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Oracle Application Server 管理者ガイド
10gリリース3(10.1.3.1.0)

B31834-01
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7 ネットワーク構成の変更

この章では、Oracle Application Serverホストのネットワーク構成を変更する手順について説明します。

この章の項目は次のとおりです。

7.1 ネットワーク構成の変更手順の概要

この章では、ネットワーク構成変更のための次の手順を説明します。

Oracle Internet Directoryで匿名バインドが無効になっている場合、構成を変更する前に有効にする必要があります。詳細は、第6.7項「匿名バインドの有効化と無効化」を参照してください。

7.2 ホスト名、ドメイン名またはIPアドレスの変更

Oracle Application Serverをインストールした後、ホストのホスト名、ドメイン名またはIPアドレスの変更が必要となる場合があります。

表7-1では、ホスト名、ドメイン名およびIPアドレスの変更をサポートするインストール・タイプと、該当する手順の参照先をまとめます。

表7-1    ホスト名、ドメイン名およびIPアドレス変更のためにサポートされている手順 
インストール・タイプ  ホスト名またはドメイン名の変更  IPアドレスの変更 

中間層 

サポート対象12

詳細は、第7.2.2項「中間層インストールのホスト名またはドメイン名の変更」を参照してください。 

サポート対象

オペレーティング・システムでアドレスを変更します。Oracle Application Serverの更新は必要ありません。 

10.1.4または10.1.2のInfrastructure: Identity Managementのみ

次のコンポーネントが構成されているIdentity Managementインストールに適用されます。

  • Oracle Internet Directoryのみ

  • Oracle Single Sign-On、Oracle Delegated Administration Servicesおよび(場合によっては)Oracle Directory Integration and Provisioning

  • Oracle Internet Directory、Oracle Single Sign-On、Oracle Delegated Administration Servicesおよび(場合によっては)Oracle Directory Integration and Provisioning

 

サポート対象

詳細は、第7.2.3項「10.1.4または10.1.2のIdentity Managementインストールのホスト名、ドメイン名またはIPアドレスの変更」を参照してください。 

サポート対象

詳細は、第7.2.3項「10.1.4または10.1.2のIdentity Managementインストールのホスト名、ドメイン名またはIPアドレスの変更」を参照してください。 

10.1.4または10.1.2のInfrastructure: Identity ManagementおよびMetadata Repository 

サポート対象外 

サポート対象

詳細は、第7.2.4項「Metadata Repositoryを含む10.1.4または10.1.2のInfrastructureのIPアドレスの変更」を参照してください。 

10.1.4または10.1.2のInfrastructure: Metadata Repositoryのみ 

サポート対象外 

サポート対象

詳細は、第7.2.4項「Metadata Repositoryを含む10.1.4または10.1.2のInfrastructureのIPアドレスの変更」を参照してください。 

1 ホスト名またはドメイン名の変更手順は、Oracle Business Activity MonitoringまたはOracle Web Services Managerをサポートしません。Oracle Web Services Managerファイルは、chgiphostスクリプトによって処理されません。
2 ホスト名またはドメイン名の変更手順は、Windows上の基本インストールをサポートしません。

この項の手順の多くは、chgiphostコマンドを使用します。このコマンドの詳細は、第7.2.1項を参照してください。

7.2.1 chgiphostコマンドの概要

chgiphostコマンドライン・ユーティリティでは、中間層インスタンス、Infrastructure、またはIdentity Managementインストールのホスト名、ドメイン名またはIPアドレスを変更できます。

このユーティリティは、次のディレクトリにあります。

表7-2に、このコマンドのオプションを示します。

表7-2    chgiphostコマンドのオプション 
オプション  説明 

-version 

ユーティリティのバージョンを表示します。 

-mid 

中間層インスタンスのホスト名、ドメイン名、またはIPアドレスを変更します。 

-silent 

サイレント・モードでコマンドを実行します。 

-infra 

10.1.4または10.1.2のInfrastructureインスタンスのIPアドレスを変更します。10gリリース3(10.1.3.1.0)には適用しないでください。 

-idm 

10.1.4または10.1.2のIdentity Managementインスタンスのみのホスト名、ドメイン名またはIPアドレスを変更します。10gリリース3(10.1.3.1.0)には適用しないでください。 

chgiphostを使用してホスト名やドメイン名を変更した場合、インスタンス名は更新されないので注意してください。たとえば、元のインスタンス名はホスト名、ドメイン名が付加されて次のような名前であるとします。

1013mid.myhost1.mydomain.com

ここでホスト名をmyhost2に変更しても、インスタンス名は変わりません。

関連項目

 

7.2.2 中間層インストールのホスト名またはドメイン名の変更

この項では、いずれかの中間層インストール・タイプが含まれるホストのホスト名またはドメイン名、あるいはその両方を変更する方法について説明します。

次の各項では、この手順について説明します。

設定前の確認事項

手順を開始する前に、次の項目を確認してください。

作業1: Oracle Enterprise Service Busサービスのエクスポート

システムにOracle Enterprise Service Busがインストールされている場合は、ネットワーク情報を変更する前にOracle Enterprise Service Busサービスをエクスポートする必要があります(Oracle Enterprise Service Busサービスは、後半の作業でインポートされます)。

  1. 次のスクリプトを実行して、Oracleホームとシステム変数を設定します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/integration/esb/bin/esbdevprompt.sh
    (Windows) ORACLE_HOME¥integration¥esb¥bin¥esbdevprompt.bat
    
    
  2. スクリプトを実行したコマンドライン・ウィンドウで、次のコマンドを実行してOracle Enterprise Service Busサービスをエクスポートします。

    ant export-params 
    -Dparamfile ORACLE_HOME¥integration¥DateTimeStamp¥esbparam.properties 
    -DDB_URL=jdbc_connectString:@//hostname:port/db_service_name
    -DDB_USER=oraesb -DDB_PASSWORD=esb_pwd
    -DDB_DRIVER=oracle.jdbc.driver.OracleDriver
    
