Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

Solaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)

この節では、カスタム JumpStart によるインストール方法であるscinstall(1M) の設定と使用について説明します。 この方法は、Solaris と Sun Cluster ソフトウェアの両方を 1 回の操作ですべてのクラスタノードにインストールし、クラスタを動作可能にします。 この手順は、既存のクラスタに新しいノードを追加するためにも利用できます。

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする前に、ハードウェアの設定が完了していることと、接続が完全であることを確認します。

    ハードウェアの設定の詳細については、『Sun Cluster Hardware Administration Collection』およびサーバーと記憶装置のマニュアルを参照してください。

  2. クラスタ構成の計画が完了していることを確認します。

    必要条件とガイドラインについては、クラスタソフトウェアのインストールの準備をする を参照してください。

  3. 次の情報を用意します。

    • 各クラスタノードの Ethernet アドレス

    • 必要事項が記入された以下のインストールワークシート

    表 2–7 JumpStart インストールおよび構成ワークシート

    コンポーネント 

    説明/例 

    回答記入欄 

    JumpStart ディレクトリ 

    使用する JumpStart ディレクトリの名前 

     

    クラスタ名 

    確立するクラスタの名前 

     

    クラスタノード 

    初期クラスタ構成で構成するクラスタノードの名前 

     

    DES 認証 

    DES 認証が必要かどうか 

    No  |  Yes  

    クラスタトランスポート用ネットワークアドレス 

    デフォルトのネットワークアドレス (172.16.0.0) を使用するかどうか

    Yes   |  No  

    使用しない場合は、独自のネットワークアドレスを指定する 

    _____ . _____.0.0

    デフォルトのネットマスク (255.255.0.0) を使用するかどうか

    Yes   |  No  

    使用しない場合は、独自のネットマスクを指定する 

    255.255.___ . ___

    ポイントツーポイントケーブル 

    クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうか (2 ノードクラスタのみ)

    Yes  |  No  

    クラスタトランスポート接続点 

    使用する場合は、2 つのトランスポート接続点の名前を指定する 

      デフォルト値 switch1 および switch2


    1

    2

    クラスタトランスポートアダプタおよびケーブル 

    第 1 ノードの名前: 

     

    トランスポートアダプタ: 

    1

      

    2

      

    各トランスポートアダプタの接続場所 (トランスポート接続点または別のアダプタ)

      接続点のデフォルト: switch1 および switch2


      

    トランスポート接続点でデフォルトのポート名を使用するかどうか 

    Yes | No 

    Yes | No 

    使用しない場合は、使用するポートの名前 

      

    自動検出機能を使用してその他のノードで使用可能なアダプタを一覧表示するかどうか 

    この機能を使用しない場合は、各追加ノードに対して次の情報を指定する 

    Yes  |  No  

     

    ノード名: 

     

    トランスポートアダプタ: 

    1

      

    2

      

    各トランスポートアダプタの接続場所 (トランスポート接続点または別のアダプタ)

      接続点のデフォルト: switch1 および switch2


      

    トランスポート接続点でデフォルトのポート名を使用するかどうか 

    Yes | No 

    Yes | No 

    使用しない場合は、使用するポートの名前 

     

     

    広域デバイスのファイルシステム 

    広域デバイスのファイルシステムのデフォルト名 (/globaldevices) を使用するかどうか

    Yes  |   No 

    デフォルト名を使用しない場合は、すでに存在するファイルシステムを使用するかどうか 

    Yes  |   No 

    ファイルシステムの名前 

     

    ソフトウェアパッチのインストール 

    scinstall を使用してパッチをインストールするかどうか

    Yes  |   No 

    scinstall を使用する場合は、パッチディレクトリの名前

     

