Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

第 1 章 Sun Cluster 構成の計画

この章では、Sun Cluster をインストールする際の計画情報とガイドラインについて説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

Sun Cluster インストール作業の参照箇所

Sun Cluster ソフトウェアのインストールに必要なさまざまな作業の指示と作業の順序の参照箇所を次の表に示します。

表 1–1 Sun Cluster ソフトウェアのインストール作業の参照箇所

目次 

参照箇所 

クラスタハードウェアの設定 

クラスタソフトウェアのインストールの計画 

新しいクラスタのインストール、または既存クラスタに対するノードの追加 

ソフトウェアのインストール

Solstice DiskSuiteTM/Solaris Volume Manager ソフトウェアのインストールと構成

SPARC: VERITAS Volume Manager (VxVM) ソフトウェアのインストールと構成 

クラスタフレームワークソフトウェアの構成と、Sun Management Center への Sun Cluster モジュールのインストールと構成 (オプション)(SPARC ベースのシステムでのみ可能) 

クラスタの構成

リソースグループとデータサービスの計画、インストール、構成 

Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)

カスタムデータサービスの開発 

Sun Cluster データサービス開発ガイド (Solaris OS 版)

Sun Cluster 3.1 4/04 ソフトウェアにアップグレードします。 

Solaris オペレーティング環境についての計画

この節では、クラスタ環境への Solaris ソフトウェアのインストールを計画するうえでのガイドラインを説明します。 Solaris ソフトウェアの詳細については、Solaris のインストールマニュアルを参照してください。

Solaris のインストール方法を選択する際のガイドライン

Solaris ソフトウェアは、ローカルの CD-ROM から、あるいは JumpStartTM によるインストール方法でネットワークインストールサーバーからインストールできます。 また Sun Cluster では、JumpStart インストール方法を使用して、Solaris オペレーティング環境と Sun Cluster ソフトウェアを同時にインストールするカスタマイズ方法もあります。 複数のクラスタノードをインストールする場合は、ネットワークインストールを検討してください。

scintall JumpStart によるインストール方法の詳細については、Solaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart) を参照してください。 Solaris の標準的なインストール方法の詳細については、Solaris のインストールマニュアルを参照してください。

Solaris オペレーティング環境における機能の制限事項

Solaris オペレーティング環境の以下の機能は、Sun Cluster 構成ではサポートされません。

Solaris ソフトウェアグループについて

Sun Cluster 3.1 4/04 ソフトウェアには少なくとも End User Solaris ソフトウェアグループが必要です。 ただし、クラスタ構成の他のコンポーネントによっては、独自の Solaris ソフトウェアが必要となる場合があります。 どの Solaris ソフトウェアグループをインストールするかを決定する際には、次の点を考慮してください。


ヒント –

Solaris ソフトウェアパッケージを手動でインストールしなくてすむように Entire Solaris Software Group Plus OEM Support をインストールしてください。


システムディスクパーティション

ローカルファイルシステム配置のワークシートに、次の情報を追加してください。

Solaris オペレーティング環境をインストールするときは、必要な Sun Cluster パーティションを作成し、すべてのパーティションが各領域の最小必要条件を満たすようにします。

Solaris オペレーティング環境を対話的にインストールする場合は、上記の必要条件を満たすためにパーティションをカスタマイズする必要があります。

追加のパーティションを計画する際の情報については、次のガイドラインを参照してください。

ルート (/) ファイルシステムのガイドライン

Solaris オペレーティング環境を実行するほかのシステムと同様、ルート (/)、/var/usr/opt の各ディレクトリは、別個のファイルシステムとして構成できます。 または、ルート (/) ファイルシステムにすべてのディレクトリを含めることもできます。 次に、Sun Cluster 構成でのルート (/), /var, /usr/opt の各ディレクトリのソフトウェアの内容を示します。 パーティション分割案を計画するときは、次の情報を検討してください。

