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Oracle Application Serverグローバリゼーション・ガイド
10gリリース3(10.1.3.1.0)
B31838-01
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6 グローバル配置のためのOracle Application Serverの構成

Oracle Application Serverを使用してグローバル・インターネット・アプリケーションを開発および配置する場合は、次の作業を実行する必要があります。

6.1 グローバル配置のためのOracle Application Serverのインストール

Oracle Application Server Infrastructureのデータベースには、Oracle Internet Directory、Distributed Configuration Management(DCM)などのインフラストラクチャ・コンポーネントのスキーマのほかに、データベースにインストールされている多くのOracle Application Serverの中間層コンポーネントに関連するデータが格納されます。次に、これらのコンポーネントを示します。

すべての依存コンポーネントが同じレベルのグローバル・サポートを提供できるように、インストール時にインフラストラクチャのデータベースに適切なデータベース・キャラクタ・セットを選択することが重要です。

Oracle Application Server Infrastructureのデータベースをインストールする際に、そのデータベースで使用するデータベース・キャラクタ・セットの選択を求めるプロンプトが表示されます。デフォルトのキャラクタ・セットはAL32UTF8です。次のいずれかの方法で、使用環境に最適なデータベース・キャラクタ・セットを判断します。

インストール・タイプに関係なく、Oracle Application Serverのインストール時には、ユーザーが選択した言語のサポートが自動的にインストールおよび構成されます。このサポートには、製品内で使用される翻訳用のファイルとフォントも含まれます。

インストール後、必要なフォントを利用できない場合は、そのフォントをOracle Application Server CDパックのユーティリティのCD-ROMまたは次のURL

http://metalink.oracle.com

から$ORACLE_HOME/jdk/jre/lib/fontsディレクトリにコピーできます。


関連項目:

多言語ポートレットの作成の詳細は、『Oracle Application Server Portal開発者ガイド』を参照してください。

6.2 グローバル配置のためのOracle HTTP ServerおよびOC4Jの構成

この項では、多言語サポートのためのOracle HTTP Serverの構成に関する次の項目を説明します。

6.2.1 HTTP ServerおよびOC4J構成ファイルの手動編集について

Oracle Enterprise Manager 10gを使用せずに、Oracle HTTP ServerまたはOC4J構成ファイルを手動で編集する場合、DCMコマンドライン・ユーティリティdcmctlを使用して、変更をDCMリポジトリに通知する必要があります。これを行わないと、加えた変更が有効にならず、Enterprise Managerコンソールに反映されません。次のコマンドを使用します。

  • Oracle HTTP Server構成ファイルに加えた変更をDCMリポジトリに通知するには、次のコマンドを使用します。

    ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl updateConfig ohs
    
    
  • OC4J構成ファイルに加えた変更をDCMリポジトリに通知するには、次のコマンドを使用します。

    ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl updateConfig oc4j
    
    
  • Oracle HTTP ServerとOC4J構成ファイルの両方に加えた変更をDCMリポジトリに通知するには、次のコマンドを使用します。

    ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl updateConfig
    
    

手動またはOracle Enterprise Manager 10gを使用して構成パラメータを変更する前に、次のコマンドを使用して、Oracle HTTP Server、OC4J構成ファイル、およびインストール済のJ2EEアプリケーションの現行の状態を保存できます。

ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl saveInstance -dir directory_name

この操作の後、次のコマンドを使用すれば、その状態をリストアしたり、その後に加えた変更を元に戻すことができます。

ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl restoreInstance -dir directory_name

6.2.2 NLS_LANGパラメータの構成

NLS_LANGパラメータは、インターネット・アプリケーションでデータベース接続のために使用する言語、地域およびキャラクタ・セットを制御します。NLS_LANGの値は、次に示す書式で表示された記号のとおりに指定します。

language_territory.characterset

前述の構文では、languageterritoryおよびcharactersetには、Oracleの有効な言語、地域およびキャラクタ・セット名を指定する必要があります。指定した言語と地域は、データベース・セッション内でデフォルトの日付と時間の書式、数値書式およびソート順序を決定するロケールの初期化に使用されます。Oracleデータベースは、データの検索および挿入時に、指定したキャラクタ・セットとの間でデータを変換します。


