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Oracle Database 2日でデータベース管理者
10g リリース2(10.2)

B19197-03
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B Real Application Clustersの概要

この付録では、Oracle Real Application Clusters(RAC)の概要を説明します。この章の内容は次のとおりです。

Real Application Clustersとは

Real Application Clusters(RAC)は、2台以上の個々のコンピュータを連結し、1台のコンピュータとして機能するようにしたテクノロジです。RACを使用すると、クラスタ・データベースのメンバーである各コンピュータ(ノード)でOracleデータベースへのアクセスを共有できます。クラスタ・ノードの1台に障害が発生したり、オフラインにされた場合でも、残りのクラスタ・ノードで処理を続行するため、RACデータベース全体は使用可能なままです。つまり、2台以上の安価なコンピュータが、1台のより強力な(より高価な)コンピュータのように動作します。

2ノードのRACデータベースのパフォーマンスを向上するために、クラスタ・ノードを追加できます。追加した各ノードによってアプリケーションの処理を高速化することができ、より多くのユーザーまたはプロセス(あるいはその両方)をサポートできます。また、クラスタ・ノードを追加することで、2ノードのRACデータベースの可用性と信頼性を向上させることもできます。ご使用のRAC環境により多くのノードを追加すると、データベース上で個々のノードが停止した場合の影響をより少なくできます。


注意:

Oracle Database Standard EditionおよびRACのインストールでは、単一プロセッサ・ノードの場合は4台まで、デュアルプロセッサ・ノードの場合は2台まで構成できます。ノードを追加するには、Oracle Database Enterprise Editionにアップグレードする必要があります。 


Real Application Clustersデータベース構成のシナリオ

RACデータベースには、クラスタ・ノード、共有ストレージおよびOracle Clusterwareという3つの構成要素が必要です。クラスタを構成するノード数や使用する共有ストレージのタイプは選択できますが、この付録では、2台のコンピュータ(2ノード)のクラスタでの推奨構成である特定の構成を使用します。この2ノードの推奨構成では、記憶域に自動ストレージ管理(ASM)を、バックアップおよびリカバリ計画にRecovery Manager(RMAN)を使用します。また、Enterprise Editionインタフェースのタスクの手順には、Enterprise Manager Database Controlコンソールを使用します。この付録では、クラスタ・データベースのインストールおよび構成手順については説明しません。

参照:

ご使用のオペレーティング・システムのOracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドおよび『Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』 

Real Application Clustersと単一インスタンスにおけるOracleデータベースの管理の違い

Oracleの単一インスタンス・データベースおよびRACデータベースにおいて、ほとんどの管理タスクは同じです。この付録では、RAC固有のデータベース管理タスクと、RACデータベース管理の推奨事項について、そのいくつかを説明します。

Enterprise Managerを使用したOracle Real Application Clustersの監視

この項では、Oracle Enterprise Manager Consoleを使用して、クラスタ・レベル(アクティビティの概要の確認用)およびインスタンス・レベルでRACデータベースを監視する方法について説明します。インスタンス・レベルでは、単一インスタンス・データベースの場合と同様のチューニングを行います。この項の内容は次のとおりです。

「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページの概要

第3章「Oracle Enterprise Managerの概要」「Oracle Enterprise Manager Consoleの起動方法および停止方法」に説明するとおり、クライアント・ブラウザから、RACデータベースのOracle Enterprise Manager Consoleにログインします。Oracle Enterprise Manager Consoleにログインすると、RACデータベースの「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページが表示されます。

「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページは、単一インスタンスのDatabase Controlの「ホーム」ページに似ています。ただし、「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページでは、Oracle Enterprise Managerによって、RACデータベース全体のシステム状態および可用性が表示されます。これには、すべてのデータベースおよびASMインスタンスへのリンクに加え、アラートおよびジョブ・アクティビティに関するサマリーが含まれています。

「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページでは、データベース・インスタンスが稼働中の場合、そのステータスは「稼働中」として表示されます。稼働していないインスタンスのステータスの場合は、「停止中」として表示されます。このページの「一般」セクションに表示される「起動」および「停止」ボタンを必要に応じてそれぞれ使用し、停止中のインスタンスを起動したり、稼働中のインスタンスを停止することができます。


