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Oracle Communication and Mobility Server インストレーション・ガイド
リリース10.1.3 for HP-UX PA-RISC(64-bit)

E05483-03
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2 Oracle Communication and Mobility Serverのインストール

この章では、Oracle Communication and Mobility Server(OCMS)のインストールを実行する方法について説明します。次の項目が含まれています。

高可用性環境でのOCMSインスタンス・クラスタのインストール

OCMSは、評価または開発用に単一ノードとしてインストールすることも、高可用性の本番トポロジ用に複数ノードにインストールすることもできます。高可用性の本番トポロジを実現するには、他のOCMSノードとともに1つ以上のEdge Proxyノードが必要です。Edge Proxyは、スケーラビリティと高可用性を提供します。Edge Proxyは、高度な本番レベルのトポロジに必要で、通常はSIP分散を提供するために使用されます。Edge Proxyは、SIPを認識しないロード・バランサとOCMSクラスタ間で使用された場合、OCMS SIPアプリケーション・サーバー間の着信SIPトラフィックを分散させます。

推奨されるデプロイ・トポロジと高可用性の構成の詳細は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』の「デプロイ・トポロジ」と「高可用性の構成」の章を参照してください。

クラスタ環境でのEdge Proxyを使用したOCMSの構成

管理者は、通常Edge Proxyを別々のノードにインストールします。Edge ProxyをOCMSインストールの一環としてインストールするには、Oracle Application Serverインストール・モードで実行する必要があります。Edge Proxyは、OPMNクラスタリングを通して複数のOCMSインスタンスを認識します。これには、各OCMSインスタンスが一意のOracleホームを参照するような、クラスタ化されたOracle Application Server 10.1.3環境が必要です。

インストールのサイジング

OCMSインストールに推奨されるEdge Proxyの数は、インストールのスケーラビリティおよび高可用性の要件と、SIPクライアントおよびOCMSインスタンスの数によって決まります。クラスタ化環境で高可用性を保証するには、少なくとも2つのEdge Proxyを使用することをお薦めします。SIPクライアントまたはOCMSインスタンス数の増加に応じて、Edge Proxyサーバーを追加できます。詳細は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』を参照してください。

3つ以上のOCMSインスタンスを含むOCMSの場合、通常Edge Proxyは、OCMSインスタンスとして個別にインストールされ、Edge Proxyアプリケーションのみで構成されます(つまり、Custom InstallationウィンドウでEdge Proxyのみを選択します)。インスタンス数が2つ以下のOCMSの場合、Edge ProxyをOCMSインスタンスと同時にインストールできます。

複数インスタンス・インストールでのポートの割当て

OCMSのOCMSインスタンスとEdge Proxyのみのインスタンスの数を決定したら、各インスタンスに割り当てるポートを決定する必要があります。マシンが1台のインストールの場合、OCMSの各インスタンスには一意に定義されたポートが必要です。OCMSインストーラは、インストール時にポートが使用できることを確認します。例2-1は、1台のEdge Proxyサーバーを使用した複数インスタンスのOCMSでポートを割り当てる方法を示しています。

例2-1    1台のEdge Proxyを使用した複数インスタンスのOCMSでのポートの割当て

OCMS instance 1: Custom installation consisting of Edge Proxy only
Edge Proxy Port: 5060 (default)

OCMS instance 2: Typical installation
SIP Port: 5080 (user-configured during installation)

OCMS instance 3: Typical installation
SIP Port: 5090 (user-configured during installation)

OCMS instance 4: Typical installation
SIP Port: 5100 (user-configured during installation)

Edge Proxyのインストール

OCMSにEdge Proxyをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 「Custom installation」タイプを選択し、インストール対象として「Edge Proxy」のみを選択します。

