/SQLコンパイラはPL/SQLコードに対して、より綿密な最適化を実行できます。 

QUERY_REWRITE_ENABLED 

TRUE 

QUERY REWRITEオプションを使用してマテリアライズド・ビューを生成する予定である場合は、このパラメータをTRUEに設定します。 

REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE 

EXCLUSIVE 

ランタイム・スキーマにアクセスするか、ランタイム・スキーマを作成するには、SYSDBA権限を持つSYSアカウントを使用する必要があります。リポジトリ・ユーザーには、特定のv_$表へのアクセス権が必要です。これらの権限付与は、リポジトリを作成したときにSYSDBAアカウントによって行われます。この設定により、SYSDBA権限が必ずSYSに付与されます。 

RESOURCE_MANAGER_PLAN 

plan_name 

Warehouse Builderランタイムのリソース使用率を管理するためにリソース・プランを作成することを強くお薦めします。リソース・プランの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 

SGA_TARGET 

500MB〜1GB 

コンピュータのメモリーで可能であれば、最大値、またはできるかぎり大きい値をお薦めします。

SGA_TARGETパラメータを設定した場合は、次のパラメータはサーバーによって自動的に調整されるので設定しないでください。

  • JAVA_POOL_SIZE

  • DB_CACHE_SIZE

  • LARGE_POOL_SIZE

  • SHARED_POOL_SIZE

かわりに、SGA_TARGETパラメータを0に設定できます。これによって自動サイジング機能がオフになります。その場合、上の4つのパラメータのサイズ設定に関する推奨事項に従ってください。

注意: Oracle 10g以降では、SGA_TARGETを設定することをお薦めします。 

SHARED_POOL_SIZE 

419430400 

推奨最小値は400MBです。

SGA_TARGETパラメータの値を設定した場合は、SHARED_POOL_SIZEパラメータの値は設定しないでください。 

STATISTICS_LEVEL 

TYPICAL 

 

UNDO_MANAGEMENT 

AUTO 

この設定では、ロールバック・セグメントを作成する必要はありません。 

UTL_FILE_DIR  

* 

PL/SQLでファイル入出力に使用できるディレクトリを指定します。UTL_FILE_DIR = * と設定すると、すべてのディレクトリをファイル入出力に使用できます。個別のディレクトリを指定するには、それぞれのディレクトリに対して、このパラメータを連続した行に繰り返し指定します。

Warehouse Builderでフラット・ファイル・ターゲットを使用する場合は、このパラメータをフラット・ファイル・ターゲットを作成するディレクトリに設定し、データベース・エンジンからアクセスできるようにします。「フラット・ファイル・ターゲットのターゲット・データ・ファイルのパスの設定」を参照してください。 

WORKAREA_SIZE_POLICY 

AUTO 

フラット・ファイル・ターゲットのターゲット・データ・ファイルのパスの設定

フラット・ファイル・ターゲットに対するターゲット・データ・ファイルのパスを設定するには、ウェアハウス・インスタンスのinit.oraファイルにこのパスを設定します。UTL_FILE_DIRパラメータをフラット・ファイル・ターゲットのディレクトリに設定し、データベースからアクセスできるようにします。

たとえば、出力ファイルのロケーションがD:¥Data¥FlatFiles¥File1.datの場合、init.oraファイルのUTL_FILE_DIRパラメータを次のように設定します。

UTL_FILE_DIR = D:¥Data¥FlatFiles 

D:¥Data¥FlatFilesE:¥OtherDataの両方など、複数の有効なファイルのロケーションの場合は、init.oraのパラメータを次のように設定します。

UTL_FILE_DIR = D:¥Data¥FlatFiles 
UTL_FILE_DIR = E:¥OtherData 

この2行はinit.oraファイル内で連続している必要があります。

次のコマンドを使用すると、ディレクトリのチェックを省略できます。

UTL_FILE_DIR = * 

Oracle Database Standard Editionでのリポジトリのホスティング

Oracle Warehouse Builderの特定の機能には、Oracle Database Enterprise Editionが必要です。そのため、Standard EditionのデータベースでWarehouse Builderリポジトリをホストする場合、一部の機能がサポートされません。