/globaldevices ファイルシステムのガイドライン

Sun Cluster ソフトウェアでは、広域デバイスの管理に使用するローカルディスクのいずれかに、特殊なファイルシステムを別途用意しておく必要があります。 このファイルシステムは、後にクラスタファイルシステムとしてマウントされます。 このファイルシステムには、scinstall(1M) コマンドで認識されるデフォルトの名前 /globaldevices を付けます。

scinstall コマンドは、あとでファイルシステム /global/.devices/node@nodeid の名前を変更します。 ここで、nodeid は、クラスタメンバーになったときにノードに割り当てられる番号を表します。 元の /globaldevices マウントポイントは、削除されます。

/globaldevices ファイルシステムには、ブロック特殊デバイスと文字特殊デバイスの両方を作成するための十分な領域と十分な i ノード容量が必要です。 このガイドラインは、クラスタ内に多数のディスクがある場合に、特に重要です。 通常のクラスタ構成の場合、ファイルシステムのサイズは 512M バイトで十分です。

ボリューム管理ソフトウェアの必要条件

Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアを使用する場合、状態データベースの複製の作成に使用できるように、ルートディスク上にスライスを別途用意しておく必要があります。 つまり、各ローカルディスク上に、複製のためのスライスを別に用意します。 ただし 1 つのノードにローカルディスクが 1 つしかない場合は、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアが正しく動作するように、同じスライス内に 3 つの状態データベースの複製を作成する必要が生じることがあります。 詳細については、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager のマニュアルを参照してください。

SPARC: VxVM (VxVM) を使用しており、ルートディスクをカプセル化する予定の場合は、VxVM で使用できるように、2 つの未使用スライスを用意します。 さらに、ディスクの始点または終点に若干の割り当てられていない空き領域が必要になります。 ルートディスクのカプセル化については、VxVM のマニュアルを参照してください。

例 — ファイルシステムの割り当て

表 1–2 に、750M バイト未満の物理メモリーを持つクラスタノードのパーティション分割案を示します。 この案では、Solaris オペレーティング環境の End User Solaris ソフトウェアグループ、Sun Cluster ソフトウェア、および Sun Cluster HA for NFS データサービスをインストールします。 ディスク上の最後のスライスであるスライス 7 には、ボリューム管理ソフトウェア用に若干の量を割り当てます。

この配置は、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアまたは VxVM の使用を意図したものです。 Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアを使用する場合は、状態データーベースの複製用にスライス 7 を使用します。 VxVM を使用する場合は、スライスに 0 の長さを割り当てることで、後でスライス?7 を解放できます。 この配置によって 必要な 2 つの空きスライス 4 と 7 が確保され、ディスクの終端に未使用領域が確保されます。

表 1–2 ファイルシステム割り当ての例

スライス 

内容 

割り当て (M バイト) 

説明 

/

6.75GB 

スライス 1 から 7 にディスク容量を割り当てた後の、残りの空き容量。Solaris オペレーティング環境ソフトウェア、Sun Cluster ソフトウェア、データサービスソフトウェア、ボリューム管理ソフトウェア、Sun Management Center エージェントおよび Sun Cluster モジュールエージェントパッケージ、ルートファイルシステム、データーベースおよびアプリケーションソフトウェアに使用します。 

swap

1GB 

512M バイト - Solaris オペレーティング環境ソフトウェア用 

512M バイト - Sun Cluster ソフトウェア用 

オーバーラップ 

8.43GB 

ディスク全体 

/globaldevices

512MB 

このスライスは、Sun Cluster ソフトウェアによって後で別のマウントポイントに割り当てられ、クラスタファイルシステムとしてマウントします。 

未使用 

VxVM でルートディスクをカプセル化するための空きスライスとして確保します。  

未使用 

-  

未使用 

-  

ボリューム管理ソフトウェア 

20MB 

Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアにより状態データベースの複製用に使用するか、VxVM によりスライス解放後のインストールに使用します。 