    

    この例で、hostnameはOracle Enterprise Service Busのリポジトリを含むホスト、portはそのリポジトリのポート、db_service_nameはデータベース・サービス名、esb_pwdはORAESBユーザーのパスワードを表します。たとえばWindowsでは、次のように指定します。

    ant export-params 
    -Dparamfile ORACLE_HOME¥integration¥20060828_1503¥esbparam.properties 
    -DDB_URL=jdbc:oracle:thin:@//sta.oracle.com:1521/orcl.us.oracle.com
    -DDB_USER=oraesb -DDB_PASSWORD=ORAESB123
    -DDB_DRIVER=oracle.jdbc.driver.OracleDriver
    
作業2: ホストの準備

すべてのプロセスを停止して、ホストの変更準備をします。

  1. ホストの各中間層インスタンスを停止します。これには、各Oracleホームで次のコマンドを実行します。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl stopall
      
      
  2. /etc/init.dスクリプトなどの自動スタートアップ・スクリプトを設定している場合は、それらを無効にして、ホストの再起動後にOracle Application Serverプロセスが自動的に起動されないようにします。

  3. 中間層インスタンスが使用しているOracle Internet Directoryが起動していることを確認します。

作業3: ホスト名の変更

オペレーティング・システムで、ホスト名、ドメイン名、またはその両方を更新します。ここでの手順を実行する方法の詳細は、該当するオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。必要に応じてIPアドレスも変更できます。

  1. オペレーティング・システムで、ホスト名またはドメイン名、またはその両方を適切に変更します。

  2. オペレーティング・システムで再起動が必要な場合は、ホストを再起動します。

  3. ネットワークの別のホストから、このホストにpingが実行できることを確認します。必ず新しいホスト名を使用してpingを実行し、すべてが正しく解決されていることを確認してください。

作業4: chgiphostコマンドの実行

ホスト上の各中間層インスタンスについてこれらの手順を実行します。1つの中間層インスタンスですべての手順を完了してから次のインスタンスの作業を行ってください。

  1. 中間層インスタンスをインストールしたユーザーとしてホストにログインします。

  2. ORACLE_HOME環境変数に中間層のOracleホームが設定されていることを確認します。変数を指定するときは、スラッシュ(UNIX)や円記号(Windows)を最後に使用しないでください。

  3. UNIXシステムの場合は、LD_LIBRARY_PATH、LD_LIBRARY_PATH_64、LIB_PATHまたはSHLIB_PATH環境変数を、表1-1に示されている適切な値に設定します。実際に設定が必要な環境変数および値は、UNIXオペレーティング・システムのタイプによって異なります。

  4. 中間層のOracleホームで次のコマンドを実行します。

    • UNIXの場合:

      cd ORACLE_HOME/chgip/scripts
      ./chgiphost.sh -mid
      
      
    • Windowsの場合:

      cd ORACLE_HOME¥chgip¥scripts
      cmd /c chgiphost.bat -mid
      
      

    chgiphostコマンドでは、表7-3に示す情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。プロンプトには、値がカッコに囲まれて表示される場合があります。別の値を入力するか、[Enter]キーを押して、自動入力された値を受け入れます。

    表7-3    chgiphost -midのプロンプトとアクション 
    プロンプト  アクション 
    Enter fully qualified hostname (hostname.domainname) of destination
     

    新しい完全修飾ホスト名を入力します。これは、新しいホスト名、ドメイン名、またはその両方です。 

    Enter fully qualified hostname (hostname.domainname) of source
     

    元の完全修飾ホスト名またはドメイン名、あるいはその両方を入力します。 

    Enter valid IP Address of destination
     

    ホストのIPアドレスを変更した場合は、新しいIPアドレスを入力します。それ以外の場合は、現在のIPアドレスを入力します。 

    Enter valid IP Address of source
     

    ホストのIPアドレスを変更した場合は、古いIPアドレスを入力します。それ以外の場合は、現在のIPアドレスを入力します。 

    OIDAdmin Password:
     

    この中間層インスタンスが登録されているOracle Internet Directoryのcn=orcladminパスワードを入力します。 

  5. 次のディレクトリ内にあるファイルで、エラーが発生していないかチェックして、ツールが正常に実行されたことを確認します。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/chgip/log
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥chgip¥log
      
作業5: SSO認証の再有効化

中間層インスタンスがSSO認証用に有効化された場合は、再び有効化する必要があります。その場合は、第6.6項「作業1: SSO認証の有効化(オプション)」の手順に従います。

作業6: 他のクラスタ・メンバーのホスト情報の更新

中間層インスタンスがトポロジ・クラスタのメンバーである場合、他のクラスタ・メンバーでopmn.xmlファイルにあるトポロジ情報の更新が必要になる場合があります。

中間層インスタンスが動的検出クラスタの一部である場合、opmn.xmlファイルの変更は不要です。

ただし、クラスタが次のタイプのいずれかである場合、opmn.xmlファイルを更新する必要があります。

作業7: ファイル内のホスト名の手動更新

ファイルを編集し、Oracleホームのパスなどユーザー定義パラメータの一部としてホスト名を入力している場合、そのホスト名はchgiphostコマンドを実行しても自動的には更新されません。このような場合にホスト名を更新するには、そのファイルを手動で編集する必要があります。たとえば、UNIXではplsql.confファイルに、/net/dsun1/private/...のようにホスト名を含むNFSパスが記述されている場合があります。

また、chgiphostコマンドでは、ドキュメンテーション・ファイル内に記述されたホスト名も変更されません。これらのファイルについては、手動で編集してホスト名を更新する必要があります。ORACLE_HOME/Apache/Apache/htdocsディレクトリのindex.html.*ファイルは、このようなファイルの例です。