関連項目:

Oracleの有効な言語、地域およびキャラクタ・セット名のリストは、Oracle Databaseドキュメント・ライブラリ内の『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。

Oracle HTTP ServerファイルとOC4Jファイルで、NLS_LANGパラメータを指定できます。NLS_LANGを指定できるOracle HTTP ServerファイルとOC4Jファイルは次のとおりです。

  • $ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/httpd.conf

    Oracle HTTP Server powered by Apacheの構成ファイルです。このファイルは、Apacheモジュールに渡される環境変数を定義します。Perlおよびサーバー側インクルード(SSI)ページのようなCGIスクリプトに対してNLS_LANGパラメータを明示的に指定する場合は、このファイルに次の行を追加できます。

    SetEnv NLS_LANG language_territory.characterset
    
    

    前述のNLS_LANGの明示的な指定を行わない場合、Oracle HTTP Serverは、CGIスクリプトおよびSSIページでNLS_LANGシェル環境変数を使用するように事前構成されます。この構成は、ファイルに次の行が挿入されることで行われます。

    PassEnv NLS_LANG
    
    
  • $ORACLE_HOME/Apache/Apache/bin/apachectl

    UNIXで使用するOracle HTTP Server起動スクリプトです。Oracle HTTP Serverをapachectlから直接起動する場合は、次の行をこのスクリプト・ファイルで指定してNLS_LANGの値を定義できます。

    NLS_LANG=language_territory.characterset; export NLS_LANG
    
    
  • $ORACLE_HOME/opmn/conf/opmn.xml

    Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN)は、Oracle HTTP ServerおよびOC4Jインスタンスの管理に使用します。opmn.xml構成ファイルでは、次のXML構文によって、Oracle HTTP ServerおよびOC4JプロセスにNLS_LANG環境変数を指定できます。

    <environment>
    ...
    <prop name="NLS_LANG" value="language_territory_characterset" />
    ...
    </environment>
    
    

    この構文は、Oracle Application Serverインスタンス・レベルで指定できます。その際、この構文はOracle Application Serverインスタンスに属するOracle HTTP ServerとOC4Jのすべてのインスタンスに適用されます。個々のOracle HTTP ServerまたはOC4Jインスタンスに対してこの構文を指定することもできます。その場合、この構文は該当するインスタンスにのみ適用されます。

  • $ORACLE_HOME/Apache/modplsql/conf/dads.conf

    このファイルは、データベース接続の作成時に使用するmod_plsqlのデータベース・アクセス記述子(DAD)を定義します。該当するDADのNLS_LANGの値を指定できます。たとえば、/pls/scott DADに対してNLS_LANGの値を次のように指定します。

    <Location /pls/scott>
         SetHandler pls_handler
         Order deny, allow
         Allow from all
         PlsqlDatabasePassword          tiger
         PlsqlDatabaseUsername          scott
         PlsqlDocumentPath              docs
         PlsqlNlsLanguage             NLS_LANG value
    </Location>
    
    

    DADの転送モードがRAWではなくCHARの場合、正しく機能させるには、DADのNLS_LANGキャラクタ・セットがmod_plsqlのデータベース・キャラクタ・セットの値と一致している必要があります。

  • $ORACLE_HOME/Apache/Jserv/etc/jserv.properties

    使用環境にJServが必要な場合は、このファイルで次の行を追加するか変更して、NLS_LANGの適切な値を定義する必要があります。

    wrapper.env=NLS_LANG=language_territory.characterset
    
    

これらのファイルで、前述のNLS_LANG環境変数の明示的な指定を行わない場合、Oracle HTTP ServerおよびOC4Jでは次の値セットが使用されます。

  • UNIXの場合: Oracle HTTP ServerおよびOC4J起動時のNLS_LANGシェル環境変数

  • Microsoft Windowsの場合: Win32レジストリの\\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\HOMEnNLS_LANGレジストリ・キー