Sun Cluster 環境の計画

この節では、Sun Cluster ソフトウェアのインストールと構成の計画と、以下のコンポーネントの準備について説明します。

Sun Cluster コンポーネントの詳細については、『Sun Cluster の概要 (Solaris OS 版)』と『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。

ライセンス

ソフトウェアのインストールを開始する前に、必要なすべてのライセンス証明書を用意しておきます。 Sun Cluster ソフトウェアにはライセンス証明書は必要ありませんが、Sun Cluster ソフトウェアがインストールされる各ノードが、Sun Cluster ソフトウェア使用許諾契約書に準拠している必要があります。

ボリューム管理ソフトウェアやアプリケーションソフトウェアのライセンス必要条件については、該当する製品のインストールマニュアルを参照してください。

ソフトウェアパッチ

各ソフトウェア製品をインストールした後に、必要なパッチもインストールする必要があります。

IP アドレス

クラスタ構成によっては、Sun Cluster のさまざまなコンポーネントに多数の IP アドレスを設定する必要があります。 クラスタ構成内の各ノードには、サブネットの同じセットのパブリックネットワーク接続が少なくとも 1 つ必要です。

次の表に、IP アドレスの割り当てが必要なコンポーネントの一覧を示します。 使用する任意のネームサービスにこれらの IP アドレスを追加してください。 また、Solaris ソフトウェアをインストールした後で、各クラスタノード のローカルの /etc/inet/hosts ファイルにもこれらの IP アドレスを追加します。

表 1–3 IP アドレスを使用する Sun Cluster コンポーネント

コンポーネント 

必要な IP アドレス  

管理コンソール

サブネットあたり 1 つ  

IP ネットワークマルチパスグループ

  • 単一アダプタグループに 1 つ

  • 複数のアダプタグループの場合、グループ内の各アダプタごとに 1 つのプライマリ IP アドレスと 1 つのテスト IP アドレス

クラスタノード 

ノードおよびサブネットごとに 1 つずつ 

ドメインコンソールネットワークインタフェース (Sun FireTM 15000)

ドメインごとに 1 つ 

コンソールアクセスデバイス

論理アドレス 

サブネットごとの論理ホストリソースあたり 1 つ 

コンソールアクセスデバイス

すべてのクラスタノードにはコンソールアクセスが必要です。 クラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアを管理コンソールにインストールする場合、クラスタノードと通信するために使用されるコンソールアクセスデバイスのホスト名を提供する必要があります。

コンソールアクセスの詳細については、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。

論理アドレス

論理アドレスを使用する各データサービスリソースグループには、論理アドレスへのアクセス元となる各パブリックネットワークに指定されているホスト名を設定する必要があります。

パブリックネットワーク

パブリックネットワークはクラスタの外部と通信します。 パブリックネットワーク構成を計画する際は、次のことを考慮してください。

パブリックネットワークアダプタのバックアップグループの計画のガイドラインについては、IP ネットワークマルチパスグループ を参照してください。 パブリックネットワークインタフェースの詳細については、『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。

Sun Cluster の構成可能なコンポーネント

この節では、構成する Sun Cluster コンポーネントのガイドラインについて説明します。

適当な構成ワークシートに、次の情報を追加してください。

表 1–4 Sun Cluster 構成のワークシート

構成のワークシート 

保存場所 

表 2–2 または 表 2–3

すべてのノードで Sun Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)

表 2–6

Sun Cluster ソフトウェア (SunPlex Manager) をインストールして構成する

表 2–7

Solaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)

表 2–9

追加のクラスタノードとして Sun Cluster ソフトウェアを構成する (scinstall)

