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Oracle Application Server 管理者ガイド
10gリリース3(10.1.3.1.0)

B31834-01
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5 ログ・ファイルの管理

Oracle Application Serverコンポーネントは、起動および停止情報、エラー、警告メッセージ、HTTPリクエスト時のアクセス情報など、すべての種類のイベントを記録するメッセージが格納されたログ・ファイルを生成します。この章では、システムの動作の監視やシステムに関する問題の診断に役立つ、ログ・ファイルの表示方法と管理方法について説明します。

この章の項目は次のとおりです。

5.1 Application Server Controlでのログ・ファイルのリストと表示

Application Server Controlコンソールでは、Oracle Application Serverコンポーネント全体のログ・ファイルのリストを作成して検索できます。ログ・ファイルは、Application Server Controlコンソール・ページで表示したり、ローカル・クライアントにダウンロードしたり、別のツールを使用して表示することができます。

この項の項目は次のとおりです。

5.1.1 ログ・ファイルの表示

Application Server Controlコンソールを使用すると、特定のコンポーネントのログ・ファイルを一覧表示できます。

  1. Application Server Controlコンソールのホーム・ページにある各システム・コンポーネントのリンクを選択し、「ログ」リンクを選択します。「ログ・ファイル」ページが表示されます。

  2. 表示」メニューでオプションを選択すると、アプリケーション・ログ、診断ログ、管理システム・ログ、Webサービス・ログなど、あらゆる種類のログを表示できます。

  3. 表にコンポーネントのログ・ファイルのリストが表示されるまで、アイテムを開きます。たとえば、「コンポーネント」→「Enterprise Manager」→「Application Server Control」を開きます。図5-1に示すように、表にログ・ファイルが一覧表示されます。

    図5-1    Enterprise Managerの「ログ・ファイル」ページ


    画像の説明

  4. 特定のログ・ファイルを表示するには、「表示」をクリックします。ログ・ファイルのテキストが表示されます。

5.1.2 コンポーネントのログ・ファイルの一覧表示

Application Server Controlコンソールを使用すると、個々のコンポーネント、コンポーネントの一部、またはすべてのコンポーネントのログ・ファイルを一覧表示できます。ログ・ファイルを一覧表示する手順は次のとおりです。

  1. Application Server Controlコンソールのホーム・ページにある各システム・コンポーネントのリンクを選択し、「ログ」リンクを選択します。「ログ・ファイル」ページが表示されます。

  2. 表示」メニューで選択すると、アプリケーション・ログ、診断ログ、管理システム・ログ、Webサービス・ログなど、あらゆる種類のログを表示できます。

  3. すべてのコンポーネントを表示するには、表の「コンポーネント」を選択します。一部のコンポーネントを表示するには、「コンポーネント」アイテムを開いてから、目的の階層レベルが表示されるまで「コンポーネント」の下にあるアイテムを開きます。その後、対象コンポーネントを選択します。

  4. 検索」をクリックして、選択したコンポーネントのログ・ファイルのリストを作成します。

  5. 検索の終了後に表示される「ログの検索」ページで、「選択したログ・ファイルを表示」をクリックします。「ログの検索」ページに、ログ・ファイルの名前が表示されます。

5.1.3 ログ・ファイルの検索とメッセージの表示

Application Server Controlコンソールの「ログの検索」ページでは、特定のログ・ファイル属性のフィルタを設定してログ・ファイルを検索できます。