作業8: Oracle BPEL Process Managerアプリケーションの再デプロイ

インスタンスにOracle BPEL Process Managerが含まれる場合は、Oracle BPEL Process Managerアプリケーションを再デプロイする必要があります。

  1. Oracle BPEL Process Managerのtmpディレクトリがクローン・インスタンスにある場合は、それを削除します。このディレクトリは次の場所にあります。

    (UNIX) ORACLE_HOME/bpel/domains/domainname/tmp/*
    (Windows) ORACLE_HOME¥bpel¥domains¥domainname¥tmp¥*
    
    
  2. Oracle BPEL Process Managerサーバーを再起動し、すべてのアプリケーションを再デプロイします。

    (UNIX) ORACLE_HOME/bpel/bin/startorabpel.sh
    (Windows) ORACLE_HOME¥bpel¥bin¥startorabpel.bat
    
作業9: Oracle Enterprise Service Busサービスのインポート

インスタンスにOracle Enterprise Service Busが含まれる場合は、「作業1: Oracle Enterprise Service Busサービスのエクスポート」でエクスポートしたファイルからサービスをインポートする必要があります。

  1. esbparam.propertiesファイルを編集し、DT_OC4J_HOSTプロパティを新しいホスト名に変更します。たとえば、新しいホスト名がnewhost.oracle.comの場合、このプロパティの値は次のようになります。

    DT_OC4J_HOST=newhost.oracle.com
    
    
  2. 「作業1: Oracle Enterprise Service Busサービスのエクスポート」で使用したのと同じコマンドライン・ウィンドウから、次のコマンドを実行します。

    ant import-params 
    -Dparamfile ORACLE_HOME¥integration¥DateTimeStamp¥esbparam.properties 
    -DDB_URL=jdbc_connectString:@//hostname:port/db_service_name
    -DDB_USER=oraesb -DDB_PASSWORD=esb_pwd 
    -DDB_DRIVER=oracle.jdbc.driver.OracleDriver
    
    

    この例で、hostnameはOracle Enterprise Service Busのリポジトリを含むホスト、portはそのリポジトリのポート、db_service_nameはデータベース・サービス名、esb_pwdはORAESBユーザーのパスワードを表します。たとえばWindowsでは、次のように指定します。

    ant import-params
    -Dparamfile ORACLE_HOME¥integration¥20060828_1503¥esbparam.properties 
    -DDB_URL=jdbc:oracle:thin:@//sta.oracle.com:1521/orcl.us.oracle.com
    -DDB_USER=oraesb -DDB_PASSWORD=ORAESB123 
    -DDB_DRIVER=oracle.jdbc.driver.OracleDriver
    
作業10: 環境の再起動

中間層インスタンスを再起動して、これまでの手順を開始する前の状態に構成を戻します。

  1. ホストの各中間層インスタンスを起動します。これには、各Oracleホームで次のコマンドを実行します。

    (Unix) ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
    (Windows) ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startall
    
    
  2. この手順の開始前に、Oracle Application Serverが自動的に起動するプロセスを無効にしていた場合は、有効化します。

  3. インスタンスにOracle Enterprise Service Busが含まれる場合は、そのサービスがESBコンソールに一覧表示されていることと、関連するアプリケーションが正常に実行されていることを確認します。

7.2.3 10.1.4または10.1.2のIdentity Managementインストールのホスト名、ドメイン名またはIPアドレスの変更

10.1.4または10.1.2のIdentity Managementインストールに関連付けられている10gリリース3(10.1.3.1.0)中間層インスタンスが存在する場合があります。

この項では、Identity Managementインストールを含むホストのホスト名、ドメイン名またはIPアドレスを変更する方法について説明します。この手順は、次のものを含むIdentity Managementのみのインストールすべてに適用されます。

次の各項では、この手順について説明します。

設定前の確認事項

手順を開始する前に、次の項目を確認してください。

作業1: 中間層インスタンスの停止

Identity Managementを使用する各10gリリース3(10.1.3.1.0)中間層インスタンスで、次のコマンドを使用してApplication Server Controlコンソールと中間層インスタンスを停止します。

作業2: ホストの準備

リリース2(10.1.2) Identity Managementインスタンス上ですべてのプロセスを停止して、ホストのホスト名変更を準備します。

  1. ORACLE_HOME環境変数を設定します。

  2. Oracleディレクトリ・サーバー、Directory Integration and Provisioningデータ・サーバー、およびレプリケーション・サーバーなどのサーバー、およびApplication Server Controlコンソールを含むIdentity Managementインストールを停止します。たとえば、UNIXの場合、次のコマンドを入力します。

    ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
    ORACLE_HOME/bin/oidctl server=odisrv instance=instance_number stop
    ORACLE_HOME/bin/oidctl connect=global_db_name server=oidrepld instance=instance_
    number stop
    ORACLE_HOME/bin/oidctl server=oidldapd instance=instance_number stop
    ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
    
    
  3. /etc/init.dスクリプトなどの自動スタートアップ・スクリプトを設定している場合は、それらを無効にして、ホストの再起動後にOracle Application Serverプロセスが自動的に起動されないようにします。

作業3: ホスト名またはIPアドレスの変更

オペレーティング・システムで、ホスト名、ドメイン名またはIPアドレスを更新します。ここでの手順を実行する方法の詳細は、該当するオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

  1. オペレーティング・システムで、ホスト名またはドメイン名、またはその両方を適切に変更します。

  2. オペレーティング・システムで再起動が必要な場合は、ホストを再起動します。

  3. ネットワークの別のホストから、このホストにpingが実行できることを確認します。必ず新しいホスト名を使用してpingを実行し、すべてが正しく解決されていることを確認してください。