クラスタ名

クラスタ名は、Sun Cluster の構成の際に指定します。 クラスタ名は、インストール環境全体で一意にする必要があります。

ノード名

ノード名とは、Solaris オペレーティング環境のインストール中にマシンに割り当てる名前のことです。 Sun Cluster の構成中に、クラスタとしてインストールするすべてのノード名を指定します。 単一ノードのクラスタインストールでは、デフォルトのノード名とクラスタ名とが同じになります。

プライベートネットワーク


注 –

単一ノードのクラスタの場合、プライベートネットワークを構成する必要はありません。


Sun Cluster ソフトウェアは、ノード間の内部通信にプライベートネットワークを使用します。 Sun Cluster 構成では、プライベートネットワーク上のクラスタインターコネクトへの接続が少なくとも 2 つ必要です。 クラスタの最初のノードに Sun Cluster ソフトウェアを構成するときに、プライベートネットワークアドレスとネットマスクを指定します。 デフォルトのプライベートネットワークアドレス (172.16.0.0) とネットマスク (255.255.0.0) をそのまま使用するように選択するか、デフォルトのネットワークアドレスがすでに使用中の場合は別のアドレスを入力できます。


注 –

インストールユーティリティー (scinstall、SunPlex Manager または JumpStart) が処理を完了し、クラスタを確立した後で、プライベートネットワークアドレスとネットマスクを変更することはできません。 別のプライベートネットワークアドレスとネットマスクを使用するには、クラスタソフトウェアをいったんアンインストール後、再インストールしてください。


デフォルト以外のプライベートネットワークアドレスを指定する場合は、アドレスは次の条件を満たす必要があります。

デフォルト以外のネットマスクを指定する場合は、少なくとも、プライベートネットワークアドレスに指定したすべてのビットをマスクする必要があります。

プライベートホスト名

プライベートホスト名とは、プライベートネットワークインタフェースを介したノード間の通信に使用される名前のことです。 プライベートホスト名は、Sun Cluster の構成中に自動的に作成されます。 これらのプライベートホスト名は、clusternodenodeid-priv という命名規則に従います。ここで、nodeid は、内部ノード ID の数値になります。 ノード ID 番号は、Sun Cluster の構成中に各ノードがクラスタメンバーとなる際に、自動的に各ノードに割り当てられます。 クラスタの構成後に、scsetup(1M) ユーティリティーを使用してプライベートホスト名を変更できます。

クラスタインターコネクト


注 –

単一ノードのクラスタの場合、クラスタインターコネクトを構成する必要はありません。 ただし、単一ノードのクラスタ構成に後でノードを追加する可能性がある場合は、将来の使用のためにクラスタインターコネクトを構成することもできます。


クラスタインターコネクトは、クラスタノード間のプライベートネットワーク通信にハードウェアパスを提供します。 各インターコネクトは、次のいずれかの方法で接続されるケーブルで構成されます。

Sun Cluster の構成中に、2 つのクラスタインターコネクトに対して以下の構成情報を指定します。


注 –

3 つ以上のノードを持つクラスタでは、必ずトランスポート接続点を使用してください。 クラスタノード間の直接接続は、2 ノードクラスタの場合だけサポートされています。


クラスタの確立後に、scsetup(1M) ユーティリティーを使用して、追加のプライベートネットワーク接続を構成できます。

クラスタインターコネクトの詳細については、『Sun Cluster の概要 (Solaris OS 版)』の「クラスタインターコネクト」と『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。

IP ネットワークマルチパスグループ

パブリックネットワークのワークシートに次の計画情報を追加してください。

ネットワークアダプタフェイルオーバー (NAFO) グループに代わるインターネットプロトコル (IP) ネットワークマルチパスグループは、パブリックネットワークアダプタの監視とフェイルオーバーを提供し、 ネットワークアドレスリソースの基盤構造です。 マルチパスグループは、 2 つ以上のアダプタで構成されている場合に、高い可用性を提供します。 1 つのアダプタで障害が発生しても、障害のあるアダプタ上のすべてのアドレスが、マルチパスグループ内の別のアダプタにフェイルオーバーされるからです。 このようにして、マルチパスグループのアダプタは、マルチパスグループ内のアダプタが接続するサブネットへのパブリックネットワーク接続を維持します。

