この節では、Sun Cluster 構成のアップグレードに関する次のガイドラインについて説明します。
Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアにアップグレードするときは、次の必要条件とソフトウェアサポートガイドラインを守ってください。
サポートされるハードウェア - クラスタハードウェアは、Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアでサポートされている構成にする必要があります。現在サポートされている Sun Cluster 構成については、Sun のサポートセンターに問い合わせてください。
アップグレード中のアーキテクチャーの変更 - Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアは、アーキテクチャーを変更するアップグレードはサポートしていません。
最小限の Solaris OS - クラスタは、少なくとも、Solaris 8 2/02 ソフトウェア (最新の必須パッチを含む) で動作する必要があり、そうでない場合は、このソフトウェアにアップグレードする必要があります。
2005 年 3 月に配布された Solaris 10 OS へのアップグレードの制限 - Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアは、2005 年 3 月に配布された Solaris 10 OS のオリジナルリリースへのアップグレードはサポートしていません。少なくとも、Solaris 10 10/05 ソフトウェア (またはその互換) にアップグレードする必要があります。
Solaris メジャーリリース間でのアップグレード - Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアは、Solaris 8 ソフトウェアから Solaris 9 ソフトウェアへの、あるいは、Solaris 9 ソフトウェアから Solaris 10 10/05 ソフトウェア (またはその互換) へのローリング以外のアップグレードだけをサポートします。
互換バージョンへのアップグレード - すべてのソフトウェアを、Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアでサポートされるバージョンにアップグレードする必要があります。たとえば、データサービスが Sun Cluster 3.0 ソフトウェアでサポートされ、Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアではサポートされない場合、データサービスを Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアでサポートされるバージョンにアップグレードする必要があります。特定のデータサービスのサポート情報については、『Sun Cluster 3.1 8/05 ご使用にあたって (Solaris OS 版)』の「サポートされる製品」を参照してください。
そのデータサービスに関連するアプリケーションが Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアでサポートされない場合は、そのアプリケーションがサポートされるリリースにアップグレードする必要があります。
最小限の Sun Cluster ソフトウェアバージョン - Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアは、Sun Cluster 3.x ソフトウェアからの直接のアップグレードだけをサポートします。
NAFO から IPMP グループへの変換 - Sun Cluster 3.0 リリースからアップグレードする場合は、NAFO グループを IP ネットワークマルチパス グループに変換するときにパブリックネットワークアダプタで使用するテスト IP アドレスを用意する必要があります。scinstall アップグレードユーティリティーは、クラスタ内の各パブリックネットワークアダプタに対して、テスト IP アドレスの入力を求めます。テスト IP アドレスは、アダプタのプライマリ IP アドレスと同じサブネットでなければなりません。
IP ネットワークマルチパスグループのテスト IP アドレスについては、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の「IPMP」(Solaris 9 または Solaris 10) を参照してください。
ダウングレード - Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアは、Sun Cluster ソフトウェアのダウングレードをサポートしません。
データサービスのアップグレードにおける scinstall の制限 - scinstall アップグレードユーティリティーは、Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアが提供するデータサービスだけをアップグレードします。カスタムまたはサードパーティ製のデータサービスは、手動でアップグレードする必要があります。
クラスタを Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアにアップグレードするときには、次のいずれかの方法を選択します。
ローリング以外のアップグレード –ローリング以外のアップグレード では、クラスタをシャットダウンしてから、クラスタノードをアップグレードします。すべてのノードを完全にアップグレードした後で、クラスタを運用状態に戻します。次の条件が 1 つでも当てはまる場合は、ローリング以外のアップグレード方法を使用する必要があります。
Sun Cluster 3.0 ソフトウェアからアップグレードする
Solaris 8 ソフトウェアから Solaris 9 ソフトウェアに、あるいは、Solaris 9 ソフトウェアから Solaris 10 10/05 ソフトウェア (またはその互換) にアップグレードする
アプリケーションやデータベースなど、アップグレードするソフトウェア製品が、すべてのクラスタノードで同じバージョンのソフトウェアを同時に実行することを要求する
Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールソフトウェアをアップグレードする
また、VxVM または VxFS もアップグレードする
ローリングアップグレード – ローリングアップグレードでは、1 度に 1 つのクラスタノードをアップグレードします。クラスタは、別のノードで実行されているサービスを利用できるため運用状態を維持できます。ローリングアップグレード方法は、次の条件のすべてが当てはまる場合に使用できます。
Sun Cluster 3.1 ソフトウェアからアップグレードする
Solaris オペレーティングシステムをアップグレードしているとしても、Solaris オペレーティングシステムを Solaris Update にのみアップグレードする
アップグレードが必要なアプリケーションまたはデータベースについては、ソフトウェアの現在のバージョンは、そのソフトウェアのアップグレードバージョンで実行されるクラスタに共存できます。
クラスタ構成が、ローリングアップグレードを実行するための必要条件を満たす場合でも、ローリング以外のアップグレードの実行を選ぶことができます。クラスタコントロールパネルを使用してすべてのクラスタノードに対して同時にコマンドを発行し、クラスタの停止時間を許容できる場合は、ローリングアップグレードよりもローリング以外のアップグレードの方が良い場合があります。
Sun Cluster 3.1 8/05 構成の計画の概要については、第 1 章「Sun Cluster 構成の計画」を参照してください。