次の手順に従います。

  1. Application Server Controlコンソールのホーム・ページにある各システム・コンポーネントのリンクを選択し、「ログ」リンクを選択します。「ログ・ファイル」ページが表示されます。

  2. 表示」メニューで、ログ・ファイルのタイプを選択します。

  3. 特定のコンポーネントのログ・ファイルを表示するには、表で選択します。

  4. 検索」をクリックします。「ログの検索」ページが表示されます。

  5. 日付範囲」や「メッセージ・タイプ」などの検索基準を指定します。

  6. 拡張検索オプション」をクリックして、「ログ・メッセージ・フィールドでフィルタ」表を表示します。

  7. ログ・メッセージ・フィールド」リストでフィールドを選択します。

  8. 行を追加 」をクリックして、選択したログ・メッセージ・フィールドのための行を追加します。

  9. 」フィールドに、目的の検索値を入力します。

  10. 正規表現であることを指定するには、「正規表現」をクリックします(正規表現の詳細は、第5.1.4項を参照)。

  11. さらにフィールドを追加して値を指定する場合は、「行の追加」をクリックして、追加する値を入力します。

  12. 検索」をクリックして、検索を実行します。検索が終了すると、図5-2に示すように、一致するフィールドを含むログ・ファイルが「結果」セクションに表示されます。

    図5-2    ログ検索の「結果」セクション


    画像の説明

  13. ログ・エントリを表示するには、「ログの検索」ページの「結果」領域にある「詳細」列の「表示」をクリックします。

    エラー・メッセージの詳細が表示されます。この情報には、「コンポーネント名」、「コンポーネントID」、「メッセージ・レベル」、「モジュールID」、「メッセージ・タイプ」、「メッセージ・テキスト」およびオプションで「実行コンテキストID」(ECID)などが含まれます。

5.1.4 検索での正規表現の使用

正規表現による一致は、「ログの検索」ページで「正規表現」フィールドのチェック・ボックスが選択されている場合に有効になります。正規表現は、「メッセージ・テキスト」フィールドと「ログ・メッセージ・フィールドでフィルタ」表で指定できます。検索で正規表現を使用すると、パターン表現を入力し、検索で一致する文字列を検索できます。

検索では、Apache Jakarta正規表現エンジンが使用されます。これは、任意の文字列に"*"、任意の1文字に"?"を使用します。また、エントリの最初の文字のみの一致に"^"、エントリの最後の文字のみの一致に"$"を指定する境界一致や、タブに"¥t"、改行に"¥n"、復帰に"¥r"、改ページに"¥f"を指定する特殊文字がサポートされています。

関連項目

サポートされている正規表現の詳細は、http://jakarta.apache.org/regexpを参照してください。 

5.2 Oracle Application Serverロギングの概要

この項では、メッセージ形式とログ・ファイルのネーミングに関する情報を提供し、コンポーネントのロギング・オプションを構成する方法について説明します。この項の項目は次のとおりです。

5.2.1 ログ・ファイルの形式とネーミングについて

Oracle Application Serverコンポーネントのログ・ファイルは、テキスト・ベースの形式またはOracle Diagnostic Logging(ODL)を使用します。

ODLを使用すると、ログ・ファイルのネーミングおよび内容の形式はOracle標準に準拠し、診断メッセージはXMLで記述されます。一部のOracle Application ServerコンポーネントはODLを使用せず、診断メッセージはコンポーネント固有のテキスト形式で記述されます。その他のコンポーネントはODLをサポートしますが、デフォルトではODLが無効です。

ログ・ファイルに格納されるメッセージ形式(ODLまたはテキスト・ベース)に関係なく、ログ・ファイルはApplication Server Controlコンソールで表示したり、ローカル・クライアントにダウンロードしたり、別のツール(テキスト・エディタやその他のファイル表示ユーティリティ)で表示することができます。

この項の項目は次のとおりです。

5.2.1.1 ODLメッセージの形式とODLログ・ファイルのネーミング

Oracle Application Serverコンポーネントを実行して生成されたODLメッセージは、診断ログ・ファイルにXML形式で書き込まれます。各ODLメッセージには、メッセージに関する情報のフィールドが含まれるHEADER要素があり、オプションで、コンポーネント間でメッセージを関連付ける際に役立つ情報が含まれるCORRELATION_DATA要素およびオプションの引数や関連する値などのメッセージ・テキストが含まれるPAYLOAD要素があります。

ODLを使用すると、Oracle Application Serverコンポーネントは、ロギング・ディレクトリに診断ログ・ファイルを書き込み、コンポーネント固有のネーミング規則に従ってロギング・ディレクトリの名前を決定します。