作業4: chgiphostコマンドの実行

Identity Managementインスタンスにおいて次の手順を実行します。

  1. Identity Managementをインストールしたユーザーとしてホストにログインします。

  2. ORACLE_HOME環境変数を設定します。ORACLE_HOME変数を指定するときは、スラッシュ(UNIX)や円記号(Windows)を最後に使用しないでください。

  3. UNIXシステムの場合は、LD_LIBRARY_PATH、LD_LIBRARY_PATH_64、LIB_PATHまたはSHLIB_PATH環境変数を、表1-1に示されている適切な値に設定します。実際に設定が必要な環境変数および値は、UNIXオペレーティング・システムのタイプによって異なります。

  4. Identity ManagementのOracleホームで次のコマンドを実行します。

    • UNIXの場合:

      cd ORACLE_HOME/chgip/scripts
      ./chgiphost.sh -idm
      
      
    • Windowsの場合:

      cd ORACLE_HOME¥chgip¥scripts
      cmd /c chgiphost.bat -idm
      
      

    chgiphostコマンドでは、表7-4に示す情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。プロンプトには、値がカッコに囲まれて表示される場合があります。別の値を入力するか、[Enter]キーを押して、自動入力された値を受け入れます。

    表7-4    chgiphost -idmのプロンプトとアクション 
    プロンプト  アクション 
    Enter fully qualified hostname (hostname.domainname) of destination
     

    システムのホスト名またはドメイン名を変更した場合は、新しい完全修飾ホスト名を入力します。それ以外の場合は、現在の完全修飾ホスト名を入力します。 

    Enter fully qualified hostname (hostname.domainname) of source
     

    システムのホスト名またはドメイン名を変更した場合は、古い完全修飾ホスト名を入力します。それ以外の場合は、現在の完全修飾ホスト名を入力します。 

    Enter valid IP Address of destination
     

    システムのIPアドレスを変更した場合は、新しいIPアドレスを入力します。それ以外の場合は、現在のIPアドレスを入力します。 

    Enter valid IP Address of source
     

    システムのIPアドレスを変更した場合は、古いIPアドレスを入力します。それ以外の場合は、現在のIPアドレスを入力します。 

  5. 次のディレクトリ内にあるファイルで、エラーが発生していないかチェックして、ツールが正常に実行されたことを確認します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/chgip/log
    (Windows) ORACLE_HOME¥chgip¥log
    
作業5: 環境の再起動

Identity Managementインストールと、この手順の中で停止した他のすべてのInfrastructureインスタンスを再起動します。

  1. 次のコマンドを使用して、Identity Managementインスタンスを再起動します。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl stopall
      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startall
      ORACLE_HOME¥bin¥emctl start iasconsole
      
      
  2. この手順の開始前に、Oracle Application Serverが自動的に起動するプロセスを無効にしていた場合は、有効化します。

作業6: 環境の更新

この作業には、新しいホスト名、ドメイン名、またはIPアドレス用に環境を更新する手順が含まれます。実行する手順は、環境の構成方法により異なります。次を含むホストのホスト名またはIPアドレスを変更した場合、それぞれの手順に従います。

環境のOracle Internet DirectoryでLDAPベースのレプリケーションが使用されており、Oracle Internet DirectoryがOracleAS Metadata Repositoryとは別のホストにある場合、Master(サプライヤ)またはReplica(コンシューマ)のOracle Internet Directoryを含むホストのホスト名、ドメイン名、またはIPアドレスを変更できます。詳細は、「作業7: LDAPベースのレプリケーションが使用されている場合のOracle Internet Directoryの更新」を参照してください。

構成1: Oracle Internet Directoryのみ

これは、Oracle Internet Directoryがあるホストにインストールされ、他のIdentity Managementコンポーネントが別のホストにインストールされている場合に、Oracle Internet Directoryを含むホストが変更されたケースです。次の手順に従います。

  1. Oracle Single Sign-Onインストールで、InfrastructureのプロセスとApplication Server Controlコンソールを停止します。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
      ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl stopall
      ORACLE_HOME¥bin¥emctl stop iasconsole
      
      
  2. Oracle Internet Directoryを使用するすべてのOracleAS Infrastructureインスタンスで、ias.propertiesファイルを更新します。これには、他のIdentity Managementインスタンス(Oracle Single Sign-On、Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracle Directory Integration and Provisioning)が含まれます。

    各Oracleホームで、次のファイルを更新します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/config/ias.properties
    (Windows) ORACLE_HOME¥config¥ias.properties
    
    

    ファイルのOIDhostパラメータを、次のように新しいホスト名で更新します。

    OIDhost=newhost.us.oracle.com
    
    
  3. Oracle Internet Directoryを使用するすべてのOracleAS Infrastructureインスタンスで、ldap.oraファイルを更新します。これには、他のIdentity Managementインスタンス(Oracle Single Sign-On、Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracle Directory Integration and Provisioning)が含まれます。

    各Oracleホームで、次のファイルを編集します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/ldap/admin/ldap.ora
    (Windows) ORACLE_HOME¥ldap¥admin¥ldap.ora
    
    

    ファイルのDIRECTORY_SERVERSパラメータを、新しい完全修飾ホスト名で更新します。

  4. 他のIdentity ManagementコンポーネントのOracleホームで、OPMNとApplication Server Controlコンソールを再起動します。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl start
      ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl start
      ORACLE_HOME¥bin¥emctl start iasconsole
      
      
  5. 中間層インスタンスのOracleホームで、OPMNとApplication Server Controlコンソールを再起動します。Application Server Controlコンソールを起動するには、デフォルトのOC4Jインスタンスを起動します。Application Server Controlコンソールは、デフォルトのOC4Jインスタンスのアプリケーションとして実行されるからです。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl start
      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startproc process-type=home
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl start
      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startproc process-type=home
      