6.2.2.1 事前構成のNLS_LANGの値

Oracle Application Serverのインストールでは、製品をインストールするランタイム環境のロケールに基づいて、NLS_LANGの値が次のOracle HTTP ServerファイルおよびOC4Jファイルで事前構成されます。

  • $ORACLE_HOME/Apache/Apache/bin/apachectl(UNIXプラットフォーム用)

  • $ORACLE_HOME/opmn/conf/opmn.xml/opmnctl(UNIXプラットフォーム用)

apachectlおよびopmnctlスクリプトで事前構成されるNLS_LANGの値は次のとおりです。

NLS_LANG=${NLS_LANG=language_territory.characterset}; export NLS_LANG

この行は、スクリプトを起動するシェル環境でNLS_LANG環境変数が未定義の場合にのみ、事前構成したNLS_LANGの値を使用することを意味します。シェル環境に関係なくNLS_LANGの値を使用する場合は、この行を次のように変更します。

NLS_LANG=language_territory.characterset; export NLS_LANG

NLS_LANGパラメータは、OPMNを実行するランタイム環境のロケールを制御します。このロケールは、オペレーティング・システムのデフォルト・ロケールである、中間層のランタイム環境のデフォルト・ロケールと一致している必要があります。このNLS_LANGパラメータは、Oracle HTTP ServerやOC4JなどのOPMN管理プロセスによって継承されます。ただし、異なる値がopmn.xmlで明示的に指定されている場合を除きます。

Microsoft Windowsプラットフォームでは、事前構成されたNLS_LANGは、\\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\HOMEnNLS_LANGレジストリ・キーとしてWin32レジストリに自動的に登録されます。このレジストリ・キーのNLS_LANGの値によって、OPMNとその管理プロセスを実行するランタイム環境のロケールが制御されます。

事前構成されたNLS_LANGの値は、製品インストール中の実行時のロケールから導出された最適値であり、各ユーザーのOracle HTTP ServerおよびOC4J構成では適切でない場合があります。ユーザー固有の要件とランタイム環境によっては、これらの値の変更が必要になります。

単一言語アプリケーション・アーキテクチャに対するNLS_LANGの設定

NLS_LANGパラメータを設定して、中間層サーバーによって提供されるように設定されたロケールに対応する言語、地域およびキャラクタ・セットを指定します。大部分のクライアントがMicrosoft Windowsプラットフォームで動作する場合は、ロケールのMicrosoft Windowsコード・ページに対応するNLS_LANGキャラクタ・セットを使用することをお薦めします。たとえば、日本語クライアントに対応する中間層サーバーを構成する場合、NLS_LANGに次の値を指定します。

JAPANESE_JAPAN.JA16SJIS

JA16SJISは、日本語のMicrosoft Windowsオペレーティング・システムのコード・ページ932に該当します。

表6-1に、最も一般的に使用されるロケールのNLS_LANGの値を示します。

表6-1 一般的に使用されるロケールのNLS_LANGの値

ロケール NLS_LANGの値

アラビア語(エジプト)

ARABIC_EGYPT.AR8MSWIN1256

アラビア語(アラブ首長国連邦)

ARABIC_UNITED ARAB EMIRATES.AR8MSWIN1256

中国語(台湾)

TRADITIONAL CHINESE_TAIWAN.ZHT16MSWIN950

中国語(中国)

SIMPLIFIED CHINESE_CHINA.ZHS16GBK

チェコ語

CZECH_CZECH REPUBLIC.EE8MSWIN1250

デンマーク語

DANISH_DENMARK.WE8MSWIN1252

オランダ語

DUTCH_THE NETHERLANDS.WE8MSWIN1252

英語(イギリス)

ENGLISH_UNITED KINGDOM.WE8MSWIN1252

英語(アメリカ合衆国)

AMERICAN_AMERICA.WE8MSWIN1252

フィンランド語

FINNISH_FINLAND.WE8MSWIN1252

フランス語(カナダ)

CANADIAN FRENCH_CANADA.WE8MSWIN1252

フランス語(フランス)

FRENCH_FRANCE.WE8MSWIN1252

ドイツ語(ドイツ)

