Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

Procedureローリングアップグレード用にクラスタノードを準備する

この作業は、一度に 1 つのノードで実行してください。残りのノードがアクティブなクラスタメンバーとして機能し続けている間に、アップグレードしたノードをクラスタから外します。

始める前に

次の作業を実行します。

ローリングアップグレードを実行する場合、以下のガイドラインを守ってください。

手順
  1. (省略可能) Sun Cluster 3.1 8/05 のマニュアルをインストールします。

    管理コンソールまたドキュメンテーションサーバーなどの希望する場所に、ドキュメンテーションパッケージをインストールします。インストール手順については、Sun Cluster 2 of 2 CD-ROM の Solaris_arch/Product/sun_cluster/index.html ファイルを参照してください (archsparc または x86 です)。

  2. Sun Cluster 3.1 9/04 リリースからアップグレードしている場合は、最新の Sun Cluster 3.1 Core Patch がインストールされていることを確認します。

    この Core Patch には、Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアから Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアへのローリングアップグレードを有効にするために必要な 6210440 用のコード修正が含まれます。

  3. アップグレードする 1 つのクラスタノード上でスーパーユーザーになります。

  4. Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを使用する 2 ノードクラスタの場合、可用性サービス用の構成データが定足数ディスク上にあることを確認します。

    クラスタソフトウェアをアップグレードしたあと、Sun StorEdge Availability Suite が正しく機能するようにするには、構成データを定足数ディスク上に置く必要があります。

    1. Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを実行するクラスタのノード上でスーパーユーザーになります。

    2. Sun StorEdge Availability Suite 構成ファイルで使用されるデバイス ID とスライスを見つけます。


      # /usr/opt/SUNWscm/sbin/dscfg
      /dev/did/rdsk/dNsS
      

      この出力例では、N がデバイス ID でS がデバイス N のスライスです。

    3. 既存の定足数デバイスを見つけます。


      # scstat -q
      -- Quorum Votes by Device --
                           Device Name         Present Possible Status
                           -----------         ------- -------- ------
         Device votes:     /dev/did/rdsk/dQsS  1       1        Online

      この出力例では、dQsS が既存の定足数デバイスです。

    4. 定足数デバイスが Sun StorEdge Availability Suite 構成データデバイスと同じでない場合は、構成データを定足数デバイス上の使用できるスライスに移します。


      # dd if=`/usr/opt/SUNWesm/sbin/dscfg` of=/dev/did/rdsk/dQsS
      

      注 –

      ブロック DID デバイス、/dev/did/dsk/ ではなく、raw DID デバイス、/dev/did/rdsk/ の名前を使用する必要があります。


    5. 構成データを移した場合、新しい場所を使用するように Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを構成してください。

      スーパーユーザーとして、Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを実行する各ノード上で次のコマンドを実行します。


      # /usr/opt/SUNWesm/sbin/dscfg -s /dev/did/rdsk/dQsS
      
  5. 任意のノードから、クラスタの現在の状態を表示します。

    この出力を後の比較基準として保存しておきます。


    % scstat
    % scrgadm -pv[v]

    詳細については、scstat(1M)scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

  6. アップグレードするノードで動作しているすべてのリソースグループとデバイスグループを移動します。


    # scswitch -S -h from-node
    
    -S

    すべてのリソースグループとデバイスグループを退避させます。

    -h from-node

    リソースグループとデバイスグループを退避させるノード名を指定します。

    詳細については、scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。

  7. 退避が正常に完了したことを確認します。


    # scstat -g -D
    
    -g

    すべてのリソースグループのステータスが表示されます。

    -D

    すべてのディスクデバイスグループのステータスが表示されます。

  8. システムディスク、アプリケーション、およびすべてのデータがバックアップされていることを確認します。

  9. クラスタが Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager ソフトウェアに二重列メディエータを使用している場合は、メディエータの構成を解除します。

    詳細については、「二重列メディエータの構成」を参照してください。

    1. 次のコマンドを実行して、メディエータデータに問題がないことを確認します。


      # medstat -s setname
      
      -s setname

      ディスクセット名を指定します。

      Status フィールドの値が不良の場合、関連するメディエータホストを修復します。「不正なメディエータデータを修復する」の手順に従います。

    2. すべてのメディエータを一覧表示します。

      この情報は、「Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアへのローリングアップグレードを終了する」の手順でメディエータを復元するときのために保存しておいてください。

    3. メディエータを使用するディスクセットについては、ノードが所有権をまだ持っていない場合は、ディスクセットの所有権を取得します。


      # scswitch -z -D setname -h node
      
      -z

      マスター権を変更します。

      -D

      ディスクセットの名前を指定します。

      -h node

      ディスクセットの主ノードとなるノードの名前を指定します。

    4. ディスクセットのすべてのメディエータの構成を解除します。


      # metaset -s setname -d -m mediator-host-list
      
      -s setname

      ディスクセット名を指定します。

      -d

      ディスクセットから削除します。

      -m mediator-host-list

      削除するノードの名前をディスクセットのメディエータホストとして指定します。

      metaset コマンドのメディエータ固有のオプションの詳細については、mediator(7D) のマニュアルページを参照してください。

    5. メディエータを使用する残りの各ディスクセットで、これらの手順を繰り返します。

  10. アップグレードするノードをシャットダウンして、非クラスタモードで起動します。

    • SPARC ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。


      # shutdown -y -g0
      ok boot -x
      
    • x86 ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。


      # shutdown -y -g0
      ...
                            <<< Current Boot Parameters >>>
      Boot path: /pci@0,0/pci-ide@7,1/ata@1/cmdk@0,0:b
      Boot args:
      
      Type   b [file-name] [boot-flags] <ENTER>    to boot with options
      or     i <ENTER>                             to enter boot interpreter
      or     <ENTER>                               to boot with defaults
      
                        <<< timeout in 5 seconds >>>
      Select (b)oot or (i)nterpreter: b -x
      

    クラスタ内のほかのノードは、アクティブクラスタメンバーとして引き続き機能します。

次の手順

Solaris ソフトウェアを Maintenance Update リリースにアップグレードする場合は、「Solaris メンテナンスアップグレードのローリングアップグレードを実行する」に進みます。


注 –

Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアをサポートするためには、クラスタは、少なくとも Solaris OS の必要最低条件のレベルで実行されているか、アップグレードされている必要があります。Solaris OS のサポートされるリリースについては、『Sun Cluster 3.1 8/05 ご使用にあたって (Solaris OS 版)』を参照してください。


Solaris OS をアップグレードする予定がない場合は、「ローリングアップグレードの前に依存ソフトウェアをアップグレードする」に進みます。