      
  6. 中間層インスタンスがSSO認証用に有効化された場合は、再び有効化する必要があります。このOracle Internet Directoryインスタンスを使用する各中間層インスタンスについて、第6.6項「作業1: SSO認証の有効化(オプション)」の手順を実行します。

  7. 他のIdentity Managementコンポーネントと各中間層のOracleホームで、ID管理の変更ウィザードを実行し、Oracle Internet Directoryの新しい情報を指定します。たとえば、10.1.3中間層の場合、次の手順を実行します。

    1. Application Server Controlコンソールを使用して、中間層インスタンスのOC4Jホーム・ページにナビゲートします。

    2. 管理」をクリックします。

    3. 表の「タスク名」列で「セキュリティ」が閉じている場合は、それを開きます。「ID管理」行で、「タスクに移動」アイコンをクリックします。

    4. 「ID管理」ページで、「変更」をクリックします。

    5. ウィザードの手順に従って、新しいIdentity Managementの情報を指定します。詳細は、第6.6項を参照してください。

    6. 操作が完了したら、OC4Jインスタンスを再起動する必要があります。「確認」ページで「再起動」をクリックしないでください。かわりに、「クラスタ・トポロジ」ページにナビゲートし、OC4Jインスタンスを選択してから、「再起動」をクリックします。

    ページにInternet Directoryの新しいホストやポートが表示されても、この手順を実行する必要があります。リリース2(10.1.2)の場合、Application Server Controlコンソールに仮想ホスト名が表示されるのは、更新されたias.propertiesファイルからそれを読み取っているためです。

  8. OracleAS Certificate Authorityがインストールされている場合、次の手順を実行します。

    1. OracleAS Certificate Authorityが実行されているホストでOracleAS Certificate Authority、OC4J ocaプロセス、およびOracle HTTP Serverを停止します。たとえば、UNIXの場合、次のコマンドを実行します。

      ORACLE_HOME/oca/bin/ocactl stop
      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopproc process-type=oca
      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopproc ias-component=HTTP_Server
      
      
    2. 次のファイルを編集して、ファイル内にリストされているホスト名を変更します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/oca/conf/oca.conf
      (Windows) ORACLE_HOME¥oca¥conf¥oca.conf
      
      
    3. Oracle Single Sign-OnとOracle Internet Directoryを再度関連付けます。たとえばUNIXでは、次のように指定します。

      ORACLE_HOME/oca/bin/ocactl changesecurity -server_auth_port OcaSslPort
      
      
    4. Oracle HTTP Server、OC4J ocaプロセスおよびOracleAS Certificate Authorityを起動します。たとえばUNIXでは、次のように指定します。

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startproc ias-component=HTTP_Server
      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startproc process-type=oca
      ORACLE_HOME/oca/bin/ocactl start
      
構成2: Oracle Single Sign-On、Oracle Delegated Administration Servicesおよび(場合によっては)Oracle Directory Integration and Provisioning

これは、Oracle Internet Directoryがあるホストにインストールされ、他のIdentity Managementコンポーネントが別のホストにインストールされている場合に、他のIdentity Managementコンポーネントを含むホストが変更されたケースです。

各中間層インストールで、次の手順を実行します。

  1. OPMNとApplication Server Controlコンソールを起動します。Application Server Controlコンソールを起動するには、デフォルトのOC4Jインスタンスを起動します。Application Server Controlコンソールは、デフォルトのOC4Jインスタンスのアプリケーションとして実行されるからです。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl start
      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startproc process-type=home
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl start
      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startproc process-type=home
      
      
  2. 各中間層のOracleホームで、ID管理の変更ウィザードを実行してOracle Internet Directoryの新しい情報を指定します。

    1. Application Server Controlコンソールを使用して、中間層インスタンスのOC4Jホーム・ページにナビゲートします。

    2. 管理」をクリックします。

    3. 表の「タスク名」列で「セキュリティ」が閉じている場合は、それを開きます。「ID管理」行で、「タスクに移動」アイコンをクリックします。

    4. 「ID管理」ページで、「変更」をクリックします。

    5. ウィザードの手順に従って、新しいIdentity Managementの情報を指定します。詳細は、第6.6項を参照してください。

    6. 操作が完了したら、OC4Jインスタンスを再起動する必要があります。「確認」ページで「再起動」をクリックしないでください。かわりに、「クラスタ・トポロジ」ページにナビゲートし、OC4Jインスタンスを選択してから、「再起動」をクリックします。

    ページにInternet Directoryのホストやポートが表示されても、この手順を実行する必要があります。

  3. 影響を受けるコンポーネントを再起動します。各Oracleホームで次のコマンドを実行します。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl stopall
      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startall
      
構成3: Oracle Internet Directory、Oracle Single Sign-On、Oracle Delegated Administration Servicesおよび(場合によっては)Oracle Directory Integration and Provisioning

これは、Oracle Internet Directoryと他のIdentity Managementコンポーネントが同じホストにインストールされている場合に、このホストが変更されたケースです。次の手順に従います。

各中間層インストールで、次の手順を実行します。

  1. OPMNとApplication Server Controlコンソールを起動します。Application Server Controlコンソールを起動するには、デフォルトのOC4Jインスタンスを起動します。Application Server Controlコンソールは、デフォルトのOC4Jインスタンスのアプリケーションとして実行されるからです。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl start
      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startproc process-type=home
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl start
      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startproc process-type=home
      
      
  2. 中間層インスタンスがSSO認証用に有効化された場合は、再び有効化する必要があります。各中間層インスタンスについて、第6.6項「作業1: SSO認証の有効化(オプション)」の手順を実行します。