たとえば、次のような機能が制限されます。

クライアント・マシンの準備

Windowsでは、コンピュータに最低850MBのディスク領域、768MBの利用可能メモリー、1GBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域があることを確認してください。

Linuxでは、コンピュータに最低1100MBのディスク領域、768MBの利用可能メモリー、1GBのページ・ファイル・サイズ、TMPまたはスワップ領域があることを確認してください。

以前にWarehouse Builderを削除し、パス<OWB_ORACLE_HOME>¥owb¥j2ee¥owbbが残っている場合は、Warehouse Builderを再インストールする前にowbbディレクトリを削除します。

ORACLE_HOMEとWarehouse Builderについて

OracleホームはOracleソフトウェアをインストールする最上位のディレクトリです。Oracle製品の中には、同じOracleホームを共有できるものもあります。また、製品をインストールするごとに個別のホームを作成してそれぞれのホームに名前を割り当てることもできます。

同じOracleホームを共有するようにインストールできるOracle製品もありますが、Warehouse Builderはホーム・ディレクトリを共有できません。Warehouse Builderは、Oracle Databaseや他のOracle製品とは別のOracleホーム・ディレクトリにインストールします。

UNIXでの環境変数の設定

Linuxにクライアント・コンポーネントをインストールするときに、Oracleホームの環境変数を指定する必要があります。

表1-8に示すUNIXコマンドを使用します。ここで、full_pathはWarehouse Builder 10gリリース2(10.2.0.2)をインストールする場所のパスです。

表1-8    Linuxクライアント上のOracleホームのパスの設定 
環境変数  Cシェル・コマンド  Kornシェル・コマンド  Bourneシェル・コマンド 

ORACLE_HOME 

setenv ORACLE_HOME full_path 

export ORACLE_HOME=full_path 

ORACLE_HOME=full_path; export ORACLE_HOME 

Oracle Universal Installerの概要

Oracle Warehouse Builderでは、Oracle Universal Installerを使用して、コンポーネントがインストールされ、環境変数が構成されます。インストーラは、インストール手順を順に指示します。

Warehouse Builderソフトウェアのインストール

Warehouse Builderコンポーネントは、Oracle Universal Installerを使用してサーバーまたはクライアント・コンピュータにインストールします。Universal Installerを起動する前に、「チェックリスト: Universal Installerを起動する前に」を確認して実行します。

チェックリスト: Universal Installerを起動する前に

この項では、Universal Installerを起動する前に確認する必要がある補足事項を示します。

Windowsユーザーの場合

Oracle Universal Installerを実行するには:

  1. Oracle Warehouse Builder CD-ROMを挿入します。

  2. 使用しているコンピュータに自動実行機能がある場合は、自動実行ウィンドウでOracle Warehouse Builderのインストールが自動的に開始されます。

    使用しているコンピュータに自動実行機能がない場合は、CD-ROMまたはダウンロードしたソフトウェアのルート・ディレクトリで実行可能ファイルsetup.exeを見つけます。setup.exeプログラムを使用して、インストーラを起動します。

  3. 指示に従って、Warehouse Builderインストール専用のホーム・ディレクトリとしてOWB_ORACLE_HOMEなどを指定します。

  4. 画面の手順に従ってください。

ソフトウェアのインストールが正常に完了したら、「Warehouse Builderをインストールする一般的な手順」に記載の次の手順に進みます。

UNIXユーザーの場合

Oracle Universal Installerを実行するには:

CD-ROMからOracle Universal Installerを実行できます。CD-ROMディレクトリが現行のディレクトリとなっている状態では、インストーラを実行しないでください。この状態でインストーラを実行すると、指示があっても次のCD-ROMをアンマウントできなくなります。