マルチパスグループを計画する際は、次の点を考慮してください。

IP ネットワークマルチパスの詳細については、『IP ネットワークマルチパスの管理』(Solaris 8) の「ネットワークマルチパスの導入」を参照するか、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』(Solaris 9) の「ネットワークマルチパスの管理 (手順)」を参照してください。 『Sun Cluster の概要 (Solaris OS 版)』の「IP ネットワークマルチパスグループ (IPMP グループ)」と『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』も参照してください。

定足数デバイス

Sun Cluster 構成では、定足数 (quorum) デバイスを使用して、データとリソースの整合性を保持します。 クラスタがノードとの接続を一時的に失っても、定足数デバイスによって、クラスタノードがクラスタに再結合しようとしたときの amnesia や split-brain といった問題を防止できます。 scsetup(1M) ユーティリティーを使用して定足数デバイスを割り当てることも可能です。


注 –

単一ノードのクラスタの場合、定足数 (quorum) を構成する必要はありません。


定足数デバイスを計画する際は、次の点を考慮してください。

定足数デバイスの詳細については、『Sun Cluster の概要 (Solaris OS 版)』の「クォーラムデバイス」と『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。

広域デバイスとクラスタファイルシステムについての計画

この節では、広域デバイスとクラスタファイルシステムを計画するうえでのガイドラインについて説明します。

広域デバイスとクラスタファイルシステムの詳細については、『Sun Cluster の概要 (Solaris OS 版)』と『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。

高可用性広域デバイスとクラスタファイルシステムのガイドライン

Sun Cluster ソフトウェアは、特定のディスクレイアウトやファイルシステムサイズを必要としません。 広域デバイスとクラスタファイルシステムを計画する際は、次の点を考慮してください。

ディスクデバイスグループ

ディスクデバイスグループ構成のワークシートに次の計画情報を追加してください。

すべてのボリューム管理ソフトウェアディスクグループを Sun Cluster ディスクデバイスグループとして構成する必要があります。 このように構成することで、主ノードに障害が発生した場合でも、2 つ目のノードで多重ホストディスクをホストできるようになります。 ディスクデバイスグループを計画する際は、次の点を考慮してください。

ディスクデバイスグループの詳細については、『Sun Cluster の概要 (Solaris OS 版)』の「デバイス」と『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。

クラスタファイルシステムのマウント情報

クラスタファイルシステムのマウントポイントを計画する際は、次の点を考慮してください。

ボリューム管理の計画

ディスクデバイスグループ構成のワークシートボリューム管理ソフトウェア構成のワークシートに次の計画情報を追加してください。 Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager については、メタデバイスのワークシート (Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager)に次の計画情報を追加してください。

この節では、クラスタ構成のボリューム管理を計画する上でのガイドラインについて説明します。

Sun Cluster は、ボリューム管理ソフトウェアを使用して、ディスクをディスクデバイスグループにまとめ、1 つの単位で管理できるようにします。 Sun Cluster ソフトウェアは、次の方法でインストールまたは使用する Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアと VERITAS Volume Manager (VxVM) ソフトウェアをサポートします。

表 1–5 サポートされているボリューム管理ソフトウェアと Sun Cluster ソフトウェアの使用

ボリューム管理ソフトウェア 

要件 

Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager 

一部のノードで VxVM を使用してディスクを管理する場合でも、クラスタのすべてのノードに Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアをインストールする必要があります。 