    パッチリストを使用するかどうか 

    Yes  |  No 

    計画のガイドラインについては、Solaris オペレーティング環境についての計画 Sun Cluster 環境の計画 を参照してください。


    注 –

    scinstall の処理が終了した後で、プライベートネットワークアドレスとネットマスクを変更することはできません。 別のプライベートネットワークアドレスやネットマスクを使用する必要があり、 ノードがインストールモードのままの場合は、Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールによるインストール問題を解決する の手順に従います。 次にこの手順を繰り返して、正しい情報でノードのインストールと構成を行います。


  4. ネームサービスを使用しているかどうかを確認します。

    • 使用していない場合は、手順 5へ進んでください。. 手順 15 で必要なホスト名情報を設定します。

    • 使用している場合、クライアントがクラスタサービスにアクセスするために使用する任意のネームサービスに、次の情報を追加します。

      • すべての公開ホスト名と論理アドレスのアドレスと名前の対応付け

      • JumpStart サーバーの IP アドレスとホスト名

    計画のガイドラインについては、IP アドレス を参照してください。 Solaris ネームサービスの使用については、Solaris システム管理者用のマニュアルを参照してください。

  5. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。

    • インストールしない場合は、手順 6 に進みます。

    • インストールする場合は、アクティブなクラスタノードから scsetup(1M) を実行します。 scsetup ユーティリティーを使用して、新しいノードの名前を許可クラスタノードのリストに追加します。 手順については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の「クラスタノードの追加と削除」の「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  6. JumpStart インストールサーバーを Solaris オペレーティング環境インストール用に設定します。

    • SPARC: スーパーユーザーとして JumpStart インストールサーバーを設定します。

    • x86: Preboot Execution Environment (PXE) インストールのため、JumpStart Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP) サーバーと Solaris ネットワークを設定および構成します。

      Sun Fire V60x and Sun Fire V65x Server Solaris Operating Environment Installation Guide には、PXE インストールのための DHCP サーバーと Solaris ネットワークの設定方法が記載されています。


      x86 のみ –

      ネットワーク経由で JumpStart 付きの Sun Cluster ソフトウェアをインストールするには、DHCP サーバーと PXE が必要です。


    JumpStart インストールサーバーの設定方法については、「“Preparing Custom JumpStart Installations (Tasks)” in Solaris 9 Installation Guide」を参照してください。 setup_install_server(1M) および add_install_client(1M) のマニュアルページも参照してください。

    インストールサーバーを設定するときには、次の条件に適合していることを確認します。

    • インストールサーバーはクラスタノードと同じサブネット上にあるが、それ自体はクラスタノードではないこと

    • インストールサーバーによって、Sun Cluster ソフトウェアがサポートする Solaris オペレーティング環境のリリースがインストールされていること

    • Sun Cluster ソフトウェアの JumpStart インストール用のカスタム JumpStart ディレクトリが存在すること。 この jumpstart-dir ディレクトリには、check(1M) ユーティリティーのコピーが含まれている必要があります。 ディレクトリは、JumpStart インストールサーバーが読み取れるように NFS でエクスポートされている必要があります。

    • 各新規クラスタノードが、Sun Cluster のインストール用のカスタム JumpStart ディレクトリ設定を使用する、カスタム JumpStart インストールクライアントとして構成されていること

  7. JumpStart インストールサーバーに、Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM のコピーを格納するディレクトリを作成します。

    ディレクトリがすでに存在している場合は、次の手順に進みます。

    次の例では、このために /export/suncluster ディレクトリを作成します。


    # mkdir -m 755 /export/suncluster
    

  8. Sun Cluster CD-ROM を JumpStart インストールサーバーにコピーします。

    1. JumpStart インストールサーバーの CD-ROM ドライブに Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM を挿入します。

      ボリューム管理デーモンの vold(1M) が実行中で、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合、デーモンによって自動的に CD-ROM が /cdrom/cdrom0 ディレクトリにマウントされます。

    2. /cdrom/cdrom0 ディレクトリから Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Tools ディレクトリに移動します。ここで archsparc または x86ver8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) です。

