Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

ソフトウェアのインストール

この節では、クラスタノードにソフトウェアをインストールするための情報と手順を紹介します。

Task Map: ソフトウェアのインストール

次の作業マップは、複数または単一ノードのクラスタにソフトウェアをインストールするときに実行する作業を示しています。 ここに示す順に従って手順を実行します。

表 2–1 Task Map: ソフトウェアのインストール

目次 

参照箇所 

1. クラスタ構成のレイアウトを計画、およびソフトウェアをインストールするための準備 

クラスタソフトウェアのインストールの準備をする

2. (省略可能) 管理コンソールにクラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアをインストール

クラスタコントロールパネルソフトウェアを管理コンソールにインストールする

3. Solaris オペレーティング環境および Sun Cluster ソフトウェアをインストール 次の方法のどれか 1 つを選択します。  

  • 方法 1 – (新規の複数クラスタのみ) Solaris ソフトウェアをインストールする。 すべてのノードに、Sun Cluster ソフトウェアをインストールする。 次に、scinstall ユーティリティーを使用してクラスタを確立する

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする

  2. Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールする

  3. すべてのノードで Sun Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)

  • 方法 2 – (新規の複数クラスタのみ) Solaris ソフトウェアをインストールする。 次に、SunPlexTM Manager をインストールし、それを使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールする

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする

  2. SunPlex Manager により Sun Cluster ソフトウェアをインストールする

  • 方法 3 – (新規の複数クラスタまたは追加ノード) scinstall ユーティリティーのカスタム JumpStart オプションを使用して Solaris ソフトウェアと Sun Cluster ソフトウェアを 1 回の操作でインストールする

Solaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)

  • 方法 4 – (新規の単一ノードクラスタ) Solaris ソフトウェアをインストールしてから、scinstall -iFo コマンドを使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールする

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする

  2. Sun Cluster ソフトウェアを単一ノードクラスタにインストールする

  • 方法 5 – (追加ノードのみ) Solaris ソフトウェアを新しいノードにインストールする。 新しいノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする。 次に scinstall ユーティリティーを使用して、新しいノード上で Sun Cluster ソフトウェアを構成する

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする

  2. Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールする

  3. 追加のクラスタノードとして Sun Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)

4. (オプション) SPARC: VERITAS File System ソフトウェアをインストール

SPARC: VERITAS File System ソフトウェアをインストールする

5. ネームサービスの参照順序を構成 

ネームサービススイッチを構成する

6. ディレクトリパスを設定 

root 環境を設定する

7. データサービスソフトウェアパッケージをインストール 

データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (installer) または データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (scinstall)

8. Sun Cluster のインストール中に実行されていない場合は、定足数投票を割り当て、クラスタのインストールモードを解除 

インストール後の設定を行い、定足数デバイスを構成する

9. 定足数構成の妥当性を検査 

定足数構成とインストールモードを確認する

10. ボリューム管理ソフトウェアのインストールと構成  

  • Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアのインストールと構成

  • SPARC: VERITAS Volume Manager ソフトウェアのインストールと構成

11. クラスタを構成 

クラスタの構成

クラスタソフトウェアのインストールの準備をする

ソフトウェアのインストールを開始する前に、以下の準備作業を行ってください。

  1. クラスタ構成の計画およびインストール方法を検討する上で参考となる情報を参照します。

    • Sun Cluster ご使用にあたって (Solaris OS 版)』 – 制限事項やバグ対策などの最新情報

    • Sun Cluster 3.x Release Notes Supplement』 – リリース後に追加された制限事項、バグ対策、新機能などの最新情報。 このマニュアルは定期的に更新され、以下の Web サイトでオンライン公開されます。

      http://docs.sun.com

    • Sun Cluster の概要 (Solaris OS 版)』および『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』 – Sun Cluster 製品の概要

    • Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』 (このマニュアル) – Solaris、Sun Cluster、ボリューム管理ソフトウェアのインストールと構成を行うためのガイドラインと作業手順

    • Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』 – データサービスのインストールと構成を行うための計画のガイドラインと作業手順

    • 使用するソフトウェアのマニュアル (サン以外の製品も含む)

  2. 関連文書 (Sun 以外の製品の文書も含む) をすべて用意します。

    クラスタのインストールを行う場合に参考となるドキュメントを持つ製品の一部を以下に示します。

    • Solaris ソフトウェア

    • Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェア

    • SPARC: VERITAS Volume Manager

    • SPARC: Sun Management Center

    • その他のアプリケーション

  3. クラスタ構成の計画を立てます。


    注意 – 注意 –

    クラスタのインストールを綿密に計画します。 Solaris および Sun Cluster ソフトウェアのインストールを開始する前に、データサービスおよび他の製品すべてについて必要条件を認識しておく必要があります。 計画に不備があった場合、インストールエラーが発生し、Solaris や Sun Cluster ソフトウェアを完全にインストールし直す必要が生じる可能性もあります。

    たとえば、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard オプションには、クラスタで使用するホスト名に関する特別な必要条件があります。 このような特別な必要条件は Sun Cluster HA for SAP にもあります。 Sun Cluster ソフトウェアをインストールした後にホスト名は変更できないため、このような必要条件は Sun Cluster ソフトウェアをインストールする前に調整しておく必要があります。x86 ベースのクラスタでは、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters と Sun Cluster HA for SAP は両方とも使用できないことにも注意してください。


    • 第 1 章「Sun Cluster 構成の計画」および『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』に示されているガイドラインを利用して、クラスタのインストールと構成の方法を決定してください。

    • 計画ガイドラインで参照されるクラスタフレームワークおよびデータサービス構成のワークシートに必要事項を記入してください。 完成したワークシートは、インストールと構成の作業を行う際に参考情報として利用します。

  4. クラスタ構成に必要なパッチをすべて入手します。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

    1. Sun Cluster に必要なパッチを 1 つのディレクトリにコピーします。

      このディレクトリは、すべてのノードからアクセス可能なファイルシステムになければなりません。 デフォルトのパッチディレクトリは、 /var/cluster/patches です。


      ヒント –

      Solaris ソフトウェアをノードにインストールした後、 /etc/release ファイルでインストールした Solaris ソフトウェアのバージョンを確認できます。


    2. (省略可能) SunPlex Manager を使用していない場合は、パッチリストファイルを作成できます。

      パッチリストファイルを指定すると、SunPlex Manager はパッチリストファイルに含まれているパッチのみをインストールします。 パッチリストファイルの作成については、patchadd(1M) のマニュアルページを参照してください。

    3. パッチディレクトリのパスを記録します。

  5. 管理コンソールからクラスタノードへの接続を行うためにクラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアを使用するかどうかを決定します。

クラスタコントロールパネルソフトウェアを管理コンソールにインストールする


注 –

管理コンソールの使用は必須ではありません。 管理コンソールを使用しない場合は、クラスタ内の特定のノードから管理作業を行います。


この手順では、管理コンソールにクラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアをインストールする方法を説明します。 CCP により、cconsole(1M)、ctelnet(1M)、crlogin(1M) の各ツールを起動できます。 これらの各ツールは、共通ウィンドウや一連のノードとの多重ウィンドウ接続を提供します。 共通ウィンドウを使用すると、すべてのノードに入力を一括送信できます。

管理コンソールには、Solaris 8 または Solaris 9 オペレーティング環境が動作する任意のデスクトップマシンを使用できます。 また、管理コンソールは、文書サーバーとしても使用 できます。 Sun Cluster を SPARC ベースのシステムで使用している場合は、管理コンソールを Sun Management Center コンソールやサーバーとして使用できます。 Sun Management Center ソフトウェアをインストールする方法については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。 Sun Cluster のマニュアルのインストール方法については、『Sun Cluster ご使用にあたって (Solaris OS 版)』を参照してください。

  1. 管理コンソールでスーパーユーザーになります。

  2. サポートされている Solaris オペレーティング環境のバージョンと Solaris パッチが管理コンソールにインストールされていることを確認してください。

    すべてのプラットフォームで、少なくとも End User Solaris ソフトウェアグループが必要です。

  3. 管理コンソール用のマシンの CD-ROM ドライブに Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM を挿入します。

    ボリューム管理デーモンの vold(1M) が実行中で、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合、デーモンによって自動的に CD-ROM が /cdrom/cdrom0 ディレクトリにマウントされます。

  4. /cdrom/cdrom0 ディレクトリから Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Packages ディレクトリに移動します。ここで archsparc または x86で、ver8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) です。


    # cd Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Packages
    

  5. SUNWccon パッケージをインストールします。


    # pkgadd -d . SUNWjccon
    

  6. (省略可能) SUNWscman パッケージをインストールします。


    # pkgadd -d . SUNWjscman
    

    管理コンソールに SUNWscman パッケージをインストールすることで、クラスタノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする前に、管理コンソールから Sun Cluster のマニュアルページを参照できるようになります。

  7. (省略可能) Sun Cluster マニュアルパッケージをインストールします。

    管理コンソールにマニュアルをインストールしなくても、CD-ROM から直接 HTML または PDF のマニュアルを表示することができます。

    1. pkgadd ユーティリティーを対話モードで起動します。


      # pkgadd -d .
      

    2. Documentation Navigation for Solaris 9 package が管理コンソールにインストールされていない場合は、これを選択します。

    3. インストールする Sun Cluster マニュアルパッケージを選択します。

      次のマニュアルコレクションは、HTML と PDF の両方の形式で参照できます。

      • 『Sun Cluster 3.1 4/04 Software Collection for Solaris OS (SPARC Platform Edition)』

      • 『Sun Cluster 3.1 4/04 Software Collection for Solaris OS (x86 Platform Edition)』

      • 『Sun Cluster 3.x Hardware Collection for Solaris OS (SPARC Platform Edition)』

      • 『Sun Cluster 3.x Hardware Collection for Solaris OS (x86 Platform Edition)』

      • 『Sun Cluster 3.1 4/04 Reference Collection for Solaris OS』

    4. 画面に表示される指示に従って、パッケージのインストールを続けます。

  8. Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM を CD-ROM ドライブから取り出します。

    1. CD-ROM が使用中にならないように、CD-ROM に含まれていないディレクトリに移動します。

    2. CD-ROM を取り出します。


      # eject cdrom
      
  9. 管理コンソールに /etc/clusters ファイルを作成します。

    クラスタ名と、各クラスタノードの物理ノード名をファイルに追加します。


    # vi /etc/clusters
    clustername node1 node2
    

    詳細については、clusters(4) のマニュアルページを参照してください。

  10. /etc/serialports ファイルを作成します。

    このファイルに、クラスタ内の各ノード用のエントリを追加します。 物理ノード名、コンソールアクセスデバイスのホスト名、およびポート番号を指定します。 コンソールアクセスデバイスの例として、端末集配信装置 (TC)、システムサービスプロセッサ (SSP)、および Sun Fire システムコントローラがあります。


    # vi /etc/serialports
    node1 ca-dev-hostname port
    node2 ca-dev-hostname port
    
    ノード1、 ノード2

    クラスタノードの物理名

    ca-dev-hostname

    コンソールアクセスデバイスのホスト名

    port

    シリアルポート番号

    /etc/serialports ファイルを作成するためには、次の注意事項に従ってください。

    • Sun Fire 15000 システムコントローラでは、各エントリのシリアル番号に telnet(1)ポート番号 23 を使用します。

    • その他すべてのコンソールアクセスデバイスについては、telnet シリアルポート番号を使用し、物理ポート番号は使用しません。 telnet シリアルポート番号は、物理ポート番号に 5000 を加えた値です。 たとえば、物理ポート番号が 6 の場合、telnet シリアルポート番号は 5006 になります。

    • Sun Enterprise 10000 サーバーの詳細と注意事項については、 /opt/SUNWcluster/bin/ serialports(1) のマニュアルページを参照してください。

  11. (省略可能) 便宜上、管理コンソール上のディレクトリパスを設定します。

    • /opt/SUNWcluster/bin ディレクトリを PATH に追加します。

    • /opt/SUNWcluster/man ディレクトリを MANPATH に追加します。

    • SUNWscman パッケージをインストールした場合は、/usr/cluster/man ディレクトリも MANPATH に追加します。

  12. CCP ユーティリティーの起動


    # /opt/SUNWcluster/bin/ccp &
    

    CCP ウィンドウで、cconsolecrlogin、または ctelnet ボタンをクリックしてツールを起動します。 これらのツールは直接起動することもできます。 たとえば、ctelnet を起動するには、次のコマンドを入力します。


    # /opt/SUNWcluster/bin/ctelnet &
    

    CCP ユーティリティーを使用する方法については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の 「クラスタ管理の開始」の「クラスタに遠隔ログインする」手順を参照してください。 ccp(1M) のマニュアルページも参照してください。

  13. Solaris オペレーティング環境が各クラスタノードにインストールされており、Sun Cluster ソフトウェアの必要条件を満たしているかどうかを確認します。

Solaris ソフトウェアをインストールする

ソフトウェアのインストールに scinstall(1M) カスタム JumpStart インストールを使用しない場合は、この作業を行います。 以下の手順に従ってクラスタ内の各ノードに Solaris オペレーティング環境をインストールしてください。