SPARC: クラスタ機能を持つ VxVM 

クラスタのすべてのノード上に、クラスタ機能を持つ VxVM をインストールして、それらにライセンスを付与する必要があります。 

SPARC: クラスタ機能を持たない VxVM 

VxVM は、VxVM が管理する記憶装置に接続されているノードにのみインストールして、それらにライセンスを付与します。  

SPARC: Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager と VxVM の両方 

これらのボリューム管理ソフトウェアを同じノードにインストールする場合は、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアを使用して、各ノードにローカルに接続されているディスクを管理します。 ルートディスクもローカルディスクに含まれます。 VxVM を使用して、すべての共有ディスクを管理します。 

ボリューム管理ソフトウェアのインストールと構成方法については、ボリューム管理ソフトウェアのマニュアル、および Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアのインストールと構成 または SPARC: VxVM ソフトウェアのインストールと構成 を参照してください。 クラスタ構成におけるボリューム管理の詳細については、『Sun Cluster の概念(Solaris OS 版)』を参照してください。

ボリューム管理ソフトウェアのガイドライン

ボリューム管理ソフトウェアでディスクを構成する際は、次の一般的なガイドラインを考慮してください。

ディスクの配置の推奨事項とその他の制限については、ボリューム管理ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアのガイドライン

Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager の構成を計画する際は、次の点を考慮してください。

SPARC: VERITAS Volume Manager ソフトウェアのガイドライン

VERITAS Volume Manager (VxVM) の構成を計画する際は、次の点を考慮してください。

ファイルシステムのロギング

ロギングはクラスタファイルシステムに必要です。 Sun Cluster ソフトウェアでは、次のロギングファイルシステムがサポートされています。

次の表に、各ボリューム管理ソフトウェアでサポートされているロギングファイルシステムを示します。

表 1–6 サポートされているファイルシステムのロギング

ボリュームマネージャ 

サポートされているファイルシステムのロギング  

Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager 

Solaris UFS logging、Solstice DiskSuite trans-metadevice logging または Solaris Volume Manager transactional-volume logging、VxFS ロギング 

SPARC: VERITAS Volume Manager 

Solaris UFS ロギング, VxFS ロギング 

Solaris UFS logging と Solstice DiskSuite trans-metadevice logging/Solaris Volume Manager transactional-volume logging のどちらを使用するかを選択するときには、次の点を考慮してください。

ミラー化に関するガイドライン

この節では、クラスタ構成のミラー化を計画する際のガイドラインについて説明します。

多重ホストディスクのミラー化

Sun Cluster 構成で多重ホストディスクをミラー化することにより、構成は単一のディスク障害に耐えることができます。 Sun Cluster ソフトウェアでは、すべての多重ホストディスクは、複数のディスク拡張装置にまたがるようにミラー化する必要があります。 ストレージデバイスがハードウェア RAID とディスクへの冗長パスを提供する場合は、ソフトウェアミラー化を使用する必要はありません。

多重ホストディスクをミラー化する際は、次の点を考慮してください。

多重ホストディスクの詳細については、『Sun Cluster の概要 (Solaris OS 版)』の「マルチホストディスクストレージ」と『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』を参照してください。

ルートディスクのミラー化

ローカルファイルシステム配置のワークシートに次の計画情報を追加してください。

最高の可用性を得るには、ローカルディスク上のルート (/)、/usr/var/optswap をミラー化してください。 VxVM では、ルートディスクをカプセル化し、生成されたサブディスクをミラー化します。 ただし、Sun Cluster ソフトウェアでは、ルートディスクのミラー化を要求しません。

ルートディスクをミラー化するかどうかを決定する前に、危険性、複雑さ、コスト、保守時間の面から、ルートディスクに関するさまざまな方法を検討してください。 どの構成でも有効に機能するというような汎用的なミラー化はありません。 ルートをミラー化するかどうかを決定する際は、ご購入先に相談してください。

ルートディスクのミラー化については、使用するボリューム管理ソフトウェアのマニュアルと、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアのインストールと構成 または SPARC: VxVM ソフトウェアのインストールと構成 を参照してください。

ルートディスクをミラー化するかどうかを決定する際は、次のことを考慮してください。