  2. 「Next」をクリックします。

  3. Edge Proxyポートを構成し、「Next」をクリックします。

  4. OCMSのインストールを完了します。

  5. opmnctl statusコマンドを実行して、Edge Proxyのステータスを確認します。

    インストール後、Edge Proxyは自動的に実行され、「Alive」のステータスを報告します。

  6. OCMSインストーラを実行し、上の手順を繰り返して、追加のEdge Proxyを構成します。

  7. 『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』の次の手順を実行します。

    • 高可用性のためのOCMS SIPコンテナの構成

    • 高可用性のためのEdge Proxyノードの構成

    • 高可用性SIPサーブレット・アプリケーションの構成

  8. このガイドの手順を使用して、Edge Proxy以外のOCMSインスタンスをインストールします。

    Edge ProxyとOCMSインスタンスすべてをインストールすると、Oracle Application Serverのインストール中に「Start AS Control」を選択した場合は、Oracle Application ServerインスタンスからEnterprise Manager経由でOCMSインストールのトポロジを表示できます。

Oracle TimesTen In-Memory Databaseのインストール

Oracle TimesTenとOCMSは両方とも同じユーザーとしてインストールする必要があり、そのユーザーはルート以外である必要があります。Oracle TimesTenとOCMSのインストールに既存のルート以外のユーザーが定義されているかどうかによって、次のいずれかの手順を実行する必要があります。

いずれかの手順を実行したら、「Oracle TimesTenのインストール」の手順を実行します。

Oracle TimesTenとOCMSのインストールにルート以外のユーザーを作成

ルート以外のユーザーが存在しない場合は、ルート・ユーザーとして次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを使用してOracle TimesTenグループ(まだ存在しない場合)を作成します。

    /usr/sbin/groupadd timesten

  2. 次のコマンドを使用して、ルート以外のユーザー(ocmsuserなど)を作成し、そのユーザーをtimestenグループのメンバーとして追加します。

    /usr/sbin/adduser -d </location of home directory of user
    ocmsuser> -G timesten ocmsuser
    
    
  3. 次のコマンドを使用して、ユーザーocmsuserのパスワードを変更または設定します。

    passwd ocmsuser

    パスワードを2度入力します。

  4. 次のコマンドを使用して、ディレクトリ/etc/TimesTen(まだ存在しない場合)を作成します。

    mkdir /etc/TimesTen

  5. 次のコマンドを使用して、このディレクトリの所有権とディレクトリへのアクセス権を割り当てます。

    chmod 775 /etc/TimesTen

    chgrp timesten /etc/TimesTen

次に、「Oracle TimesTenのインストール」で説明する手順を実行します。

既存のルート以外のユーザーとしてOracle TimesTenをインストール

Oracle TimesTenとOCMSをインストールするためのルート以外のユーザーが存在する場合は、ルートとして次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを使用してtimestenグループ(まだ存在しない場合)を作成します。

    /usr/sbin/groupadd timesten

    Oracle TimesTenをインストールするユーザー全員がこのグループに属する必要があります。

  2. 次のコマンドを使用して、ディレクトリ/etc/TimesTen(まだ存在しない場合)を作成します。

    mkdir /etc/TimesTen

  3. 次のコマンドを使用して、このディレクトリの所有権とディレクトリへのアクセス権を割り当てます。

    chmod 775 /etc/TimesTen

    chgrp timesten /etc/TimesTen

次に、「Oracle TimesTenのインストール」で説明する手順を実行します。

Oracle TimesTenのインストール

ルート以外のユーザーとして次の手順を実行します。

  1. setup.shを実行し、対話型のインストールを完了します。

  2. インスタンス名にデフォルト値のtt60を選択します。

  3. Oracle TimesTen In-Memory Database(最初のオプション。キャッシュ接続機能は不要)を選択します。

  4. クライアント/サーバーとData Managerをインストールします。

  5. アクセス制御が有効になるまで、デフォルト値を使用します。「yes」を選択して、アクセス制御を有効にします。

  6. Oracle TimesTenサーバーを実行するホスト名として、ホストの完全修飾ドメイン名を入力します。

  7. デフォルト値を使用して、インストールを完了します。

    付録A「Oracle TimesTenインストール時の出力」の画面のログは、一般的なインストールを示しています。

Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストールの確認

次のテストを実行して、Oracle TimesTen In-Memory Databaseがインストールされ、動作していることを確認します。

  1. TimesTenのインストール後、コマンド<TimesTen_Home>/bin/ttStatusを実行して、TimesTenが起動し、動作していることを確認します。

    次のエラーが表示される場合、TimesTenは起動していません。

    ttStatus: Could not connect to TimesTen daemon: Connection refused

  2. 次のコマンドで、TimesTenを起動します。

    <TimesTen_Home>/bin/ttdaemonadmin -start

  3. 次のメッセージが表示されることを確認してください。

    TimesTen Daemon startup OK.