      以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの SPARC Solaris 8 バージョンのパスを示しています。


      # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_sparc/Product/sun_cluster/Solaris_8/Tools
      

    3. CD-ROM を JumpStart インストールサーバー上の新しいディレクトリにコピーします。

      scinstall コマンドは、CD-ROM のファイルをコピーするときに、新しいインストールディレクトリを作成します。 次の例では、インストール ディレクトリ名 /export/suncluster/sc31 を使用します。


      ./scinstall -a /export/suncluster/sc31
      

    4. CD-ROM を CD-ROM ドライブから取り出します。

      1. CD-ROM が使用中にならないように、CD-ROM に含まれていないディレクトリに移動します。

      2. CD-ROM を取り出します。


        # eject cdrom
        
    5. JumpStart インストールサーバーが読み取れるように、JumpStart インストールサーバー上にある Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM イメージが NFS でエクスポートされていることを確認します。

      自動ファイル共有の詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』の「Solaris NFS 環境」を参照するか、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「ネットワークファイルシステムの管理 (概要)」を参照してください。 share(1M) および dfstab(4) のマニュアルページも参照してください。

  9. JumpStart インストールサーバーから scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。

    ここでは、作成したインストールディレクトリの例として、パス /export/suncluster/sc31 を使用します。 CD-ROM パスでは、archsparc または x86 に、ver8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。


    # cd /export/suncluster/sc31/Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Tools
    # ./scinstall
    

  10. 対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。 したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。

    • 前のセッションのデフォルトの解凍が、質問の最後に角かっこ ([ ]) で囲まれて表示されます。 入力せずに角かっこ内の回答を入力するには、Return キーを押します。

  11. 「メインメニュー」 から 「このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成」 を選択します。

    このオプションを使用して、カスタム JumpStart 完了スクリプトを構成します。 JumpStart は、これらの完了スクリプトを使用して、 Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。


     *** メインメニュー ***
     
        次の (*) オプションのうちから 1 つを選択してください:
     
          * 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール
            2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成
            3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加
          * 4) このクラスタノードのリリース情報を出力
     
          * ?) メニューオプションのヘルプ
          * q) 終了
     
        オプション:  2
    


    注 –

    JumpStart オプションのフォントにアスタリスクが含まれていない場合は、オプションは無効です。 これは、JumpStart の設定が完了していないか、セットアップでエラーが発生したことを意味します。 この状態を修正するには、次の操作を行います。

    1. scinstall ユーティリティーを終了します。

    2. 手順 6から手順 8を繰り返し、JumpStart の設定を修正します。

    3. scinstall ユーティリティーを再起動します。


  12. メニュープロンプトに従って、手順 3 での決定によって、表 2–7 に回答を入力します。

  13. 必要に応じて、scinstall によって作成されたデフォルトの class ファイル (プロファイル) を調整します。

    scinstall コマンドによって、デフォルトの class ファイルである autoscinstall.class が、jumpstart-dir/autoscinstall.d/3.1 ディレクトリに作成されます。


    install_type    initial_install
    system_type     standalone
    partitioning    explicit
    filesys         rootdisk.s0 free /
    filesys         rootdisk.s1 750  swap
    filesys         rootdisk.s3 512  /globaldevices
    filesys         rootdisk.s7 20
    cluster         SUNWCuser        add
    package         SUNWman          add

    デフォルトの class ファイルは、End User Solaris Software Group (SUNWCuser) をインストールします。 構成に他の Solaris ソフトウェア条件がある場合、class ファイルを適宜変更します。 詳細については、Solaris ソフトウェアグループについて を参照してください。

    End User Solaris ソフトウェアグループをインストール済みの場合、デフォルトの class ファイルに使用する可能性がある追加の Solaris ソフトウェアパッケージをすべて追加します。 一部の Sun Cluster 機能のサポートに必要な Solarisパッケージを次の表に示します。