  1. oracleユーザーとしてログインします。


    注意

    Oracle Universal Installerの起動時には、rootユーザーとしてログインしていないことを確認します。rootユーザーとしてログインした場合、Oracle Warehouse Builderの管理権限はrootユーザーにのみ与えられます。 


  2. プロンプトで次のコマンドを入力して、インストーラを起動します。

    cd mount_point

    ./runInstaller

  3. OWB_ORACLE_HOMEをOracle DatabaseのORACLE_HOMEと同じオペレーティング・システム・ユーザーへインストールします。


    注意

    インストールが進むと、Oracle Universal Installerにより、いくつかのスクリプトを実行するよう求められます。ユーザーを切り替えて、rootとしてスクリプトを実行する必要があります。 


ソフトウェアのインストールが正常に完了したら、「Warehouse Builderをインストールする一般的な手順」に記載の次の手順に進みます。

Warehouse Builderコンポーネントの起動

Oracle Warehouse BuilderのCD-ROMからは、クライアント側とサーバー側の両方のソフトウェアが同時にインストールされます。インストール・プロセスを完了すると、表1-9に示すWarehouse Builderコンポーネントを起動できます。

表1-9のコンポーネントは、一般的にインストール後に使用される順に記述しています。

表1-9    WindowsまたはLinuxクライアントからのWarehouse Builderコンポーネントの起動 
Warehouse Builderコンポーネント  Windows: 「スタート」→「プログラム」→OWB_ORACLE_HOMEを選択した後...  Linux: OWB_ORACLE_HOME/owb/bin/unixに移動した後... 

リポジトリ・アシスタント

リポジトリとそのスキーマおよびユーザーを管理します。 

「Administration」→「Repository Assistant」を選択します。 

reposinst.shを実行します。 

デザイン・センター

主要な設計インタフェースです。  

「Design Center」を選択します。 

owbclient.shを実行します。 

コントロール・センター・サービスの開始

このコマンドは、リモート・ランタイム環境で作業している場合のみ必要となります。 

「Administration」→「Start Control Center Service」を選択します。 

local_service_login.shを実行します。

サービスが開始されない場合は、OWB_ORACLE_HOME/owb/rtp/sql/service_doctor.sqlを実行します。 

コントロール・センター・マネージャ

リモート・ランタイム環境に配布および実行するコマンドです。 

デザイン・センターを起動します。「ツール」メニューの「コントロール・センター・マネージャ」を選択します。  

次に示すようにlocal_service_login.shを実行します。

local_service_login.sh -startup <OWB-Home> 

コントロール・センター・サービスの終了

このコマンドは、リモート・ランタイム環境で作業している場合のみ必要となります。 

「Administration」→「Stop Control Center Service」を選択します。 

次に示すようにlocal_service_login.shを実行します。

local_service_login.sh -closedown <OWB-Home> 

OWBブラウザ・リスナーの開始 

「Administration」→「Start OWB Browser Listener」を選択します。 

startOwbbInst.shを実行します。 

リポジトリ・ブラウザ 

「Repository Browser」を選択します。 

OWBブラウザ・リスナーを起動して、openRAB.shを実行します。 

OWBブラウザ・リスナーの終了 

「Administration」→「Stop OWB Browser Listener」を選択します。 

stopOWBBInst.shを実行します。 

OMB Plus

グラフィカル・ユーザー・インタフェースで使用可能なすべての操作を実行できるスクリプト・ユーティリティです。 

「OMB Plus」を選択します。 

OMBPlus.shを実行します。 

RAC環境にWarehouse Builderをインストールする手順

RAC環境にインストールするプロセスは、全体に「Warehouse Builderをインストールする一般的な手順」と似ています。ただし、次の手順で述べるように注意すべき点がいくつかあります。

RAC環境にインストールするには:

  1. 使用しているプラットフォームのOracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドの説明に従い、RAC環境を作成します。

  2. まだ確認していない場合は、最新の『Oracle Warehouse Builderリリース・ノート』を確認してください。これは、http://otn.oracle.comから入手できます。