  4. もう一度ttStatusコマンドを発行して、TimesTenが起動し、動作していることを確認します。

データ・ストアの構成

Oracle TimesTen In-Memory Databaseのインストール後、次の手順に従ってOracle Communication and Mobility Serverデータ・ストアを作成および構成する必要があります。

  1. ルート・ユーザーとしてログインし、$TIMESTEN_HOME/binから次の文を実行します。

    # setuproot -install
    
    
  2. ルートからログアウトします。

  3. 通常ユーザーとしてログインし、$TIMESTEN_HOME/info/sys.odbc.iniファイルを変更して次の情報を追加します。

    • [ODBC Data Sources]OCMSDB=TimesTen 6.0 Driverを追加します。

    • [New data sources]に次の情報を追加します。

      [OCMSDB]
      Driver=$TIMESTEN_HOME/lib/libtten.so
      DataStore=$TIMESTEN_HOME/inf/info/OCMSDB
      PermSize=256
      
      
  4. 手順3で指定したデータ・ストアによって示されるディレクトリを作成します。

  5. 次のコマンドを実行してOracle TimesTen In-Memory Databaseを再起動します。

    cd $TIMESTEN_HOME/bin
        ./ttDaemonAdmin 
    

Oracle Communication and Mobility Serverのインストール

通常、OCMSはInstallShieldウィザードを使用してインストールします。サイレント・インストール・モードでインストールすることもできます。

OCMSをアップグレードする場合は、第5章「OCMSアップグレードの実行」に記載されている手順を実行します。

OCMSをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 実行中のSIPクライアント・アプリケーションを終了します。

  2. JDK 1.5.0_08をインストールし、JDK 1.5.0_08のインストール場所を指し示すよう
    JAVA_HOMEを構成します。

    既存のOracle Application Server上にOracle Communciation and Mobility Serverリリース10.1.3.3をインストールする場合、$ORACLE_HOME/jdkにある既存のJDKを
    JDK 1.5.0_08にアップグレードする必要があります。JDK 1.5.0_08のアップグレードの詳細は、次のURLにあるNote 396096.1を参照してください。

    https://metalink.oracle.com

  3. $JAVA_HOME/binをPATH環境変数に追加します。

  4. インストール実行可能ファイルsetupHPUX.binを実行します。

    OCMS実行可能ファイルの実行後、OCMSのInstallShieldウィザードにより、Java 2 Platform, Standard Edition Development Kit(JDK)1.5が検索されます。OCMSのInstallShieldウィザードが自動的にJDK 1.5を検出できない場合は、場所を指定する必要があります。

    インストールを行うには、次のコマンドを実行します。

    setupHPUX.bin -is:javahome <JAVA_HOME>

    OCMSのInstallShieldウィザードでJDK 1.5が検出されると、初期画面が起動し、表示されます。

  5. 「Next」をクリックして、続行します。

  6. リストから、OCMSをデプロイするシステムのIPアドレスを選択します。後でEnterprise ManagerからOCMSにアクセスするために、このIPアドレスをメモしておいてください。

インストール・モードの選択

インストール・タイプの選択後(選択によっては、カスタム・インストールとEdge Proxyの構成後)、OCMSインストール・モードのウィンドウが表示されます(図2-1)。

図2-1    OCMSのインストール・モード・ウィンドウ


画像の説明

次のインストール・モードのいずれかを選択します。これらのインストール・モードの詳細は、「製品およびインストールの概要」の「インストール・モード」を参照してください。

アプリケーション・サーバー・ホームの指定

アプリケーション・サーバー・ホームは、Oracle Application Serverのインストール・ディレクトリ、またはスタンドアロン開発者モードのOC4Jのインストール・ディレクトリです。

