Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

ProcedureSolaris OS のローリング以外のアップグレードを実行する

この手順は、Solaris OS をアップグレードするクラスタ内の各ノードで実行します。クラスタが既に Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアをサポートするバージョンの Solaris OS で動作している場合は、さらに Solaris OS をアップグレードするかどうかは任意です。Solaris OS をアップグレードする予定がない場合は、「Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアのローリング以外のアップグレードを実行する」に進みます。


注意 – 注意 –

Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアは、Solaris 9 OS から Solaris 10 OS のオリジナルリリース (2005 年 3 月に配布) へのアップグレードをサポートしません。少なくとも、Solaris 10 10/05 リリース (またはその互換) にアップグレードする必要があります。


始める前に

次の作業を実行します。

手順
  1. アップグレードするクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  2. (省略可能) SPARC:VxFSをアップグレードします。

    VxFS のマニュアルに記載された手順に従ってください。

  3. 次の Apache 実行制御スクリプトが存在しているかどうかと、有効または無効のどちらになっているかを確認します。


    /etc/rc0.d/K16apache
    /etc/rc1.d/K16apache
    /etc/rc2.d/K16apache
    /etc/rc3.d/S50apache
    /etc/rcS.d/K16apache

    Sun Cluster HA for Apache などのアプリケーションでは、Apache 実行制御スクリプトが無効になっている必要があります。

    • これらのスクリプトが存在しており、そのファイル名に大文字の K または S が含まれる場合、そのスクリプトは有効になっています。これらのスクリプトにはこれ以上何もする必要はありません。

    • これらのスクリプトが存在しない場合は、手順 8 で、Solaris OS のアップグレード中にインストールされた Apache 実行制御スクリプトが無効になっていることを確認する必要があります。

    • これらのスクリプトが存在しており、そのファイル名に小文字の k または s が含まれる場合、そのスクリプトは無効になっています。手順 8 で、Solaris OS のアップグレード中にインストールされた Apache 実行制御スクリプトが無効になっていることを確認する必要があります。

  4. ノードの /etc/vfstab ファイル内でグローバルにマウントされているファイルシステム内のすべてのエントリをコメントアウトします。

    1. 後で参照するために、既にコメントアウトしたすべてのエントリを記録します。

    2. /etc/vfstab ファイル内のグローバルにマウントされているファイルシステム用のすべてのエントリを一時的にコメントアウトします。

      グローバルにマウントされているファイルシステム用のエントリに、global マウントオプションがあります。これらのエントリをコメントアウトすることにより、Solaris のアップグレード中に広域デバイスにマウントするのを防止します。

  5. Solaris OS をアップグレードするために実行する手順を決定します。

    ボリュームマネージャー 

    手続き 

    参照マニュアル 

    Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager 

    任意の Solaris アップグレード方法 (Live Upgrade 方法を除く) 

    Solaris インストールマニュアル 

    SPARC:VERITAS Volume Manager 

    「Upgrading VxVM and Solaris」 

    VERITAS Volume Manager のインストールマニュアル 


    注 –

    クラスタに VxVM がインストールされている場合は、Solaris アップグレード処理の一環として、既存の VxVM ソフトウェアを再インストールするか、Solaris 9 バージョンの VxVM ソフトウェアにアップグレードする必要があります。


  6. 手順 5 で選択した手順に従って、Solaris ソフトウェアをアップグレードします。

    使用する手順に、次の変更を行います。

    • アップグレード処理中にノードの再起動を要求された場合は、常に、非クラスタモードで再起動してください。

      • boot コマンドと reboot コマンドの場合は、-x オプションをコマンドに追加します。

        -x オプションを指定することで、そのノードは非クラスタモードで再起動されます。たとえば、次のコマンドはいずれも、ノードをシングルユーザーの非クラスタモードで起動します。

        • SPARC ベースのシステムでは、次のコマンドのどちらか一方を実行します。


          # reboot -- -xs
          または
          ok boot -xs
          
        • x86 ベースのシステムでは、次のコマンドのどちらか一方を実行します。


          # reboot -- -xs
          または
          ...
                                <<< Current Boot Parameters >>>
          Boot path: /pci@0,0/pci-ide@7,1/ata@1/cmdk@0,0:b
          Boot args:
          
