Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

Procedureローリング以外のアップグレード用にクラスタを準備する

この手順は、クラスタを稼動環境から削除するときに実行します。

始める前に

次の作業を実行します。

手順
  1. クラスタが正常に機能していることを確認してください。

    • クラスタの現在の状態を表示するには、任意のノードから次のコマンドを実行します。


      % scstat
      

      詳細については、scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。

    • 同じノード上の /var/adm/messages ログに、解決されていないエラーや警告メッセージがないかどうかを確認します。

    • ボリューム管理の状態を確認します。

  2. (省略可能) Sun Cluster 3.1 8/05 のマニュアルをインストールします。

    管理コンソールまたドキュメンテーションサーバーなどの希望する場所に、ドキュメンテーションパッケージをインストールします。インストール手順については、Sun Cluster 2 of 2 CD-ROM の Solaris_arch/Product/sun_cluster/index.html ファイルを参照してください (archsparc または x86 です)。

  3. アップグレード中、クラスタサービスが利用できなくなることをユーザーに通知します。

  4. 各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。

  5. scsetup(1m) ユーティリティーを起動します。


    # scsetup
    

    メインメニューが表示されます。

  6. 各リソースグループをオフラインに切り替えます。

    1. scsetup のメインメニューから、メニュー項目「リソースグループ」を選択します。

    2. 「リソースグループメニュー」から、メニュー項目「リソースグループをオンライン/オフライン化、またはスイッチオーバー」を選択します。

    3. プロンプトに従って、リソースグループをすべてオフラインにして、管理されていない状態にします。

    4. すべてのリソースグループがオフラインになったら、q を入力して「リソースグループメニュー」に戻ります。

  7. クラスタ内のすべてのリソースを無効化します。

    アップグレードを行う前にリソースを無効にすることで、ノードが誤って再起動されクラスタモードになっても、そのリソースが自動的にオンラインになるのを防止します。

    1. 「リソースグループメニュー」から、メニュー項目「リソースを有効化または無効化」を選択します。

    2. 無効にするリソースを選択し、プロンプトの指示に従います。

    3. 各リソースで、手順 b を繰り返します。

    4. すべてのリソースが無効になったら、q を入力して「リソースグループメニュー」に戻ります。

  8. scsetup ユーティリティーを終了します。

    q を入力して各サブメニューを取り消すか、Ctrl-C を押してください。

  9. すべてのノード上のすべてのリソースが「Offline」になっており、すべてのリソースグループが 「Unmanaged」状態であることを確認します。


    # scstat -g
    
  10. クラスタが Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager ソフトウェアに二重列メディエータを使用している場合は、メディエータの構成を解除します。

    詳細については、「二重列メディエータの構成」を参照してください。

    1. 次のコマンドを実行して、メディエータデータに問題がないことを確認します。


      # medstat -s setname
      
      -s setname

      ディスクセット名を指定します。

      Status フィールドの値が不良の場合、関連するメディエータホストを修復します。「不正なメディエータデータを修復する」の手順に従います。

    2. すべてのメディエータを一覧表示します。

      この情報は、「Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアへのローリング以外のアップグレードを終了する」の手順でメディエータを復元するときのために保存しておいてください。

    3. メディエータを使用するディスクセットについては、ノードが所有権をまだ持っていない場合は、ディスクセットの所有権を取得します。


      # scswitch -z -D setname -h node
      
      -z

      マスター権を変更します。

      -D

      ディスクセットの名前を指定します。

      -h node

      ディスクセットの主ノードとなるノードの名前を指定します。

    4. ディスクセットのすべてのメディエータの構成を解除します。


      # metaset -s setname -d -m mediator-host-list
      
      -s setname

      ディスクセット名を指定します。

      -d

      ディスクセットから削除します。

      -m mediator-host-list

      削除するノードの名前をディスクセットのメディエータホストとして指定します。

      metaset コマンドのメディエータ固有のオプションの詳細については、mediator(7D) のマニュアルページを参照してください。

    5. メディエータを使用する残りの各ディスクセットで、 手順 c から手順 d までを繰り返します。

  11. Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを使用する 2 ノードクラスタの場合、可用性サービス用の構成データが定足数ディスク上にあることを確認します。

    クラスタソフトウェアをアップグレードしたあと、Sun StorEdge Availability Suite が正しく機能するようにするには、構成データを定足数ディスク上に置く必要があります。

    1. Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを実行するクラスタのノード上でスーパーユーザーになります。

    2. Sun StorEdge Availability Suite 構成ファイルで使用されるデバイス ID とスライスを見つけます。


      # /usr/opt/SUNWscm/sbin/dscfg
      /dev/did/rdsk/dNsS
      

      この出力例では、N がデバイス ID でS がデバイス N のスライスです。

    3. 既存の定足数デバイスを見つけます。


      # scstat -q
      -- Quorum Votes by Device --
                           Device Name         Present Possible Status
                           -----------         ------- -------- ------
         Device votes:     /dev/did/rdsk/dQsS  1       1        Online

      この出力例では、dQsS が既存の定足数デバイスです。

    4. 定足数デバイスが Sun StorEdge Availability Suite 構成データデバイスと同じでない場合は、構成データを定足数デバイス上の使用できるスライスに移します。


      # dd if=`/usr/opt/SUNWesm/sbin/dscfg` of=/dev/did/rdsk/dQsS
      

      注 –

      ブロック DID デバイス、/dev/did/dsk/ ではなく、raw DID デバイス、/dev/did/rdsk/ の名前を使用する必要があります。


    5. 構成データを移した場合、新しい場所を使用するように Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを構成してください。

      スーパーユーザーとして、Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを実行する各ノード上で次のコマンドを実行します。


      # /usr/opt/SUNWesm/sbin/dscfg -s /dev/did/rdsk/dQsS
      
  12. クラスタ内の各ノードで実行されているすべてのアプリケーションを停止します。

  13. すべての共有データをバックアップします。

  14. ノードのどれか 1 つで、クラスタを停止します。


    # scshutdown -g0 -y
    

    詳細については、scshutdown(1M) のマニュアルページを参照してください。

  15. 各ノードを非クラスタモードで起動します。

    • SPARC ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。


      ok boot -x
      
    • x86 ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。


      …
                            <<< Current Boot Parameters >>>
      Boot path: /pci@0,0/pci-ide@7,1/ata@1/cmdk@0,0:b
      Boot args:
      
      Type  b [file-name] [boot-flags] <ENTER>    to boot with options
      or    i <ENTER>                             to enter boot interpreter
      or    <ENTER>                               to boot with defaults
      
                        <<< timeout in 5 seconds >>>
      Select (b)oot or (i)nterpreter: b -x
      
  16. 各システムディスクをバックアップします。

次の手順

Sun Cluster ソフトウェアをアップグレードする前に Solaris ソフトウェアをアップグレードする場合は、「Solaris OS のローリング以外のアップグレードを実行する」に進みます。

そうでない場合は、依存ソフトウェアをアップグレードします。「ローリング以外の アップグレードの前に依存ソフトウェアをアップグレードする」に進みます。