アプリケーション・サーバー・ホームを指定するには、次のようにします。

  1. 「Application Server Home」フィールドでインストール・ディレクトリを指定します。

    Oracle Application Serverインストール・モードの場合は、アプリケーション・サーバー・ホームを指定します。

    スタンドアロン開発者モードの場合は、空のディレクトリまたは存在しないディレクトリのパスを入力します。デフォルトのディレクトリも指定できます。「Browse」ボタンをクリックして、ディレクトリに移動できます。新しいディレクトリを作成することもできます。

  2. 「Next」をクリックして、続行します。

Oracle Application Serverのユーザー名とパスワードの指定

既存のOracle Application Serverホームにインストールする場合、Oracle Application Serverの管理者のユーザー名とパスワードを入力します。これらの資格証明は、Oracle Application Serverインスタンスへの接続とそのインスタンスへのアプリケーションのデプロイに使用されます。指定したユーザー名とパスワードは、インストールを続行する前に検証されます。

スタンドアロン開発者モードでのインストールの場合、ユーザー名とパスワードはOCMSとともにインストールされるスタンドアロンのOC4J用です。デフォルトのユーザー名oc4jadminを変更することはできません。OC4Jのスタンドアロン開発者モードによるインストールはこれらの資格証明によって保護されます。資格証明の検証は、このインストール・モードでは実行されません。

インストール・タイプの選択

標準インストールには、SIPコンテナ、Subscriber Data Services、Proxy Registrar、PresenceおよびApplication Routerが含まれます。カスタム・インストールでのみインストールできる機能には、Presence Web Services、STUNサーバー、Diameter、Aggregation ProxyおよびEdge Proxyがあります。

標準またはカスタムのいずれのインストールを実行するかを選択し、「Next」をクリックします。標準インストール・モードで提供されるアプリケーションの一部のみを使用する場合は、カスタム・インストール・モードを選択してください。カスタム・インストールを選択する場合は、インストールする機能を選択し(詳細は第1章「製品およびインストールの概要」を参照)、「Next」をクリックします。

STUNサーバーのプライマリおよびセカンダリ・アドレスの指定

カスタム・インストール・モードでSTUNサーバーのインストールを選択した場合、プライマリおよびセカンダリのSTUNサーバーのホストとポートを入力するよう求められます。プライマリとセカンダリ両方のSTUNサーバーを構成する必要があります。

STUNサーバーのホストとポートを指定するには、次のようにします。

  1. 「Primary Host Address」フィールドにプライマリSTUNサーバーのホスト名またはIPアドレスを入力します。

  2. 「Secondary Host Address」フィールドにセカンダリSTUNサーバーのホスト名または
    IPアドレスを入力します。

  3. プライマリおよびセカンダリ・ポート(デフォルト値は3478と3479)が使用可能であることを確認するか、使用可能なポート番号を入力します。

  4. 「Next」をクリックして、続行します。

Oracle TimesTen In-Memory Databaseの場所の指定

OCMSのSubscriber Data Servicesコンポーネントをインストールする場合は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseをインストールし、構成する必要があります。

TimesTenデータベースの場所を指定するには、次のようにします。

  1. 「TimesTen Home」フィールドにTimesTenデータベースの場所を入力します。「Browse」ボタンをクリックして、ディレクトリに移動できます。

  2. 「Next」をクリックして、続行します。

    「Checking TimesTen Requirements. Please Wait.」というメッセージが表示されます。OCMSのInstallShieldウィザードによって、TimesTenディレクトリが有効で、接続可能であることが確認されます。


    注意

    Oracle TimesTenが正しく構成されていないと、インストールは失敗します。これらのパラメータの詳細は、Oracle TimesTenのインストレーション・ガイドを参照してください。 


SIPコンテナの構成

OCMSのInstallShieldウィザードによってTimesTenの要件が検証された後、SIPコンテナの構成ウィンドウが表示されます(図2-2)。

図2-2    OCMS SIPサーブレット・コンテナの構成ウィンドウ


画像の説明

SIPコンテナを構成するには、次のようにします。

  1. 次のオプションを選択または構成します。

    • Use Default SIP Port(デフォルトで選択): デフォルトのSIPポートが表示されます。Edge Proxyをインストールする場合は5070、Edge Proxyをインストールしない場合は5060です。