  3. 各中間層インストールで、ID管理の変更ウィザードを実行します。

    1. Application Server Controlコンソールを使用して、中間層インスタンスのOC4Jホーム・ページにナビゲートします。

    2. 管理」をクリックします。

    3. 表の「タスク名」列で「セキュリティ」が閉じている場合は、それを開きます。「ID管理」行で、「タスクに移動」アイコンをクリックします。

    4. 「ID管理」ページで、「変更」をクリックします。

    5. ウィザードの手順に従って、新しいIdentity Managementの情報を指定します。詳細は、第6.6項を参照してください。

    6. 操作が完了したら、OC4Jインスタンスを再起動する必要があります。「確認」ページで「再起動」をクリックしないでください。かわりに、「クラスタ・トポロジ」ページにナビゲートし、OC4Jインスタンスを選択してから、「再起動」をクリックします。

  4. 影響を受けるコンポーネントを再起動します。各Oracleホームで次のコマンドを実行します。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl stopall
      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startall
      
作業7: LDAPベースのレプリケーションが使用されている場合のOracle Internet Directoryの更新

環境のOracle Internet DirectoryでLDAPベースのレプリケーションが使用されており、Oracle Internet DirectoryがOracleAS Metadata Repositoryとは別のホストにある場合、Master(サプライヤ)またはReplica(コンシューマ)のOracle Internet Directoryを含むホストのホスト名、ドメイン名、またはIPアドレスを変更できます。

構成A: MasterのOracle Internet Directoryがあるホストが変更されたケース

MasterのOracle Internet Directoryを含むホストのホスト名、ドメイン名、またはIPアドレスを変更した場合、次の手順を実行します。

  1. MasterのOracle Internet DirectoryのレプリカIDを取得します。

    ldapsearch -p master_port -h master_host -b "" -s base "objectclass=*" 
    orclreplicaid
    
    
  2. MasterのOracle Internet Directoryのレプリカ・エントリにorclreplicauriorclreplicasecondaryuriが存在する場合、MasterとReplicaの両方で、orclreplicauriorclreplicasecondaryuriのいずれか、または両方を更新します。次の手順に従います。

    1. mod.ldifという名前のファイルを作成し、次の行を入力します。

      dn: orclreplicaid=master_replicaID,cn=replication configuration
      changetype:modify
      replace: orclreplicauri
      orclreplicauri: ldap://new_master_host:new_master_port/
      
      

      この例では、master_replicaIDはステップaで取得したIDで、new_master_hostはMasterのOracle Internet Directoryの新しいホスト名です。new_master_portはMasterのOracle Internet Directoryのポート番号です。

    2. Masterで次のコマンドを実行します。

      ldapmodify -p master_port -h master_host -f mod.ldif
      
      
    3. Replicaで次のコマンドを実行します。

      ldapmodify -p replica_port -h replica_host -f mod.ldif
      
      
  3. Replicaでレプリケーション・サーバーを再起動します。

    oidctl server=oidrepld inst=inst_num connect=connect_string flags="-h
     replica_host -p replica_port -m false" stop
    oidctl server=oidrepld inst=inst_num connect=connect_string flags="-h
     replica_host -p replica_port -m false" start
    
    

    この例では、replica_hostはReplicaのOracle Internet Directoryのホスト名で、replica_portはReplicaのOracle Internet Directoryのポートです。

構成B: ReplicaのOracle Internet Directoryのあるホストが変更されたケース

ReplicaのOracle Internet Directoryを含むホストのホスト名、ドメイン名、またはIPアドレスを変更した場合、次の手順を実行します。

  1. ReplicaのOracle Internet DirectoryのレプリカIDを取得します。

    ldapsearch -p replica_port -h replica_host -b "" -s base "objectclass=*" 
    orclreplicaid
    
    
  2. ReplicaのOracle Internet Directoryのレプリカ・エントリにorclreplicauriorclreplicasecondaryuriが存在する場合、MasterとReplicaの両方で、orclreplicauriorclreplicasecondaryuriのいずれか、または両方を更新します。次の手順に従います。

    1. mod.ldifという名前のファイルを作成し、次の行を入力します。

      dn: orclreplicaid=replica_replicaID,cn=replication configuration
      changetype:modify
      replace: orclreplicauri
      orclreplicauri: ldap://new_replica_host:new_replica_port/
      
      

      この例では、replica_replicaIDはステップaで取得したIDで、new_replica_hostはReplicaのOracle Internet Directoryの新しいホスト名です。new_replica_portはReplicaのOracle Internet Directoryのポート番号です。

    2. Masterで次のコマンドを実行します。

      ldapmodify -p master_port -h master_host -f mod.ldif
      
      
    3. Replicaで次のコマンドを実行します。

      ldapmodify -p replica_port -h replica_host -f mod.ldif
      
      
  3. Replicaでレプリケーション・サーバーを再起動します。

    oidctl server=oidrepld inst=inst_num connect=connect_string flags="-h
     new_replica_host -p new_replica_port -m false" stop
    oidctl server=oidrepld inst=inst_num connect=connect_string flags="-h
     new_replica_host -p new_replica_port -m false" start
    
    

    この例では、new_replica_hostはReplicaのOracle Internet Directoryの新しいホスト名で、new_replica_portはReplicaのOracle Internet Directoryのポートです。

7.2.4 Metadata Repositoryを含む10.1.4または10.1.2のInfrastructureのIPアドレスの変更

この項では、Infrastructureインストール・タイプが次のいずれかであるホストのIPアドレスを変更する方法について説明します。

次の各項では、この手順について説明します。

設定前の確認事項

手順を開始する前に、次の項目を確認してください。

作業1: 中間層インスタンスの停止

Infrastructureインストールを使用するすべての中間層インスタンスを停止します。別のホストにあるインスタンスも停止します。

(UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
(Windows) ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl stopall
作業2: ホストの準備

