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Oracle Containers for J2EEジョブ・スケジューラ開発者ガイド
10g(10.1.3.1.0)
B31853-01
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B Oracle Application Server Containers for J2EEのセマンティクス

この付録では、削除、一時停止、取消し、再試行、再実行、実行しきい値など、深く関連する用語間のセマンティクスの違いについて説明します。次のトピックについて説明します。

B.1 セマンティクス

ここでは、各種ジョブ操作のセマンティクスの違いをまとめます。図B-1に各種ジョブ操作を示します。

図B-1 ジョブ・スケジューラのセマンティクス

ジョブ・スケジューラのセマンティクス
「図B-1 ジョブ・スケジューラのセマンティクス」の説明

ここに、繰返しスケジュールのジョブがあります。ジョブは、毎日午前0時に実行されるようにスケジュールされ、再試行期間が1時間、実行しきい値が6時間、ブラックアウト・ウィンドウが毎日午前6時から午前0時までに設定されています。

ジョブの削除

ジョブを削除するとジョブ定義が削除されるため、その後ジョブは実行されません。たとえば、ジョブが月曜日の午前2時に削除された場合、その後にスケジュールされていたすべての実行は削除され、ジョブは火曜日も水曜日も、その後も永久に実行されません。ジョブの削除時にジョブが実行されていた場合、実行が終了してからジョブが削除されます。現在実行中のジョブを即座に停止するには、ジョブを取り消す必要があります。

ジョブの削除の詳細は、2.3項を参照してください。

ジョブの取消し

ジョブを取り消すと、実行中のジョブが停止します。現在実行中のジョブを停止するにはこの方法しかありません。取り消したジョブを後で再実行する場合は、再試行期間を指定する必要があります。

ジョブの取消しの詳細は、第6章を参照してください。

ジョブの一時停止

ジョブを一時停止すると、ジョブを再開するまで、一時停止以降にスケジュールされていたジョブの実行がスキップされます。たとえば、ジョブを月曜日の午前2時に一時停止し、火曜日の午前2時に再開した場合、火曜日の午前0時にスケジュールされていたジョブはスキップされます。

スキップされたジョブを実行するには、ジョブ再開時の再実行をtrueに設定します。これで、ジョブの再開時にスキップされたジョブが実行されます。再実行をfalseに設定すると、スキップされたジョブは無視され、実行されません。

再実行では、スキップされた1つのジョブしか実行されないので注意が必要です。繰返しスケジュールのジョブがあり、複数のジョブがスキップされた場合、再実行では最初にスキップされたジョブのみが実行され、残りのジョブはすべて無視されます。

ジョブの一時停止の詳細は、第5章を参照してください。

ジョブの再試行

ジョブの実行に失敗した場合、ジョブの再試行によって、指定された時間の経過後にもう一度ジョブが実行されます。たとえば、月曜日の午前0時のジョブが停電のために失敗した場合、そのジョブは午前1時にもう一度実行されます。その実行にも失敗した場合、ジョブは無視され、次にスケジュールされている実行時間(火曜日の午前0時)まで実行されません。

ジョブの再試行の詳細は、3.2項を参照してください。

実行しきい値

実行しきい値は、基本的にはジョブを実行するまでの制限時間です。指定された時間内にジョブが実行されない場合、そのジョブは無視され、次にスケジュールされている時間まで実行されません。たとえば、午前0時に実行予定のジョブの実行しきい値が6時間だとします。ジョブがその日の午前6時までに開始されない場合、そのジョブは無視され、次の午前0時まで実行されません。

実行しきい値の詳細は、3.2項を参照してください。

ブラックアウト・ウィンドウ

ブラックアウト・ウィンドウは、すべてのジョブを抑止する期間です。たとえば、午前6時から午前0時までに発生するように(直接、または再試行や再実行によって間接的に)スケジュールされているジョブは、ブラックアウト・ウィンドウが終了するまで抑止されます。

ブラックアウト・ウィンドウの詳細は、第4章を参照してください。

B.2 ジョブの優先順位

ジョブ・セマンティクス(ジョブの再試行やブラックアウト・ウィンドウなど)と関連する操作(一時停止と再開など)を組み合せるには、ジョブ・スケジュール全体の精度を確保し、競合の発生を回避するための優先順位が必要です。

たとえば、次のシナリオを考えてみます。

表B-1にこれらの操作の優先順位を示します。

表B-1 ジョブ・スケジューラの操作の優先順位

優先順位 属性/操作 説明

1(高)

ブラックアウト・ウィンドウ

ブラックアウト・ウィンドウがアクティブな時間は、すべてのジョブの実行が抑止されます。

2

再実行によるジョブの再開

再実行パラメータがtrueに設定されているためにジョブの実行が再開された場合、ジョブは下位の属性または操作に関係なく実行されます。

3

ジョブの再試行

ジョブの実行に失敗した場合、再試行は実行しきい値または(繰返し)スケジュールの終了日より優先されます。ジョブの開始後、再試行期間の前に一時停止された場合も同じルールが適用されます。

4

ジョブの実行しきい値

実行しきい値はジョブの最初の実行にのみ適用され、再試行(失敗による)と再実行(再開による)には適用されません。

5

ジョブの一時停止

ジョブの実行を一時停止した場合、ジョブを再開するまで実行を延期できます。再試行および再実行が優先されます。

6(低)

スケジュールの最終日

ジョブが一時停止されず、実行しきい値(指定されている場合)内で発生した場合に実行されます。