      SIPポートが使用中であることを伝えるメッセージが表示された場合は、すべてのクライアント・アプリケーションを終了し、「Back」を選択して、このウィンドウに戻ります。異なるポート番号を指定するには、このオプションの選択を解除し、ポート番号を入力します。このポートは、JMXコンソールから後で再構成できます。構成の詳細は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』を参照してください。

    • SIP Domain: OCMSをインストールするマシンのドメインまたはホスト名を指定します。デフォルトはexample.comです。

    • SIP Realm: 認証に使用するSIPレルムを指定します。これは、OCMSをインストールするマシンのドメインまたはホスト名でもあります。デフォルトはexample.comです。

    • OC4J HTTP Port(スタンドアロン開発者モード専用): スタンドアロン開発者モードでOC4Jを通じてOCMSを管理するためのHTTPポートを指定します。デフォルト・ポートは8888です。別のアプリケーションでこのポートを使用する場合は、異なるポートを選択できます。

      Oracle Application Serverモードには、OC4J HTTPポートを設定するオプションはありません。このモードでは、Oracle Application ServerインストールのインストーラによってOC4J HTTPポートが自動検出されるためです。

  2. 「Next」をクリックして、続行します。


    注意

    OCMSのInstallShieldでは、1つのSIPドメインと1つのSIPレルムのみ構成できます。追加のSIPドメインとSIPレルムは、インストール後にSIPサーブレット・コンテナのMBeanのDomainsおよびRealms属性を使用して構成できます。1つのSIPレルムで複数のSIPドメインを使用できます。詳細は、『Oracle Communication and Mobility Server管理者ガイド』を参照してください。 


テスト・ユーザーの構成

OCMSのインストール時に、複数の事前定義済テスト・ユーザーを作成できます。テスト・ユーザーを作成するには、次のようにします。

  1. 「Number of Test Users」で、0〜12を選択します。

    0を選択すると、テスト・ユーザーは作成されません。

  2. 「Username Prefix」に、テスト・ユーザーの接頭辞を入力します。

    デフォルトの接頭辞はtest.userです。各テスト・ユーザーのユーザー名には、この文字列の接頭辞が付きます。

    たとえば、「Number of Test Users」で3を選択し、「Username Prefix」にtest.userと入力した場合、次のテスト・ユーザーが作成されます。

    test.user1@sip-domain
    test.user2@sip-domain
    test.user3@sip-domain
    
    


    重要

    このリリースのOCMSでは小文字のユーザー名がサポートされています。「Username Prefix」には、小文字のユーザー名のみを使用してください。  


  3. 「Password」に、テスト・ユーザーのパスワードを入力します。

    テスト・ユーザーごとにこのパスワードが必要です。

  4. 確認のため、「Password」に、テスト・ユーザーのパスワードをもう一度入力します。

  5. 「Next」をクリックします。

インストールのサマリー情報の記録

OCMSインストールのサマリー画面には、インストール環境、インストールするコンポーネント、および構成した設定とポート番号が表示されます。

  1. 後で参照できるように、「Installation Configuration」セクションに表示されているポート番号などのインストールのサマリー情報を記録しておいてください。

    この情報は、SIPクライアントの構成時に必要です。

  2. すべてのインストールのサマリー情報が正しいことと、適切なOCMSアプリケーションがインストールされることを確認します。

  3. 「Next」をクリックして、OCMSコンポーネントのインストールを開始します。

OCMSのInstallShieldウィザードにより、インストールの進行状況に関するメッセージが表示されます。インストール中は、次のイベントが発生します。

OCMSを起動するかどうかの選択

OCMSが正常にインストールされると、OCMSを起動するよう求められます(デフォルトの選択)。インストーラを終了し、OCMSを起動するには、「Finish」をクリックします。OCMSを起動しない場合は、「Start OCMS server before exiting」ボックスのチェックを解除してから「Finish」をクリックする必要があります。