GERMAN_GERMANY.WE8MSWIN1252

ギリシャ語

GREEK_GREECE.EL8MSWIN1253

ヘブライ語

HEBREW_ISRAEL.IW8MSWIN1255

ハンガリー語

HUNGARIAN_HUNGARY.EE8MSWIN1250

イタリア語(イタリア)

ITALIAN_ITALY.WE8MSWIN1252

日本語

JAPANESE_JAPAN.JA16SJIS

韓国語

KOREAN_KOREA.KO16MSWIN949

ノルウェー語

NORWEGIAN_NORWAY.WE8MSWIN1252

ポーランド語

POLISH_POLAND.EE8MSWIN1250

ポルトガル語(ブラジル)

BRAZILIAN PORTUGUESE_BRAZIL.WE8MSWIN1252

ポルトガル語(ポルトガル)

PORTUGUESE_PORTUGAL.WE8MSWIN1252

ルーマニア語

ROMANIAN_ROMANIA.EE8MSWIN1250

ロシア語

RUSSIAN_CIS.CL8MSWIN1251

スロバキア語

SLOVAK_SLOVAKIA.EE8MSWIN1250

スペイン語(スペイン)

SPANISH_SPAIN.WE8MSWIN1252

スペイン語(南米)

LATIN AMERICAN SPANISH_AMERICA.WE8MSWIN1252

スウェーデン語

SWEDISH_SWEDEN.WE8MSWIN1252

タイ語

THAI_THAILAND.TH8TISASCII

トルコ語

TURKISH_TURKEY.TR8MSWIN1254


多言語アプリケーション・アーキテクチャに対するNLS_LANGの設定

NLS_LANGパラメータの言語と地域の構成要素は、多言語アプリケーション・アーキテクチャでは単一言語アプリケーションの場合のように重要ではありません。多言語アプリケーションでは、複数のロケールを動的に処理する必要があるため、固定された設定に依存することはできません。アプリケーションでは、データベースに対してUnicodeデータを検索したり挿入したりするために、常にUTF-8キャラクタ・セットを使用します。多言語配置でのNLS_LANGに対する適切な値の例は、次のようになります。

NLS_LANG=AMERICAN_AMERICA.UTF8

6.2.3 mod_plsqlランタイム用の転送モードの構成

mod_plsqlランタイムの各データベース・アクセス記述子(DAD)の転送モードによって、PL/SQLがHTMLコンテンツを構成しHTMLフォーム入力を複数のキャラクタ・セットで処理することができます。転送モードは、適切な値で設定する必要があります。

DADが指定された$ORACLE_HOME/Apache/modplsql/conf/dads.confファイルにmod_plsqlモジュールの転送モードを構成することが重要です。

mod_plsqlモジュールでは、DADで構成可能な2つの転送モードをサポートしています。

  • CHARモード: これは、動的HTMLコンテンツがVARCHAR2データとしてデータベースからmod_plsqlに送信される場合のデフォルト・モードです。このモードでは、NLS_LANGキャラクタ・セットをバックエンドのデータベース・キャラクタ・セットと同じ設定にする必要があります。

  • RAWモード: 動的HTMLコンテンツは、RAWデータとしてデータベースからmod_plsqlに送信され、PL/SQLプロシージャおよびOracle PL/SQL Server Pages(PSP)を実行するデータベース・サーバーのキャラクタ・セット変換に従います。キャラクタ・セット変換は、NLS_LANGキャラクタ・セットまたはOWA_UTIL.MIME_HEADER()関数コールで指定したcharsetパラメータのいずれかによって、HTMLページ・エンコーディングを指定する場合にのみ発生します。

単一言語インターネット・アプリケーションにおいても多言語インターネット・アプリケーションにおいても、DAD内で次のようにRAW転送モードを有効にする必要があります。

<Location /pls/scott>
        SetHandler pls_handler
        Order deny,allow
        Allow from all
        PlsqlDatabasePassword          tiger
        PlsqlDatabaseUsername          scott
        PlsqlDatabaseConnectString     local
        PlsqlDocumentPath              docs
        PlsqlNlsLanguage               AMERICAN_AMERICA.UTF8
        PlsqlTransferMode              RAW
</Location>