すべてのプロセスを停止して、ホストの変更準備をします。

  1. ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID環境変数を設定します。

  2. Infrastructureを停止します。

    1. すべてのApplication Server Controlコンソールおよびすべてのプロセスを停止します。

      • UNIXの場合:

        ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
        ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
        
        
      • Windowsの場合:

        ORACLE_HOME¥bin¥emctl stop iasconsole
        ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl stopall
        
        
    2. ディレクトリをOracleホームのbinサブディレクトリに変更します。次に、リスナーとデータベースを停止します。

      lsnrctl stop
      
      sqlplus /nolog
      SQL> connect SYS as SYSDBA
      SQL> shutdown
      SQL> quit
      
      
  3. すべての Oracle Application Serverプロセスが停止したことを確認します。

  4. /etc/init.dスクリプトなどの自動スタートアップ・スクリプトを設定している場合は、それらを無効にして、ホストの再起動後にOracle Application Serverプロセスが自動的に起動されないようにします。

作業3: IPアドレスの変更

オペレーティング・システムのIPアドレスを変更して再起動し、ホストがネットワーク上で正しく機能することを確認します。ここでの手順を実行する方法の詳細は、該当するオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

  1. オペレーティング・システムのIPアドレスを適切に変更します。

  2. オペレーティング・システムで再起動が必要な場合は、ホストを再起動します。

  3. ネットワークの別のホストから、このホストにpingが実行できることを確認します。必ず新しいIPアドレスを使用してpingを実行し、すべてが正しく解決されていることを確認してください。

作業4: Infrastructureの更新

ホストのInfrastructureのIPアドレスを更新します。

  1. Infrastructureをインストールしたユーザーとしてホストにログインします。

  2. ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID環境変数を設定します。ORACLE_HOME変数を指定するときは、スラッシュ(UNIX)や円記号(Windows)を最後に使用しないでください。

  3. UNIXシステムの場合は、LD_LIBRARY_PATH、LD_LIBRARY_PATH_64、LIB_PATHまたはSHLIB_PATH環境変数を、表1-1に示されている適切な値に設定します。実際に設定が必要な環境変数および値は、UNIXオペレーティング・システムのタイプによって異なります。

  4. ディレクトリをOracleホームのbinサブディレクトリに変更します。次に、データベースとリスナーを起動します。

    sqlplus /nolog
    SQL> connect SYS as SYSDBA
    SQL> startup
    SQL> quit
    
    lsnrctl start
    
    
  5. OPMNを起動します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl start
    (Windows) ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl start
    
    
  6. Oracle Internet Directoryを起動します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startproc ias-component=OID process-type=OID
    (Windows) ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startproc ias-component=OID process-type=OID
    
    
  7. InfrastructureのOracleホームで次のコマンドを実行します。

    • UNIXの場合:

      cd ORACLE_HOME/chgip/scripts
      ./chgiphost.sh -infra
      
      
    • Windowsの場合:

      cd ORACLE_HOME¥chgip¥scripts
      cmd /c chgiphost.bat -infra
      
      

    chgiphostコマンドでは、古いIPアドレスと新しいIPアドレスの入力を求めるプロンプトが表示されます。

  8. 次のディレクトリ内にあるファイルで、エラーが発生していないかチェックして、ツールが正常に実行されたことを確認します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/chgip/log
    (Windows) ORACLE_HOME¥chgip¥log
    
作業5: 環境の再起動

Infrastructureの残りのコンポーネントを起動し、それを使用する中間層インスタンスを起動します。

  1. Infrastructureを起動します。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startall
      ORACLE_HOME¥bin¥emctl start iasconsole
      
      
  2. 中間層インスタンスがInfrastructureと同一のホストに存在する場合は、中間層インスタンスを再起動する前に、中間層インスタンスに対してchgiphostコマンドを実行する必要があります。

  3. 中間層インスタンスを起動します。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startall
      
      
  4. この手順の開始前に、Oracle Application Serverが自動的に起動するプロセスを無効にしていた場合は、有効化します。

7.2.5 ホスト名またはドメイン名の変更に関する特殊なトピック

この項では、Oracle Application Serverホストのホスト名またはドメイン名を変更する際に該当する特殊なトピックについて説明します。この項のトピックは次のとおりです。

7.2.5.1 chgiphostのログ・レベルの設定

デフォルトでは、chgiphostコマンドのコンソールのログ・レベルはSEVEREです。この設定では、chgiphostの実行時に出力される情報はクリティカルなもののみになります。これ以外の進捗情報を表示する必要がある場合は、次の手順を実行して、コンソールのログ・レベルをCONFIGに設定します。

  1. 次のファイルを編集します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/chgip/config/chgip.log.properties
    (Windows) ORACLE_HOME¥chgip¥config¥chgip.log.properties
    
    
  2. java.util.logging.ConsoleHandler.levelパラメータをCONFIGに変更します。

    java.util.logging.ConsoleHandler.level = CONFIG
    

7.2.5.2 chgiphostコマンドのカスタマイズ

デフォルトでは、chgiphostコマンドを実行すると、Oracleホーム内の主要な構成ファイルが更新され、新しいホスト名が使用されるようになります。現行のインストールに次のいずれかの項目が該当する場合は、chgiphostコマンドの動作のカスタマイズを検討する必要があります。

7.2.5.3 Windows 2000からWindows 2003へのアップグレード後のホスト名変更

Windows 2000からWindows 2003にアップグレードすると、ホスト名に含まれる小文字が大文字に変更される場合があります。たとえば、アップグレード前のホスト名がmyhostの場合、MYHOSTに変更される場合があります。この現象が発生すると、Oracle Application Serverの一部のプロセスが正常に機能しないおそれがあります。