注意

インストールのサマリーは、次のHTMLファイルにあります。

$ORACLE_HOME/sdp/install/InstallSummary.htm

また、インストールの終了時にサーバーを起動するように選択した場合は、Webブラウザが起動し、InstallSummary.htmが表示されます。

インストール中に選択した構成オプションは、次のファイルで参照できます。

$ORACLE_HOME/sdp/install/installconfig.xml  


opmn.xmlおよびstartocms.shの変更

次の手順では、opmn.xmlファイルとstartocms.shファイルの構成方法について説明します。

  1. $ORACLE_HOME/opmn/conf/opmn.xmlファイルで、Oracle Communication and Mobility Serverインスタンスの次のパラメータを変更します。

    -Xss128k -Xms1280m -Xmx1280m -Xmn16m -XX:SurvivorRatio=16
    -XX:CICompilerCount=1 -Xoptgc -XX:+ForceMmapReserved
    -XX:-UseHighResolutionTimer -XX:SchedulerPriorityRange=SCHED_NOAGE
    -Djava.nio.channels.spi.SelectorProvider=sun.nio.ch.DevPollSelectorProvider
    -XX:-ExtraPollBeforeRead -XX:+UseTLAB -XX:TLABSize=32k
    -XX:-UseFastAccessorMethods
    -XX:+UseConcMarkSweepGC -XX:CMSInitiatingOccupancyFraction=80
    -XX:+UseParNewGC -XX:PermSize=128m -XX:MaxPermSize=128m
    
    
  2. Oracle Communication and Mobility Serverのスタンドアロン・インストールでは、前の手順にリストされているパラメータをstartocms.shファイルで変更します。

Oracle Remote Method Invocation(RMI)ポートのリスト

Oracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)では、独自のRemote Method Invocation(RMI)/Oracle RMI(ORMI)プロトコルを使用して、OC4Jコンテナ間でEJBの相互起動ができます。Oracle RMIの詳細は、『Oracle Application Server Containers for J2EEサービス・ガイド』を参照してください。

特定のJMXアプリケーションがOracle RMIポートに接続する必要がある場合、RMIに割り当てられているポートを知る必要があります。RMIポートは、OPMN(Oracle Process Management and Notification)によって動的に割り当てられます。

次のコマンドを使用すると、最新のポート割当てが一覧表示されます。

opmnctl status -l

次に例を示します(わかりやすくするため、一部の列は省略されています)。

図2-3    opmnctlコマンドからの出力


画像の説明

表のports列には、opmnによって選択されたポートが表示されています。次の例は、OC4JのOCMSインスタンス(OC4J: ocms)に対応しています。

jms:12603,ajp:12503,rmis:12703,sip:5060,rmi:12403

OCMSインストールの確認

次の手順を実行して、OCMSが正しくインストールされ、動作していることを確認します。

  1. OCMSサーバーを起動し実行した状態で、次のコマンドを実行して、SIPコンテナがポート5060(デフォルトのSIPポート)でSIPトラフィックをリスニングしていることを確認します。

    netstat -a | grep 5060

    5060は、インストール中に選択したポート番号に置き換えてください。次の出力が表示されます。

    tcp      0     0 <hostname>:5060  *:*       LISTEN
    udp       0      0 <hostname>:5060  *:* 
    
    
  2. 次のOracle Enterprise Manager Webページに移動します。
    http://<ip_address>:<port_number>/em

    ポート番号には、次のいずれかの値を使用します。

    • スタンドアロン開発者モードのインストールの場合は、8888を使用します。

    • HTTPサーバーを使用したOracle ASインストールの場合は、HTTPサーバー・ポートを使用します。

    • HTTPサーバーを使用しないOracle ASインストールの場合は、7785を使用します。

    • HTTPSの場合は、Oracle ASインストールのHTTPSポートを使用します。

  3. OC4J管理者のユーザー名とパスワードを入力します。

  4. OracleホームでOCMSのインストール・ディレクトリが指定されていることを確認します。

  5. サーバーのステータスが「稼働中」であることを確認します。

  6. 「アプリケーション」タブを選択します。

  7. インストールしたアプリケーションがデプロイされ、すべてが起動し、実行されていることを確認します。1つ以上のアプリケーションが、subscriberdataservicesの子アプリケーションとしてデプロイされている場合があります。