PlsqlNlsLanguageの値に空白が含まれている場合は、その値を引用符で囲む必要があります。たとえば、次のように設定します。

PlsqlNlsLanguage "SIMPLIFIED CHINESE_CHINA.ZHS16GBK"

6.2.4 実行時のデフォルト・ロケール構成

この項では、Oracle Application Serverがサポートするランタイム環境で実行時のデフォルト・ロケールを初期化する方法を説明します。

ランタイム環境のデフォルト・ロケールによって、ファイルI/Oの操作で使用するキャラクタ・セット、ユーザー・インタフェースの言語、使用する日付書式など、デフォルト・ロケールに依存するアプリケーションの動作が制御されます。実行時のデフォルト・ロケールに依存するアプリケーションで目的のロケール依存動作を実行するには、デフォルト・ロケールを適切に設定する必要があります。通常、実行時のデフォルト・ロケールは、オペレーティング・システムのデフォルト・ロケールまたはランタイム・プロセスのロケールから継承されます。

実行時のデフォルト・ロケールは、単一言語アプリケーションでのユーザーの推奨ロケールとして使用する必要があります。多言語アプリケーションでは、メッセージのロギングなどのサーバー・サイドのI/O操作に実行時のデフォルト・ロケールを使用します。

6.2.4.1 Java用mod_jservランタイム

UNIXプラットフォームの場合、LANGまたはLC_ALL変数によって、次が定義されます。

  • プロセスに使用されるPOSIX(XPG4ともいう)ロケール

  • Java VMによるデフォルト・ロケールの初期化方法

JServにJava VMを構成するには、jserv.propertiesファイルでLANGまたはLC_ALL環境変数をPOSIXロケール名で定義します。たとえば、jserv.propertiesにある次の行は、日本語をUNIX上のJServ用Java VMのデフォルト・ロケールとして定義しています。

wrapper.env=LANG=ja_JP

LANGおよびLC_ALL環境変数の値は、使用しているオペレーティング・システムで使用可能な同じPOSIXロケールを指す必要があります。これらの環境変数の値が異なる場合は、LC_ALL環境変数が常に、LANG環境変数より優先されます。

コントロール パネルの地域設定は、Microsoft Windowsプラットフォーム上でJServ用Java VMのデフォルト・ロケールを制御します。Oracle HTTP Serverを起動する前に、コントロール パネルで地域設定を対象のロケールに変更します。

6.2.4.2 OC4J Javaランタイム

LANGまたはLC_ALL環境変数を、$ORACLE_HOME/opmn/conf/opmn.xmlのPOSIXロケール名で定義します。たとえば、opmn.xml<environment>タグにある次の行は、日本語をSolaris上のOC4J用Java VMのデフォルト・ロケールとして定義しています。

<environment>
...
<prop name="LANG" value="ja_JP" />
...
</environment>

コントロール パネルの地域設定は、Microsoft Windowsプラットフォーム上でOC4J用Java VMのデフォルト・ロケールを制御します。Oracle HTTP Serverを起動する前に、コントロール パネルで地域設定を対象のロケールに変更します。

6.2.4.3 PL/SQLおよびOracle PL/SQL Server Pages用mod_plsqlランタイム

PL/SQLおよびPSPは、Oracleデータベース上でデータベース・セッションのコンテキスト内で実行されます。このため、NLS_LANGパラメータは実行時のデフォルト・ロケールを制御します。NLS_LANGパラメータは、「NLS_LANGパラメータの構成」で説明するとおりに構成します。

6.2.4.4 Perlスクリプト用mod_perlランタイム

Perlスクリプトは、mod_perlモジュールで提供するPerlインタプリタ上で実行します。Perlでサポートするロケールは、オペレーティング・システムで使用可能なPOSIXロケールに基づいています。このロケールは、POSIX Cライブラリを基盤として使用します。Perlランタイム・デフォルト・ロケールは、C/C++ランタイムの説明にある手順に従って構成します。


関連項目:

