この作業は、一度に 1 つのノードで実行してください。残りのノードがアクティブなクラスタメンバーとして機能し続けている間に、アップグレードしたノードをクラスタから外します。
次の作業を実行します。
クラスタ構成が、アップグレードの必要条件を満たしていることを確認します。「アップグレードの必要条件とソフトウェアサポートのガイドライン」を参照してください。
クラスタのアップグレードを開始する前に、次のソフトウェアを含む、アップグレード対象のすべてのソフトウェア製品のCD-ROM、マニュアル、およびパッチを用意します。
Solaris OS
Sun Cluster 3.1 8/05 フレームワーク
Sun Cluster 3.1 8/05 データサービス (エージェント)
Sun Cluster 3.1 8/05 データサービスエージェントが管理するアプリケーション
パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 8/05 ご使用にあたって (Solaris OS 版)』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。
ローリングアップグレードを実行する場合、以下のガイドラインを守ってください。
ローリングアップグレード中は、クラスタ構成に変更を行わないでください。たとえば、クラスタインターコネクトや定足数デバイスを追加したり、変更したりしないでください。このような変更を行う必要がある場合は、ローリングアップグレード手順を開始する前に行うか、すべてのノードがアップグレードされて、クラスタが新しいソフトウェアバージョンにコミットされるまで待機します。
すべてのクラスタノードのローリングアップグレードを完了するために要する時間を制限します。ノードがアップグレードされたら、できるだけ早く次のクラスタノードのアップグレードを開始します。混合したバージョンのクラスタを長時間実行すると、パフォーマンスの低下やその他の機能の低下が発生する場合があります。
アップグレード中に新しいデータサービスをインストールしたり、管理構成コマンドを発行したりしないでください。
クラスタのすべてのノードがアップグレードされ、アップグレードが確定するまで、新しいリリースで導入された新機能を使用できない場合があります。
(省略可能) Sun Cluster 3.1 8/05 のマニュアルをインストールします。
管理コンソールまたドキュメンテーションサーバーなどの希望する場所に、ドキュメンテーションパッケージをインストールします。インストール手順については、Sun Cluster 2 of 2 CD-ROM の Solaris_arch/Product/sun_cluster/index.html ファイルを参照してください (arch は sparc または x86 です)。
Sun Cluster 3.1 9/04 リリースからアップグレードしている場合は、最新の Sun Cluster 3.1 Core Patch がインストールされていることを確認します。
この Core Patch には、Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアから Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアへのローリングアップグレードを有効にするために必要な 6210440 用のコード修正が含まれます。
アップグレードする 1 つのクラスタノード上でスーパーユーザーになります。
Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを使用する 2 ノードクラスタの場合、可用性サービス用の構成データが定足数ディスク上にあることを確認します。
クラスタソフトウェアをアップグレードしたあと、Sun StorEdge Availability Suite が正しく機能するようにするには、構成データを定足数ディスク上に置く必要があります。
Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを実行するクラスタのノード上でスーパーユーザーになります。
Sun StorEdge Availability Suite 構成ファイルで使用されるデバイス ID とスライスを見つけます。
# /usr/opt/SUNWscm/sbin/dscfg /dev/did/rdsk/dNsS |
この出力例では、N がデバイス ID でS がデバイス N のスライスです。
既存の定足数デバイスを見つけます。
# scstat -q -- Quorum Votes by Device -- Device Name Present Possible Status ----------- ------- -------- ------ Device votes: /dev/did/rdsk/dQsS 1 1 Online |
この出力例では、dQsS が既存の定足数デバイスです。
定足数デバイスが Sun StorEdge Availability Suite 構成データデバイスと同じでない場合は、構成データを定足数デバイス上の使用できるスライスに移します。
# dd if=`/usr/opt/SUNWesm/sbin/dscfg` of=/dev/did/rdsk/dQsS |
ブロック DID デバイス、/dev/did/dsk/ ではなく、raw DID デバイス、/dev/did/rdsk/ の名前を使用する必要があります。
構成データを移した場合、新しい場所を使用するように Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを構成してください。
スーパーユーザーとして、Sun StorEdge Availability Suite ソフトウェアを実行する各ノード上で次のコマンドを実行します。
# /usr/opt/SUNWesm/sbin/dscfg -s /dev/did/rdsk/dQsS |
任意のノードから、クラスタの現在の状態を表示します。
この出力を後の比較基準として保存しておきます。
% scstat % scrgadm -pv[v] |
詳細については、scstat(1M) と scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
アップグレードするノードで動作しているすべてのリソースグループとデバイスグループを移動します。
# scswitch -S -h from-node |
すべてのリソースグループとデバイスグループを退避させます。
リソースグループとデバイスグループを退避させるノード名を指定します。
詳細については、scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
# scstat -g -D |
すべてのリソースグループのステータスが表示されます。
すべてのディスクデバイスグループのステータスが表示されます。
クラスタが Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager ソフトウェアに二重列メディエータを使用している場合は、メディエータの構成を解除します。
詳細については、「二重列メディエータの構成」を参照してください。
次のコマンドを実行して、メディエータデータに問題がないことを確認します。
# medstat -s setname |
ディスクセット名を指定します。
Status フィールドの値が不良の場合、関連するメディエータホストを修復します。「不正なメディエータデータを修復する」の手順に従います。
すべてのメディエータを一覧表示します。
この情報は、「Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアへのローリングアップグレードを終了する」の手順でメディエータを復元するときのために保存しておいてください。
メディエータを使用するディスクセットについては、ノードが所有権をまだ持っていない場合は、ディスクセットの所有権を取得します。
# scswitch -z -D setname -h node |
マスター権を変更します。
ディスクセットの名前を指定します。
ディスクセットの主ノードとなるノードの名前を指定します。
ディスクセットのすべてのメディエータの構成を解除します。
# metaset -s setname -d -m mediator-host-list |
ディスクセット名を指定します。
ディスクセットから削除します。
削除するノードの名前をディスクセットのメディエータホストとして指定します。
metaset コマンドのメディエータ固有のオプションの詳細については、mediator(7D) のマニュアルページを参照してください。
メディエータを使用する残りの各ディスクセットで、これらの手順を繰り返します。
アップグレードするノードをシャットダウンして、非クラスタモードで起動します。
SPARC ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。
# shutdown -y -g0 ok boot -x |
x86 ベースのシステム上で、以下のコマンドを実行します。
# shutdown -y -g0 ... <<< Current Boot Parameters >>> Boot path: /pci@0,0/pci-ide@7,1/ata@1/cmdk@0,0:b Boot args: Type b [file-name] [boot-flags] <ENTER> to boot with options or i <ENTER> to enter boot interpreter or <ENTER> to boot with defaults <<< timeout in 5 seconds >>> Select (b)oot or (i)nterpreter: b -x |
クラスタ内のほかのノードは、アクティブクラスタメンバーとして引き続き機能します。
Solaris ソフトウェアを Maintenance Update リリースにアップグレードする場合は、「Solaris メンテナンスアップグレードのローリングアップグレードを実行する」に進みます。
Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアをサポートするためには、クラスタは、少なくとも Solaris OS の必要最低条件のレベルで実行されているか、アップグレードされている必要があります。Solaris OS のサポートされるリリースについては、『Sun Cluster 3.1 8/05 ご使用にあたって (Solaris OS 版)』を参照してください。
Solaris OS をアップグレードする予定がない場合は、「ローリングアップグレードの前に依存ソフトウェアをアップグレードする」に進みます。