この問題を解決するために、chgiphostコマンドを使用してOracle Application Serverを実行する必要はありません。小文字のホスト名を含むエントリを、次のホスト・ファイルに追加するだけです。

OS_path¥system32¥drivers¥etc¥hosts

たとえば、アップグレード前の完全修飾ホスト名がmyhost.mydomainで、IPアドレスが1.2.3.4の場合は、次の行を追加します。

1.2.3.4 myhost.mydomain myhost

7.2.5.4 ホスト名変更時のエラーからのリカバリ

この項では、chgiphostコマンドの使用時に発生する一般的なエラーからのリカバリ方法について説明します。この項の項目は次のとおりです。

ケース1: 変更後の名前の指定間違い

chgiphostコマンドの実行時に、変更後の名前を間違って指定したとします。この場合は、chgiphostをもう一度実行することによってエラーを修正できます。次に具体的な例を示します。

現在の変更前のホスト名をloire985、間違って指定した変更後のホスト名をmqa985、正しい変更後のホスト名をsqb985とします。最初に、変更前のホスト名をloire985、変更後のホスト名をmqa985としてchgiphostを実行しました。

このエラーからリカバリする手順は次のとおりです。

  1. 変更前のホスト名をmqa985、変更後のホスト名をsqb985としてchgiphostを実行します。

  2. 変更前のホスト名をloire985、変更後のホスト名をsqb985としてもう一度chgiphostを実行します。

ケース2: chgiphostの実行時に発生するエラー

たとえば、Oracle Internet Directoryのパスワードを間違えて入力すると、エラーが発生します。この場合は、opmnctl stopallコマンドを使用してインスタンスのすべてのプロセスを停止してから、前と同じ変更前および変更後のホスト名を使用してchgiphostをもう一度実行し、プロンプトが表示されたときに確実に正しいパスワードを指定します。

chgiphostの実行時にエラーが発生する場合は、そのエラーを修正してからもう一度chgiphostを実行する必要があります。

7.3 ネットワーク接続のオン/オフの切替え

この項では、Oracle Application Serverホストがネットワークに接続された状態と接続されていない状態を切り替える方法について説明します。前提および制限は次のとおりです。

7.3.1 ネットワーク接続のオフからオンへの変更(静的IPアドレス)

この手順では、標準のホスト名(localhostではない)を使用する、ネットワークに接続されていないホストにOracle Application Serverをインストールした後で、ネットワークに接続して静的IPアドレスを使用する場合を想定しています。IPアドレスは、デフォルトのループバックIPまたは任意の標準的なIPアドレスです。

ネットワークに接続された状態に変更するには、ホストをネットワークに接続します。Oracle Application Serverの更新は必要ありません。

7.3.2 ネットワーク接続のオフからオンへの変更(DHCP)

この手順では、標準のホスト名(localhostではない)を使用する、ネットワークに接続されていないホストにインストールを行った後で、ネットワークに接続してDHCPを使用する場合を想定しています。ホストのIPアドレスには、任意の静的IPアドレスまたはループバックIPアドレスを使用できます。このIPアドレスは、そのホスト名に対して設定されている必要があります。

ネットワークに接続をオンにする手順は次のとおりです。

  1. DHCPを使用してホストをネットワークに接続します。

  2. ループバックIPアドレスに対してのみホスト名を構成します。

7.3.3 ネットワーク接続のオンからオフへの変更(静的IPアドレス)

この手順は、ホストがネットワークに接続され、静的IPアドレスを使用している状態を、ネットワークに接続されていない状態に変更する場合に実行します。

  1. /etc/hostsファイルを構成して、IPアドレスとホスト名がローカルで解決できるようにします。

  2. ホストを、ネットワークから切断します。

  3. ホスト名またはIPアドレスを変更する必要はありません。

  4. インスタンスがクラスタの一部として構成された場合、インスタンスを起動する前に、クラスタから削除する必要があります。たとえば、動的検出を使用していた場合にインスタンスをクラスタから削除するには、次のコマンドを使用します。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl config topology delete discover
      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl reload
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl config topology delete discover
      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl reload
      
      

    クラスタから削除する方法は、クラスタの構成方法によって異なります。詳細は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』の「クラスタの構成と管理」を参照してください。

7.3.4 ネットワーク接続のオンからオフへの変更(DHCP)

この手順は、ホストがネットワークに接続され、ループバック・モードのDHCPを使用している状態を、ネットワークに接続されていない状態に変更する場合に実行します。

  1. ホストを、ネットワークから切断します。

  2. ホスト名またはIPアドレスを変更する必要はありません。

  3. インスタンスがクラスタの一部として構成された場合、インスタンスを起動する前に、クラスタから削除する必要があります。たとえば、動的検出を使用していた場合にインスタンスをクラスタから削除するには、次のコマンドを使用します。

    • UNIXの場合:

      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl config topology delete discover
      ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl reload
      
      
    • Windowsの場合:

      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl config topology delete discover
      ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl config reload
      
      

    クラスタから削除する方法は、クラスタの構成方法によって異なります。詳細は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』の「クラスタの構成と管理」を参照してください。

7.4 静的IPアドレスとDHCPの切替え

この項では、静的IPアドレスとDHCPを切り替える方法を説明します。前提および制限は次のとおりです。

7.4.1 静的IPアドレスからDHCPへの切替え

ホストの設定を静的IPアドレスからDHCPに変更する手順は次のとおりです。

  1. DHCPに変更する前に、ホストを設定してホスト名とループバックIPアドレスを関連付けます。

  2. ホストをDHCPに変更します。Oracle Application Serverを更新する必要はありません。

7.4.2 DHCPから静的IPアドレスへの切替え

ホストの設定をDHCPから静的IPアドレスに変更する手順は次のとおりです。

  1. ホストが静的IPアドレスを使用するように変更します。

  2. Oracle Application Serverを更新する必要はありません。


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