画像の説明

RACデータベース・メトリックの詳細を表示するには、「パフォーマンス」タブをクリックします。「重大度」列にクリティカルまたは警告アラートが表示された場合は、そのアラートを直接クリックして分析を行うことができます。

「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページのメトリック・セクションには、「アラート」表が表示されます。「アラート」表には、クラスタ全体におけるデータベースのアラートが、重大度順およびデータベース・コンポーネント別にソートされて表示されます。アラートの詳細は、「メッセージ」列の説明をクリックします。これによって、そのアラートの原因になったプロセスのシステム状態を分析するためのページが表示されます。

「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページ・レベルでは、そのページ上部にある「パフォーマンス」、「管理」および「メンテナンス」タブを選択できます。これらと同じタブは、「インスタンス」表のすぐ上からも選択できます。これらのリンクを使用すると、クラスタ全体の管理タスクを実行できます。「データベース」タブの横にある「ヘルプ」リンクをクリックすると、タスクのオプションおよびメトリックの定義を理解するために役立つ情報を参照できます。個々のメトリックを表示した後、「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページに戻るには、ページ右上の「データベース」タブをクリックします。

Real Application Clustersデータベース・ターゲットの表示

「クラスタ・データベース」ページで、ターゲットとは、クラスタ、データベース・インスタンスまたはOracleユーティリティ(リスナーなど)です。コンソールは、現在のターゲットの状態についての情報を示すメトリックを取得します。「クラスタ・データベース」ページには、これらのメトリックがターゲットごとに異なるセクション・ヘッダーで表示されます。

ただし、「クラスタ・データベース」の「クラスタ」の「ホーム」ページでは、Oracle Enterprise Managerによって、そのクラスタの状態についての概要メトリックが表示されます。ページの個々のターゲットの名前をクリックすると、より詳細なページに移動できます。そのページには、選択したターゲットについてのメトリックが表示されます。「クラスタ」の「ホーム」ページの下部には、データベース・インスタンスとASMインスタンスへのリンクが表示されます。これらのリンクをクリックすると、データベースおよびASMインスタンスの詳細ホーム・ページに移動しなくても、すべてのインスタンス・ターゲットを簡単に表示できます。

Oracle Enterprise Managerのクラスタ関連ページへの移動

この項で説明するOracle Enterprise Managerのその他のページを使用して、クラスタ・データベース環境の様々なアクティビティを監視できます。「クラスタ・データベース」の「パフォーマンス」ページは、「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページから「パフォーマンス」タブをクリックすることによってアクセスできます。このページには、データベースのすべてのインスタンスに関するパフォーマンス統計の簡単なサマリーが表示されます。つまり、RACデータベース内のすべてのインスタンスに関する統計がロールアップされ、「データベース・パフォーマンス」ページに表示されます。

ページ下部のチャートの横にあるリンクを使用してドリルダウンすると、次のタスクを実行できます。

個々のインスタンスのパフォーマンス情報については、「クラスタ・データベース・インスタンス」の「パフォーマンス」ページを使用できます。特定のインスタンスのこのページを表示するには、「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページで「パフォーマンス」タブをクリックし、ページ下部にある、監視するインスタンス名をクリックします。チャートの横または「データベース・インスタンス」の「パフォーマンス」ページ下部のリンクをドリルダウンすると、次のタスクを実行できます。

クラスタ内のすべてのノードについて、過去のCPU、メモリーおよびディスクの読取りおよび書込みなどの使用率の統計を表示するには、「クラスタ」の「パフォーマンス」ページを使用します。「クラスタ・データベース」の「パフォーマンス」ページで、「一般」セクションにある「クラスタ」リンクをクリックし、「クラスタ」の「ホーム」ページで「パフォーマンス」タブをクリックして、「クラスタ」の「パフォーマンス」ページにアクセスします。これらの統計を使用すると、リソースを追加、一時停止または再分散する必要があるかどうかを判断できます。このページで、チャートの右側に表示されるホスト名をクリックすることによって、ノードごとのCPU、メモリーおよびディスクI/Oのチャートを個別に表示できます。結果の「ホスト」ページには、CPUの負荷、メモリー、ページのスキャン・レートおよびサービスの最長時間についての統計も表示されます。