関連項目

 

5.2.1.2 コンポーネント別のログ・ファイル・メッセージの形式

表5-1に、各Oracle Application Serverコンポーネントがサポートするメッセージ形式を示します。一部のコンポーネントは、ODL形式をオプションでサポートします。ODLはデフォルトの形式ではありません。

表5-1    コンポーネント別の診断メッセージ形式 
コンポーネント  デフォルトの形式  ODLのサポート  場所1 

Application Server Controlコンソール 

テキスト 

× 

ORACLE_HOME/j2ee/home/log/ascontrol.log

ORACLE_HOME/j2ee/home/log/home_default_group-1/ 

HTTP Server 

テキスト 

○ 

ORACLE_HOME/Apache/Apache/logs/error_log.time 

BPEL Process Manager 

テキスト 

× 

ORACLE_HOME/j2ee/instance_name/application-deployments/orabpel/instance_group_process/application.log 

Business Activity Monitoring 

テキスト 

× 

(Windowsのみ)BAM_HOME¥Logs 

Enterprise Service Bus 

テキスト 

× 

ORACLE_HOME/j2ee/instance_name/application-deployments/esb-dt/instance_group_process/application.log

ORACLE_HOME/j2ee/instance_name/application-deployments/esb-rt/instance_group_process/application.log 

OC4J instance_name 

テキスト 

○ 

ORACLE_HOME/j2ee/instance_name/log/instance_group_process/

ORACLE_HOME/j2ee/instance_name/application-deployments/application_name/application.log 

OC4J instance_name 

ODL 

○ 

ORACLE_HOME/j2ee/instance_name/log/instance_group_process/oc4j/log.xml 

OPMN 

テキスト 

× 

ORACLE_HOME/opmn/logs

ORACLE_HOME/opmn/logs/component_type~... 

Port Tunneling 

テキスト 

× 

ORACLE_HOME/iaspt/logs 

TopLink 

テキスト 

× 

TopLinkインストール・ディレクトリのlog path構成オプションで、たとえば次のように指定されます。config/toplink.xml 

Universal Installer 

テキスト 

× 

ORACLE_HOME/cfgtoollogs 

Web Services Manager 

テキスト 

× 

ORACLE_HOME/j2ee/instance_name/application.log 

1 場所はUNIX形式で表示されています。Windows形式では、スラッシュを「¥」と読み替えてください。

5.2.2 コンポーネント・ロギング・オプションの構成

管理者は、ロギング・オプションを構成して、Oracle Application Serverコンポーネントによって生成および保存されるログ情報を管理および制限できます。

たとえば、Javaロギングを使用して、OC4Jコンポーネントのロギング・オプションを構成する場合は、ORACLE_HOME/j2ee/home/configディレクトリに格納されているj2ee-logging.xmlファイルを変更します。詳細は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』の「OC4Jでのログイン」を参照してください。

コンポーネントのロギング構成オプションには次のものがあります。

5.3 問題の診断とメッセージの関連付け

通常、管理者やその他のユーザーは、ログ・ファイルのデータを表示して、コンポーネント・エラーおよびエラーを引き起こす可能性のある問題を診断、監視および検索します。Application Server Controlコンソールは、統合されたアーキテクチャをサポートしており、これらの作業に役立つ、異なるコンポーネントで使用できるツールを提供します。

この項の項目は次のとおりです。

5.3.1 ログ・ファイルおよびコンポーネント間のメッセージの関連付け

特定のOracle Application Serverコンポーネントは、診断メッセージのメッセージ相関情報を提供します。メッセージ相関情報は、診断メッセージを表示したユーザーがコンポーネント間のメッセージの関係を判断する際に役立ちます。実行コンテキストID(ECID)は、実行のスレッドに関連した全体的に一意な識別子です。ECIDは、ログ・ファイル・エントリを使用して1つのアプリケーションからのメッセージまたはアプリケーション・サーバー・コンポーネント間のメッセージを関連付ける際に役立ちます。メッセージ相関情報を使用して関連メッセージを検索すると、複数のメッセージを調べることができ、最初に問題が発生したコンポーネントを識別できます(この方法は、最初に障害が発生したコンポーネントの切分けと呼ばれます)。メッセージ相関データを使用すると、コンポーネント全体における診断メッセージのパスが明確になり、エラーや関連する動作を把握できます。