    標準インストールの場合、ocmsrouteloaderear、proxyregistrar、subscriberdataservicesおよびpresenceが表示されます。

  8. ホーム・ページに戻り、「アプリケーション」タブを選択します。

  9. JMX/システムMBeanブラウザを選択します。左側でSipContainerを展開し、SipServletContainerをクリックして、MBeanプロパティの値を確認します。

OCMSの確認はこれで完了です。

Diameterライブラリ

Diameterライブラリは、カスタム・インストール・モードでインストールできます。インストール時に、$ORACLE_HOME/sdp/diameterにDiameterインストール・ディレクトリ($DIAMETER_HOME)が作成されます。

Diameterライブラリをインストールすると、Diameterクライアント開発用のDiameterプロトコルを使用できます。Diameterは、AAA(認証、認可、アカウンティング)プロトコルです。オラクル社は、RFC 3588で定義されたDiameter基本プロトコルと、基本的なDiameterアプリケーションやSh、Ro、Rfインタフェースを利用するIMSアプリケーションの開発用APIをサポートしています。

既存のOracle Communication and Mobility Serverインストール環境にDiameterライブラリをインストールする場合、opmn.xmlファイルのSHLIB_PATHの値にパス$ORACLE_HOME/
sdp/diameter/OracleAS-diameter-sdk-1.0-HP-UX_11iv1/lib
を追加する必要があります。次に例を示します。

<!--Begin OCMS XML element (do not remove this comment)-->
<environment>
<variable append="true" id="SHLIB_PATH" value="$TIMESTEN_HOME/lib:$ORACLE_
HOME/sdp/diameter/OracleAS-diameter-sdk-1.0-HP-UX_11iv1/lib"/>

Diameterのコンポーネント

OracleのDiameterディストリビューションは、実行時環境、SDKおよびエミュレータで構成されています。SDKには、実行時環境とコード例が含まれます。開発者は、開発を行う際にSDKをインストールする必要があります。Shインタフェースを開発およびテストする場合は、HSSおよびSLFエミュレータも必要です。本番環境では、実行時環境のみ必要です。

Home Subscriber Server(HSS)エミュレータ

HSSは、コールとセッションを処理するIMSネットワーク・エンティティをサポートするマスター・ユーザー・データベースです。ユーザー・プロファイルなどのサブスクリプション関連情報を格納し、ユーザーの認証と認可を実行し、ユーザーの物理的な場所に関する情報を提供します。

Subscriber Location Function(SLF)エミュレータ

SLFは、複数のHSSを使用する場合に、ユーザー・アドレスをマップします。

開発用のDiameterのインストール

開発環境にDiameterをインストールする場合、次の手順を実行します。

Diameter Javaライブラリを含めるようにCLASSPATHを更新

すべてのDiameter APIを公開するmdiameter.jarというJavaライブラリが1つあります。スタンドアロン開発者モードによるインストールの場合、このライブラリに対するシンボリック・リンクはディレクトリ$ORACLE_HOME/j2ee/home/applibに存在します。Oracle Application Serverモードによるインストールの場合、シンボリック・リンクは
ORACLE_HOME/j2ee/ocms/applibに存在します。Diameter APIにアクセスするためには、(CLASSPATH変数にシンボリック・リンクに対するパスを追加することで)このライブラリをCLASSPATHに追加する必要があります。

サーブレットへのDiameterパッケージのインポート

パッケージをサーブレットにインポートするには、基本パッケージ名oracle.sdp.diameterがわかっている必要があります。import oracle.sdp.diameter.*を実行して、すべてのパッケージをインポートできます。

Oracle Communication and Mobility Serverの起動と停止

インストール後、Oracle Communication and Mobility Serverを起動するよう求められます。次の手順で説明するように、OCMSを手動で起動または停止できます。

OCMSを起動するには、次のコマンドを入力します。

OCMSを停止するには、次のコマンドを入力します。


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