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Hardware Diagnostic Suite ソフトウェアのインストールとアンインストール

この章では、Hardware Diagnostic Suite のインストールに伴う基本的な問題点について説明します。インストールの要件に関する詳細については、『Sun Management Center 3.5 Software インストールと構成ガイド』を参照してください。


インストールの前に

必要なディスク容量

Hardware Diagnostics Suite の全コンポーネントをインストールするには、11M バイトの容量が必要です。各コンポーネントに必要なディスク容量を表 2-1 に示します。

表 2-1 使用されるディスク容量

コンポーネント

パッケージ

ディスク容量 (概算)

サーバ

SUNWed

350K バイト

エージェントとテスト

SUNWedag, SUNWedagx

8M バイト

コンソール

SUNWhdrmi

6K バイト

サーバとエージェントの
共通コンポーネント

SUNWedcom

18K バイト

ヘルプファイル、英語のみ

SUNWedh

1.7M バイト

すべてのコンポーネント

 

11M バイト




注 - 英語のパッケージに他言語にローカライズされたヘルプとメッセージパッケージをインストールするには、追加容量が必要です。各言語に必要な容量は最大で 2M バイトです。英語以外の言語でインストールするには、13M バイトが必要です。



システム負荷

診断アプリケーションなどのアプリケーションを、日常的な業務を処理するシステムで追加で実行するには、システムに課される負荷を考慮する必要があります。

Hardware Diagnostic Suite コンポーネントを実行したときの CPU に対する一般的なシステム負荷とメモリリソースについては表 2-2 を参照してください。これらの測定値は、256M バイトのメモリを搭載した Ultratrademark 60 Workstation で計測されています。

表 2-2 Hardware Diagnostic Suite コンポーネントシステム負荷統計

コンポーネント 1

Hardware Diagnostic Suite がアイドル状態の場合の CPU の活動状況

Hardware Diagnostic Suite がフルで実行されている場合の CPU の活動状況

使用されたメモリ
(RAM/スワップ、
K バイト単位)

エージェント

0.05%

0.5 - 0.9%

3560/5888

テスト

なし

0.2 - 0.9%

2000 - 4000/3000 - 5000

サーバ

0.04 - 0.09 %

1 - 4%

12232/33120

コンソール

0.05 - 0.5%

4 - 8%

31216/45712


1. テスト中のシステムにロードされるコンポーネントにより、考慮する必要があるのは Hardware Diagnostic Suite エージェントとテストに対する追加的な負荷のみとなります (サーバとコンソールのコンポーネントは通常、ネットワーク上の別の場所にロードされます)。

必要なパッチ

表 2-3 Hardware Diagnostic Suite エージェントを実行する各システムにインストールする必要のある、Solaris オペレーティング環境のパッチについて説明します。

Hardware Diagnostic Suite インストールスクリプトは、これらのパッチがシステムにインストールされているか確認し、インストールされていない場合は警告を発します。多くの場合、インストールスクリプトはパッチをインストールするかどうか確認します。「yes」を選択すると、インストールされます。「no」を選択すると、インストールされません。

Solaris 2.6 では、Hardware Diagnostic Suite インストールスクリプトに必須パッチの 1 つは含まれていません。当該パッチは、個別インストールする必要のあるカーネルの包括的なパッチであるためです (表 2-3 を参照してください)。Hardware Diagnostic Suite インストールスクリプトを実行する前に、このパッチをインストールしてください。

表 2-3 必要なパッチ

Solaris のリリース

Hardware Diagnostic Suite インストールスクリプトに含まれるパッチ

インストールスクリプトに含まれないパッチ

Solaris 2.6

105591-14

107733-10

105181-21
(以下の注記を参照してください)

Solaris 7

106300-16

106327-15

106950-18

なし

Solaris 8

なし

なし

Solaris 9

なし

なし




注 - Solaris 2.6 リリースについては、105181-21 以降のパッチが必要です。Sun Enterprise 10000 システムには、105181-21 よりも新しいバージョンのパッチが必要です。




Hardware Diagnostic Suite のダウンロード

Hardware Diagnostic Suite サーバは主な Sun Management Center ソフトウェアサーバにバンドルされています。これらのプログラムは、Sun Management Center 3.5 CD か、以下の Sun の web サイトから取得できます。

http://www.sun.com/sunmanagementcenter

以下の情報を含むインストール手順などの情報については、『Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド』を参照してください。