Application Server Controlコンソールの「ログ・メッセージの詳細」ページでエントリを表示する際、ECIDフィールドが使用可能である場合は、実行コンテキストIDがリンクとして表示されます。「実行コンテキストID」リンクを選択すると、同じECIDを持つログ・リポジトリ内のすべての診断メッセージが表示されます。

ECIDを使用して、Oracle Application Server間で移動するリクエストをトラッキングできます。

ECIDの形式は、次のとおりです。

request_id, sequence_number

表5-2に、メッセージ相関情報(ECIDを使用)を提供するOracle Application Serverコンポーネントを示します。コンポーネントがメッセージ相関をサポートする場合も、デフォルトではこのオプションが無効です。

表5-2    メッセージ相関をサポートするOracle Application Serverコンポーネント 
コンポーネント  メッセージ相関のサポート 

OC4J 

メッセージ相関をサポートします。 

HTTP Server 

メッセージ相関をサポートします。 

5.3.2 コンポーネントの問題の診断

Oracle Application Serverコンポーネントに問題が発生した場合は、診断メッセージを確認することによって、問題の原因を分離して特定できます。この作業を行う際に役立つ一般的な方法は、次のとおりです。

5.4 ロギングに関する高度なトピック

この項の項目は次のとおりです。

5.4.1 ODLメッセージとODLログ・ファイルについて

この項の項目は次のとおりです。

5.4.1.1 ODLメッセージの内容

ODLを使用すると、診断メッセージがXML形式でログ・ファイルに書き込まれます。各メッセージには、メッセージに関する情報のフィールドが含まれるHEADER要素があり、オプションで、コンポーネント間でメッセージを関連付ける際に役立つ情報が含まれるCORRELATION_DATA要素およびオプションの引数や関連する値などのメッセージ・テキストが含まれるPAYLOAD要素があります。

例5-1に、オプションのCORRELATION_DATA要素を含む、ODL形式のメッセージの例を示します。

例5-1    ODLメッセージの内容の例

<MESSAGE>
  <HEADER>
    <TSTZ_ORIGINATING>2006-05-05T08:13:33.138-07:00</TSTZ_ORIGINATING>
    <COMPONENT_ID>tip</COMPONENT_ID>
    <MSG_TYPE TYPE="ERROR"></MSG_TYPE>
    <MSG_LEVEL>1</MSG_LEVEL>
    <HOST_ID>sta.oracle.com</HOST_ID>
    <HOST_NWADDR>140.87.7.135</HOST_NWADDR>
    <MODULE_ID>esb.server.dispatch.agent</MODULE_ID>
    <THREAD_ID>64</THREAD_ID>
    <USER_ID>oracle1</USER_ID>
  </HEADER>
  <CORRELATION_DATA>
    <EXEC_CONTEXT_ID><UNIQUE_ID>140.87.7.135:59844:1146765043873:54</UNIQUE_
ID><SEQ>0</SEQ></EXEC_CONTEXT_ID>
  </CORRELATION_DATA>
  <PAYLOAD>
    <MSG_TEXT></MSG_TEXT>
  </PAYLOAD>
</MESSAGE>

表5-3に、ODLメッセージ・ヘッダーの内容を示します。ODL形式のメッセージを生成する任意のコンポーネントでは、オプションのヘッダー・フィールドは、生成された診断メッセージには表示されません。

