合成トランザクションモジュールは、サービスの可用性をリモートで監視し測定できます。このモジュールは、synthetic (ダミー) transactions を使用して、サービスの使用をシミュレートします。これらのモジュールは、定義されている設定に従って定期的にサービス要求をサービスに送信し、使用をシミュレートしてサービスを監視します。報告可能な応答時間の例として、接続時間および合計トランザクション時間があります。応答時間はすべて、ミリ秒で報告されます。応答時間にアラームしきい値を設定することもできます。すべての合成トランザクションモジュールは、マルチインスタンスモジュールです。
次の 10 種類の合成トランザクションモジュールを利用できます。
HTTP – HTTP プロトコルを使用して、Web サーバのサービスの可用性および Web ページの取得時間を判断します。
FTP – FTP サービスの可用性を判断します。さらに、FTP サーバとの間のファイル転送能力も測定します。FtpGet は、FTP サーバから指定のファイルを取得します。FtpPut は、サーバにファイルを置きます。
Telnet – Telnet サービスの可用性を判断します。
DNS – DNS サービスの可用性およびホスト名を解決する DNS デーモンの能力を判断します。
NIS – NIS サービスの可用性を判断します。また、NIS デーモンが NIS ドメインで名前を解決する能力も判断します。サポートされる名前解決タイプは、ユーザ名、ホスト名、グループ名、およびメールエイリアスです。
LDAP – LDAP サービスの可用性および名前を解決する LDAP デーモンの能力を判断します。
SMTP – メール送信時の SMTP メールサービスの可用性と性能を測定します。テスト用の電子メールを送信するには、宛先のサーバ側に少なくとも 1 つのダミー電子メールアカウントを作成する必要があります。メールボックスが一杯にならないように、定期的にテスト電子メールを削除してください。
POP3 – POP3 メールサービスの可用性およびメール取得時の性能を測定します。
IMAP4 – メール取得時の IMAP4 メールサービスの可用性と性能を測定します。
カレンダ – Solaris カレンダサービスの可用性およびカレンダアポイントメントを検索する能力を測定します。
IMAP および POP3 モジュールには、ダミーのユーザ名とパスワードが必要です。合成トランザクションの実行時、パスワードはクリアテキストで渡されます。したがって、パスワードは安全ではありません。テストユーザが特権を持っていないことを確認してください。
モジュールをロードする前に、特定の設定パラメータを指定する必要があります。たとえば、サービスホスト名は指定が必要です。設定パラメータの詳細については、付録 A 「設定とモジュールパラメータ」を参照してください。
モジュールがロードされると、サービスの状態は サーバ詳細表で確認できます。サーバ詳細表に示されるサービスの状態は、次の 3 つになります。
使用可能 (up) – サービスは実行中です。
使用不可 (down) – サービスは利用不可能です。状況により、利用不可能である原因は異なります。たとえば、ホスト名が解決されていない、宛先に到達できない、あるいはサービスが実行されていないなどです。危険アラームが生成されます。
縮退 – サービスが実行中であるが、パフォーマンスが低下しています。モジュールはテストトランザクションを実行することができますが、トランザクションの応答時間が、指定したアラームしきい値を超えています。可用性が低下すると、アラームが生成されます。このアラームの重要度は、トランザクションの応答時間に設定したすべてのアラームの中で最も高い重要度です。
モジュールをロードします。
モジュールのロードについての詳細は、『Sun Management Center 3.5 ユーザーガイド』の「モジュールを読み込む」を参照してください。
ロードする各モジュールに対して、必須の設定パラメータを「モジュールローダ」ダイアログボックスに指定します。
利用可能な合成トランザクションモジュールの完全なリストについては、合成トランザクションモジュールの概要 を参照してください。
各モジュールには、定義しなければならない特定のパラメータ要件があります。パラメータが定義されると、モジュールは リモートシステムカテゴリで Sun Management Center にロードされます。パラメータに関する詳細については、付録 A 「設定とモジュールパラメータ」を参照してください。
合成トランザクションモジュールにアクセスするには、まずこのモジュールをロードする必要があります。
Sun Management Center 3.5 コンソールウィンドウで、「モジュールブラウザ」タブをクリックします。
「リモートシステム」カテゴリをダブルクリックして、これを展開します。
合成トランザクションアイコンが表示されます。
合成トランザクションアイコンをダブルクリックします。
サービスマネージャは、右パネルにアプリケーションフォルダを表示します。
アプリケーションフォルダをダブルクリックします。
サービスマネージャは、モジュールと関連のある次の表を表示できます。
サーバ詳細表: サーバ上で監視されるサービスに関する詳細を提供します。
サービス測定表: 合成トランザクションに関する詳細を提供します。
サービス測定表で、表の行上でマウスボタン 3 をクリックします。
ポップアップメニューが現れます。
「新規行」を選びます。
「新規行」ダイアログボックスが現れます。
行を追加するための適切なパラメータを指定します。
パラメータ要件の詳細については、付録 A 「設定とモジュールパラメータ」を参照してください。
「了解」をクリックします。
サービス測定表で、操作対象の行上でマウスボタン 3 をクリックします。
ポップアップメニューが現れます。
「行の削除」または「行の編集」オプションを選択します。
必要な編集操作を完了します。
「了解」をクリックします。
サーバ詳細表内のパラメータを編集するには、Sun Management Center 3.5 のモジュールの編集機能を使用します。
サーバ詳細表にアクセスするには、合成トランザクションモジュールにアクセスするを参照してください。
モジュールの編集機能の詳細については、『Sun Management Center 3.5 ユーザーガイド』の「モジュールの操作」を参照してください。