    表 2–8 Solaris ソフトウェアパッケージの依存関係

    機能 

    必要な Solaris ソフトウェアパッケージ(インストール順)  

    RSMAPISCI-PCI アダプタ (SPARC ベースのクラスタのみ) 

    SUNWrsm SUNWrsmx SUNWrsmo SUNWrsmox

    SunPlex Manager 

    SUNWapchr SUNWapchu

    デフォルトの class ファイルは、次のいずれかの方法で変更できます。

    • autoscinstall.class ファイルを直接編集します。 変更内容は、このカスタム JumpStart ディレクトリを使用するすべてのクラスタのすべてのノードに適用されます。

    • 他のプロファイルを指す rules ファイルを更新後、check ユーティリティーを実行して、rules ファイルの妥当性検査を行います。

    Solaris オペレーティング環境のインストールプロファイルが、Sun Cluster ファイルシステムの最小の割り当て要件を満たしているかぎり、インストールプロファイルに対するその他の変更に制限はありません。 Sun Cluster ソフトウェアをサポートするためのパーティション分割のガイドラインについては、システムディスクパーティション を参照してください。

    JumpStart プロファイルの詳細については、『Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照するか、『Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。

  14. Solaris パッチディレクトリを設定します。


    注 –

    パッチディレクトリを scinstall ユーティリティーに指定すると、Solaris パッチディレクトリのパッチはインストールされません。


    1. jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches ディレクトリを JumpStart インストールサーバー上に作成します。

      上記のディレクトリは node がクラスタノードの名前であるクラスタノードごとに1 つずつ作成します。 または、次の命名規則を使用して、共有パッチディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。


      # mkdir jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches
      

    2. これらの各ディレクトリに Solaris パッチのコピーを格納します。

    3. Solaris ソフトウェアをインストールした後にインストールする必要があるすべてのハードウェア関連パッチのコピーもこれらのディレクトリに格納します。

  15. 各ノード上で必要なホスト名情報を含むようにファイルを設定します。

    1. JumpStart インストールサーバーに、jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/archive/etc/inet/hosts という名前のファイルを作成します。

      上記のファイルは node がクラスタノードの名前であるノードごとに1 つずつ作成します。 または、次の命名規則を使用して、共有 hosts ファイルへのシンボリックリンクを作成します。

    2. 各ファイルに以下のエントリを追加します。

      • Sun Cluster CD-ROM のイメージがコピーされている NFS サーバーの IP アドレスとホスト名。 NFS サーバーが JumpStart インストールサーバーになりますが、別のマシンがインストールサーバーになる場合もあります。

      • クラスタ内にある各ノードの IP アドレスとホスト名。

  16. インターコネクト用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用せずに、インストール後に実行する独自の完了スクリプトを追加する場合は、手順 17 に進みます。 それ以外の場合、手順 18 に進みます。

    • 使用する場合、手順 17 の指示に従って、インストール後に実行する完了スクリプトを設定して、次の追加パッケージをインストールします。 次の表の順番どおりに、Sun Java Enterprise System 2004Q2 2 of 2 CD-ROM の Solaris_arch/Product/sun_cluster/Solaris_ver/Packages ディレクトリから適切なパッケージをインストールします。


      注 –

      CD-ROM パスでは、archsparc または x86 に、ver8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。


      機能 

      インストールする追加の Sun Cluster 3.1 4/04 パッケージ  

      RSMAPI 

      SUNWscrif

      SCI-PCI アダプタ 

      SUNWsci SUNWscid SUNWscidx

  17. (省略可能) インストール後に実行する独自の完了スクリプトを追加します。


    注 –

    インターコネクトトランスポート用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用する場合は、Sun Cluster SUNWscrif ソフトウェアパッケージをインストールするために、完了スクリプトを変更する必要があります。 このパッケージは、scinstall では自動的にインストールされません。


    scinstall コマンドでインストールされた標準の完了スクリプトの後に実行するような独自の完了スクリプトも追加できます JumpStart 完了スクリプトを作成する方法については、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照するか、『Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。