ヒント –

Solaris オペレーティング環境は、各ノードに同時にインストールできるため、インストール時間を節約できます。


ノードに Solaris オペレーティング環境がすでにインストールされていても、Sun Cluster インストールの必要条件が満たされていない場合は、Solaris ソフトウェアを再インストールする必要があります。 以下に示す手順に従って、Sun Cluster ソフトウェアを確実にインストールしてください。 必要なルートディスクのパーティション分割と Sun Cluster インストールのその他の必要条件については、Solaris オペレーティング環境についての計画 を参照してください。

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする前に、ハードウェアの設定が完了していることと、接続が完全であることを確認します。

    詳細については、『Sun Cluster Hardware Administration Collection』およびサーバーと記憶装置のマニュアルを参照してください。

  2. クラスタ構成の計画が完了していることを確認します。

    必要条件とガイドラインについては、クラスタソフトウェアのインストールの準備をする を参照してください。

  3. 必要事項が記入されたローカルファイルシステム配置のワークシートを用意します。

  4. ネームサービスを使用している場合、すべての公開ホスト名と論理アドレス間のアドレスと名前の対応付けを、クライアントがクラスタサービスにアクセスするために使用する任意のネームサービスに追加します。手順 15 でローカルホスト名の情報を設定します。

    計画のガイドラインについては、IP アドレス を参照してください。 Solaris ネームサービスの使用については、Solaris システム管理者用のマニュアルを参照してください。

  5. クラスタ管理コンソールを使用している場合、クラスタ内にある各ノードのコン ソール画面を表示します。

    • クラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアが管理コンソールにインストールされ、構成されている場合は、cconsole(1M) ユーティリティーを使用して、コンソール画面を個別に表示できます。 また、cconsole ユーティリティーを使用してマスターウィンドウを開くことができます。ここでの入力を、個々のすべてのコンソールウィンドウに同時に送信できます。 cconsole を起動するには、次のコマンドを入力します。


      # /opt/SUNWcluster/bin/cconsole clustername &
      

    • cconsole ユーティリティーを使用しない場合は、各ノードのコンソールに個別に接続します。

  6. Solaris インストールマニュアルに指示されているとおりに Solaris オペレーティング環境をインストールします。


    注 –

    同一クラスタ内のノードはすべて、同じバージョンの Solaris オペレーティング環境である必要があります。


    Solaris ソフトウェアの通常のインストール方法を使用してインストールします。 Solaris ソフトウェアのインストール時に、次の作業を行います。

    1. 少なくとも End User Solaris ソフトウェアグループをインストールします。

      Solaris ソフトウェアの必要条件の詳細については Solaris ソフトウェアグループについて を参照してください。

    2. 「手動配置」を選択して、ファイルシステムを設定します。

      • 広域デバイスサブシステムを使用するための、少なくとも 512M バイトのファイルシステムを作成します。 SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールする場合は、マウントポイント名を /globaldevices に設定してファイルシステムを作成する必要があります。 /globaldevices マウントポイント名は、 scinstall が使用するデフォルトです。


        注 –

        Sun Cluster ソフトウェアのインストールを正常に行うためには、広域デバイスファイルシステムを用意する必要があります。


      • スライス 7 には少なくとも 20M バイトのサイズを指定します。 SunPlex Manager を使用して Solstice DiskSuite ソフトウェア (Solaris 8) をインストールするか、Solaris Volume Manager ソフトウェア (Solaris 9) を構成する場合は、このファイルシステムを /sds にマウントする必要があります。

      • システムディスクパーティション の説明どおり、他の必要なファイルシステムパーティションを作成してください。


        注 –

        Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache をインストールする場合は、Solstice DiskSuite ソフトウェア (Solaris 8) をインストールするか、Solaris Volume Manager ソフトウェア (Solaris 9) を構成する必要があります。


    3. 管理しやすくするために、すべてのノード上で同じ root パスワードを設定します。

  7. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。

    • インストールしない場合は、手順 12 に進みます。

    • インストールする場合は、手順 8 に進みます。

  8. 新しいノードをクラスタの承認済みノードリストに追加したかどうかを確認します。

    • 追加している場合は、手順 9 に進みます。

    • まだ追加していない場合は、新しいノードの名前をクラスタの承認済みノードリストに追加します。

    1. アクティブなクラスタメンバーで、scsetup(1M) ユーティリティーを開始します。


      # scsetup
      

      メインメニューが表示されます。

    2. 新規ノード」を選択します。

    3. 「自分自身を追加する可能性があるマシンの名前を指定します」を選択します。

    4. プロンプトに従って、ノードの名前を認識されているマシンのリストに追加します。

    5. 作業が正常に完了したことを確認します。

      scsetup ユーティリティーは、作業がエラーなしで完了された場合、「コマンドが正常に完了しました」というメッセージを出力します。

  9. クラスタ内にある別のアクティブなノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。


    % mount | grep global | egrep -v node@ | awk '{print $1}'
    

  10. 新しいノード上で、クラスタ内にあるクラスタファイルシステムごとにマウン トポイントを作成します。


    % mkdir -p mountpoint
    

    たとえば、mount コマンドで表示されるファイルシステム名が /global/dg-schost-1 の場合は、クラスタに追加する新しいノードで mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。

  11. VERITAS Volume Manager (VxVM) が、クラスタ内にあるノードにすでにインストールされているかどうかを確認します。

    • インストールされていない場合は、手順 12に進みます。

    • インストールされている場合は、VxVM がインストールされているノード 上で同じ vxio 番号が使用されていることを確認します。 また、VxVM がインストールされていない各ノード上で vxio 番号が使用できることを確認してください。


      # grep vxio /etc/name_to_major
      vxio NNN
      

      VxVM がインストールされていないノードで、vxio 番号がすでに使用されている場合は、そのノード上の該当番号を解放します。 また、/etc/name_to_major エントリは、別の番号に変更してください。

  12. End User Solaris ソフトウェアグループをインストールした場合は、pkgadd コマンドを使用して、使用する可能性がある追加 Solaris ソフトウェアパッケージを手動でインストールします。 一部の Sun Cluster 機能をサポートするには、次の Solarisパッケージが必要です。

    機能 

    必要な Solaris ソフトウェアパッケージ(インストール順) 

    RSMAPISCI-PCI アダプタ (SPARC ベースのクラスタのみ) 

    SUNWrsm SUNWrsmx SUNWrsmo SUNWrsmox

     

    SunPlex Manager 

    SUNWapchr SUNWapchu

  13. ハードウェア関連のパッチをインストールします。 また、ハードウェアパッチに含まれるファームウェアの中から必要なものをダウンロードします。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

  14. x86: デフォルトのブートファイルを kadb に設定します。


    # eeprom boot-file=kadb
    

    この値を設定すると、ログインプロンプトにアクセスできないときにノードを再起動できます。

  15. クラスタのすべてのパブリックホスト名と論理アドレスを持つように、各ノードで /etc/inet/hosts ファイルを更新します。

    この手順は、ネームサービスを使用しているかどうかに関わらず実行します。

  16. 動的再構成 (DR) を Sun Enterprise 10000 サーバーで使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 17に進みます。

    • 使用する場合は、クラスタの各ノード上にある /etc/system ファイルに次のエントリを追加します。


      set kernel_cage_enable=1

      このエントリは、次のシステム再起動後に有効になります。

      Sun Cluster 構成で、動的再構成の作業を実行するための手順については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。 動的再構成の詳細については、サーバーのマニュアルを参照してください。

  17. Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールします。

    Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールする に進みます。

Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールする

Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールするには、この手順を実行します。

  1. Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。 Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、Solaris ソフトウェアをインストールする を参照してください。

  2. インストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  3. Sun Cluster フレームワークソフトウェアパッケージと Sun Java System データサービスパッケージをインストールします。

    Sun Java Enterprise System Installation Guide』の手順に従います。

  4. インストールする残りのクラスタノードで、 手順 1 から手順 3 を繰り返します。

  5. クラスタノードで Sun Cluster ソフトウェアを構成します。

すべてのノードで Sun Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)

Sun Cluster ソフトウェアをクラスタのすべてのノードで構成するには、この手順を実行します。

  1. Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。 Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、Solaris ソフトウェアをインストールする を参照してください。

  2. Sun Cluster ソフトウェアのインストール時にリモート構成を無効にしたかどうかを確認します。

    • 無効にしていない場合は、手順 3 に進みます。

    • 無効にしている場合は、すべてのクラスタノードに対して スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) またはセキュアシェル (ssh(1) ) アクセスを有効に を有効にします。

  3. パッチのインストールに scinstall ユーティリティーを使用するかどうかを決定します。

    • ユーティリティを使用しない場合は、手順 4に進みます。

    • ユーティリティを使用する場合は、パッチをパッチディレクトリにダウンロードします。

      scinstall コマンドは、/var/cluster/patches ディレクトリまたは /var/patches ディレクトリにあるパッチを確認します。 どちらのディレクトリも存在しない場合、パッチは追加されていません。 これら両方のディレクトリが存在する場合、/var/cluster/patches ディレクトリにあるパッチのみが追加されています。

      パッチリストファイルは、パッチディレクトリに保存できます。 デフォルトのパッチリストファイル名は patchlist です。 パッチリストファイルの作成方法については、patchadd(1M) のマニュアルページを参照してください。

  4. 次の構成ワークシートの 1 つに必要事項を記入します。

    計画のガイドラインについては、Sun Cluster 環境の計画を参照してください。

    表 2–2 対話形式の scinstall の構成ワークシート (通常)

    コンポーネント 

    説明/例 

    回答記入欄 

    クラスタ名 

    確立するクラスタの名前 

     

    クラスタノード 

    初期クラスタ構成で構成するその他のクラスタノードの名前 

     

    クラスタトランスポートアダプタおよびケーブル 

    ノードをプライベートインターコネクトに接続する 2 つのクラスタトランスポートアダプタの名前 

     

    妥当性チェック 

    sccheck エラー発生時にインストールを中断するかどうか

    Yes  |  No 


    注 –

    「通常」を指定した Sun Cluster ソフトウェアの構成では、scinstall が自動的に以下のデフォルト構成を指定します。

    コンポーネント 

    デフォルト値 

    プライベートネットワークアドレス 

    172.16.0.0

    プライベートネットワークネットマスク 

    255.255.0.0

    クラスタトランスポート接続点 

    switch1 および switch2

    広域デバイスファイルシステム名 

    /globaldevices

    インストールセキュリティ (DES) 

    制限付き 

    Solaris および Sun Cluster パッチディレクトリ 

    /var/cluster/patches


    表 2–3 対話形式の scinstall の構成ワークシート (カスタム)

    コンポーネント 

    説明/例 

    回答記入欄 

    クラスタ名 

    確立するクラスタの名前 

     

    クラスタノード 

    初期クラスタ構成で構成するその他のクラスタノードの名前 

     

    DES 認証 

    DES 認証が必要かどうか 

    No  |  Yes  

    クラスタトランスポート用ネットワークアドレス 

    デフォルトのネットワークアドレス (172.16.0.0) を使用するかどうか

    Yes   |  No  

    使用しない場合は、独自のネットワークアドレスを指定する 

    _____ . _____.0.0

    デフォルトのネットマスク (255.255.0.0) を使用するかどうか

    Yes   |  No  

    使用しない場合は、独自のネットマスクを指定する 

    255.255. ___ . ___

    ポイントツーポイントケーブル  

    2 ノードクラスタである場合は、クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうか 

    Yes  |  No  

    クラスタトランスポート接続点  

    使用する場合は、2 つのトランスポート接続点の名前を指定する 

      デフォルト値 switch1 および switch2


    1

    2

    クラスタトランスポートアダプタおよびケーブル  

    ノード名 (scinstall を実行するノード):

     

    トランスポートアダプタ: 

    1

      

    2

       

    各トランスポートアダプタの接続場所 (トランスポート接続点または別のアダプタ)

      接続点のデフォルト: switch1 および switch2


      

    トランスポート接続点でデフォルトのポート名を使用するかどうか 

    Yes | No 

    Yes | No  

    使用しない場合は、使用するポートの名前 

      

    自動検出機能を使用してその他のノードで使用可能なアダプタを一覧表示するかどうか 

    この機能を使用しない場合は、各追加ノードに対して次の情報を指定する 

    Yes  |  No  

     

    ノード名: 

     

    トランスポートアダプタ: 

    1

      

    2

      

    各トランスポートアダプタの接続場所 (トランスポート接続点または別のアダプタ)

      デフォルト値 switch1 および switch2


      

    トランスポート接続点でデフォルトのポート名を使用するかどうか 

    Yes | No 

    Yes | No 

    使用しない場合は、使用するポートの名前 

      

    ソフトウェアパッチのインストール 

    scinstall を使用してパッチをインストールするかどうか

    Yes  |  No  

    scinstall を使用する場合は、パッチディレクトリの名前

     

    パッチリストを使用するかどうか 

    Yes  |  No 

    広域デバイスのファイルシステム  

    (各ノードで指定)

    広域デバイスのファイルシステムのデフォルト名 (/globaldevices) を使用するかどうか

    Yes  |  No 

    デフォルト名を使用しない場合は、すでに存在するファイルシステムを使用するかどうか 

    Yes  |  No 

    使用するファイルシステムの名前 

     

