付録A


Hardware Diagnostic Suite テスト
リファレンス

この付録では、Hardware Diagnostic Suite のテスト内容とそれぞれのテストの実行条件をまとめています。


CDROM テスト

CD-ROM テストは、CD-ROM ドライブを検査します。

各トラックは、次のように分類されます。


ディスクテスト

ディスクテストは、ハードディスクドライブの機能を検査します。

表 A-2 ディスクテストの説明と条件

テストモード

説明

条件

簡易検査

ドライブを開いて、構成を調べ、ブロックをいくつか読み取ってから、ドライブを閉じます。すべての UNIX ドライブのエラーメッセージすべてが監視、表示されます。ドライブへのデータの書き込みや、ファイルシステムのテストは行われません。

 

なし

フルテスト

ドライブを開いて、構成を調べ、読み取り専用テストとランダムシークテストを実行します。

ファイルシステムテストは実行されません。テストが終了すると、ドライブが閉じられます。UNIX ドライブのエラーメッセージすべてが監視、表示されます。

なし



フロッピーテスト

フロッピーテストは、フロッピーディスクドライブを検査します。

表 A-3 フロッピーテストの説明と条件

テストモード

説明

条件

簡易検査

フロッピーディスクドライブを開きます。すべての UNIX フロッピーディスクドライブのエラーメッセージは監視され、表示されます。データの書き込みや、ファイルシステムのテストは行われません。

UNIX 用にフォーマットしたフロッピーディスクをドライブに挿入してください。

フルテスト

ドライブを開いて、構成を調べ、フロッピーディスクに対して読み取り専用のテストを実行します。ファイルシステムテストは実行されません。テストが終了すると、フロッピーディスクドライブが閉じられます。UNIX のフロッピーディスクエラーメッセージすべてが監視され、表示されます。

UNIX 用にフォーマットしたフロッピーディスクをドライブに挿入してください。



メモリテスト

メモリテストは、システムの物理メモリをテストします。パリティーエラー、ハードおよびソフトエラー訂正コード (ECC) エラー、メモリ読み取りエラー、アドレス指定エラーが検出されます。擬似ドライバの mem(7) を使用して物理メモリが読み取られます。

このテストは、使用可能な物理メモリ全体をテストします。どの物理メモリの場所にも書き込みは行われません。

表 A-4 メモリテストの説明と条件

テストモード

説明

条件

簡易検査

メモリの 1% を読み取ります。使用可能な物理メモリの大きさも表示されます。ECC メモリエラー処理方式のシステムの場合は、前回実行されたテスト以降に発生した ECC エラーが検出されます。ECC エラーの報告は CPU、メモリボード、SIMM ごとに行われます。

なし

フルテスト

読み取られるメモリ量が多いことを除けば、簡易検査と同じテストが行われます。

なし



ネットワークテスト

ネットワークテストは、システムの CPU ボードおよび独立したネットワークコントローラボード (2 つ目の SBus Ethernet コントローラなど) 上にある、すべてのネットワークハードウェアをテストします。次のようなネットワークデバイスがあります。

ネットワークテストが意味を持つのは、他のシステムが少なくとも 1 台存在するネットワークに、テスト対象のマシンが接続されている場合です。このテストでは主に ICMP (Internet Control Message Protocol) を使用します。ネットワークには、テスト対象のマシンと、通信相手として信頼できるもう 1 台のマシンの少なくとも 2 台のマシンが必要になります。両方のマシンが TCP/IP (Transport Control Protocol/Internet Protocol) をサポートしている必要があります。また、通信相手のマシンは、ICMP または RPC ブロードキャストのいずれかに応答するように設定されている必要があります。

ネットワークテストでは、最初にテスト対象のマシンと相手マシンを特定しようとします。ICMP ブロードキャストを送信することによって、マシンが見つからない場合は、RPC ポートマッパーデーモンに RPC ブロードキャストを試します。相手マシンを検出すると、データ長がランダムで、ランダムなデータを含む 256 個のパケットを送信するランダムテストを実行します。

受信タイムアウトは 120 秒です。3 回再試行が失敗すると、エラーになります。

表 A-5 シリアルテストの説明と条件

テストモード

説明

条件

簡易検査

デバイスが接続されているかどうかを確認します。すべてのネットワークインタフェースが検索され、指定のデバイスが検出されます。接続されているデバイスを検出するとテスト合格、検出されないとテスト失敗になります。

システムがネットワークに接続されていて、テスト対象のネットワークインタフェース経由でネットワーク通信ができるように設定されている必要があります。

フルテスト

前述のテスト内容にあるとおりのテストが行われます。

システムがネットワークに接続されていて、テスト対象のネットワークインタフェース経由でネットワーク通信ができるように設定されている必要があります。



パラレルポートテスト

パラレルテストは、IEEE 1248 セントロニクス互換のパラレルポート (ECP モード対応) の機能を検査します。

テストが成功した場合は、DMA 回路とデバイスドライバが正しく機能していることを意味します。

表 A-6 パラレルテストの説明と条件

テストモード

説明

条件

簡易検査

システムに双方向のパラレルポートが設定されていることを確認します。このモードでのテストに成功した場合、システムに双方向パラレルポートのハードウェアが接続されていて、ソフトウェアドライバがインストールされていることを意味します。