    1. 完了スクリプトに finish と名前を付けます。

    2. jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node ディレクトリに完了スクリプトをコピーします。

      クラスタ内のノードごとにディレクトリを作成します。 あるいは、この命名規則を使用して共有 hosts ファイルへのシンボリックリンクを作成 することもできます。

  18. クラスタ管理コンソールを使用している場合、クラスタ内にある各ノードのコン ソール画面を表示します。

    • クラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアが管理コンソールにインストールされ、構成されている場合は、cconsole(1M) ユーティリティーを使用して、コンソール画面を個別に表示できます。 また、cconsole ユーティリティーを使用してマスターウィンドウを開くことができます。ここでの入力を、個々のすべてのコンソールウィンドウに同時に送信できます。 cconsole を起動するには、次のコマンドを入力します。


      # /opt/SUNWcluster/bin/cconsole clustername &
      

    • cconsole ユーティリティーを使用しない場合は、各ノードのコンソールに個別に接続します。

  19. 各ノードを停止します。


    # shutdown -g0 -y -i0
    
  20. 各ノードを起動し、JumpStart のインストールを開始します。

    • SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。


      ok boot net - install
      


      注 –

      上記の 2 番目のコマンド内のダッシュ記号 (-) の両側は、空白文字で囲む必要があります。


    • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。

      1. BIOS 情報画面が表示されてから Esc キーを押します。

        「Select Boot Device」画面が表示されます。

      2. 「Select Boot Device」画面で、JumpStart DHCP インストールサーバーと同じネットワークに接続されている IBA をリストから選択します。

        IBA ブート選択肢の右の一番下の数字は、一番下の Ethernet ポート番号に対応しています。 IBA ブート選択肢の右の一番上の数字は、一番上の Ethernet ポート番号に対応しています。

        ノードが再起動され、Device Configuration Assistant が表示されます。

      3. 「Boot Solaris」画面で Net を選択します。

      4. 次のプロンプトで Custom JumpStart を選択し、Enter キーを押します。


        Select the type of installation you want to perform:
        
                 1 Solaris Interactive
                 2 Custom JumpStart
        
        Enter the number of your choice followed by the <ENTER> key.
        
        If you enter anything else, or if you wait for 30 seconds,
        an interactive installation will be started.

      5. プロンプトが表示されますので、質問に答えて画面の指示に従います。

    JumpStart が Solaris ソフトウェアと Sun Cluster ソフトウェアを各ノードにインストールします。


    注 –

    ユーザー独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしていない限り、scinstallコマンドは自動的にデフォルトの ntp.conf ファイルをインストールします。 デフォルトファイルでは、最大ノード数を想定しています。 したがって、xntpd(1M) デーモンは起動時にこれらのノードに関してエラーメッセージを発行することがあります。 これらのメッセージは無視しても問題ありません。 通常のクラスタ条件下で、これらのメッセージを表示しないようにする方法については、ネットワークタイムプロトコル (NTP) を構成する を参照してください。


    インストールが正常に完了すると、各ノードは新しいクラスタノードとして完全にインストールされます。 Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。

    scinstall の処理が終了した後で、プライベートネットワークアドレスとネットマスクを変更することはできません。 別のプライベートネットワークアドレスやネットマスクを使用する必要があり、 ノードがインストールモードのままの場合は、Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールによるインストール問題を解決する の手順に従います。 次にこの手順を繰り返して、正しい情報でノードのインストールと構成を行います。

  21. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。

    • インストールしない場合は、手順 22 に進みます。

    • インストールする場合、新しいノード上で、既存のすべてのクラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。

    1. クラスタ内にある別のアクティブなノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。


      % mount | grep global | egrep -v node@ | awk '{print $1}'
      