表5-3    ODL形式のメッセージのヘッダー・フィールド 
ヘッダー・フィールド名  説明  必須 

COMPONENT_ID 

メッセージの作成元となるコンポーネントの製品IDまたはコンポーネントID。 

必須 

HOST_ID 

DNSホストのネットワークID。 

省略可能 

HOST_NWADDR 

作成元ホストのIPアドレスやその他のネットワーク・アドレス。 

省略可能 

HOSTING_CLIENT_ID 

メッセージが関連付けられるクライアントまたはセキュリティ・グループのID。 

省略可能 

MODULE_ID 

メッセージの作成元となるモジュールのID。 

省略可能 

MSG_GROUP 

メッセージが属するグループ名。類似したメッセージの選択に使用します。 

省略可能 

MSG_ID 

メッセージID。メッセージを一意に識別します。 

省略可能 

MSG_LEVEL 

メッセージ・タイプ(MSG_TYPE)を修飾する整数値。指定する値のレベルが低いほど、重大度の高いエラーを示します。指定可能な値は1〜32です。 

省略可能 

MSG_TYPE 

メッセージのタイプ。INTERNAL_ERRORERRORWARNINGNOTIFICATIONTRACEUNKNOWNのいずれかのタイプを指定します。MSG_TYPEを指定する際、MSG_TYPEがメッセージ・ヘッダーに含まれる場合は、TYPE属性が必要です。 

必須 

ORG_ID 

作成元のコンポーネントの組織ID。通常、これは組織のドメイン名です。 

省略可能 

PROCESS_ID 

メッセージに関連付けられたプロセスまたは実行単位のプロセスID。Javaコンポーネントでは、このフィールドを使用してプロセスIDとスレッドIDまたはスレッドIDのみが指定されます。 

省略可能 

TSTZ_NORMALIZED 

ホスト間のクロックのずれの調整用に標準化されたタイムスタンプ。診断メッセージが異なるホストのリポジトリにコピーされる場合に、このフィールドが使用されます。 

省略可能 

TSTZ_ORIGINATING 

ローカル・タイムゾーンのタイムスタンプ。これは、メッセージが生成された日付および時刻を指定します。 

必須 

USER_ID 

メッセージに関連付けられたユーザーID。 

省略可能 

5.4.1.2 ODLログ・ファイルのローテーションとネーミング

ODLを使用する利点は、次のとおりです。

ODLを使用すると、Oracle Application Serverコンポーネントは、ロギング・ディレクトリに診断ログ・ファイルを書き込みます。コンポーネントは、コンポーネント固有のネーミング規則に従ってロギング・ディレクトリの名前を決定します。

ODLログは、現在のODLログ・ファイル(通常はlog.xmlという名前)および古いメッセージが格納されたODLアーカイブ(セグメント・ファイル)を含む、ログ・ファイルのセットです(ODLアーカイブは、存在しない場合もあります)。ログ・ファイルが更新される場合は、新しい情報がログ・ファイルlog.xmlの最後に追加されます。ログ・ファイルがローテーション・ポイントに達すると名前が変更され、新しいログ・ファイルlog.xmlが作成されます(ローテーション・ポイントはODLセグメント・サイズの最大値を指定することで設定されますが、一部のOC4Jログでは、コンポーネント固有の構成オプションを使用して、ローテーション時間およびローテーション頻度を指定できます)。


注意

一部のOracle Application Serverコンポーネント(特にOracle HTTP Server)は、この項で説明するODLログ・ファイルのネーミング・メカニズムをサポートしません。Oracle HTTP Serverでは、サイズ制限を構成できないlog.xmlファイルに、ODL診断メッセージが書き込まれます。 


ODLログ・ファイルlog.xmlがローテーション・ポイントに達すると、セグメント・ファイルが作成されます。つまり、コンポーネントが新しい診断メッセージを生成すると、log.xmlファイル名がlogn.xmlnは整数)に変更され、新しいlog.xmlファイルが作成されます。

サイズベースのログ・ローテーション

ODLログのサイズを制限するために、コンポーネントは、ロギング・ディレクトリの最大サイズを指定する構成オプションを使用します。ディレクトリ内の全ファイルの合計サイズが最大値に達すると、合計サイズが指定された制限を超えないように一番古いアーカイブが削除されます。