「クラスタ」の「インターコネクト」ページでは、インターコネクトを監視し、構成の問題や過剰な通信量などの転送レートに関する問題を特定できます。「クラスタ」の「インターコネクト」ページにある情報を使用して、インスタンスおよびデータベースがどのようにインターコネクト負荷に影響するかを特定します。場合によっては、Oracleデータベースの外部にあるアプリケーションによるインターコネクトの遅延を即時に特定できます。「クラスタ」の「インターコネクト」ページにアクセスするには、「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページの「一般」セクションで「クラスタ」リンクをクリックしてから「インターコネクト」タブをクリックします。「インターコネクト」ページの表で、次のことができます。

Real Application Clustersデータベースの初期化パラメータの表示および変更

Oracle RACデータベース全体の初期化パラメータの管理は、基本的には単一インスタンスのOracleデータベースの初期化パラメータの管理と同様です。RACデータベースのパラメータには、次の違いがあります。

RAC環境における初期化パラメータの管理は、単一インスタンスのデータベースにおけるパラメータ管理と若干異なります。たとえば、パラメータがクラスタ全体のデータベース初期化パラメータであることを示すアスタリスクが表示されているパラメータ設定を変更すると、RACデータベース内のすべてのインスタンスのパラメータ設定が変更されます。 インスタンス固有の初期化パラメータを示す、番号が付けられた初期化パラメータを変更すると、その変更は、その番号に対応したインスタンスのみに影響し、他のデータベース・インスタンスのパラメータの設定には影響しません。

参照:

RAC環境における初期化パラメータの詳細は、『Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 

Real Application Clustersデータベースおよびデータベース・インスタンスの起動および停止

Enterprise Managerを使用してRACデータベースを起動または停止するには、最初にEnterprise Managerのコンソールを起動しておく必要があります。コンソールへのアクセス方法が不明な場合は、第3章「Oracle Enterprise Managerの概要」「Oracle Enterprise Manager Consoleの起動方法および停止方法」を参照してください。

通常は、Enterprise Managerの「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページからクラスタを起動および停止します。このページを使用してクラスタ・データベースの起動および停止操作を行うと、RACデータベースを構成するすべてのインスタンスが一貫性のある状態であることが確実になります。これによって、より簡単にRACデータベースを管理できます。また、RACデータベースの個々のインスタンスを起動および停止することもできます。ただし、RACデータベースのインスタンスの1つを起動または停止しても、その他のインスタンスが起動または停止することはありません。RACデータベースを完全に停止するには、そのすべてのインスタンスを停止する必要があります。

次の項に説明するとおり、Oracle Enterprise Managerを使用して、RACデータベース全体の起動および停止、または個々のインスタンスの起動および停止を行います。

Real Application Clustersデータベースの起動および停止

RACデータベース全体および個々のクラスタ・データベース・インスタンスを起動および停止するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Enterprise Manager Database Controlにログインします。

  2. 「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページの「一般」ビューで、「起動」(データベースが停止している場合)または「停止」(データベースが起動している場合)をクリックします。

  3. 「起動/停止: 資格証明の指定」ページで、そのデータベース・ノードに対するクラスタ・データベースのホスト資格証明を指定します。ホスト資格証明は、OSDBAまたはOSOPERシステム権限グループのメンバーであるユーザーのユーザー名およびパスワードです。

  4. 「起動/停止: 操作の選択」ページで、「すべて起動」をクリックしてすべてのインスタンスを起動するか、または「すべて停止」をクリックしてすべてのインスタンスを停止します。

  5. 「起動/停止: 確認」ページで、「はい」をクリックします。

Real Application Clustersデータベースの個々のインスタンスの起動および停止

個々のインスタンスを起動および停止するには、「RACデータベース」の「起動/停止」ページに移動して、起動または停止するインスタンスを選択します。その後で、必要に応じて、インスタンスを起動または停止します。