インストールとアンインストール

es-inst を使ってSun Management Center ソフトウェアをインストールすると、Hardware Diagnostic Suite ソフトウェアが追加オプションとしてインストールできます。Sun Management Center の es-uninst を使用するとアンインストールされます。

Hardware Diagnostic Suite は、主な Sun Management Center コンポーネントをインストールした後に GUI を使用して個別にインストールできます。詳細は、『 Sun Management Center 3.5 Software インストールと構成ガイド』を参照してください。



注 - Hardware Diagnostic Suite を再インストールしない場合、「yes」を選択し、crontab エントリを削除します。Hardware Diagnostic Suite をスケジューリングしている crontab エントリが残り、Hardware Diagnostic Suite エージェントがインストールされない場合、cron エラーが表示されることがあります。




procedure icon  es-inst スクリプトを使用して Hardware Diagnostic Suite をインストールする

1. es-inst スクリプトを実行します。

2. ファイルを格納するディレクトリを選択します。

デフォルトの格納場所は/opt です。

3. 適切な主要 Sun Management Center パッケージのインストールを選択します。

スクリプトは、これらのパッケージを実稼動環境または開発環境で使用するか、また、サーバ、エージェント、コンソールのコンポーネントのどれをインストールするか選択を促します。 また、インストールする言語も選択できます。主要ソフトウェアの詳細は、『Sun Management Center 3.5 Software インストールと構成ガイド』を参照してください。

4. オプションの追加機能を選択するよう指示されるので、Advanced System Monitoring パッケージを選択します。

このオプションには、Hardware Diagnostic Suite パッケージがすべて含まれます。

5. ご使用のプラットフォームに適したパッケージを選択してください。

たとえば、Sun Firetrademark 15K にこのソフトウェアをインストールしている場合、そのシステムタイプに適したパッケージを選択します。プラットフォーム特有の情報については、 http://www.sun.com/sunmanagementcenter のマニュアル集を参照してください。

6. テストしたいハードウェアに適したパッケージを選択します。

たとえば、Hardware Diagnostic Suite でストレージアレイをテストするには、そのハードウェアタイプに適したパッケージを選択します。


procedure icon  es-uninst スクリプトを使用して Hardware Diagnostic Suite をアンインストールする

1. Sun Management Center ディレクトリから es-uninst スクリプトを実行します。

デフォルトの格納場所は /opt/SUNWsymon/sbin です。

2. 環境全体をアンインストールする場合は、「no」を選択します。

たとえば、実稼動環境のアンインストールを選択すると、Hardware Diagnostic Suite だけではなく Sun Management Center 全体がアンインストールされます。

3. Advanced System Monitoring をアンインストールする場合は、「yes」を選択します。

Hardware Diagnostic パッケージ全体が削除されます。このバージョンのデータを、アップグレード時のために保存しておくか尋ねられます。

Sun Management Center の再インストール後

Sun Management Center ソフトウェアを再インストールすると、Hardware Diagnostic Suite ソフトウェアも再インストールする必要があります。

以下の詳細については、『Sun Management Center 3.5 Software インストールと構成ガイド』を参照してください。

アップグレード後のスケジュール情報の再起動

アップグレード時に、前バージョンの Hardware Diagnostic Suite のデータを保存していた場合でも、Hardware Diagnostic Suite 2.0 は過去のデータを自動的に認識しません。スケジュール作成情報は残りますが、エントリはアクティブな cron ジョブとして呼び出されません。

過去のスケジュールを再起動するには、/var/opt/SUNWhwdiag/sched.cron ファイルから crontab ファイルに情報を転送する必要があります。



注 - 過去のスケジュールを再確立するには、新しいスケジュールを作成する前に処理する必要があります。新しいスケジュールを作成すると、新しい crontab データが sched.cron ファイルに上書きされ、未添付の過去のスケジュールが削除されます。



Hardware Diagnostic Suite のパッケージ

Hardware Diagnostic Suite のインストールは、Sun Management Center ソフトウェアのインストールスクリプトによって行われ、個別パッケージのインストールで行われることはありません。参考までに、Hardware Diagnostic Suite を構成しているパッケージを次の表にまとめておきます。

表 2-4 Hardware Diagnostic Suite のパッケージ

パッケージ名

説明

SUNWed

サーバパッケージ

SUNWedag

エージェントとテストパッケージ

SUNWhdrmi

コンソールパッケージ

SUNWedagx

64 ビットエージェントとテストパッケージ

SUNWedcom

サーバとエージェントの共通コンポーネント

SUNWedh

ヘルプパッケージ (英語のみ)