    2. クラスタに追加したノード上で、クラスタ内にある各クラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。


      % mkdir -p mountpoint
      

      たとえば、マウントコマンドが戻したファイルシステム名が /global/dg-schost-1 である場合、クラスタに追加するノード上で mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。


      注 –

      これらのマウントポイントは、手順 24 においてクラスタを再起動するとアクティブになります。


    3. VERITAS Volume Manager (VxVM) が、クラスタ内にあるノードにすでにインストールされているかどうかを確認します。

      • インストールしない場合は、手順 22 に進みます。

      • インストールされている場合は、VxVM がインストールされている各ノード上で同じ vxio 番号が使用されていることを確認します。 また、VxVM がインストールされていない各ノード上で vxio 番号が使用できることを確認してください。


        # grep vxio /etc/name_to_major
        vxio NNN
        

        VxVM がインストールされていないノード上ですでに vxio 番号が使用されている場合、そのノードで該当番号を解放します。 また、/etc/name_to_major エントリは、別の番号に変更してください。

  22. (省略可能) Sun Enterprise 10000 サーバーで動的再構成を使用する場合、次のエントリを /etc/system ファイルに追加します。 このエントリをクラスタ内の各ノードに追加します。


    set kernel_cage_enable=1

    このエントリは、次のシステム再起動後に有効になります。 Sun Cluster 構成で、動的再構成の作業を実行するための手順については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』を参照してください。 動的再構成の詳細については、サーバーのマニュアルを参照してください。

  23. x86: デフォルトのブートファイルを kadb に設定します。


    # eeprom boot-file=kadb
    

    この値を設定すると、ログインプロンプトにアクセスできないときにノードを再起動できます。

  24. 既存のクラスタに対する新しいノードの追加、またはクラスタ全体の再起動を必要とする Sun Cluster ソフトウェアパッチのインストール (あるいはこの両方) を行ったかどうかを確認します。

    • これらの作業を行なっていない場合は、インストールしたパッチがノードの再起動を必要とする場合にだけ個々のノードを再起動してください。 その他の変更操作で、変更箇所を有効にするために再起動が必要な場合は、再起動を行い、手順 25に進みます。

    • 行なった場合、次の手順に指示されているとおりにクラスタの再構成用の再起動を実行します。

    1. ノードのどれか 1 つでクラスタを停止します。


      # scshutdown
      


      注 –

      クラスタがシャットダウンするまで、最初にインストールしたクラスタノードを再起動しないでください。


    2. クラスタ内にある各ノードを再起動します。

      • SPARC ベースのシステムでは、次の操作を実行します。


        ok boot
        

      • x86 ベースのシステムでは、次の操作を実行します。


                             <<< Current Boot Parameters >>>
        Boot path: /pci@0,0/pci-ide@7,1/ata@1/cmdk@0,0:b
        Boot args:
        
        Type   b [file-name] [boot-flags] <ENTER>  to boot with options
        or     i <ENTER>                           to enter boot interpreter
        or     <ENTER>                             to boot with defaults
        
                         <<< timeout in 5 seconds >>>
        Select (b)oot or (i)nterpreter: b
        


    注 –

    クラスタのインストールモードが無効になるまでは、最初にインストールした (つまり、クラスタを構築した) ノードだけが定足数投票権を持ちます。 インストールモードが無効になっていない (つまり、構築された) クラスタでは、クラスタをシャットダウンせずに最初にインストールしたノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を獲得できません。 クラスタ全体が停止します。 クラスタノードは インストール後の設定を行い、定足数デバイスを構成する の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまで、インストールモードのままです。


    scinstall ユーティリティーは、引き続きすべてのクラスタノードのインストールと構成を行い、クラスタを再起動します。 クラスタ内ですべてのノードが正常に起動されると、クラスタが確立されます。 Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。

  25. SPARC: VERITAS File System をインストールする予定かどうかを確認します。