この作業は、一度に 1 つのノードで実行してください。残りのノードがアクティブなクラスタメンバーとして機能し続けている間に、アップグレードしたノードをクラスタから取り出します。
ローリングアップグレードを実行する場合、以下のガイドラインを守ってください。
すべてのクラスタノードのローリングアップグレードを完了するために要する時間を制限します。ノードがアップグレードされたら、できるだけ早く次のクラスタノードのアップグレードを開始します。混合したバージョンのクラスタを長時間実行すると、パフォーマンスの低下やその他の機能の低下が発生する場合があります。
アップグレード中に新しいデータサービスをインストールしたり、管理構成コマンドを発行したりしないでください。
クラスタのすべてのノードがアップグレードされ、アップグレードが確定するまで、新しいリリースで導入された新機能を使用できない場合があります。
クラスタ構成が、アップグレードの必要条件を満たしていることを確認します。
「アップグレードの必要条件とサポートガイドライン」を参照してください。
クラスタのアップグレードを開始する前に、アップグレード対象のすべてのソフトウェア製品の CD-ROM、マニュアル、およびパッチを用意します。
Solaris 8 または Solaris 9 OS
Sun Cluster 3.1 9/04 フレームワーク
Sun Cluster 3.1 9/04 データサービス (エージェント)
Sun Cluster 3.1 9/04 データサービスエージェントが管理するアプリケーション
パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。
(省略可能) Sun Cluster 3.1 9/04 のマニュアルをインストールします。
管理コンソールまたドキュメンテーションサーバーなどの希望する場所に、ドキュメンテーションパッケージをインストールします。Sun Cluster 3.1 9/04 CD-ROM のトップレベルにある index.html ファイルを参照して、インストール指示にアクセスしてください。
アップグレードする 1 つのクラスタノード上でスーパーユーザーになります。
まだインストールされていない場合、Sun Web Console パッケージをインストールします。
これらのパッケージは、Sun Web Console を使用しない場合でもSun Cluster ソフトウェアで必要です。
2 ノードクラスタで、クラスタが Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを使用する場合、可用性サービス向けの構成データが定足数ディスク上にあるようにします。
クラスタソフトウェアをアップグレードした後、Sun StorEdge Availability Suite が正しく機能するようにするには、構成データを定足数ディスク上に置く必要があります。
Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを実行するノード上でスーパーユーザーになります。
Sun StorEdge Availability Suite 構成ファイルで使用されるデバイス ID とスライスを見つけます。
# /usr/opt/SUNWscm/sbin/dscfg /dev/did/rdsk/dNsS |
この出力例では、N がデバイス ID でS がデバイス N のスライスです。
既存の定足数デバイスを見つけます。
# scstat -q -- Quorum Votes by Device -- Device Name Present Possible Status ----------- ------- -------- ------ Device votes: /dev/did/rdsk/dQsS 1 1 Online |
この出力例では、dQsS が既存の定足数デバイスです。
定足数デバイスが Sun StorEdge Availability Suite 構成データデバイスと同じでない場合は、構成データを定足数デバイス上の使用できるスライスに移します。
# dd if=`/usr/opt/SUNWesm/sbin/dscfg` of=/dev/did/rdsk/dQsS |
ブロック DID デバイス、/dev/did/dsk/ ではなく、raw DID デバイス、/dev/did/rdsk/ の名前を使用する必要があります。
構成データを移した場合、新しい場所を使用するように Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを構成してください。
スーパーユーザーとして、Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを実行する各ノード上で次のコマンドを実行します。
# /usr/opt/SUNWesm/sbin/dscfg -s /dev/did/rdsk/dQsS |
任意のノードから、クラスタの現在の状態を表示します。
この出力を後の比較基準として保存しておきます。
% scstat % scrgadm -pv[v] |
詳細については、scstat(1M) と scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
アップグレード用に、そのノードで動作するすべてのリソースグループとデバイスグループを退避させます。
# scswitch -S -h from-node |
すべてのリソースグループとデバイスグループを退避させます。
リソースグループとデバイスグループを退避させるノード名を指定します。
詳細については、scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
# scstat -g -D |
すべてのリソースグループのステータスが表示されます。
すべてのディスクデバイスグループのステータスが表示されます。
システムディスク、アプリケーション、およびすべてのデータがバックアップされていることを確認します。
クラスタが Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager ソフトウェアに二重列メディエータを使用している場合は、メディエータの構成を解除します。
詳細については、「二重列メディエータの構成」を参照してください。
次のコマンドを実行して、メディエータデータに問題がないことを確認します。
# medstat -s setname |
ディスクセット名を指定します。
Status フィールドの値が不良の場合、関連するメディエータホストを修復します。「不正なメディエータデータを修復する」の手順に従います。
すべてのメディエータを一覧表示します。
「Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアのローリング以外のアップグレードを実行する」の手順でメディエータを復元するときのために、この情報を保存しておいてください。
メディエータを使用するディスクセットについては、ノードが所有権をまだ持っていない場合は、ディスクセットの所有権を取得します。
# metaset -s setname -t |
ディスクセットの所有権を取得します。
ディスクセットのすべてのメディエータの構成を解除します。
# metaset -s setname -d -m mediator-host-list |
ディスクセット名を指定します。
ディスクセットから削除します。
削除するノードの名前をディスクセットのメディエータホストとして指定します。
metaset コマンドのメディエータ固有のオプションの詳細については、mediator(7D) のマニュアルページを参照してください。
アップグレードするノードをシャットダウンして、非クラスタモードで起動します。
SPARC ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。
# shutdown -y -g0 ok boot -x |
86 ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。
# shutdown -y -g0 ... <<< Current Boot Parameters >>> Boot path: /pci@0,0/pci-ide@7,1/ata@1/cmdk@0,0:b Boot args: Type b [file-name] [boot-flags] <ENTER> to boot with options or i <ENTER> to enter boot interpreter or <ENTER> to boot with defaults <<< timeout in 5 seconds >>> Select (b)oot or (i)nterpreter: b -x |
クラスタ内のほかのノードは、アクティブクラスタメンバーとして引き続き機能します。
Solaris ソフトウェアをメンテナンスアップグレードリリースにアップグレードするには、「Solaris メンテナンスアップグレードのローリングアップグレードを実行する」に進みます。
Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアをサポートするためには、クラスタは、少なくとも Solaris OS の必要最低条件のレベルで実行されているか、アップグレードされている必要があります。Solaris OS のサポートされているリリースについては、『Sun Cluster ご使用にあたって (Solaris OS 版)』を参照してください。