    妥当性チェック 

    sccheck ユーティリティーを実行して、クラスタの妥当性を確認するかどうか

    Yes  |  No  


    注 –

    scinstall 処理の完了後は、プライベートネットワークアドレスやネットマスクを変更できません。 別のプライベートネットワークアドレスやネットマスクを使用する必要があり、 ノードがインストールモードのままの場合は、Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールによるインストール問題を解決する の手順に従います。 次にSun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールする とこの手順を実行し、ソフトウェアを再インストールして、正しい情報を使用してノードを構成します。


  5. クラスタを構成するクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  6. scinstall ユーティリティを起動します。


    # /usr/cluster/bin/scinstall
    

  7. 対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。 したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。

    • 前のセッションのデフォルトの解凍が、質問の最後に角かっこ ([ ]) で囲まれて表示されます。 入力せずに角かっこ内の回答を入力するには、Return キーを押します。

  8. 「メインメニュー」 から 「クラスタまたはクラスタノードをインストール」 を選択します。


     *** メインメニュー ***
    
        次の (*) オプションのうちから 1 つを選択してください:
    
          * 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール
            2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成
            3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加
          * 4) このクラスタノードのリリース情報を出力
    
          * ?) メニューオプションのヘルプ
          * q) 終了
    
        オプション:  1
    

  9. 「インストールメニュー」 から 「新しいクラスタのすべてのノードをインストール」 を選択します。

  10. 「インストールのタイプ」 メニューから 「通常」 または カスタム「カスタム」 を選択します。

  11. メニュープロンプトに従い、手順 4での決定によって、表 2–2 または表 2–3 に回答を入力します。

    scinstall ユーティリティーは、引き続きすべてのクラスタノードのインストールと構成を行い、クラスタを再起動します。 クラスタ内ですべてのノードが正常に起動されると、クラスタが確立されます。 Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。

  12. SPARC: VERITAS File System をインストールする予定かどうかを確認します。

例 – すべてのノードでの Sun Cluster ソフトウェアの構成

ここでは、scinstall を使用して 2 ノードクラスタで構成作業を完了したときに、ログに記録される scinstall 進行状況メッセージの例を示します。 クラスタノード名は、phys-schost-1phys-schost-2 です。 指定されたアダプタ名は、qfe2hme2 です。


  インストールと構成

    ログファイル- /var/cluster/logs/install/scinstall.log.834

    「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-1」上で実行しています... done
    「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-2」上で実行しています... done

    インストール状態を検査しています... done

    Sun Cluster ソフトウエアは「phys-schost-1」に既にインストールされています。
    Sun Cluster ソフトウエアは「phys-schost-2」に既にインストールされています。

    クラスタトランスポート構成の検出を開始します。

    次の接続が見つかりました:

        phys-schost-1:qfe2 switch1 phys-schost-2:qfe2
        phys-schost-1:hme2 switch2 phys-schost-2:hme2

    クラスタトランスポート構成の検出を終了しました。

    sccheck を「phys-schost-1」上で開始しました。
    sccheck を「phys-schost-2」上で開始しました。

    sccheck が終了しました。「phys-schost-1」にエラーまたは警告はありません。
    sccheck が終了しました。「phys-schost-2」にエラーまたは警告はありません。

    「phys-schost-2」を構成しています... done
    「phys-schost-2」を再起動しています... done

    「phys-schost-1」を構成しています... done
    「phys-schost-1」を再起動しています...

ログファイル- /var/cluster/logs/install/scinstall.log.834

リブートしています...

SunPlex Manager により Sun Cluster ソフトウェアをインストールする


注 –

既存のクラスタに新しいノードを追加する場合は、SunPlex Manager を使用しないでください。 代わりに、追加のクラスタノードとして Sun Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall) の手順を使用してください。


この節では、SunPlex Manager のインストール方法について説明します。 この節では、SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールし、新しいクラスタノードを確立する方法についても説明します。 SunPlex Manager は、以下の追加ソフトウェア製品をインストールまたは構成する場合にも使用できます。

インストール必要条件

次に、SunPlex Manager を使用してこれらの追加ソフトウェア製品をインストールするための必要条件を示します。

表 2–4 SunPlex Manager によるソフトウェアインストールの要件

ソフトウェアパッケージ 

インストール必要条件 

Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager 

/sds をマウントポイント名として使用するパーティション。 少なくとも 20 M バイトのパーティションが必要

Sun Cluster HA for NFS データサービス 

  • 同じノードセットに接続された、サイズが同じである 2 台以上の共有ディスク

  • SunPlex Manager によってインストールされた Solstice DiskSuite ソフトウェア、または構成された Solaris Volume Manager ソフトウェア

  • Sun Cluster HA for NFS が使用する論理ホスト名。 この論理ホスト名の IP アドレスは、すべてのクラスタノードからアクセスできる必要があります。 IP アドレスは、クラスタノードのベースホスト名と同じサブネット上に存在するアドレスでなければなりません。

  • クラスタの各ノード用のテスト IP アドレス。 SunPlex Manager は、テスト IP アドレスを使用して、Sun Cluster HA for NFS が使用する IP ネットワークマルチパス (Internet Protocol Network Multipathing) グループを作成します。

Sun Cluster HA for Apache スケーラブルデータサービス 

  • 同じノードセットに接続された、サイズが同じである 2 台以上の共有ディスク

  • SunPlex Manager によってインストールされた Solstice DiskSuite ソフトウェア、または構成された Solaris Volume Manager ソフトウェア

  • Sun Cluster HA for Apache が使用する共有アドレス。 この共有アドレスの IP アドレスは、すべてのクラスタノードからアクセスできる必要があります。 IP アドレスは、クラスタノードのベースホスト名と同じサブネット上に存在するアドレスでなければなりません。

  • クラスタの各ノード用のテスト IP アドレス。 SunPlex Manager は、テスト IP アドレスを使用して、Sun Cluster HA for Apache が使用する IP ネットワークマルチパス (Internet Protocol Network Multipathing) グループを作成します。

テスト IP アドレス

指定したテスト IP アドレスは、以下の必要条件を満たす必要があります。

次の表に、SunPlex Manager が作成する各メタセット名とクラスタファイルシステムのマウントポイントのリストを示します。 SunPlex Manager が作成するメタセットおよびマウントポイントの数は、そのノードに接続される共有ディスクの数で異なります。 たとえば、ノードが 4 台の共有ディスクに接続されている場合、SunPlex Manager は mirror-1mirror-2 メタセットを作成します。 ただし、SunPlex Manager は、mirror-3 メタセットは作成しません。これは、このノードに 3 つ目のメタセットを作成するだけの十分な共有ディスクが存在しないためです。

表 2–5 SunPlex Manager がインストールするメタセット

共有ディスク 

メタセット名 

クラスタファイルシステムマウントポイント 

目的 

1 番目のペア 

mirror-1

/global/mirror-1

Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache スケーラブルデータサービス、あるいはこの両方 

2 番目のペア 

mirror-2

/global/mirror-2

未使用 

3 番目のペア 

mirror-3

/global/mirror-3

未使用  


注 –

クラスタが共有ディスクの最低必要条件を満たさなくても、SunPlex Manager は Solstice DiskSuite パッケージをインストールします。 ただし、十分な共有ディスクが存在しない状態では、SunPlex Manager はメタセット、メタデバイス、またはボリュームを構成できません。 さらに、SunPlex Manager は、データサービスのインスタンスを作成するのに必要なクラスタファイルシステムを構成することができません。


文字セットの制限

セキュリティを高めるために、SunPlex Manager は制限された文字セットを認識します。 この文字セットに属していない文字は、HTML フォームが SunPlex Manager サーバーに送信されたときに無視されます。 SunPlex Manager では、次の文字を使用できます。


()+,-./0-9:=@A-Z^_a-z{|}~

このフィルタ機能によって、以下の問題が生じる可能性があります。

SunPlex Manager ソフトウェアをインストールする

ここでは、クラスタに SunPlex Manager ソフトウェアをインストールする手順について説明します。

この手順はクラスタの各ノード上で行ってください。

  1. クラスタの各ノードに Solaris ソフトウェアとパッチがインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアのインストールは、 Solaris ソフトウェアをインストールする で説明されているとおりに行う必要があります。 Solaris ソフトウェアがすでにノードにインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。 また、そのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件も満たしている必要があります。

  2. SunPlex Manager により Sun Cluster ソフトウェアをインストールする の必要条件とガイドラインを見直してください。

  3. x86: 管理コンソールで Netscape NavigatorTM ブラウザと Microsoft Internet Explorer ブラウザのどちらを使用するかを決定します。

    • Netscape Navigator を使用する場合は、手順 4に進みます。

    • Internet Explorer を使用する場合は、手順 5に進みます。

  4. x86: Java プラグインがインストールされ、管理コンソール上で動作しているのを確認します。

    1. クラスタへの接続に使用する管理コンソール上で Netscape Navigator ブラウザを起動します。

    2. 「ヘルプ」メニューから「プラグインについて」を選択します。

    3. Java プラグインを一覧表示するかどうかを決定します。

      • 一覧表示する場合は、手順 6 に進みます。

      • 一覧表示しない場合は、手順 d に進みます。

    4. 最新の Java プラグインを http://java.sun.com/products/plugin からダウンロードします。

    5. 管理コンソールにプラグインをインストールします。

    6. プラグインに対するシンボリックリンクを作成します。


      % cd ~/.netscape/plugins
      % ln -s /usr/j2se/plugin/i386/ns4/javaplugin.so .
      

    7. 手順 6 に進みます。

  5. x86: Java 2 Platform, Standard Edition (J2SE) for Windows がインストールされ、管理コンソール上で動作していることを確認します。

    1. Microsoft Windows デスクトップで、「スタート」をクリックし、「設定」にカーソルを置き、「コントロールパネル」を選択します。

      「コントロールパネル」ウィンドウが表示されます。

    2. Java プラグインを一覧表示するかどうかを決定します。

      • 一覧表示しない場合は、手順 c に進みます。

      • 一覧表示する場合は、Java Plug-in のコントロールパネルをダブルクリックします。 「コントロールパネル」ウィンドウが開きますので、「Java Plugin について」タブをクリックします。

        • バージョン 1.4.1 以降が表示された場合は、手順 6 に進みます。

        • 最新バージョンが表示された場合は、手順 c に進みます。

    3. J2SE for Windows の最新バージョンを http://java.sun.com/j2se/downloads.html からダウンロードします。

    4. J2SE for Windows ソフトウェアを管理コンソールにインストールします。

    5. 管理コンソールが実行されているシステムを再起動します。

      J2SE for Windows のコントロールパネルが起動されます。

  6. クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。

  7. Apache ソフトウェアパッケージがノードにインストールされていることを確認します。


    # pkginfo SUNWapchr SUNWapchu SUNWapchd
    

    必要であれば、次の手順を実行して、不足している Apache ソフトウェアパッケージをインストールします。

    1. ノードの CD-ROM ドライブに Solaris 8 または Solaris 9 Software 2 of 2 CD-ROM を挿入します。

      ボリューム管理デーモンvold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理 するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的にマウントされます。

    2. Product ディレクトリに移動します。

      • Solaris 8 の場合は、/cdrom/sol_8_sparc/Solaris_8/Product ディレクトリに移動します。


        # cd /cdrom/sol_8_sparc/Solaris_8/Product
        

      • Solaris 9 の場合は、 /cdrom/cdrom0/Solaris_9/Product ディレクトリに移動します。


        # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_9/Product
        

    3. Apache ソフトウェアパッケージをこの手順の順番でインストールします。


      # pkgadd -d . SUNWapchr SUNWapchu SUNWapchd
      

    4. Apache ソフトウェアパッチをインストールします。

      パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

  8. SunPlex Manager ソフトウェアパッケージをインストールします。

    1. ノードの CD-ROM ドライブに Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM を挿入します。

      ボリューム管理デーモンの vold(1M) が実行中で、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合、デーモンによって自動的に CD-ROM が /cdrom/cdrom0 ディレクトリにマウントされます。

    2. /cdrom/cdrom0 ディレクトリから Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Packages ディレクトリに移動します。ここで archsparc または x86で、ver8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) です。

      以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの SPARC Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。


      # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_sparc/Product/sun_cluster/Solaris_8/Packages
      

    3. SunPlex Manager ソフトウェアパッケージをインストールします。


      # pkgadd -d . SUNWscva SUNWjscvr SUNWjscvw
      

  9. クラスタ内の各ノードで、手順 6 から手順 8 までの手順を繰り返します。

  10. クラスタの全ノードで同じ root が設定されているかどうかを確認します。

    • 同じ場合は、手順 11 に進みます。

    • 異なる場合は、クラスタのすべてのノードで同じ値になるように root パスワードを設定してください。 必要に応じ、chkey を使用して RPC 鍵ペアを更新してください。 chkey(1) のマニュアルページを参照してください。


      # passwd
      Enter new password
      # chkey -p
      

    root パスワードを使用して SunPlex Manager にアクセスするためには、クラスタ内のすべてのノードで root パスワードが同じでなければなりません。