  3. ホスト・マシンの準備

    Warehouse Builderコンポーネントをホスティングするコンピュータごとに、OWB_ORACLE_HOME¥network¥adminディレクトリにあるtnsnames.ora ファイルを構成します。

  4. Oracle Databaseの準備

    初期化パラメータMAX_COMMIT_PROPAGATION_DELAYの値は必ず0に設定してください。

    また、Warehouse Builderデータ・ソースまたはターゲットになるOracle Databaseサーバーごとにtnsnames.oraを構成します。ホストまたはデータベース・サーバーでtnsnames.oraが構成されてない場合、次のようなリポジトリ接続エラーが出力されます。「リポジトリ接続エラー: 次のデータベース・エラーによりリポジトリへの接続が失われました: ORA-12154:TNS: 指定された接続識別子を解決できませんでした」

  5. Warehouse Builderソフトウェアのインストール

    チェックリスト: Universal Installerを起動する前に」を確認して、Oracle Universal Installerを起動します。

  6. Oracle Warehouse Builderリポジトリのインストール

    リポジトリ・アシスタントにより、リポジトリのユーザーと所有者を定義するよう求められます。

    Windowsの場合、リポジトリ・アシスタントを起動するには、「スタート」メニューから「プログラム」を選択し、これまでの手順でインストール済のOracle製品グループにナビゲートします。「Warehouse Builder」→「Administration」→「Repository Assistant」を選択します。

    UNIXの場合、リポジトリ・アシスタントを起動するには、OWB_ORACLE_HOME/owb/bin/unixに移動し、reposinst.shを実行します。

  7. 各RACノードを登録します。

    ノードごとにリポジトリ・アシスタントを起動して、「拡張設定」オプションを選択します。ネット・サービス名を使用してノードに接続します。RACインスタンスを登録するためのオプションを選択します。

  8. ソフトウェアが個別のディスクにインストールされている場合は、クラスタの各ノードにrtrepos.propertiesをコピーします。

    共有ディスクにインストールされていない場合は、手動で<OWB_ORACLE_HOME>/owb/bin/admin/rtrepos.propertiesファイルを1次ノードからクラスタの各ノードへコピーする必要があります。

  9. リポジトリのセキュリティ・ポリシーの設定(オプション)

  10. オプション・コンポーネントのインストール(オプション)

    リポジトリ・ブラウザ環境の構成」(オプションの手順)を実行することを考慮します。リポジトリ・ブラウザにより、RACノードを指定して他のノードを登録することができます。

  11. Warehouse Builderソフトウェアをクライアント・マシンにインストールします。

    クライアントとして使用する各コンピュータについて、「Warehouse Builderソフトウェアのインストール」を繰り返します。

  12. インストール・プロセスを完了すると、すべてのWarehouse Builderコンポーネントを起動できます。

    デザイン・センター、コントロール・センター・マネージャ、リポジトリ・アシスタントなどのWarehouse Builderコンポーネントを起動するときに(「Warehouse Builderコンポーネントの起動」)、ログオン・オプションの「SQL*NET接続」を選択してtnsnames.ora ファイルで割り当てたネット・サービス名を指定します。

    ネット・サービス名を使用してWarehouse Builderリポジトリに接続するため、RACプロパティを接続文字列に埋め込んで、接続時フェイルオーバー、サーバー上のロード・バランシングおよび接続のロード・バランシングなどのRAC機能を使用できます。

  13. RACノードのサービス名を使用可能にする

    コントロール・センター・サービスでは、クラスタの個々のノードのサービス名が使用可能である必要があります。RACのインストール後に存在していない場合、手動で使用可能にする必要があります。

クラスタの各ノードへのWarehouse Builderのインストール

Warehouse Builderコンポーネントは、Oracle Universal Installerを使用してサーバーまたはクライアント・コンピュータにインストールします。

RACでは、クラスタの各ノードにWarehouse Builderコンポーネントをインストールすることをお薦めします。コントロール・センター・サービスは、RACクラスタの各ノードに必要です。OCFSまたはNTS共有ディスクなどの共有ディスクにインストールする場合、Warehouse Builderソフトウェアの単一のインストールでこれを実現できます。

