Sun Management Center 3.6 ユーザーガイド

Sun Management Center の管理機能と監視機能

Sun Management Center ソフトウェアには、次の監視機能と管理機能が用意されています。

一般的なサポート機能

ここでは、ユーザ環境の管理と監視をサポートする機能について説明します。

自立型エージェント

Sun Management Center エージェントは、ホストシステムの主要データを積極的に抽出することで独自に機能します。これらのエージェントは、監視データの現在の状況に対する SNMP get 要求を通じてポーリングできます。

エージェントは、監視リソースのデータを収集すると、そのリソースに設定されたアラームしきい値と照合して、データがアラーム条件を構成するかどうかを判断します。監視データがアラームしきい値と一致すると、エージェントはアラーム条件に応じたアクションを起こします。エージェントは非同期メッセージ (SNMP トラップ) をサーバに送信し、サーバは監視データの状態の変化を通知します。

ユーザセキュリティ

Sun Management Center のセキュリティ機能は、ユーザやグループのログインおよびアクセス制御権の認証を行います。これにより、管理ドメイン、グループ、ホスト、モジュールの各レベルでセキュリティ (アクセス権) を設定することが可能です。

ユーザは、各種のアクセス権を設定してアクセスを制御することができます。たとえば、あるユーザグループにはホスト上のプロパティの表示と変更を許可し、別のグループにはホストの確認のみを許可することが可能です。Sun Management Center のセキュリティに関する一般的な情報は、第 18 章「Sun Management Center のセキュリティ」を参照してください。

Sun Management Center のセキュリティ機能へは、コンソール内の属性エディタまたは CLI からアクセスすることができます。属性エディタの詳細は、第 10 章「データプロパティ属性の監視」を参照してください。CLI の詳細は、第 20 章「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。

固有の管理機能と監視機能

ここでは、固有の管理機能と監視機能について説明します。これらの機能へはコンソールからアクセスできますが、一部の機能については CLI からもアクセス可能です。

検出機能

Sun Management Center には検出機能が用意されています。この機能は、監視や管理の対象となる Sun Management Center のネットワークリソースを自動的に検索します。ユーザは、いくつかの値 ( IP 範囲、ホスト名、読み込まれたモジュール、オペレーティングシステム、ハードウェアタイプ、これらを組み合わせた値) に基づいて、検出条件を設定することができます。詳細は、第 4 章「検出マネージャによるトポロジデータベースへのオブジェクト追加」を参照してください。

メインコンソールウィンドウ

Sun Management Center ソフトウェアには、表示や監視、対話を行うための Java インタフェースおよび Web インタフェースが用意されています。ユーザは、複数のコンソールウィンドウを介して、さまざまな場所にわたる複数の管理ドメインを監視することができます。Java コンソールの詳細は、第 5 章「Sun Management Center におけるオブジェクト管理」を参照してください。Web コンソールの詳細は、第 15 章「Web コンソールによるオブジェクトの管理」を参照してください。


注 –

Web コンソールは、Java コンソールで使用可能な機能のサブセットを提供します。このマニュアルで説明するほとんどの機能は Java コンソールで使用可能です。ただし、Web コンソール固有の情報については特別に明記しています。


階層表示とトポロジ表示

Sun Management Center ソフトウェアには、次の表示が用意されています。

ユーザは、階層表示で管理ドメインまたはホストをナビゲートして、該当オブジェクトを検索することができます。トポロジ表示とコンテンツ表示は、階層で選択されたオブジェクトのメンバーを表示します。

管理ドメインの場合、階層表示とトポロジ表示はメインコンソールウィンドウに表示されます。また、管理ドメインのトポロジ表示は、バックグラウンドを追加したり、管理ドメイン内のオブジェクトをリンクしたりして、カスタマイズすることが可能です。

オブジェクトの場合、階層表示とコンテンツ表示は「詳細」ウィンドウに表示されます。「詳細」ウィンドウは一連のタブから構成されており、指定オブジェクトのタイプによって使用可能なタブが異なります。次は、典型的なホストオブジェクトに対して表示されるタブの例です。

「ログ表示」、「アプリケーション」、「ハードウェア」の各タブについては、このあとの節で概要を説明します。「詳細」ウィンドウの詳細は、第 6 章「管理オブジェクトの詳細表示」を参照してください。

「ログ表示」タブの概要

「ログ表示」タブは、ホストに関するメッセージ (エラーメッセージなど) を表示します。

「アプリケーション」タブの概要

「アプリケーション」タブは、指定したホストまたはノード上で稼働するプロセスを表示して、詳細な情報を選択するときに使用します。また、カスタムアプリケーションまたはサン以外のアプリケーションがインストール済みの場合も、該当アプリケーションで実行中のプロセスの詳細を表示することができます。表示は常時更新されます。

「ハードウェア」タブの概要

「ハードウェア」タブは、ホストの正面、背面、側面を写真のようにリアルに表示する物理表示機能を提供します。ユーザは、ホストのコンポーネントを個別にクリックして、コンポーネントの詳細を確認することができます。たとえば、サーバボードをクリックすると、そのボードの詳細 (CPU、メモリ、ボート温度など) を確認できます。


注 –

物理表示は、一部のハードウェアプラットフォームにのみ使用可能です。


Sun Management Center ソフトウェアは、ホストのハードウェア構成全体を表示する論理表示機能も備えています。この機能も物理表示と同様に、該当するコンポーネントを個別にクリックして詳細を表示します。


注 –

論理表示は、一部のハードウェアプラットフォームにのみ使用可能です。


トポロジのインポート機能とエクスポート機能

トポロジのインポート機能とエクスポート機能は、トポロジデータベースを XML マークアップを使用する ASCII ファイルからインポートしたり、同ファイルにエクスポートしたりします。これらの機能を使用して、簡単に Sun Management Center サーバから他のサーバへ管理ドメインを移動したり、サーバの情報をバックアップしたりすることができます。詳細は、第 19 章「トポロジ情報のインポートとエクスポート」を参照してください。

グラフ機能

Sun Management Center ソフトウェアは、数値を持つすべての監視データプロパティの二次元グラフを作成することができます。詳細は、第 9 章「データプロパティのグラフ表示」を参照してください。

データ表示機能

「属性エディタ」ウィンドウでは、管理オブジェクトタイプを個別に選択して、単一エージェントの管理プロパティを表示することができます。Sun Management Center は、カスタマイズ表示やダッシュボードを作成するためのデータ表示機能も提供します。このカスタマイズ表示では、別々の Sun Management Center ホストに読み込まれた Sun Management Center の各種モジュールに属するプロパティを個別表示している画面を統合することができます。詳細は、第 14 章「データ表示」を参照してください。

ジョブの管理機能

「ジョブの管理」ウィンドウでは、トポロジオブジェクトの固定ジョブを作成することができます。この機能を使用すると、複数エージェント (グループ) でも単一エージェントと同じように簡単に管理することができます。「ジョブの管理」ウィンドウでは、ジョブに含めるオブジェクト、実行するタスク、ジョブの実行スケジュールなどを定義します。詳細は、第 13 章「グループ関連ジョブの管理」を参照してください。

Module Configuration Propagation (MCP) 機能

MCP サポートは、個々のエージェント構成の固定スナップショットを作成するための機能です。MCP サポートとジョブの管理機能を組み合わせることにより、エージェント構成を複数のエージェントに簡単に割り当てることができます。詳細は、「構成タスクを作成する」を参照してください。