  11. SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアを構成します。

    Sun Cluster ソフトウェア (SunPlex Manager) をインストールして構成するに進みます。

Sun Cluster ソフトウェア (SunPlex Manager) をインストールして構成する


注 –

既存のクラスタに新しいノードを追加する場合は、SunPlex Manager を使用しないでください。 代わりに、追加のクラスタノードとして Sun Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall) に進んでください。


SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアとパッチを 1 回の操作でクラスタ内のすべてのノードにインストールし、構成するには、次の手順を実行してください。 この手順は、Solstice DiskSuite ソフトウェアとパッチのインストール (Solaris 8)、または Solaris Volume Manager ミラーディスクセットの構成 (Solaris 9) にも使用できます。

SunPlex Manager を使用して Solstice DiskSuite ソフトウェアのインストール、または Solaris Volume Manager ディスクセットの構成を行う場合は、以下のデータサービスの 1 つまたは両方をインストールできます。

インストール処理には、30 分から 2 時間以上かかる場合があります。 実際に要する時間は、クラスタノードの数、インストールするデータサービスの種類、クラスタ構成内のディスクの数により異なります。

  1. SunPlex Manager を使用してソフトウェアをインストールするための必要条件にクラスタ構成が適合していることを確認します。

    インストールの必要条件と制限については、SunPlex Manager により Sun Cluster ソフトウェアをインストールする を参照してください。

  2. Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache をインストールするかどうかを決定します。

  3. クラスタの各ノードに SunPlex Manager ソフトウェアがインストールされていることを確認します。

    インストール手順については、SunPlex Manager ソフトウェアをインストールするを参照してください。

  4. インストールする各ソフトウェア製品の CD-ROM イメージへのファイルシステムパスを用意します。

    ファイルシステムパスを用意する場合は、次のガイドラインに従ってください。

    • 各ノードが使用できる場所に各 CD-ROM イメージを用意します。

    • CD-ROM イメージは、クラスタのすべてのノードから同じファイルシステムパスを使用してアクセスできなければなりません。 これらのパスとして、以下に示す場所のいずれかを指定できます。

      • クラスタの外部に存在するマシンからネットワークにエクスポートされた CD-ROM ドライブ

      • クラスタの外部に存在するマシン上のエクスポートされたファイルシステム

      • クラスタの各ノード上のローカルファイルシステムにコピーされた CD-ROM イメージ ローカルファイルシステムの名前は、すべてのノードで同じにする必要があります。

  5. インターコネクトトランスポート用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 6 に進みます。

    • 使用する場合は、RSMAPI または SCI-PCI アダプタのサポートに必要な追加パッケージを Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM からインストールします。 SunPlex Manager は、これらの追加パッケージを自動的にインストールしません。

    1. インストールが必要なパッケージを決定します。

      各機能に必要な Sun Cluster 3.1 4/04 パッケージとパッケージの各グループのインストール順序を次の表に示します。

      機能 

      インストールする追加の Sun Cluster 3.1 4/04 パッケージ  

      RSMAPI 

      SUNWscrif

      SCI-PCI アダプタ 

      SUNWsci SUNWscid SUNWscidx

    2. 追加パッケージのインストールには、以下のコマンドを使用します。

      archsparc または x86 に、ver8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。


      # cd Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Packages
      # pkgadd -d . packages
      

  6. Sun Cluster または Solstice DiskSuite ソフトウェアをサポートするために必要なパッチがあるかどうかを確認します。

    • 存在する場合は、手順 7 に進みます。

    • 存在しない場合は、手順 10 に進みます。

  7. パッチのインストールに SunPlex Manager を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、手順 8 に進みます。

    • 使用しない場合は、SunPlex Manager を使用する前に、Sun Cluster または Solstice DiskSuite ソフトウェアのサポートに必要なパッチをすべて手動でインストールして、手順 10に進みます。

  8. Sun Cluster または Solstice DiskSuite ソフトウェアに必要なパッチを 1 つのディレクトリにコピーします。 このディレクトリは、各ノードが利用できるファイルシステム上に存在しなければなりません。

    1. このディレクトリには、各パッチのバージョンを 1 つだけコピーするようにしてください。

      パッチディレクトリに同じパッチのバージョンが複数存在すると、SunPlex Manager はパッチの依存性順位を正しく判断できなくなります。

    2. パッチファイルが解凍されていることを確認します。

  9. 次の インストールワークシートに必要事項を記入します。

    表 2–6 SunPlex Manager インストールと構成のワークシート

    コンポーネント 

    説明/例 

    回答記入欄  

    クラスタ名 

    確立するクラスタの名前  

     

    クラスタに インストールするノード数  

     

    ノード名 

    クラスタノードの名前 

     

    クラスタトランスポートアダプタおよびケーブル 

    使用する 2 つのトランスポートアダプタの名前 (1 ノードにつき 2 アダプタ) 

     

    Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager  

    • Solaris 8: Solstice DiskSuite をインストールするかどうか

    • Solaris 9: Solaris Volume Manager を構成するかどうか

    Yes  |  No 

    Sun Cluster HA for NFS 

    Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager が必要かどうか

    Sun Cluster HA for NFS をインストールするかどうか 

    インストールする場合は、次の項目を指定します。  

    Yes  |  No 

    データサービスが使用する論理ホスト名 

     

    使用するテスト IP アドレス  

    クラスタ内のすべてのノードにテスト IP アドレスを提供するかどうか

     

    Sun Cluster HA for Apache (拡張可能) 

    Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager が必要かどうか

    拡張可能な Sun Cluster HA for Apache をインストールするかどうか 

    インストールする場合は、次の項目を指定します。  

    Yes  |  No 

    データサービスが使用する論理ホスト名 

     

    使用するテスト IP アドレス  

    クラスタ内のすべてのノードにテスト IP アドレスを提供するかどうか

     

    CD-ROM のパス 

    インストールする次の各コンポーネントのパス 

    CD-ROM のパスは、.cdtoc ファイルを含むディレクトリで終わる必要がある。

     

    Solstice DiskSuite: 

    Sun Cluster (ベース): 

    Sun Cluster データサービス (エージェント): 

    パッチ: 

    妥当性チェック 

    sccheck ユーティリティーを実行して、クラスタの妥当性を確認するかどうか

    Yes  |  No 


    注 –

    SunPlex Manager インストールでは、デフォルトプライベートネットワークアドレス (172.16.0.0) および ネットマスク (255.255.0.0) が自動的に指定されます。 別のアドレスを使用する必要がある場合は、Sun Cluster ソフトウェアのインストールに SunPlex Manager を使用しないでください。 代わりにSun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールする すべてのノードで Sun Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall) の手順に従って、クラスタをインストールおよび構成してください。

    scinstall の処理が終了した後で、プライベートネットワークアドレスとネットマスクを変更することはできません。 別のプライベートネットワークアドレスやネットマスクを使用する必要があり、 ノードがインストールモードのままの場合は、Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールによるインストール問題を解決する の手順に従います。 次にこの手順を繰り返して、正しい情報でノードのインストールと構成を行います。


    計画のガイドラインについては、Solaris オペレーティング環境についての計画 Sun Cluster 環境の計画 を参照してください。 データサービスの計画ガイドラインについては、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。

  10. SunPlex Manager を起動します。

    1. 管理コンソール、またはクラスタの外部に存在する他のマシンから、ブラウザを起動します。

    2. ブラウザの Web プロキシを無効にします。

      SunPlex Manager のインストール機能は、Web プロキシと互換性がありません。

    3. ディスクキャッシュとメモリーキャッシュが有効になっていることを確認します。

      ディスクキャッシュとメモリーキャッシュのサイズは、0 より大きくなくてはなりません。

    4. ブラウザから、任意のクラスタノードのポート 3000 に接続します。


      https://node:3000
      

      ブラウザのウィンドウに「Sun Cluster のインストール」画面が表示されます。


      注 –

      「Sun Cluster のインストール」画面ではなく管理インタフェースが表示される場合は、そのノードに Sun Cluster ソフトウェアがすでにインストールされ、構成されています。 URL 内のノード名がインストール対象のクラスタノードの名前と一致していることを確認してください。


    5. ブラウザに「新しいサイトの証明書」ウィンドウが表示された場合は、画面上の指示に従ってください。

  11. スーパーユーザーとしてログインします。

  12. 「Sun Cluster のインストール」画面で、SunPlex Manager を使用するための要件をクラスタが満たしていることを確認します。

    示されている必要条件をすべて満たしている場合は、「次へ」をクリックして次の画面に進みます。

  13. メニュープロンプトに従い、手順 9 での決定によって、表 2–6 に回答を入力します。

  14. 「インストールを開始」をクリックしてインストール処理を開始します。

    次のガイドラインに従ってください。

    • インストール処理中は、ブラウザウィンドウを閉じたり URL を変更しないでください。

    • ブラウザに「新しいサイトの証明書」ウィンドウが表示された場合は、画面上の指示に従ってください。

    • ブラウザにログイン情報のプロンプトが表示された場合は、接続先ノードの該当するスーパーユーザー ID とパスワードを入力してください。

    scinstall ユーティリティーは、引き続きすべてのクラスタノードのインストールと構成を行い、クラスタを再起動します。 クラスタ内ですべてのノードが正常に起動されると、クラスタが確立されます。 Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。

    インストールが進行している間、クラスタインストール処理の状況を示す簡単なメッセージが画面に表示されます。 インストールと構成が完了した時点で、ブラウザにクラスタ監視 / 管理用の GUI が表示されます。

    SunPlex Manager インストールの出力は、/var/cluster/spm/messages ファイルに記録されます。

    Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。

  15. SunPlex Manager で必要に応じて、定足数の割り当ての確認と、その割り当ての変更を行います。

    3 つ以上のノードを持つクラスタの場合、共有定足数デバイスの使用は任意です。 SunPlex Manager による定足数デバイスへの定足数投票の割り当ては、適切な共有ディスクが利用可能かどうかに基づいて行われます。 ユーザーは、SunPlex Manager を使用して定足数デバイスを指定することも、クラスタ内の定足数投票数を割り当てなおすこともできます。

  16. SPARC: VERITAS File System をインストールする予定かどうかを確認します。

Solaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)

この節では、カスタム JumpStart によるインストール方法であるscinstall(1M) の設定と使用について説明します。 この方法は、Solaris と Sun Cluster ソフトウェアの両方を 1 回の操作ですべてのクラスタノードにインストールし、クラスタを動作可能にします。 この手順は、既存のクラスタに新しいノードを追加するためにも利用できます。

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする前に、ハードウェアの設定が完了していることと、接続が完全であることを確認します。

    ハードウェアの設定の詳細については、『Sun Cluster Hardware Administration Collection』およびサーバーと記憶装置のマニュアルを参照してください。

  2. クラスタ構成の計画が完了していることを確認します。

    必要条件とガイドラインについては、クラスタソフトウェアのインストールの準備をする を参照してください。

  3. 次の情報を用意します。

    • 各クラスタノードの Ethernet アドレス

    • 必要事項が記入された以下のインストールワークシート

    表 2–7 JumpStart インストールおよび構成ワークシート

    コンポーネント 

    説明/例 

    回答記入欄 

    JumpStart ディレクトリ 

    使用する JumpStart ディレクトリの名前 

     

    クラスタ名 

    確立するクラスタの名前 

     

    クラスタノード 

    初期クラスタ構成で構成するクラスタノードの名前 

     

    DES 認証 

    DES 認証が必要かどうか 

    No  |  Yes  

    クラスタトランスポート用ネットワークアドレス 

    デフォルトのネットワークアドレス (172.16.0.0) を使用するかどうか

    Yes   |  No  

    使用しない場合は、独自のネットワークアドレスを指定する 

    _____ . _____.0.0

    デフォルトのネットマスク (255.255.0.0) を使用するかどうか

    Yes   |  No  

    使用しない場合は、独自のネットマスクを指定する 

    255.255.___ . ___

    ポイントツーポイントケーブル 

    クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうか (2 ノードクラスタのみ)

    Yes  |  No  

    クラスタトランスポート接続点 

    使用する場合は、2 つのトランスポート接続点の名前を指定する 

      デフォルト値 switch1 および switch2


    1

    2

    クラスタトランスポートアダプタおよびケーブル 

    第 1 ノードの名前: 

     

    トランスポートアダプタ: 

    1

      

    2

      

    各トランスポートアダプタの接続場所 (トランスポート接続点または別のアダプタ)

      接続点のデフォルト: switch1 および switch2


      

    トランスポート接続点でデフォルトのポート名を使用するかどうか 

    Yes | No 

    Yes | No 

    使用しない場合は、使用するポートの名前 

      

    自動検出機能を使用してその他のノードで使用可能なアダプタを一覧表示するかどうか 

    この機能を使用しない場合は、各追加ノードに対して次の情報を指定する 

    Yes  |  No  

     

    ノード名: 

     

    トランスポートアダプタ: 

    1

      

    2

      

    各トランスポートアダプタの接続場所 (トランスポート接続点または別のアダプタ)

      接続点のデフォルト: switch1 および switch2


      

