この手順では、scrgadm (1M) コマンドを使って Sun Cluster HA for Sybase ASE の登録と構成を行う方法を説明します。
この手順には、SUNW.HAStoragePlus リソースタイプを作成する方法も含まれます。このリソースタイプは、HAStorage と Sun Cluster HA for Sybase ASE 間でアクションの同期をとって、高可用性ローカルファイルシステムを使用できるようにします。Sun Cluster HA for Sybase ASE ではディスクに負荷がかかるため、SUNW.HAStoragePlus リソースタイプを構成する必要があります。
SUNW.HAStoragePlus リソースタイプについては、SUNW.HAStoragePlus(5) マニュアルページと『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』の「リソースグループとディスクデバイスグループの関係」を参照してください。
その他のオプションでもデータサービスは登録および構成できます。これらのオプションについては、『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』の「データサービスリソース管理用ツール」を参照してください。
この手順を実行するには、次の情報を確認しておく必要があります。
データサービスをマスターするクラスタノードの名前。
クライアントがデータサービスにアクセスするために使用するネットワークリソース。通常、この IP アドレスはクラスタをインストールするときに設定します。詳細は、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』の Sun Cluster 環境の計画や Solaris オペレーティング環境のインストール手順を参照してください。
Sybase ASE アプリケーションがインストールされたパス。
次の手順は 1 つのクラスタメンバー上で実行します。
クラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。
scrgadm コマンドを実行して、Sun Cluster HA for Sybase ASE のリソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.sybase |
データサービスのリソースタイプを追加します。
当該データサービス用にあらかじめ定義されているリソースタイプを指定します。
SUNW.HAStoragePlus リソースタイプをクラスタに登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.HAStoragePlus |
タイプ SUNW.HAStoragePlus のリソース sybase-hastp-rs を作成します。
# scrgadm -a -j sybase-hastp-rs -g sybase-rg -t SUNW.HAStoragePlus \ -x GlobalDevicePaths=sybase-device-group1,/dev/global/dsk/dl \ -x FilesystemMountPoints=/global/sybase-inst \ -x AffinityOn=TRUE |
フェイルオーバーを行うためには、AffinityOn が TRUE に設定され、ローカルファイルシステムが広域ディスクグループ上に存在する必要があります。
scrgadm コマンドを実行して、次の作業を完了し、リソースグループ sybase-rg をクラスタノード上でオンラインにします。
リソースグループを管理状態にします。
リソースグループをオンラインにします。
このノードは、デバイスグループ sybase-set1 および raw デバイス /dev/global/dsk/d1 の主ノードになります。ファイルシステムに関連するデバイスグループ (/global/sybase-inst など) のプライマリサーバーもこのノードになります。
# scrgadm -Z -g sybase-rg |
Sybase ASE アプリケーションリソースをフェイルオーバーリソースグループに作成します。
# scrgadm -a -j resource -g resource-group \ -t SUNW.sybase \ -x Environment_File=environment-file-path \ -x Adaptive_Server_Name=adaptive-server-name \ -x Backup_Server_Name=backup-server-name \ -x Text_Server_Name=text-server-name \ -x Monitor_Server_Name=monitor-server-name \ -x Adaptive_Server_Log_File=log-file-path \ -x Stop_File=stop-file-path \ -x Connect_string=user/passwd -y resource_dependencies=storageplus-resource |
追加するリソースの名前を指定します。
リソースグループ名を指定します。RGM はここにリソースを入れます。
追加するリソースのタイプを指定します。
環境ファイルの名前を設定します。
適応サーバーの名前を設定します。
バックアップサーバーの名前を設定します。
テキストサーバーの名前を設定します。
監視サーバーの名前を設定します。
適応サーバーのログファイルへのパスを設定します。
停止ファイルへのパスを設定します。
障害モニターがデータベースに接続するときに使用するユーザー名とパスワードを指定します。
デフォルト値を持つ拡張プロパティを指定する必要はありません。詳細については、Sun Cluster HA for Sybase ASE 拡張プロパティの構成を参照してください。
リソースと障害の監視を有効にします。
Sybase サーバーが起動すると、Sybase 起動ログがコンソールに出力されます。これらのメッセージをコンソールに出力したくない場合は、該当する RUN ファイルを更新して、メッセージの出力先を別のファイルに変更します。
# scswitch -Z -g resource-group |
Sun Cluster HA for Sybase ASE の登録と更新が終わったなら、Sun Cluster HA for Sybase ASE のインストールを確認する に進みます。