scinstall コマンドを使用して、単一ノード上に Sun Cluster ソフトウェアをインストールして、クラスタを確立するには、次の手順を実行します。 詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。
単一ノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする場合、SunPlex Manager または scinstall ユーティリティーの対話形式は使用できません。
scinstall -iFo コマンドは、インストール時に以下の操作をデフォルトで実行します。
必須 デバイス ID を作成する
-G オプションで広域デバイスファイルシステムを指定しないかぎり、デフォルトで /globaldevices ファイルシステムを使用する
-C オプションで clustername を指定しないかぎり、インストールされているノードと同じ名前のデフォルトクラスタ名を作成する
複数ノードクラスタのインストールに必要な手順のいくつかは、単一ノードクラスタのインストールでは不要です。 単一ノードクラスタをインストールする場合、次の手順は実行する必要がありません。
定足数の構成
インターコネクトアダプタまたはインターコネクト接続点の構成
将来、2 番目のノードをクラスタに追加する可能性がある場合は、クラスタの初期インストール時にトランスポート接続点を構成します。 トランスポート接続点は、後で使用することができます。 詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。
単一ノードクラスタは、複数ノードのクラスタに拡張できます。追加のクラスタノードとして Sun Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall) で説明されている手順に従ってください。
Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。
Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。 Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、Solaris ソフトウェアをインストールする を参照してください。
インストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。
インストールし構成するノードの CD-ROM ドライブに Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM を挿入します。
ボリューム管理デーモンの vold(1M) が実行中で、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合、デーモンによって自動的に CD-ROM が /cdrom/cdrom0 ディレクトリにマウントされます。
/cdrom/cdrom0 ディレクトリから Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Tools ディレクトリに移動します。ここで arch は sparc または x86、ver は 8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) です。
以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_sparc/Product/sun_cluster/Solaris_8/Tools |
scinstall コマンドを使用して、Sun Cluster ソフトウェアと必要なパッチをインストールします。
# ./scinstall -iFo [-M patchdir=dirname] |
scinstall コマンドのインストール形式を指定します。 scinstall コマンドは、Sun Cluster ソフトウェアをインストールし、そのノードを新規クラスタとして初期化します。
新規クラスタの最初のノードとしてノードを確立します。 単一ノードクラスタをインストールする場合、すべての -F オプションを使用できます。
単一ノードクラスタ用に、1 つのノードのみがインストールされることを指定します。 -o オプションは、コマンドで -i と -F の両オプションと共に使用された場合にのみ有効です。 -o オプションが使用される場合、クラスタのインストールモードは、無効状態に事前設定されます。
scinstall コマンドで指定のパッチをインストールするために、パッチ情報へのパスを指定します。 パッチリストファイルを指定しない場合、scinstall コマンドは、dirname ディレクトリ内のすべてのパッチをインストールします。 tar、jar、zip形式のパッチもインストール対象になります。
-M オプションは、scinstall -iFo コマンドでは必要ありません。 ここでは、単一ノードクラスタのインストール中にパッチをインストールする際に、-M オプションが最も効率的な方法であるため示しています。 ただし、パッチのインストールには、任意の方法を使用できます。
ノードを再起動します。
Sun Cluster ソフトウェアのインストール後に再起動することで、ノードがクラスタとして確立されます。
(省略可能) クラスタ名を変更します。
単一ノードクラスタが、クラスタノードと同じ名前で作成されます。 クラスタ名は、必要に応じて変更できます。 scsetup ユーティリティーまたは次の scconfコマンドのいずれかを使用します。
# /usr/cluster/bin/scconf -c -C cluster=newclustername |
scstat コマンドを使用して、インストールを検証します。
# /usr/cluster/bin/scstat -n |
詳細についてはscstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
クラスタインストールモードが無効になっていることを確認します。
# /usr/cluster/bin/scconf -pv | grep "インストールモード" |
SPARC: VERITAS File System をインストールする予定かどうかを確認します。
インストールする場合は、SPARC: VERITAS File System ソフトウェアをインストールするに進みます。
インストールしない場合は、ネームサービスの参照順序を設定します。 ネームサービススイッチを構成する に進みます。
次の例では、scinstall および scstat コマンドを使用して、単一ノードクラスタをインストールし、検証します。 ここでは、すべてのパッチのインストール例も示します。 詳細については、scinstall(1M) および scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
# scinstall -iFo -M patchdir=/var/cluster/patches 広域デバイスファイルシステムとして使用できるかどうかをチェックしています... 完了しました。 ** SunCluster 3.1 framework をインストールしています** ... パッチをインストールしています... 完了しました。 クラスタ名を「phys-schost-1」に初期化しています... 完了しました。 認証オプションを初期化しています... 完了しました。 「phys-schost-1」のノードID を設定しています完了しました。(id=1) 広域ファイルシステムの広域デバイスをチェックしています... 完了しました。 vfstab を更新しています... 完了しました。 「cluster」がnsswitch.conf の「hosts」用に設定されていることを確認しています... 完了しました。 「cluster」スイッチをnsswitch.conf の「hosts」に追加しています... 完了しました。 「cluster」がnsswitch.conf の「netmasks」用に設定されていることを確認しています... 完了しました。 「cluster」スイッチをnsswitch.conf の「netmasks」に追加しています... 完了しました。 電源管理が構成されていないことを確認しています... 完了しました。 EEPROM パラメータ「local-mac-address?」が「true」に設定されていることを 確認しています... 完了しました。 ネットワークルーティングが無効であることを確認しています... 完了しました。 このマシンをリブートしてください。 # reboot # scstat -n -- クラスタノード -- ノード名 状態 -------- ------ クラスタノード: phys-schost-1 Online # scconf -pv | grep "インストールモード" クラスタインストールモード: disabled |