    トランスポート接続点でデフォルトのポート名を使用するかどうか 

    Yes | No 

    Yes | No 

    使用しない場合は、使用するポートの名前 

     

     

    広域デバイスのファイルシステム 

    広域デバイスのファイルシステムのデフォルト名 (/globaldevices) を使用するかどうか

    Yes  |   No 

    デフォルト名を使用しない場合は、すでに存在するファイルシステムを使用するかどうか 

    Yes  |   No 

    ファイルシステムの名前 

     

    ソフトウェアパッチのインストール 

    scinstall を使用してパッチをインストールするかどうか

    Yes  |   No 

    scinstall を使用する場合は、パッチディレクトリの名前

     

    パッチリストを使用するかどうか 

    Yes  |  No 

    計画のガイドラインについては、Solaris オペレーティング環境についての計画 Sun Cluster 環境の計画 を参照してください。


    注 –

    scinstall の処理が終了した後で、プライベートネットワークアドレスとネットマスクを変更することはできません。 別のプライベートネットワークアドレスやネットマスクを使用する必要があり、 ノードがインストールモードのままの場合は、Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールによるインストール問題を解決する の手順に従います。 次にこの手順を繰り返して、正しい情報でノードのインストールと構成を行います。


  4. ネームサービスを使用しているかどうかを確認します。

    • 使用していない場合は、手順 5へ進んでください。. 手順 15 で必要なホスト名情報を設定します。

    • 使用している場合、クライアントがクラスタサービスにアクセスするために使用する任意のネームサービスに、次の情報を追加します。

      • すべての公開ホスト名と論理アドレスのアドレスと名前の対応付け

      • JumpStart サーバーの IP アドレスとホスト名

    計画のガイドラインについては、IP アドレス を参照してください。 Solaris ネームサービスの使用については、Solaris システム管理者用のマニュアルを参照してください。

  5. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。

    • インストールしない場合は、手順 6 に進みます。

    • インストールする場合は、アクティブなクラスタノードから scsetup(1M) を実行します。 scsetup ユーティリティーを使用して、新しいノードの名前を許可クラスタノードのリストに追加します。 手順については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の「クラスタノードの追加と削除」の「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  6. JumpStart インストールサーバーを Solaris オペレーティング環境インストール用に設定します。

    • SPARC: スーパーユーザーとして JumpStart インストールサーバーを設定します。

    • x86: Preboot Execution Environment (PXE) インストールのため、JumpStart Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP) サーバーと Solaris ネットワークを設定および構成します。

      Sun Fire V60x and Sun Fire V65x Server Solaris Operating Environment Installation Guide には、PXE インストールのための DHCP サーバーと Solaris ネットワークの設定方法が記載されています。


      x86 のみ –

      ネットワーク経由で JumpStart 付きの Sun Cluster ソフトウェアをインストールするには、DHCP サーバーと PXE が必要です。


    JumpStart インストールサーバーの設定方法については、「“Preparing Custom JumpStart Installations (Tasks)” in Solaris 9 Installation Guide」を参照してください。 setup_install_server(1M) および add_install_client(1M) のマニュアルページも参照してください。

    インストールサーバーを設定するときには、次の条件に適合していることを確認します。

    • インストールサーバーはクラスタノードと同じサブネット上にあるが、それ自体はクラスタノードではないこと

    • インストールサーバーによって、Sun Cluster ソフトウェアがサポートする Solaris オペレーティング環境のリリースがインストールされていること

    • Sun Cluster ソフトウェアの JumpStart インストール用のカスタム JumpStart ディレクトリが存在すること。 この jumpstart-dir ディレクトリには、check(1M) ユーティリティーのコピーが含まれている必要があります。 ディレクトリは、JumpStart インストールサーバーが読み取れるように NFS でエクスポートされている必要があります。

    • 各新規クラスタノードが、Sun Cluster のインストール用のカスタム JumpStart ディレクトリ設定を使用する、カスタム JumpStart インストールクライアントとして構成されていること

  7. JumpStart インストールサーバーに、Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM のコピーを格納するディレクトリを作成します。

    ディレクトリがすでに存在している場合は、次の手順に進みます。

    次の例では、このために /export/suncluster ディレクトリを作成します。


    # mkdir -m 755 /export/suncluster
    

  8. Sun Cluster CD-ROM を JumpStart インストールサーバーにコピーします。

    1. JumpStart インストールサーバーの CD-ROM ドライブに Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM を挿入します。

      ボリューム管理デーモンの vold(1M) が実行中で、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合、デーモンによって自動的に CD-ROM が /cdrom/cdrom0 ディレクトリにマウントされます。

    2. /cdrom/cdrom0 ディレクトリから Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Tools ディレクトリに移動します。ここで archsparc または x86ver8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) です。

      以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの SPARC Solaris 8 バージョンのパスを示しています。


      # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_sparc/Product/sun_cluster/Solaris_8/Tools
      

    3. CD-ROM を JumpStart インストールサーバー上の新しいディレクトリにコピーします。

      scinstall コマンドは、CD-ROM のファイルをコピーするときに、新しいインストールディレクトリを作成します。 次の例では、インストール ディレクトリ名 /export/suncluster/sc31 を使用します。


      ./scinstall -a /export/suncluster/sc31
      

    4. CD-ROM を CD-ROM ドライブから取り出します。

      1. CD-ROM が使用中にならないように、CD-ROM に含まれていないディレクトリに移動します。

      2. CD-ROM を取り出します。


        # eject cdrom
        
    5. JumpStart インストールサーバーが読み取れるように、JumpStart インストールサーバー上にある Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM イメージが NFS でエクスポートされていることを確認します。

      自動ファイル共有の詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』の「Solaris NFS 環境」を参照するか、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「ネットワークファイルシステムの管理 (概要)」を参照してください。 share(1M) および dfstab(4) のマニュアルページも参照してください。

  9. JumpStart インストールサーバーから scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。

    ここでは、作成したインストールディレクトリの例として、パス /export/suncluster/sc31 を使用します。 CD-ROM パスでは、archsparc または x86 に、ver8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。


    # cd /export/suncluster/sc31/Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Tools
    # ./scinstall
    

  10. 対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。 したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。

    • 前のセッションのデフォルトの解凍が、質問の最後に角かっこ ([ ]) で囲まれて表示されます。 入力せずに角かっこ内の回答を入力するには、Return キーを押します。

  11. 「メインメニュー」 から 「このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成」 を選択します。

    このオプションを使用して、カスタム JumpStart 完了スクリプトを構成します。 JumpStart は、これらの完了スクリプトを使用して、 Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。


     *** メインメニュー ***
     
        次の (*) オプションのうちから 1 つを選択してください:
     
          * 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール
            2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成
            3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加
          * 4) このクラスタノードのリリース情報を出力
     
          * ?) メニューオプションのヘルプ
          * q) 終了
     
        オプション:  2
    


    注 –

    JumpStart オプションのフォントにアスタリスクが含まれていない場合は、オプションは無効です。 これは、JumpStart の設定が完了していないか、セットアップでエラーが発生したことを意味します。 この状態を修正するには、次の操作を行います。

    1. scinstall ユーティリティーを終了します。

    2. 手順 6から手順 8を繰り返し、JumpStart の設定を修正します。

    3. scinstall ユーティリティーを再起動します。


  12. メニュープロンプトに従って、手順 3 での決定によって、表 2–7 に回答を入力します。

  13. 必要に応じて、scinstall によって作成されたデフォルトの class ファイル (プロファイル) を調整します。

    scinstall コマンドによって、デフォルトの class ファイルである autoscinstall.class が、jumpstart-dir/autoscinstall.d/3.1 ディレクトリに作成されます。


    install_type    initial_install
    system_type     standalone
    partitioning    explicit
    filesys         rootdisk.s0 free /
    filesys         rootdisk.s1 750  swap
    filesys         rootdisk.s3 512  /globaldevices
    filesys         rootdisk.s7 20
    cluster         SUNWCuser        add
    package         SUNWman          add

    デフォルトの class ファイルは、End User Solaris Software Group (SUNWCuser) をインストールします。 構成に他の Solaris ソフトウェア条件がある場合、class ファイルを適宜変更します。 詳細については、Solaris ソフトウェアグループについて を参照してください。

    End User Solaris ソフトウェアグループをインストール済みの場合、デフォルトの class ファイルに使用する可能性がある追加の Solaris ソフトウェアパッケージをすべて追加します。 一部の Sun Cluster 機能のサポートに必要な Solarisパッケージを次の表に示します。

    表 2–8 Solaris ソフトウェアパッケージの依存関係

    機能 

    必要な Solaris ソフトウェアパッケージ(インストール順)  

    RSMAPISCI-PCI アダプタ (SPARC ベースのクラスタのみ) 

    SUNWrsm SUNWrsmx SUNWrsmo SUNWrsmox

    SunPlex Manager 

    SUNWapchr SUNWapchu

    デフォルトの class ファイルは、次のいずれかの方法で変更できます。

    • autoscinstall.class ファイルを直接編集します。 変更内容は、このカスタム JumpStart ディレクトリを使用するすべてのクラスタのすべてのノードに適用されます。

    • 他のプロファイルを指す rules ファイルを更新後、check ユーティリティーを実行して、rules ファイルの妥当性検査を行います。

    Solaris オペレーティング環境のインストールプロファイルが、Sun Cluster ファイルシステムの最小の割り当て要件を満たしているかぎり、インストールプロファイルに対するその他の変更に制限はありません。 Sun Cluster ソフトウェアをサポートするためのパーティション分割のガイドラインについては、システムディスクパーティション を参照してください。

    JumpStart プロファイルの詳細については、『Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照するか、『Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。

  14. Solaris パッチディレクトリを設定します。


    注 –

    パッチディレクトリを scinstall ユーティリティーに指定すると、Solaris パッチディレクトリのパッチはインストールされません。


    1. jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches ディレクトリを JumpStart インストールサーバー上に作成します。

      上記のディレクトリは node がクラスタノードの名前であるクラスタノードごとに1 つずつ作成します。 または、次の命名規則を使用して、共有パッチディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。


      # mkdir jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches
      

    2. これらの各ディレクトリに Solaris パッチのコピーを格納します。

    3. Solaris ソフトウェアをインストールした後にインストールする必要があるすべてのハードウェア関連パッチのコピーもこれらのディレクトリに格納します。

  15. 各ノード上で必要なホスト名情報を含むようにファイルを設定します。

    1. JumpStart インストールサーバーに、jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/archive/etc/inet/hosts という名前のファイルを作成します。

      上記のファイルは node がクラスタノードの名前であるノードごとに1 つずつ作成します。 または、次の命名規則を使用して、共有 hosts ファイルへのシンボリックリンクを作成します。

    2. 各ファイルに以下のエントリを追加します。

      • Sun Cluster CD-ROM のイメージがコピーされている NFS サーバーの IP アドレスとホスト名。 NFS サーバーが JumpStart インストールサーバーになりますが、別のマシンがインストールサーバーになる場合もあります。

      • クラスタ内にある各ノードの IP アドレスとホスト名。

  16. インターコネクト用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用せずに、インストール後に実行する独自の完了スクリプトを追加する場合は、手順 17 に進みます。 それ以外の場合、手順 18 に進みます。

    • 使用する場合、手順 17 の指示に従って、インストール後に実行する完了スクリプトを設定して、次の追加パッケージをインストールします。 次の表の順番どおりに、Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM の Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Packages ディレクトリから適切なパッケージをインストールします。


      注 –

      CD-ROM パスでは、archsparc または x86 に、ver8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。


      機能 

      インストールする追加の Sun Cluster 3.1 4/04 パッケージ  

      RSMAPI 

      SUNWscrif

      SCI-PCI アダプタ 

      SUNWsci SUNWscid SUNWscidx

  17. (省略可能) インストール後に実行する独自の完了スクリプトを追加します。


    注 –

    インターコネクトトランスポート用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用する場合は、Sun Cluster SUNWscrif ソフトウェアパッケージをインストールするために、完了スクリプトを変更する必要があります。 このパッケージは、scinstall では自動的にインストールされません。


    scinstall コマンドでインストールされた標準の完了スクリプトの後に実行するような独自の完了スクリプトも追加できます JumpStart 完了スクリプトを作成する方法については、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照するか、『Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。

    1. 完了スクリプトに finish と名前を付けます。

    2. jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node ディレクトリに完了スクリプトをコピーします。

      クラスタ内のノードごとにディレクトリを作成します。 あるいは、この命名規則を使用して共有 hosts ファイルへのシンボリックリンクを作成 することもできます。

  18. クラスタ管理コンソールを使用している場合、クラスタ内にある各ノードのコン ソール画面を表示します。

    • クラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアが管理コンソールにインストールされ、構成されている場合は、cconsole(1M) ユーティリティーを使用して、コンソール画面を個別に表示できます。 また、cconsole ユーティリティーを使用してマスターウィンドウを開くことができます。ここでの入力を、個々のすべてのコンソールウィンドウに同時に送信できます。 cconsole を起動するには、次のコマンドを入力します。


      # /opt/SUNWcluster/bin/cconsole clustername &
      

    • cconsole ユーティリティーを使用しない場合は、各ノードのコンソールに個別に接続します。

  19. 各ノードを停止します。


    # shutdown -g0 -y -i0
    
  20. 各ノードを起動し、JumpStart のインストールを開始します。

    • SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。


      ok boot net - install
      


      注 –

      上記の 2 番目のコマンド内のダッシュ記号 (-) の両側は、空白文字で囲む必要があります。


    • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。

      1. BIOS 情報画面が表示されてから Esc キーを押します。

        「Select Boot Device」画面が表示されます。

      2. 「Select Boot Device」画面で、JumpStart DHCP インストールサーバーと同じネットワークに接続されている IBA をリストから選択します。

        IBA ブート選択肢の右の一番下の数字は、一番下の Ethernet ポート番号に対応しています。 IBA ブート選択肢の右の一番上の数字は、一番上の Ethernet ポート番号に対応しています。

        ノードが再起動され、Device Configuration Assistant が表示されます。

      3. 「Boot Solaris」画面で Net を選択します。

      4. 次のプロンプトで Custom JumpStart を選択し、Enter キーを押します。


        Select the type of installation you want to perform:
        
                 1 Solaris Interactive
                 2 Custom JumpStart
        
        Enter the number of your choice followed by the <ENTER> key.
        