注意:

各インスタンスのホーム・ページから、個々のインスタンスを起動および停止することもできます。ただし、「データベース」の「起動/停止」ページから、インスタンスの起動および停止操作を直接行った方が簡単です。 


Real Application Clustersのバックアップおよびリカバリの管理

RACデータベース環境でのバックアップおよびリカバリの管理は、単一インスタンスのOracleデータベース環境でのバックアップおよびリカバリの管理と似ています。この項では、RAC環境におけるバックアップおよびリカバリのための追加の概念および手順の概要をいくつか説明します。この項の内容は次のとおりです。

Real Application ClusterデータベースでのREDOログ・グループおよびREDOスレッド

REDOログには、データファイルへの変更の記録が格納されます。単一インスタンスのOracleデータベース環境では、データベースのデータファイルが変更されることによってREDOログが生成されて、複数のREDOログ・ファイル・グループに格納されます。これらの各グループには、1つのREDOログ・ファイルが格納され、可能な場合は、そのファイルの1つ以上のミラー化コピーが保持されます。RACデータベースでは、インスタンスごとに独自のREDOログ・グループ(REDOスレッド)が必要です。REDOログ・ファイルのミラー化コピーによって、システムに対する保護をさらに強化し、ハードウェア障害またはデータ破損から発生するデータ損失に備えることができます。

各REDOログ・スレッドには、2つ以上のREDOログ・グループを含める必要があります。すべてのインスタンスで、REDOスレッドのREDOログ・グループの数を同じにすることをお薦めします。また、単一インスタンスのOracleデータベースと同様、各グループのメンバー数を同じにする必要があります。たとえば、2インスタンスのRACデータベースで、各インスタンスのREDOスレッドに5個のREDOログ・グループがあるとします。この場合、データベースには合計10個のREDOログ・グループがあることになります。これらのグループのそれぞれには、2つのメンバー(1つのREDOログおよびそのミラー化コピー)が保持されます。データベース・コンフィギュレーション・アシスタント(DBCA)を使用してRACデータベースを作成すると、RACデータベースは推奨事項を満たす構成を自動的に実装します。

RACデータベースでは、単一インスタンスのOracleデータベースの場合と同じ方法で、各インスタンスが、その専用スレッドのREDOログ・グループに書込みを行ってアーカイブします。詳細は、第6章「データベース記憶域構造の管理」を参照してください。ただし、リカバリ・モードの場合は、リカバリを実行中のインスタンスは、REDOスレッドを生成したインスタンスに関係なく、データベースのすべてのREDOスレッドを読み取り、処理できます。これによって、障害の発生したインスタンスが行った作業を、実行中のインスタンスがリカバリできます。また、エンド・ユーザーは、障害の発生したインスタンスの再起動を待機することなく、作業を続行できます。たとえば、インスタンスAおよびインスタンスBという2インスタンスのRACデータベースがあるとします。インスタンスAが停止すると、インスタンスBでは、インスタンスAとBの両方のREDOログ・ファイルを読み取り、リカバリを正常に実行することができます。

ASMを使用するRACデータベースでは、すべてのREDOログ・ファイルが共有記憶域に常駐します。また、各インスタンスは、クラスタ内の他のすべてのインスタンスのREDOログ・ファイルに対して透過的にアクセスします。

Enterprise Managerを使用してREDOログ・ファイル・グループにアクセスするには、次の手順を実行します。

  1. 「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページで、「管理」タブをクリックします。

  2. 「クラスタ・データベース」の「管理」ページで、「記憶域」列の下の「REDOログ・グループ」を選択します。

「REDOログ・グループ」ページで、追加のREDOログ・グループを作成し、そのREDOログ・グループにメンバーを追加できます。「スレッド」列には、REDOログ・ファイルが属しているインスタンスのスレッドが示されます。

参照:

RACデータベース環境でのREDOログ・スレッドについては、『Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』および「オンラインREDOログ・ファイル」を参照してください。 