注意

最新のセグメント・ファイルは削除されません。 


たとえば、log9872というセグメント・ファイルを使用する場合、最大ディレクトリ・サイズに達すると、ログ・ファイル・ディレクトリに次のようなファイルが作成されていきます。

File                        Size

log.xml                     10002
log9872.xml                 15000
log9873.xml                 15000
log9874.xml                 15000
log9875.xml                 15000
log9876.xml                 15000

この例では、log.xmlが最大サイズに達すると、log9872.xmlが削除され、log.xmllog9877.xmlに名前が変更されます。新しい診断メッセージは、新しいlog.xmlに書き込まれます。

たとえば、petstoreという名前のOC4Jアプリケーションに対してODLセグメント・サイズの最大値とディレクトリ・サイズの最大値を指定するには、ファイルORACLE_HOME/j2ee/instance_name/application-deployments/petstore/orion-application.xmlに次のエントリを追加します。

<log>
<odl path="../log/petstore/" max-file-size="1000" max-directory-size="10000" />
</log>

OC4Jコンポーネントがj2ee-logging.xmlファイルに構成されている場合は、最大セグメント・サイズおよび最大ディレクトリ・サイズに加えて、ローテーション時間およびローテーション頻度を指定できます。

時間ベースのログ・ローテーション

<log_handler>要素に次のプロパティを指定します。

これらのプロパティを次のファイルに指定します。

ORACLE_HOME/j2ee/instance_name/config/j2ee-logging.xml

たとえば、ローカルタイムの午前4時に毎日、またはサイズが2000000バイトに達したときにログ・ファイルがローテーションされるように指定するには、次のエントリを使用します。

<log_handler name="h1" class="oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory">
     <property name="path" value="log"/>
     <property name="baseRotationTime" value="04:00"/>
     <property name="rotationFrequency" value="daily"/>
     <property name="maxFileSize" value=" 2000000"/> 
</log_handler>

5.4.2 コンポーネントの診断ログ・ファイルの登録

Application Server Controlコンソールは、Oracle Application Serverコンポーネントの診断登録ファイルを読み取り、診断ログ・ファイルの名前、場所およびその他の構成情報を決定します。次のディレクトリに、診断ログ・ファイルの登録ファイルが保存されます。

ORACLE_HOME/j2ee/instance/applications/ascontrol/ascontrol/WEB-INF/config/registration

Oracle Application Serverコンポーネントでは、構成登録ディレクトリ内に複数の登録ファイルが存在する場合があります。

登録ファイルの形式には、Oracle Application ServerコンポーネントIDが含まれ、拡張子として.xmlが設定されます。表5-4に、Oracle Application Serverコンポーネントおよびそれらに関連付けられるIDのリストを示します。


注意

コンポーネントの診断登録ファイルは、各コンポーネントによって作成されます。通常、Oracle Application Server管理者はこれらのファイルを変更できません。 


表5-4    診断ログ・ファイル構成のためのコンポーネントID 
コンポーネント名  コンポーネントID 

Enterprise Manager 

EM 

Oracle HTTP Server 

OHS 

OC4J 

OC4J 

OPMN 

OPMN 

Port Tunneling 

IASPT 

Oracle TopLink 

TOPLINK 

Oracle Universal Installer 

OUI 

Web Services 

WEBSERVICES 

5.4.3 ODLメッセージを生成するためのコンポーネントの構成

この項の項目は次のとおりです。

表5-5に、ODLメッセージをサポートするがデフォルトではテキスト・メッセージが生成される、Oracle Application Serverコンポーネントのリストを示します。構成を変更することにより、ODLメッセージを生成するように、これらのコンポーネントを構成できます(ODLメッセージを生成するOracle Application Serverコンポーネントの一覧は、表5-1を参照)。

表5-5    ODLをサポートするOracle Application Serverコンポーネントと構成オプション 
コンポーネント  デフォルトの形式  ODLのサポート  場所1 