        If you enter anything else, or if you wait for 30 seconds,
        an interactive installation will be started.

      5. プロンプトが表示されますので、質問に答えて画面の指示に従います。

    JumpStart が Solaris ソフトウェアと Sun Cluster ソフトウェアを各ノードにインストールします。


    注 –

    ユーザー独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしていない限り、scinstallコマンドは自動的にデフォルトの ntp.conf ファイルをインストールします。 デフォルトファイルでは、最大ノード数を想定しています。 したがって、xntpd(1M) デーモンは起動時にこれらのノードに関してエラーメッセージを発行することがあります。 これらのメッセージは無視しても問題ありません。 通常のクラスタ条件下で、これらのメッセージを表示しないようにする方法については、ネットワークタイムプロトコル (NTP) を構成する を参照してください。


    インストールが正常に完了すると、各ノードは新しいクラスタノードとして完全にインストールされます。 Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。

    scinstall の処理が終了した後で、プライベートネットワークアドレスとネットマスクを変更することはできません。 別のプライベートネットワークアドレスやネットマスクを使用する必要があり、 ノードがインストールモードのままの場合は、Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールによるインストール問題を解決する の手順に従います。 次にこの手順を繰り返して、正しい情報でノードのインストールと構成を行います。

  21. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。

    • インストールしない場合は、手順 22 に進みます。

    • インストールする場合、新しいノード上で、既存のすべてのクラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。

    1. クラスタ内にある別のアクティブなノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。


      % mount | grep global | egrep -v node@ | awk '{print $1}'
      

    2. クラスタに追加したノード上で、クラスタ内にある各クラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。


      % mkdir -p mountpoint
      

      たとえば、マウントコマンドが戻したファイルシステム名が /global/dg-schost-1 である場合、クラスタに追加するノード上で mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。


      注 –

      これらのマウントポイントは、手順 24 においてクラスタを再起動するとアクティブになります。


    3. VERITAS Volume Manager (VxVM) が、クラスタ内にあるノードにすでにインストールされているかどうかを確認します。

      • インストールしない場合は、手順 22 に進みます。

      • インストールされている場合は、VxVM がインストールされている各ノード上で同じ vxio 番号が使用されていることを確認します。 また、VxVM がインストールされていない各ノード上で vxio 番号が使用できることを確認してください。


        # grep vxio /etc/name_to_major
        vxio NNN
        

        VxVM がインストールされていないノード上ですでに vxio 番号が使用されている場合、そのノードで該当番号を解放します。 また、/etc/name_to_major エントリは、別の番号に変更してください。

  22. (省略可能) Sun Enterprise 10000 サーバーで動的再構成を使用する場合、次のエントリを /etc/system ファイルに追加します。 このエントリをクラスタ内の各ノードに追加します。


    set kernel_cage_enable=1

    このエントリは、次のシステム再起動後に有効になります。 Sun Cluster 構成で、動的再構成の作業を実行するための手順については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。 動的再構成の詳細については、サーバーのマニュアルを参照してください。

  23. x86: デフォルトのブートファイルを kadb に設定します。


    # eeprom boot-file=kadb
    

    この値を設定すると、ログインプロンプトにアクセスできないときにノードを再起動できます。

  24. 既存のクラスタに対する新しいノードの追加、またはクラスタ全体の再起動を必要とする Sun Cluster ソフトウェアパッチのインストール (あるいはこの両方) を行ったかどうかを確認します。

    • これらの作業を行なっていない場合は、インストールしたパッチがノードの再起動を必要とする場合にだけ個々のノードを再起動してください。 その他の変更操作で、変更箇所を有効にするために再起動が必要な場合は、再起動を行い、手順 25に進みます。

    • 行なった場合、次の手順に指示されているとおりにクラスタの再構成用の再起動を実行します。

    1. ノードのどれか 1 つでクラスタを停止します。


      # scshutdown
      


      注 –

      クラスタがシャットダウンするまで、最初にインストールしたクラスタノードを再起動しないでください。


    2. クラスタ内にある各ノードを再起動します。

      • SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。


        ok boot
        

      • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。


                             <<< Current Boot Parameters >>>
        Boot path: /pci@0,0/pci-ide@7,1/ata@1/cmdk@0,0:b
        Boot args:
        
        Type   b [file-name] [boot-flags] <ENTER>  to boot with options
        or     i <ENTER>                           to enter boot interpreter
        or     <ENTER>                             to boot with defaults
        
                         <<< timeout in 5 seconds >>>
        Select (b)oot or (i)nterpreter: b
        


    注 –

    クラスタのインストールモードが無効になるまでは、最初にインストールした (つまり、クラスタを構築した) ノードだけが定足数投票権を持ちます。 インストールモードが無効になっていない (つまり、構築された) クラスタでは、クラスタをシャットダウンせずに最初にインストールしたノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を獲得できません。 クラスタ全体が停止します。 クラスタノードは インストール後の設定を行い、定足数デバイスを構成する の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまで、インストールモードのままです。


    scinstall ユーティリティーは、引き続きすべてのクラスタノードのインストールと構成を行い、クラスタを再起動します。 クラスタ内ですべてのノードが正常に起動されると、クラスタが確立されます。 Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。

  25. SPARC: VERITAS File System をインストールする予定かどうかを確認します。

Sun Cluster ソフトウェアを単一ノードクラスタにインストールする

scinstall コマンドを使用して、単一ノード上に Sun Cluster ソフトウェアをインストールして、クラスタを確立するには、次の手順を実行します。 詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。


注 –

単一ノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする場合、SunPlex Manager または scinstall ユーティリティーの対話形式は使用できません。


scinstall -iFo コマンドは、インストール時に以下の操作をデフォルトで実行します。

複数ノードクラスタのインストールに必要な手順のいくつかは、単一ノードクラスタのインストールでは不要です。 単一ノードクラスタをインストールする場合、次の手順は実行する必要がありません。


ヒント –

将来、2 番目のノードをクラスタに追加する可能性がある場合は、クラスタの初期インストール時にトランスポート接続点を構成します。 トランスポート接続点は、後で使用することができます。 詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。

単一ノードクラスタは、複数ノードのクラスタに拡張できます。追加のクラスタノードとして Sun Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall) で説明されている手順に従ってください。


  1. Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。 Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、Solaris ソフトウェアをインストールする を参照してください。

  2. インストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  3. インストールし構成するノードの CD-ROM ドライブに Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM を挿入します。

    ボリューム管理デーモンの vold(1M) が実行中で、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合、デーモンによって自動的に CD-ROM が /cdrom/cdrom0 ディレクトリにマウントされます。

  4. /cdrom/cdrom0 ディレクトリから Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Tools ディレクトリに移動します。ここで archsparc または x86ver8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) です。

    以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。


    # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_sparc/Product/sun_cluster/Solaris_8/Tools
    

  5. scinstall コマンドを使用して、Sun Cluster ソフトウェアと必要なパッチをインストールします。


    ./scinstall -iFo [-M patchdir=dirname]
    -i

    scinstall コマンドのインストール形式を指定します。 scinstall コマンドは、Sun Cluster ソフトウェアをインストールし、そのノードを新規クラスタとして初期化します。

    -F

    新規クラスタの最初のノードとしてノードを確立します。 単一ノードクラスタをインストールする場合、すべての -F オプションを使用できます。

    -o

    単一ノードクラスタ用に、1 つのノードのみがインストールされることを指定します。 -o オプションは、コマンドで -i-F の両オプションと共に使用された場合にのみ有効です。 -o オプションが使用される場合、クラスタのインストールモードは、無効状態に事前設定されます。

    -M patchdir=dirname[[,patchlistfile=filename]]

    scinstall コマンドで指定のパッチをインストールするために、パッチ情報へのパスを指定します。 パッチリストファイルを指定しない場合、scinstall コマンドは、dirname ディレクトリ内のすべてのパッチをインストールします。 tar、jar、zip形式のパッチもインストール対象になります。

    -M オプションは、scinstall -iFo コマンドでは必要ありません。 ここでは、単一ノードクラスタのインストール中にパッチをインストールする際に、-M オプションが最も効率的な方法であるため示しています。 ただし、パッチのインストールには、任意の方法を使用できます。

  6. ノードを再起動します。

    Sun Cluster ソフトウェアのインストール後に再起動することで、ノードがクラスタとして確立されます。

  7. (省略可能) クラスタ名を変更します。

    単一ノードクラスタが、クラスタノードと同じ名前で作成されます。 クラスタ名は、必要に応じて変更できます。 scsetup ユーティリティーまたは次の scconfコマンドのいずれかを使用します。


    # /usr/cluster/bin/scconf -c -C cluster=newclustername
    

  8. scstat コマンドを使用して、インストールを検証します。


    # /usr/cluster/bin/scstat -n
    

    詳細についてはscstat(1M) のマニュアルページを参照してください。

  9. クラスタインストールモードが無効になっていることを確認します。


    # /usr/cluster/bin/scconf -pv | grep "インストールモード"
    
  10. SPARC: VERITAS File System をインストールする予定かどうかを確認します。

例— 単一ノードクラスタに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする

次の例では、scinstall および scstat コマンドを使用して、単一ノードクラスタをインストールし、検証します。 ここでは、すべてのパッチのインストール例も示します。 詳細については、scinstall(1M) および scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。


# scinstall -iFo -M patchdir=/var/cluster/patches

広域デバイスファイルシステムとして使用できるかどうかをチェックしています... 完了しました。
** SunCluster 3.1 framework をインストールしています**
...
パッチをインストールしています... 完了しました。

クラスタ名を「phys-schost-1」に初期化しています... 完了しました。
認証オプションを初期化しています... 完了しました。

「phys-schost-1」のノードID を設定しています完了しました。(id=1)

広域ファイルシステムの広域デバイスをチェックしています... 完了しました。
vfstab を更新しています... 完了しました。

「cluster」がnsswitch.conf の「hosts」用に設定されていることを確認しています... 完了しました。
「cluster」スイッチをnsswitch.conf の「hosts」に追加しています... 完了しました。

「cluster」がnsswitch.conf の「netmasks」用に設定されていることを確認しています... 完了しました。
「cluster」スイッチをnsswitch.conf の「netmasks」に追加しています... 完了しました。

電源管理が構成されていないことを確認しています... 完了しました。

EEPROM パラメータ「local-mac-address?」が「true」に設定されていることを
確認しています... 完了しました。

ネットワークルーティングが無効であることを確認しています... 完了しました。

このマシンをリブートしてください。

# reboot
# scstat -n
-- クラスタノード --

                     ノード名           状態
                     --------           ------
  クラスタノード:     phys-schost-1      Online
# scconf -pv | grep "インストールモード"
クラスタインストールモード:               disabled

追加のクラスタノードとして Sun Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)

この手順を実行して、新しいノードを既存のクラスタに追加します。

  1. ハードウェアを新しいクラスタノードにインストールします。

    1. ホストアダプタの新しいノードへの取り付けと、既存のクラスタインターコネクトが新しいノードをサポートできることを確認します。

      Sun Cluster Hardware Administration Manual for Solaris OS』を参照してください。

    2. 追加記憶装置をインストールします。

      Sun Cluster 3.x Hardware Administration Collection から必要なマニュアルを参照します。

  2. Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。 Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、Solaris ソフトウェアをインストールする を参照してください。

  3. Sun Cluster ソフトウェアパッケージがノードにインストールされていることを確認します。

    Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールする を参照してください。

  4. 次の構成ワークシートの 1 つに必要事項を記入します。

    表 2–9 追加ノード構成のワークシート

    コンポーネント 

    説明/例 

    回答記入欄  

    ソフトウェアパッチのインストール 

    scinstall を使用してパッチをインストールするかどうか

    Yes  |  No  

    インストールする場合、パッチディレクトリを指定  

     

    パッチリストを使用するかどうか 

    Yes  |  No  

    スポンサーノード 

    スポンサーノードの名前  

    クラスタ内のアクティブなノードをどれか選択

     

    クラスタ名 

    ノードを追加するクラスタの名前  

     