Real Application Clustersデータベースのバックアップ

ASMを使用してデータベース・ファイルを管理する場合は、バックアップにRecovery Managerを使用することをお薦めします。バックアップよびリカバリを実行するには、データベースの資格証明(SYSDBA)およびホスト・オペレーティングシステムの資格証明(OSDBA)の両方が必要です。

また、SYSDBA権限を使用してEnterprise Managerにログインした場合、Recovery Managerコマンドライン・クライアントの実行権限を所有する有効なホスト・オペレーティング・システム・ユーザーがバックアップを実行できます。ただし、SYSDBA以外のユーザーとしてログインした場合は、OSDBAグループのメンバーであるオペレーティング・システム・ユーザー名を指定する必要があります。

RACデータベースをバックアップするには、次の手順を実行します。

  1. 「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページへ移動し、「メンテナンス」タブをクリックします。

  2. 「クラスタ・データベース」の「メンテナンス」ページで、「バックアップ/リカバリ」列の下の「バックアップのスケジュール」を選択します。

  3. 第9章「バックアップおよびリカバリの実行」に説明するバックアップ手順に従います。

    参照:

    RACデータベースのバックアップの詳細は、『Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 

Real Application Clustersデータベースのリストアおよびリカバリ操作の概要

この項では、インスタンス・リカバリおよびメディア・リカバリの両方について説明します。RACでは、インスタンス・リカバリは自動的に実行されます。インスタンス・リカバリは、データベースの実行中に実行されます。RACインスタンスに障害が発生すると、障害が発生したインスタンスで生成されたオンラインREDOログを正常なデータベース・インスタンスが処理し、データベースの内容を一貫性のある状態にします。RAC環境を構成しているノードの数が多いと、自動インスタンス・リカバリの期間は短くなります。リカバリが完了すると、Oracle Clusterwareは、障害が発生したインスタンスを自動的に再起動しようとします。

メディア・リカバリは、データベースをクローズしている間に手動で実行します。通常は、突発的なディスク障害、ブロックの破損またはユーザー・エラーの後のリカバリおよびリストアのために実行します。メディア・リカバリは、クラスタ内の1つのインスタンスで実行します。

Recovery Managerを使用する場合、RACデータベースのリカバリおよびリストア手順は、単一インスタンスのOracleデータベースと基本的には同じですが、Recovery Managerへは、インスタンス・レベルではなくクラスタ・レベルで、「メンテナンス」ページからアクセスします。

参照:

基本的なリカバリおよびリストア手順の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ基礎』および『Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 

RACデータベースをリカバリするには、次の手順を実行します。

  1. 「クラスタ・データベース」の「ホーム」ページへ移動し、「メンテナンス」タブをクリックします。

  2. 「クラスタ・データベース」の「メンテナンス」ページで、「バックアップ/リカバリ」列の下の「リカバリの実行」を選択します。

  3. 第9章「バックアップおよびリカバリの実行」「リストアおよびリカバリ操作の実行」に説明するリカバリ手順に従います。

Real Application Clustersデータベースでのフラッシュ・リカバリ領域の使用

RACデータベースでフラッシュ・リカバリ領域を使用するには、すべてのインスタンスでリカバリ領域を共有する必要があります。このためには、フラッシュ・リカバリ領域を共有ASMディスクに配置することをお薦めします。さらに、DB_RECOVERY_FILE_DESTおよびDB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEパラメータには、すべてのインスタンスで同じ値を設定する必要があります。

フラッシュ・リカバリ領域を使用するには、第9章「バックアップおよびリカバリの実行」「フラッシュ・リカバリ領域の構成」に説明するとおり、最初にフラッシュ・リカバリ領域を構成する必要があります。

参照:

RACでのフラッシュ・リカバリ領域の使用については、『Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。 

Real Application Clusters: Oracle by Example Series

Oracle by Example(OBE)には、このマニュアルに関するシリーズが含まれています。 このOBEでは、この付録で説明するタスクが段階的に説明されています。また、注釈付きのスクリーン・ショットが使用されています。Real Application ClustersのOBEを参照するには、ご使用のブラウザで次の場所を指定します。

http://www.oracle.com/technology/obe/10gr2_2day_dba/rac/rac.htm

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