HTTP Server 

テキスト 

○ 

ORACLE_HOME/Apache/Apache/logs
 

OC4Jインスタンス 

テキスト 

○ 

OC4Jにデプロイされたアプリケーション:

ORACLE_HOME/j2ee/application-deployments/application_name/application.log

注意: 次のOC4Jログ・ファイルでは、デフォルトでODLが使用されます。

Javaロギングを使用するOC4Jコンポーネント(OPMNが管理):

ORACLE_HOME/j2ee/instance_name/log/instance_group_process/oc4j/log.xml

Javaロギングを使用するOC4Jコンポーネント(スタンドアロンOC4J):

ORACLE_HOME/j2ee/instance_name/log/oc4j/log.xml

ログ・ファイルの完全なリストは、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』の「OC4Jでのログイン」を参照してください。 

1 場所はUNIX形式で表示されています。Windows形式では、スラッシュを「¥」と読み替えてください。

5.4.3.1 ODLメッセージを生成するためのOracle HTTP Serverの構成

ODLメッセージを生成するようにOracle HTTP Serverを構成する手順は次のとおりです。

  1. Oracle HTTP ServerのODLメッセージの格納先となる、oracleという名前のディレクトリを追加します。次のディレクトリのサブディレクトリとして作成します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/Apache/Apache/logs
    (Windows) ORACLE_HOME¥Apache¥Apache¥logs
    
    
  2. httpd.confを変更して、OraLogModeおよびOraLogSeverityディレクティブの値を設定します。このファイルは次のディレクトリにあります。

    (UNIX) ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/httpd.conf
    (Windows) ORACLE_HOME¥Apache¥Apache¥conf¥httpd.conf
    
    

    例:

    OraLogMode oracle
    OraLogSeverity NOTIFICATION
    
    
  3. 中間層インスタンスを再起動します。

    関連項目

    OraLogModeディレクティブおよびOraLogSeverityディレクティブの詳細は、『Oracle HTTP Server管理者ガイド』を参照してください。 

5.4.3.2 ODLメッセージを生成するためのOC4Jの構成

ODLロギングを有効にするには、OC4Jログ・ファイルの構成ファイルの<log>要素内に<odl>という新しい要素を追加します。たとえば、petstoreという名前のアプリケーションでODLロギングを有効にする場合は、ファイルORACLE_HOME/j2ee/instance_name/application-deployments/petstore/orion-application.xmlに次のエントリを追加します。

<log>
<odl path="../log/petstore/" max-file-size="1000" max-directory-size="10000" />
</log>

関連項目

構成ファイルのリストなどの詳細は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』の「OC4Jでのログイン」を参照してください。 

5.4.4 OC4Jでリダイレクトされたstderrおよびstdoutファイルの管理

OC4Jログ・ファイルにランタイム・オプションを設定して、ファイルが特定のサイズに達したときや一日の特定の時刻に、リダイレクトされたstderrおよびstdoutログ・ファイルを循環するように指定できます。また、アーカイブとして保持するログ・ファイルの最大数を指定することもできます。次の例では、stdoutログ・ファイルが毎日午前1時30分に循環されること、またログ・ファイルの最大数が10であることが指定されています。

java -Dstdstream.rotatetime=1:30 -Dstdstream.filenumber=10 -jar oc4j.jar -out 
d:¥logs¥oc4j.out

関連項目

詳細は、『Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド』を参照してください。 

5.4.5 ログ・ファイルの構成に関する問題

Application Server Controlコンソールの「ログ」リンクでは、様々なOracle Application Serverコンポーネントのログ・ファイルが統合されて表示されます。ただし、特定のログ・ファイルは、コンポーネント・レベルでのみ使用できます。Oracle Application Serverコンポーネントは次のディレクトリを使用して、Application Server Controlコンソールでログ・ファイルを表示できるようにします。

ORACLE_HOME/j2ee/home/applications/ascontrol/ascontrol/WEB-INF/config/registration

一部のOracle Application Serverコンポーネントのログ・ファイルは、Application Server Controlコンソール・ページに表示されません。


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