    チェック 

    sccheck 妥当性検査ユーティリティーを実行するかどうか

    Yes  |  No  

    クラスタトランスポートの自動検出 

    クラスタトランスポートの構成に自動検出機能を使用するかどうか 

    使用しない場合は、次の追加情報を指定します。 

    Yes  |  No  

    ポイントツーポイントケーブル 

    クラスタに追加するノードによって、クラスタが 2 ノードクラスタになるかどうか 

    Yes  |  No  

    このクラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを決定します。 

    Yes  |  No  

    クラスタトランスポート接続点 

    使用する場合は、2 つのトランスポート接続点の名前を指定する 

      デフォルト値 switch1 および switch2


    1

    2

    クラスタトランスポートアダプタおよびケーブル 

    2 つのトランスポートアダプタの名前  

      

    各トランスポートアダプタの接続場所 (トランスポート接続点または別のアダプタ)

      接続点のデフォルト: switch1 および switch2


      

    トランスポート接続点でデフォルトのポート名を使用するかどうか 

    Yes | No 

    Yes | No  

    使用しない場合は、使用するポートの名前  

      

    広域デバイスのファイルシステム 

    広域デバイスのファイルシステムの名前 

      初期値: /globaldevices


     

    自動再起動 

    scinstall によってインストール後ノードを自動的に再起動するかどうか

    Yes  |  No 

    計画のガイドラインについては、Solaris オペレーティング環境についての計画 Sun Cluster 環境の計画 を参照してください。

  5. このノードを単一ノードクラスタに追加するのかどうか

    • 単一ノードクラスタに追加する場合は、手順 6 に進みます。

    • 単一ノードクラスタには追加しない場合は、手順 8 に進みます。

  6. 既存のクラスタノードから 2 つのクラスタインターコネクトがすでに存在しているかどうかを判断します。

    少なくとも 2 つのケーブルまたは 2 つのアダプタを構成しなければなりません。


    # scconf -p | grep cable
    # scconf -p | grep adapter
    
    • 出力が 2 つのケーブルまたは 2 つのアダプタの構成情報を表示している場合は、手順 8 に進みます。

    • ケーブルまたはアダプタの構成情報が表示されていない場合、または 1 つのケーブルまたはアダプタの構成情報しか表示されていない場合は、手順 7 に進みます。

  7. 新しいクラスタインターコネクトを構成します。

    1. 既存のクラスタノードで scsetup(1M) ユーティリティーを開始します。


      # scsetup
      
      「メインメニュー」が表示されます。

    2. 「クラスタインターコネクト」 を選択します。

    3. 「トランスポートケーブルを追加」 を選択します。

      指示通りにクラスタに追加するノードの名前、トランスポートアダプタの名前、およびトランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。

    4. 必要な場合は、手順 c を繰り返して、2 番目のクラスタインターコネクトを構成します。

      完了後 scsetup ユーティリティーを終了します。

    5. クラスタに 2 つのクラスタインターコネクトが設定されていることを確認します。


      # env LC_ALL=C scconf -p | grep cable
      # env LC_ALL=C scconf -p | grep adapter
      

      コマンド出力は、少なくとも 2 つのクラスタインターコネクトの構成情報を表示する必要があります。

  8. 新しいノードをクラスタの承認済みノードリストに追加します。

    1. アクティブなクラスタメンバーで、scsetup(1M) ユーティリティーを開始します。


      # scsetup
      

      メインメニューが表示されます。

    2. 新規ノード」を選択します。

    3. 「自分自身を追加する可能性があるマシンの名前を指定します」を選択します。

    4. プロンプトに従って、ノードの名前を認識されているマシンのリストに追加します。

    5. 作業が正常に完了したことを確認します。

      scsetup ユーティリティーは、作業がエラーなしで完了された場合、「コマンドが正常に完了しました」というメッセージを出力します。

    6. scsetup ユーティリティを終了します。

  9. 構成するクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  10. scinstall ユーティリティを起動します。


    # /usr/cluster/bin/scinstall
    

  11. 対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。 したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。

    • 前のセッションのデフォルトの解凍が、質問の最後に角かっこ ([ ]) で囲まれて表示されます。 入力せずに角かっこ内の回答を入力するには、Return キーを押します。

  12. 「メインメニュー」 から 「クラスタまたはクラスタノードをインストール」 を選択します。


     *** メインメニュー ***
    
        次の (*) オプションのうちから 1 つを選択してください:
    
          * 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール
            2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成
            3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加
          * 4) このクラスタノードのリリース情報を出力
    
          * ?) メニューオプションのヘルプ
          * q) 終了
    
        オプション:  1
    

  13. 「インストールメニュー」 から 「このマシンを既存のクラスタ内にノードとして追加」 を選択します。

  14. メニュープロンプトに従って、手順 4 での決定によって、表 2–9 に回答を入力します。

    scinstall ユーティリティーがノードを構成し、クラスタのノードを起動します。

  15. 他のノードでもこの手順を繰り返して、すべての追加ノードの構成が完了するまでクラスタに追加します。

  16. アクティブなクラスタメンバーから、ノードがクラスタに接続するのを防止します。


    # /usr/cluster/bin/scconf -a -T node=.
    
    -a

    ノードを追加します。

    -T

    認証オプションを指定します。

    node=.

    認証リストに追加するドット (.) のノード名を指定して、これ以外のノードがクラスタに追加されるのを防止します。

    あるいは、scsetup(1M) ユーティリティも使用できます。 手順については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  17. SPARC: VERITAS File System をインストールする予定かどうかを確認します。

例 – Sun Cluster ソフトウェアを追加ノードで構成する

ここでは、実行した scinstall コマンドと、scinstallphys-schost-3 ノード上で完了した構成作業において、ユーティリティーが記録したメッセージを示します。 スポンサーノードは、phys-schost-1 です。


 >>> 確認 <<<
  
    次のオプションをscinstall に指示しています。:
  
      scinstall -ik \
           -C sc-cluster \
           -N phys-schost-1 \
           -A trtype=dlpi,name=hme1 -A trtype=dlpi,name=hme3 \
           -m endpoint=:hme1,endpoint=switch1 \
           -m endpoint=:hme3,endpoint=switch2
  
    これらのオプションを使用しますか(yes/no) [yes]?
  
    インストールを継続しますか(yes/no) [yes]?
  
広域デバイスファイルシステムとして使用できるかどうかをチェックしています... done
  
ノード「phys-schost-3」をクラスタ構成に追加しています... done
アダプタ「hme1」をクラスタ構成に追加しています... done
アダプタ「hme3」をクラスタ構成に追加しています... done
ケーブルをクラスタ構成に追加しています... done
ケーブルをクラスタ構成に追加しています... done
  
「phys-schost-1」から構成をコピーしています... done
「phys-schost-3」のノードID を設定しています... done (id=3)
 
「did」ドライバのメジャー番号を「phys-schost-1」で確認しています... done
  
広域ファイルシステムの広域デバイスをチェックしています.. done
vfstab を更新しています... done
  
NTP が構成されているかどうかを確認しています... done
デフォルトのNTP 構成をインストールしています... done
scinstall が終了した後、NTP 構成を完了してください。
  
「cluster」がnsswitch.conf の「hosts」用に設定されていることを確認しています... 完了しました。
「cluster」スイッチをnsswitch.conf の「hosts」に追加しています... 完了しました。
  
「cluster」がnsswitch.conf の「netmasks」用に設定されていることを確認しています... 完了しました。
「cluster」スイッチをnsswitch.conf の「netmasks」に追加しています... 完了しました。
  
電源管理が構成されていないことを確認しています... 完了しました。
電源管理の構成を解除しています... 完了しました。
/etc/power.conf の名前は/etc/power.conf.093003193804 に変更されました
電源管理はクラスタのHA でサポートされません。
電源管理を構成し直さないでください。
  
EEPROM パラメータ「local-mac-address?」が「true」に設定されていることを確認しています... 完了しました。
ネットワークルーティングが無効であることを確認しています... 完了しました。
このノードでは、/etc/notrouter を作成することによって、ネットワークルーティングが無効になっています。
Sun Cluster は、クラスタノードをルーターとして動作させることをサポートしていません。
ネットワークルーティングを有効にし直さないでください。
  
ログファイル- /var/cluster/logs/install/scinstall.log.19707
  
  
リブートしています...

SPARC: VERITAS File System ソフトウェアをインストールする

この作業はクラスタの各ノード上で行ってください。

  1. VxFS のインストールマニュアルに従って、VxFS ソフトウェアをクラスタの各ノード上にインストールします。

  2. VxFS のサポートに必要なすべての Sun Cluster パッチをインストールします。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

  3. 各ノード上の /etc/system ファイルで、rpcmod:svc_default_stksize 変数の値を 0x8000 に設定し、lwp_default_stksize 変数の値を 0x6000 に設定します。


    set rpcmod:svc_default_stksize=0x8000
    set lwp_default_stksize=0x6000

    Sun Cluster ソフトウェアには、少なくとも 0x8000 に設定された rpcmod:svc_default_stksize が必要です。 VxFS をインストールすると、rpcmod:svc_default_stksize 変数の値が 0x4000 に設定されるため、VxFS のインストールが終わった後、値を手動で 0x8000 に設定する必要があります。

    /etc/system ファイルの lwp_default_stksize 変数を設定して、VxFS デフォルト値の 0x4000 を無効にします。

  4. ネームサービス検索順を設定します。

    ネームサービススイッチを構成する に進みます。

ネームサービススイッチを構成する

クラスタ内の各ノードで次の作業を行います。

  1. クラスタノードのスーパーユーザーになります。

  2. /etc/nsswitch.conf ファイルを編集します。

    1. cluster が、データベースエントリの hosts および netmasks の最初の参照先になっていることを確認します。

      この順序は、Sun Cluster ソフトウェアを正しく動作させるために重要です。 scinstall(1M) コマンドによって、インストール中に cluster がこれらのエントリに追加されます。

    2. (省略可能) ネームサービスが利用不能になった場合にデータサービスの可用性を向上させるには、以下のエントリの参照順序を変更してください。

      • データーベースエントリ hosts および netmasks では、cluster の後に files を配置します。

      • Sun Cluster HA for NFS については、cluster files の後でネームサービスの前に[SUCCESS=return] を挿入します。


        hosts:      cluster files [SUCCESS=return] nis

        この参照順序では、ノードがローカルに名前を解決できる場合、そのノードはリストされているネームサービスに問い合わせません。 代わりに、名前解決の成功を直ちに返します。

      • その他のすべてのデータベースについては、files を参照順序の最初に配置します。

      • 参照順序を変更した結果、[NOTFOUND=return] 条件がエントリの最後の項目になる場合、この条件は不要となります。 エントリから [NOTFOUND=return] 条件を削除することも、あるいはそのまま残すこともできます。 エントリの最後にある [NOTFOUND=return] 条件は無視されます。

    3. 特定のデータサービスで必要なその他の変更を行います。

      インストールしたデータサービスの各マニュアルを参照してください。

    次に、/etc/nsswitch.conf ファイルの内容の一部を例として示します。 データベースエントリ hosts および netmasks の参照順序は、clusterfiles の順です。 その他のエントリの参照順序は、files から始まります。 [NOTFOUND=return] 条件は、このエントリからは削除しています。


    # vi /etc/nsswitch.conf
    …
    passwd:     files nis
    group:      files nis
    …
    hosts:      cluster files nis
    …
    netmasks:   cluster files nis
    …

    nsswitch.conf エントリの詳細については、nsswitch.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

  3. root ユーザーの環境を設定します。

    root 環境を設定する へ進んでください。

root 環境を設定する

クラスタ内の各ノード上で次の手順を実行します。


注 –

Sun Cluster 構成では、各種シェルのユーザー初期化ファイルは、それらが対話式のシェルから実行されていることを確認する必要があります。 確認は、端末への出力を試みる前に行ってください。 この方法に従わないと、予期しない動作やデータサービス妨害が発生する可能性があります。 詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』(Solaris 8) の「ユーザーの作業環境のカスタマイズ」を参照するか、『Solaris のシステム管理 (基礎編)』(Solaris 9) の「ユーザーの作業環境のカスタマイズ」を参照してください。


  1. クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。

  2. .cshrc または .profile ファイルの PATH および MANPATH エントリを変更します。

    1. /usr/sbin および /usr/cluster/bin を含むように PATH を設定します。

      SPARC: VERITAS Volume Manager と VERITAS File System を使用している場合は、使用している構成に適用する次のパスも含めます。

      ソフトウェア製品 

      PATH

      VERITAS Volume Manager (VxVM) 

      /etc/vx/bin

      VxVM 3.2 GUI  

      /opt/VRTSvmsa/bin

      VxVM 3.5 GUI 

      /opt/VRTSob/bin

      VERITAS File System (VxFS) 

      /opt/VRTSvxfs/sbin/usr/lib/fs/vxfs/bin、および /etc/fs/vxfs

    2. MANPATH 環境変数に /usr/cluster/man を含めます。

      Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager、VERITAS Volume Manager または VERITAS File System を使用している場合は、使用している構成に適用する次のパスも含めます。