Universal Installerを起動する前に、「チェックリスト: Universal Installerを起動する前に」を確認して実行します。

チェックリスト: RAC環境でUniversal Installerを使用する前に

この項では、Universal Installerを起動する前に確認する必要がある補足事項を示します。

Windowsユーザーの場合

Oracle Universal Installerを実行するには:

  1. Oracle Warehouse Builder CD-ROMを挿入します。

  2. 使用しているコンピュータに自動実行機能がある場合は、自動実行ウィンドウでOracle Warehouse Builderのインストールが自動的に開始されます。

    使用しているコンピュータに自動実行機能がない場合は、CD-ROMまたはダウンロードしたソフトウェアのルート・ディレクトリで実行可能ファイルsetup.exeを見つけます。setup.exeプログラムを使用して、インストーラを起動します。

  3. クラスタ・ノードを指定するよう求められたら、すべてのホストを選択するか、ローカル・ノードを選択を選択することができます。

    ローカル・ノードを選択した場合、共有ディスクへのインストールでなければ、Warehouse Builderを各システムに個別にインストールする必要があります。

  4. 指示に従って、Warehouse Builderインストール専用のホーム・ディレクトリとしてOWB_ORACLE_HOMEなどを指定します。

  5. 画面の手順に従ってください。

ソフトウェアのインストールが正常に完了したら、「Warehouse Builderをインストールする一般的な手順」に記載の次の手順に進みます。

UNIXユーザーの場合

Oracle Universal Installerを実行するには:

CD-ROMからOracle Universal Installerを実行できます。CD-ROMディレクトリが現行のディレクトリとなっている状態では、インストーラを実行しないでください。この状態でインストーラを実行すると、指示があっても次のCD-ROMをアンマウントできなくなります。

  1. oracleユーザーとしてログインします。


    注意

    Oracle Universal Installerの起動時には、rootユーザーとしてログインしていないことを確認します。rootユーザーとしてログインした場合、Oracle Warehouse Builderの管理権限はrootユーザーにのみ与えられます。 


  2. プロンプトで次のコマンドを入力して、インストーラを起動します。

    cd mount_point

    ./runInstaller

  3. クラスタ・ノードを指定するよう求められたら、すべてのホストを選択するか、ローカル・ノードを選択を選択することができます。

    ローカル・ノードを選択した場合、共有ディスクへのインストールでなければ、Warehouse Builderを各システムに個別にインストールする必要があります。

  4. OWB_ORACLE_HOMEをOracle DatabaseのORACLE_HOMEと同じオペレーティング・システム・ユーザーへインストールします。


    注意

    インストールが進むと、Oracle Universal Installerにより、いくつかのスクリプトを実行するよう求められます。ユーザーを切り替えて、rootとしてスクリプトを実行する必要があります。 


ソフトウェアのインストールが正常に完了したら、「Warehouse Builderをインストールする一般的な手順」に記載の次の手順に進みます。

RACノードのサービス名を使用可能にする

  1. クラスタ内のインスタンスまたはノード名をすべて表示します。次のコマンドを発行します。

    srvctl config database -d <dbname>

    ここで、dbnameはinitパラメータdb_nameで指定された一意のデータベース名です。

  2. インスタンスをinstnとすると、次のコマンドでサービスを追加できます。

    srvctl add service -d <dbname> -s <instn> -r <instn>

    その結果、サービス名は<instn>.<clusterdomainname>となります。たとえば、インスタンス名がowbrac1の場合、サービス名はowbrac1.us.oracle.com.のようになります。

  3. インスタンスをinstnとすると、次のコマンドでサービスを開始できます。

    srvctl start service -d <dbname> -s <instn>

  4. インスタンスをinstnとすると、次のコマンドでサービスが実行されていることを確認できます。

    srvctl status service -d <dbname> -s<instn>

  5. RACノードごとに手順2〜4を実行します。


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