なし

フルテスト

内部 FIFO ループバックテストの ioctl を使用して、デバイスの内部ループバックテストを実行することによって、デバイスの機能を検査します。

 

使用されるアルゴリズムは次のとおりです。

  • set TFIFO mode
  • pio write/read/compare on fifo contents
  • dma write to fifo and pio read/compare

なし



プロセッサテスト

プロセッサテストは、SPARCtrademark ベースのアーキテクチャを持つマシンの浮動小数点ユニットをテストします。一連のテストで、レジスタ、単精度および倍精度浮動小数点から整数への変換、加算、減算、乗算、除算、ロックチェック、タイミング、条件分岐および非条件分岐命令が検査されます。

表 A-7 プロセッサテストの説明と条件

テストモード

説明

条件

簡易検査

CPU の特性を検査します。

なし

フルテスト

浮動小数点ユニットの機能を検査します。

なし



シリアルポートテスト

シリアルテストは、システムボード上のシリアルポート (zs[0,1]、 zsh[0,1]、 se[0,1]、 se_hdlc[0,1]) をテストします。

フルテストモードでは非同期および同期テストが実行されます。テスト内容は次のとおりです。


Sun StorEdge A5x00 格納装置テスト

Sun StorEdge A5x00 格納装置テストは、Sun StorEdge A5x00 サブシステムの機能を検査します。

Sun StorEdge A5x00 格納装置テストは、ホストに接続されているすべての Sun StorEdge A5x00 格納装置を検出して、関係する構成情報を収集します。

表 A-9 Sun StorEdge A5x00 格納装置テストの説明と条件

テストモード

説明

条件

簡易検査

ホスト接続と格納装置の状態が検査されます。接続が切断されているか、重大な格納装置状態が検出されると、テストは失敗します。

なし

フルテスト

アクティブでないものも含めて、ホストと格納装置間のすべての接続を調べることによって、アクティブな接続数が報告されます。アクティブでない接続を診断し、考えられる原因を報告します。

格納装置の状態は、その内部の SES (SCSI Enclosure Services) に問い合わせることによって取得します。格納装置内の全要素の詳細な状態情報が報告されます。重大な状態が検出された場合は、テストは失敗します。

なし



Sun StorEdge A/D 1000 格納装置テスト

Sun StorEdge A/D 1000 格納装置テストは、Sun StorEdge 1000 格納装置の機能を検査します。

A/D 1000 格納装置テストは、接続されているすべての Sun StorEdge 格納装置を検出し、格納装置内の様々な要素の状態を報告します。

表 A-10 Sun StorEdge A/D 1000 格納装置テストの説明と条件

テストモード

説明

条件

簡易検査

格納装置の状態サマリービットが読み取られます。回復不可能または重大な状態が検出された場合にのみ、詳細情報が報告されます。

なし

フルテスト

格納装置内の次の要素の状態を調査して、報告します。

  • ディスク
  • 電源装置
  • ファン
  • 温度
  • RPA キャッシュバッテリー (Sun StorEdge A1000 のみ)

回復不可能または重大な状態が検出された場合は、エラーが記録されます。重要以外の状態は、警告メッセージを使って報告されます。

なし



SPARCstorage Array コントローラテスト

SPARCstoragetrademark Array コントローラテストは、SPARCstorage Array 上のコントローラボードの機能を検査します。SPARCstorage Array コントローラテストは、アレイディスクドライブの障害と SSA コントローラボードの障害を区別します。

表 A-11 SPARCstorage Array コントローラテストの説明と条件

テストモード

説明

条件

簡易検査

SPARCstorage Array のバッテリーモジュールとファンモジュールの状態を検査します。

なし

フルテスト

NVRAM に対するさまざまなサイズの SCSI 読み取りバッファーコマンドを実行することによって、ハードウェアおよびソフトウェアの動作を検査します。SCSI デバイスを除く、アレイコントローラカード上のすべてのコンポーネント、すなわち、ホスト光ファイバチャネルハードウェア、アレイ光ファイバチャネルハードウェア、アレイ常駐管理ソフトウェア、ハードウェアコンポーネント間の対話がテストされます。

注意 − ハードディスクドライブのテストには、ディスクテストを実施してください。このテストは、SPARCstorage Array のファンおよび NVRAM バッテリーモジュールの障害も報告します。

なし



テープテスト

テープテストは、いろいろな種類のテープドライブの有無や動作を検査します。サポートしているのは、4 mm、8 mm、DLT、1/4 インチカートリッジ、1/2 インチフロントローディングのテープドライブです。

表 A-12 テープテストの説明と条件

テストモード

説明

条件

簡易検査

ドライブを開くことができて、ドライブの 種類を特定できることを確認します。両方 の検査が成功するか、ドライブがビジーで ある場合、テストは成功です。ビジー以外 の理由で、ドライブを開けない場合、テー プテストは失敗になります。

なし

フルテスト

ドライブを開くことができて、ドライブの 種類を特定できることを確認します。両方 の検査が成功するか、ドライブがビジーで ある場合、テストは成功です。ビジー以外 の理由で、ドライブを開けない場合、テー プテストは失敗になります。

なし