      ソフトウェア製品 

      MANPATH

      Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager 

      /usr/share/man

      SPARC: VxVM 

      /opt/VRTS/man

      SPARC: VxVM GUI 

      /opt/VRTSvmsa/man

      SPARC: VxFS 

      /opt/VRTS/man

  3. (省略可能) 管理を行いやすくするため、各ノードに同じ root パスワードを設定します。

  4. 残りの各クラスタノードで、手順 1 から 手順 3 までを繰り返します。

  5. データサービスソフトウェアパッケージをインストールします。

データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (installer)

データサービスを Sun Cluster 3.1 4/04 リリースからインストールする 場合は、installer プログラムを使用してパッケージをインストールできます。 以前のリリースからデータサービスをインストールする場合は、データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (scinstall) の手順に従ってください。

installer プログラムは、コマンド行インタフェース (CLI) またはグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用して実行できます。 CLI と GUI では、指示の内容と順序がほぼ同じです。 installer プログラムの詳細については、installer(1M) のマニュアルページを参照してください。

  1. クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。

  2. (省略可能) GUI で installer プログラムを使用する予定の場合は、DISPLAY 環境変数を設定する必要があります。

  3. Java Enterprise System Accessory CD 3 CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入します。

    ボリューム管理デーモンの vold(1M) が実行中で、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合、デーモンによって自動的に CD-ROM が /cdrom/cdrom0 ディレクトリにマウントされます。

  4. CD-ROM がマウントされているディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/cdrom0
    

  5. installer プログラムを開始します。


    # ./installer
    
  6. プロンプトが表示されたなら、インストールの種類を選択します。

    • CD-ROM 内のすべてのデータサービスをインストールする場合は、一般を選択します。

    • CD-ROM 内のデータサービスのサブセットのみをインストールする場合は、カスタムを選択します。

  7. プロンプトが表示されたなら、インストールするロケールを選択します。

    • C ロケールのみをインストールする場合は、一般を選択します。

    • ほかのロケールをインストールする場合は、カスタムを選択します。

  8. 画面上の指示に従ってデータサービスソフトウェアをノードにインストールします。

    インストールが完了した後、installer プログラムはインストールに関する要約を表示します。 この要約では、インストール中にプログラムによって生成された記録を参照できます。 これらの記録は、/var/sadm/install/logs ディレクトリにあります。

  9. installer プログラムを終了します。

  10. CD-ROM を CD-ROM ドライブから取り出します。

    1. CD-ROM が使用中にならないように、CD-ROM に含まれていないディレクトリに移動します。

    2. CD-ROM を取り出します。


      # eject cdrom
      
  11. 残りの各クラスタノードで、手順 1 から手順 10 までを繰り返します。

  12. Sun Cluster データサービスのパッチをインストールします。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

    パッチの特別な指示によって再起動が指定されていないかぎり、Sun Cluster データサービスのパッチをインストールした後で再起動する必要はありません。 パッチのインストール指示で再起動が要求された場合は、次の手順を実行します。

    1. scshutdown(1M) コマンドを使用してクラスタをシャットダウンします。

    2. クラスタ内にある各ノードを再起動します。


    注 –

    クラスタのインストールモードが無効になるまでは、最初にインストールした (つまり、クラスタを構築した) ノードだけが定足数投票権を持ちます。 インストールモードが無効になっていない (つまり、構築された) クラスタでは、クラスタをシャットダウンせずに最初にインストールしたノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を獲得できません。 クラスタ全体が停止します。 クラスタノードは インストール後の設定を行い、定足数デバイスを構成する の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまで、インストールモードのままです。


  13. 単一ノードクラスタかどうかを確認します。

データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (scinstall)

ここに示す手順を各クラスタノードで実行して、データサービスをインストールします。 データサービスを Sun Cluster 3.1 4/04 リリースからインストールする 場合は、installer プログラムを使用してパッケージをインストールことも可能です。 データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (installer) を参照してください。


注 –

SunPlex Manager を使用して Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache、あるいはこの両方をインストールする場合や、ほかのデータサービスをインストールする予定がない場合は、この手順を実行する必要はありません。 その代わりに、インストール後の設定を行い、定足数デバイスを構成するに進みます。


  1. クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。

  2. ノードの CD-ROM ドライブに Java Enterprise System Accessory CD 3 CD-ROM をロードします。

    ボリューム管理デーモンの vold(1M) が実行中で、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合、デーモンによって自動的に CD-ROM が /cdrom/cdrom0 ディレクトリにマウントされます。

  3. CD-ROM がマウントされているディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/cdrom0
    

  4. scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。


    # scinstall
    

  5. 対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。 したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。

    • 前のセッションのデフォルトの解凍が、質問の最後に角かっこ ([ ]) で囲まれて表示されます。 入力せずに角かっこ内の回答を入力するには、Return キーを押します。

  6. 「メインメニュー」 から 「新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加」を選択します。

  7. プロンプトに従って、インストールするデータサービスを選択します。

    同じセットのデータサービスパッケージを各ノードにインストールする必要があります。 この要件は、インストールされたデータサービス用のリソースをノードがホストしなくても適用されます。

  8. データサービスがインストールされたなら、scinstall ユーティリティーを終了します。

  9. Java Enterprise System Accessory CD 3 CD-ROM を CD-ROM ドライブから取り出します。

    1. CD-ROM が使用中にならないように、CD-ROM に含まれていないディレクトリに移動します。

    2. CD-ROM を取り出します。


      # eject cdrom
      
  10. データサービスをインストールする各クラスタノードで、手順 1 から手順 9 までを繰り返します。

  11. Sun Cluster データサービスのパッチをインストールします。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

    パッチの特別な指示によって再起動が指定されていないかぎり、Sun Cluster データサービスのパッチをインストールした後で再起動する必要はありません。 パッチのインストール指示で再起動が要求された場合は、次の手順を実行します。

    1. scshutdown(1M) コマンドを使用してクラスタをシャットダウンします。

    2. クラスタ内にある各ノードを再起動します。


    注 –

    クラスタのインストールモードが無効になるまでは、最初にインストールした (つまり、クラスタを構築した) ノードだけが定足数投票権を持ちます。 インストールモードが無効になっていない (つまり、構築された) クラスタでは、クラスタをシャットダウンせずに最初にインストールしたノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を獲得できません。 定足数を獲得できない場合、クラスタ全体がシャットダウンされます。

    Cluster ノードは、scsetup(1M) コマンドをインストール後の設定を行い、定足数デバイスを構成するの手順でインストールするまで、インストールモードのままとなります。


  12. 単一ノードクラスタかどうかを確認します。

インストール後の設定を行い、定足数デバイスを構成する

次の手順は、クラスタが完全に形成された後に一度だけ実行します。 この手順で定足数投票を割り当て、クラスタのインストールモードを解除します。


注 –

次の場合は定足数デバイスを構成する必要はありません。

代わりに、定足数構成とインストールモードを確認するへ進んでください。


  1. 任意のノードから、すべてのノードがクラスタに結合していることを確認します。

    クラスタノードを表示するために、scstat(1M) コマンドを実行します。 このコマンドを実行するために、スーパーユーザーとしてログインする必要はありません。


    % scstat -n
    

    出力は次のようになります。


    -- クラスターノード --
                                  ノード名       状態
                                  --------       ----
      クラスターノード:            phys-schost-1  Online
      クラスターノード:            phys-schost-2  Online

  2. 各ノードで、クラスタノードに対するデバイスの接続性を検証します。

    scdidadm(1M) コマンドを実行して、システムが検査するすべてのデバイスのリストを表示します。 このコマンドを実行するために、スーパーユーザーとしてログインする必要はありません。


    % scdidadm -L
    

    各ノードのリストは同じ内容になります。 出力は次のようになります。


    1       phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0 /dev/did/rdsk/d1
    2       phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2
    2       phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2
    3       phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t2d0 /dev/did/rdsk/d3
    3       phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t2d0 /dev/did/rdsk/d3
    …

  3. 既存のクラスタに新しいノードを追加するかどうかを決定します。

    • 追加しない場合は、手順 4に進みます。

    • 追加する場合は、クラスタの新しい構成に対応できるように定足数の構成を更新しなければならないことがあります。

      定足数については、『Sun Cluster の概要 (Solaris OS 版)』の「クォーラムデバイス」および『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。 定足数の構成を変更するには、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の「定足数の管理」に示されている手順に従ってください。 適切に定足数を設定したあとで、定足数構成とインストールモードを確認する へ進んでください。

  4. 定足数デバイスとして構成する各共有ディスクの広域デバイス ID 名を決定します。

    手順 2 で得られた scdidadm の出力で、定足数デバイスとして構成する各共有ディスクのデバイス ID 名を確認してください。 たとえば、手順 2 の出力は、広域デバイス d2 phys-schost-1phys-schost-2で共有されていることを示しています。 この情報は、手順 7で使用します。

    定足数デバイスについての選択の詳細は、定足数デバイス を参照してください。

  5. 任意のクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  6. scsetup(1M) ユーティリティーを起動します。


    # scsetup
    

    「初期クラスタ設定」画面が表示されます。


    注 –

    代わりに 「メインメニュー」 が表示された場合は、クラスタの初期設定はすでに正しく行われています。 手順 9に進みます。



    ヒント –

    定足数の設定処理が中断されたり、正常に終了しなかった場合は、scsetup を再度実行してください。


  7. 2 ノードクラスタの場合は、「定足数ディスクを追加しますか?」 というプロンプトで 「Yes」 を入力します。 1 つ以上の共有定足数デバイスを構成します。

    クラスタに 3 つ以上のノードが存在する場合は、定足数デバイスの構成は任意です。

  8. 「「Install mode」をリセットしますか?」 というプロンプトで 「Yes」 を入力します。

    scsetup ユーティリティーによって、クラスタの定足数構成と投票数が設定されたあと、「クラスタの初期化は完了しました。」というメッセージが表示されます。 ユーティリティーは、「メインメニュー」 に戻ります。

  9. scsetup ユーティリティーを終了します。

  10. 定足数構成とインストールモードが無効になっていることを確認します。

    定足数構成とインストールモードを確認するに進みます。

定足数構成とインストールモードを確認する

この手順で、定足数構成が正常に完了し、クラスタのインストールモードが無効になったことを確認します。

  1. 任意のノードから、デバイスとノードの定足数構成を確認します。


    % scstat -q
    

  2. 任意のノードから、クラスタインストールモードが無効になっていることを確認します。

    このコマンドを実行するために、スーパーユーザーである必要はありません。


    % scconf -p | grep "インストールモード"
    クラスタ インストールモード:                disabled

    クラスタのインストールはこれで完了です。 以上でボリューム管理ソフトウェアをインストールし、クラスタの構成を行う準備が整いました。

Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールによるインストール問題を解決する

インストールしたノードがクラスタに参加できなかったり、構成情報を修正する場合、次の手順を実行します。 たとえば、トランスポートアダプタやプライベートネットワークアドレスを再構成する場合に実行してください。


注 –

ノードがすでにクラスタに参加しており、インストールモード (定足数構成とインストールモードを確認する手順 2を参照) でない場合は、この手順を実行しないでください。 代わりに、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の「クラスタノードの追加と削除」の「クラスタソフトウェア構成からノードを削除する」手順に進みます。


  1. ノードを再インストールします。

    インストールに失敗したノードは、当該ノード上で Sun Cluster ソフトウェアのインストールをやり直すと修正できる場合があります。 ノードの再インストールを行なっても成功しなかった場合、手順 2 に進んで当該ノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールします。

  2. アンインストールを行なうノード以外のアクティブなクラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。

  3. アクティブなクラスタメンバーから、アンインストールするノードをクラスタの認証ノードリストに追加します。

    単一ノードクラスタのアンインストール時には、この手順は飛ばしてください。


    # /usr/cluster/bin/scconf -a -T node=nodename
    
    -a

    ノードを追加します。

    -T

    認証オプションを指定します。

    node=nodename

    認証リストに追加するノードの名前を指定します。

    あるいは、scsetup(1M) ユーティリティも使用できます。 手順については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  4. アンインストールを行なうノード上でスーパーユーザーになります。

  5. アンインストールするノードをシャットダウンします。


    # shutdown -g0 -y -i0
    
  6. ノードを再起動して、非クラスタモードになります。

    • SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。


       ok boot -x
      

    • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。


                          <<< Current Boot Parameters >>>
      Boot path: /pci@0,0/pci-ide@7,1/ata@1/cmdk@0,0:b
      Boot args:
      
      Type   b [file-name] [boot-flags] <ENTER>  to boot with options
      or     i <ENTER>                           to enter boot interpreter
      or     <ENTER>                             to boot with defaults
      
                       <<< timeout in 5 seconds >>>
      Select (b)oot or (i)nterpreter: b -x
      

  7. Sun Clusterパッケージのファイルが何も含まれていない、root (/) ディレクトリなどのディレクトリへ移動します。


    # cd /
    

  8. そのノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールします。


    # /usr/cluster/bin/scinstall -r
    

    詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。

  9. ノードに Sun Cluster ソフトウェアを再インストールし、再構成します。

    再インストールを実行するためのインストール作業のリストとその順序については、表 2–1 を参照してください。