  • C/C++ランタイム

  • PerlスクリプトでPOSIXロケールを使用する方法の詳細は、『Oracle HTTP Server管理者ガイド』を参照してください。


6.2.4.5 C/C++ランタイム

C/C++ランタイムでは、オペレーティング・システムで提供されるPOSIXロケール・システムを使用します。ロケール・システムは、LC_ALLまたはLANG環境変数を定義することによって構成します。LC_ALLを、オペレーティング・システムで提供される有効なロケール値で定義します。これらの値はオペレーティング・システムによって異なります。


関連項目:

Solarisで一般的に使用されるPOSIXロケールのリストは、表6-1を参照してください。

UNIXプラットフォームの場合、次のようにLC_ALLを定義します。

  • $ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/httpd.confファイルに次の行を追加します。

    PassEnv LC_ALL

  • $ORACLE_HOME/Apache/Apache/bin/apachectlファイルに次の行を追加します。

    LC_ALL=${LC_ALL=OS_locale}; export LC_ALL

Microsoft Windowsプラットフォームの場合、POSIXロケールは、LC_ALL環境変数で指定されるのではなく、コントロール パネルの地域設定の値を継承します。地域設定を変更して、デフォルトのランタイムPOSIXロケールにします。

6.3 グローバル配置のためのOracle Application Server Portalの構成

Oracle Application Server Portal(OracleAS Portal)は、異なる言語でアプリケーションの開発および配置を実行できるように設計されています。OracleAS Portalは、Oracle Application Serverの中間層をインストールする際に、Oracle Universal Installerで選択された言語で構成されます。構成するように選択された言語は、「言語の設定」ポートレットに表示されます。

インストール後に言語を追加構成するには、ptllangスクリプトを使用します。言語のインストール後は、英語(オーストラリア)、フランス語(カナダ)など、その言語で使用する推奨ロケールおよび地域をOracleAS Portalで指定できます。


関連項目:

ptllangスクリプトについては、『Oracle Application Server Portal構成ガイド』を参照してください。

6.4 グローバル配置のためのOracle Application Server Wirelessの構成

ユーザーがモバイル機器からワイヤレス・サービスにアクセスすると、Oracle Application Server Wirelessは、Oracle Internet Directoryからのユーザー・プロファイル情報を使用してユーザーの推奨言語を判断します。管理者は、Oracle Application Server Wirelessツールを使用して新しいユーザーを作成するときに、言語を選択できます。ユーザーは、Wirelessカスタマイズ・ツールを使用してその推奨言語を変更できます。

6.4.1 電子メール・メッセージ送信のためのエンコーディングの構成

ユーザーがモバイル機器から電子メールを送信すると、PIM/Mailサービスのエンコーディング・パラメータに指定したエンコーディングで、Oracle Application Server Wirelessがそのメッセージを送信します。

PIM/Mailマスター・サービスのORACLE_SERVICES_PIM_MAIL_MESSAGE_ENCODINGパラメータを変更すると、電子メール・メッセージ送信のためのデフォルトのエンコーディングを変更できます。

6.5 グローバル配置のためのOracle Application Server Forms Servicesの構成

NLS_LANGパラメータは、インターネット・アプリケーションでデータベース接続のために使用する言語、地域およびキャラクタ・セットを制御します。NLS_LANGの値は、次に示す書式で表示された記号のとおりに指定します。

language_territory.characterset

languageterritoryおよびcharactersetには、Oracleの有効な言語、地域およびキャラクタ・セット名を指定する必要があります。指定した言語と地域は、データベース・セッション内でデフォルトの日付と時間の書式、数値書式およびソート順序を決定するロケールの初期化に使用されます。Oracle Netはデータベースに対してデータを検索および挿入するときに、指定したキャラクタ・セットとの間でデータを変換します。

$ORACLE_HOME/forms/server/default.envファイルで、NLS_LANGパラメータを設定できます。default.envファイルで、NLS_LANGパラメータを設定しない場合、OracleAS Forms Servicesでは次の値セットが使用されます。

代替の環境ファイルを指定することによって、同じForms Serverに異なるNLS_LANG設定を指定できます。formsweb.cfgファイルのenvFileパラメータを使用します。これを行うには、次の操作を実行します。