          Type  b [file-name] [boot-flags] <ENTER>  to boot with options
          or    i <ENTER>                           to enter boot interpreter
          or    <ENTER>                             to boot with defaults
          
                            <<< timeout in 5 seconds >>>
          Select (b)oot or (i)nterpreter: b -xs
          
      • init S コマンドを実行するように指示された場合は、代わりに、reboot -- -xs コマンドを使用します。

    • Solaris ソフトウェアアップグレードでは、インストール終了後の自動リブートを実行しないでください。代わりに以下の作業を行なってください。

      1. この手順に戻って、手順 7手順 8 を実行します。

      2. 手順 9 で非クラスタモードで再起動して、Solaris ソフトウェアのアップグレードを完了します。

  7. 手順 4 でコメントアウトした、/a/etc/vfstab ファイルの広域的にマウントされるファイルシステム用のエントリをコメント解除します。

  8. Solaris OS をアップグレードする前に、Apache 実行制御スクリプトが無効になっていたか、存在しなかった場合は、Solaris アップグレート中にインストールされた任意のスクリプトが無効になっていることを確認します。

    Apache 実行制御スクリプトを無効にするには、次のコマンドを使用して、小文字の k または s が名前に含まれるファイルの名前を変更します。


    # mv /a/etc/rc0.d/K16apache /a/etc/rc0.d/k16apache 
    # mv /a/etc/rc1.d/K16apache /a/etc/rc1.d/k16apache
    # mv /a/etc/rc2.d/K16apache /a/etc/rc2.d/k16apache
    # mv /a/etc/rc3.d/S50apache /a/etc/rc3.d/s50apache
    # mv /a/etc/rcS.d/K16apache /a/etc/rcS.d/k16apache
    

    あるいは、これらのスクリプトの名前を、通常の管理習慣に合った名前に変更します。

  9. ノードを非クラスタモードで再起動します。

    次のコマンドに 2 つのダッシュ (--) を含めます。


    # reboot -- -x
    
  10. SPARC: クラスタが VxVM を実行している場合は、手順「Upgrading VxVM and Solaris」の残りの手順を実行して、VxVM を再インストールまたはアップグレードします。

    この手順に次の変更を行います。

    • VxVM のアップグレードが完了して、再起動する前に/etc/vfstab ファイルのエントリを確認してください。

      手順 7 でコメント解除した任意のエントリがコメントアウトされている場合は、それらのエントリを再びコメント解除します。

    • VxVM の手順で最終的な再起動を行うように指示された場合は、-r オプションを単独で使用しないでください。代わりに、-rx オプションを使用して、非クラスタモードで再起動します。


      # reboot -- -rx
      

    注 –

    次のようなメッセージが表示された場合は、root パスワードを入力して、アップグレード処理を続行します。fsck コマンドは実行しないでください。また、Ctrl-D キーも使用しないでください。


    WARNING - Unable to repair the /global/.devices/node@1 filesystem. 
    Run fsck manually (fsck -F ufs /dev/vx/rdsk/rootdisk_13vol). Exit the 
    shell when done to continue the boot process.
    
    Type control-d to proceed with normal startup,
    (or give root password for system maintenance):  root パスワードを入力してください
    

  11. Solaris ソフトウェアの必須パッチとハードウェア関連のパッチをすべてインストールし、ハードウェアパッチに含まれる必須ファームウェアをすべてダウンロードします。

    Solstice DiskSuite ソフトウェア (Solaris 8) については、Solstice DiskSuite ソフトウェアパッチをインストールする必要があります。


    注 –

    パッチを追加した後で、再起動しないでください。Sun Cluster ソフトウェアをアップグレードした後に、ノードを再起動してください。


    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 8/05 ご使用にあたって (Solaris OS 版)』「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

次の手順

依存ソフトウェアをアップグレードします。「ローリング以外の アップグレードの前に依存ソフトウェアをアップグレードする」に進みます。


注 –

Solaris 8 から Solaris 9 ソフトウェアへの、あるいは、Solaris 9 から Solaris 10 10/05 ソフトウェア (またはその互換) へのアップグレードを完了するには、Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェア (および依存ソフトウェア) を Solaris 9 または Solaris 10 バージョンにアップグレードする必要があります。この作業は、クラスタがすでに Solaris ソフトウェアの別のバージョン用の Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアで動作している場合でも実行する必要があります。