  1. $ORACLE_HOME/forms/serverの下に環境構成ファイルを2つ作成します。たとえば、アメリカ英語環境の構成ファイル(en-us.env)には、次の行が必要です。

        NLS_LANG=AMERICAN_AMERICA.US7ASCII
        FORMS_PATH=d:\us
    
    

    日本語環境の構成ファイル(ja.env)には、次の行が必要です。

        NLS_LANG=JAPANESE_JAPAN.JA16SJIS
        FORMS_PATH=d:\ja
    
    
  2. $ORACLE_HOME/forms/server/formsweb.cfgファイルで、代替設定用にenvFileパラメータを設定します。たとえば、次のように設定します。

        [ja]
        envFile=ja.env
    
        [en-us]
        envFile=en-us.env
    
    
  3. 次のようにForms Servletに構成名をURLで指定します。

        http://formsservermachine/forms/frmservlet?config=ja
        http://formsservermachine/forms/frmservlet?config=en
    

関連項目:

『Oracle Application Server Forms Services利用ガイド』

6.6 グローバル配置のためのOracleAS Reports Servicesの構成

NLS_LANGパラメータは、OracleAS Reports Servicesアプリケーションでデータベース接続のために使用する言語、地域およびキャラクタ・セットを制御します。NLS_LANGの値は、次に示す書式で表示された記号のとおりに指定します。

language_territory.characterset

languageterritoryおよびcharactersetには、Oracleの有効な言語、地域およびキャラクタ・セット名を指定する必要があります。指定した言語と地域は、データベース・セッション内でデフォルトの日付と時間の書式、数値書式およびソート順序を決定するロケールの初期化に使用されます。Oracle Netはデータベースに対してデータを検索および挿入するときに、指定したキャラクタ・セットとの間でデータを変換します。

OracleAS Reports Servicesでは、次のように設定されるNLS_LANGパラメータの値が使用されます。


関連項目:

  • 動的な環境の切替えの詳細は、『Oracle Application Server Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』を参照してください。

  • これらのパラメータの詳細は、Oracle Databaseドキュメント・ライブラリ内の『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。


6.7 グローバル配置のためのOracle Business Intelligence Discovererの構成

OracleBI Discovererは、異なるロケールのユーザーを同時にサポートできます。ユーザーは、ユーザー・インタフェースに使用するロケールを明示的に制御するか、OracleBI Discovererによって自動的にデフォルトを決定します。言語とロケールの決定の優先順位は、次のようになります。

  1. OracleBI DiscovererのURLに指定された言語およびロケールの設定。

  2. OracleBI Discovererへの接続で指定された言語およびロケールの設定。ユーザーのブラウザ・オプションで設定されているロケールが指定されている場合は、各ユーザーのブラウザの言語設定が使用されます。

  3. Oracle Application Serverの言語およびロケール。


関連項目:

OracleBI DiscovererでのURLパラメータの使用の詳細は、『Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』を参照してください。

6.8 グローバル配置をサポートするためのUnicode対応集中型データベースの構成

集中型Oracleデータベースを設定して、次の形式でUnicodeデータを格納することが可能です。

次のデータ型をサポートするために、集中型Oracleデータベースを指定することをお薦めします。

例6-1に、推奨するデータベース・キャラクタ・セットと各国語キャラクタ・セットを設定するCREATE DATABASE文の一部を示します。

例6-1 データベース・キャラクタ・セットと各国語キャラクタ・セットの指定

CREATE DATABASE utfdb
    CONTROL FILE REUSE
    LOGFILE '/u01/oracle/utfdb/redo01.log' SIZE 1M REUSE
    '/u01/oracle/utfdb/redo02.log' SIZE 1M REUSE
    DATAFILE '/u01/oracle/utfdb/system01.dbf' SIZE 10M REUSE
    AUTOEXTENT ON
    NEXT 10M MAXSIZE 200M
    CHARACTER SET AL32UTF8
    NATIONAL CHARACTER SET AL16UTF16
    ... ;

関連項目:

  • Oracle Databaseドキュメント・ライブラリ内の『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』

  • 『Oracle Database SQLリファレンス』