リソース変更ジョブ機能を使用して、複数のホストに分散されている複数のプロジェクトのリソース制限を変更できます。これらのプロジェクトは、同じコンテナを使用している必要があります。リソース変更ジョブをすぐに実行して変更を同時に実装するか、あとで実行するようにスケジュールを設定できます。
Solaris 10 では、コンテナが大域ゾーンに配備されている場合にのみ、リソース変更ジョブ機能によってリソース割り当てが変更されます。
CPU 予約数 (CPU シェア数) はすぐに変更されます。メモリーキャップの変更は、スワップに書き込む必要があります。メモリーキャップの変更が大きいと、その調整中にシステムパフォーマンスに影響します。
ジョブ作成時に指定されたジョブ名
コンテナが関連付けられているホストの名前
ジョブの実行が予定されている間隔。1 回だけ、毎時、毎日、毎週、毎月のいずれかです。
ジョブの状態。値は、待ち状態、成功、失敗のいずれかです。
次の例では、「Webserver」と「Rollup」という名前のプロジェクトを使用して、リソース変更ジョブ機能を使用して組織全体のシステムリソースを管理する方法を示します。この例では、オンラインストアで Web サイトからの注文を処理します。Webserver プロジェクトは、北米中の Web サーバーで使用されている CPU とメモリーリソースを管理するために作成されました。Rollup プロジェクトは、データベースに必要なリソースを管理するために作成されました。日中と夕方には、ユーザーが Web サイトで注文を行うので、Web サーバーのリソースの需要が高くなります。深夜 0 時を過ぎると、Web サーバーの需要が大幅に下がります。夜の間に、日中の売上に関するレポートを実行するようにデータベースのスケジュールが設定されています。
CPU 8 個、物理メモリーが 6000M バイトのシステムでこの 2 つのコンテナに必要なリソースを管理するには、次の表に示す合計 4 つのリソース変更ジョブを作成できます。
表 4–2 リソース変更ジョブのスケジュールの例| コンテナ名 | リソース変更ジョブ名 | 開始時刻 | 間隔 | リソース変更 | 
|---|---|---|---|---|
| Webserver | webserver-day | 午前 6 時 | 日別 | CPU シェア数: 6 メモリー: 2500M バイト | 
| Rollup | rollup-day | 午前 6 時 | 日別 | CPU シェア数: 1 メモリー: 2000M バイト | 
| Webserver | webserver-night | 深夜 0 時 | 日別 | CPU シェア数: 1 メモリー: 2000M バイト | 
| Rollup | webserver-night | 深夜 0 時 | 日別 | CPU シェア数: 6 メモリー: 2500M バイト | 
2 つのリソース変更ジョブが毎朝 6 時に実行され、Webserver と Rollup の各プロジェクトのリソースが変更されます。日中は、Web サーバーの需要が高いため、Webserver プロジェクトに CPU と物理メモリーリソースの大半が割り当てられています。毎日、深夜 0 時にほかの 2 つのリソース変更ジョブが実行され、需要の変化に応じてシステムのリソースが再割り当てされます。その日の売上を記録するためにデータベースにリソースが必要になり、Web サーバーの需要は低くなっているので必要なリソースは少なくなります。
この機能は、Sun Management Center のジョブ管理機能に似ていますが、Container Manager の GUI を使用した場合は Container Manager のジョブをすべて管理できます。Sun Management Center のジョブ機能の詳細は、『Sun Management Center 3.6 ユーザーガイド』の「ジョブ管理の概念」を参照してください。
 リソース変更ジョブを使用してプロジェクトを変更する
リソース変更ジョブを使用してプロジェクトを変更するContainer Manager の GUI が開いていない場合は、「Container Manager の GUI を起動する」に従って起動します。
コンテナ表示を選択します。
ナビゲーションウィンドウでプロジェクト名を選択します。
プロジェクトはホストに関連付けられている必要があります。
右側の区画で「ジョブ」タブを選択します。
「リソース変更ジョブ」表が表示されます。
 
表の中の「新規リソース変更ジョブ」ボタンをクリックします。
リソース変更ジョブウィザードが表示されます。「概要」パネルが表示されます。
リソース変更ジョブの名前を指定します。説明の入力は省略可能です。
名前は 32 文字以内で入力します。空白文字、ハイフン (-)、下線 (_)、およびピリオド (.) の各文字は使用できます。空白文字は下線 (_) に変換されます。
「ホストを選択」パネルが表示されます。選択したコンテナが関連付けられているすべてのホストの名前が「選択可能」リストに表示されます。このウィンドウで 1 つまたは複数のホストを選択し、そのリソース制限を変更できます。
「選択可能」リストでホストを選択し、「追加」をクリックして「選択」リストに追加します。「すべてを選択」を使用してすべてのホストを追加することもできます。
ホスト名が「選択」フィールドに移動します。
新しい最小 CPU 予約数 (CPU シェア数) を指定します。メモリーキャップは省略可能です。
新しいリソース制限は、前の手順で選択したすべてのホストに適用されます。
リソース変更ジョブの開始日、開始時刻、および間隔を指定します。
リソース制限の変更内容は、指定した日時に有効になります。
「概要」パネルで設定を確認します。修正するには、「戻る」ボタンをクリックします。変更を完了したら、「完了」をクリックします。
ウィザードが終了します。ジョブが「ジョブ」表に追加されます。状態は、ジョブの実行が予定されている日時まで「待ち状態」になります。リソース制限の変更内容は、指定した日時に有効になります。
 待ち状態のリソース変更ジョブを変更する
待ち状態のリソース変更ジョブを変更する「ジョブ」表で状態が「待ち状態」のジョブを変更するには、次の手順に従います。
Container Manager の GUI が開いていない場合は、「Container Manager の GUI を起動する」に従って起動します。
ナビゲーションウィンドウでコンテナ表示を選択します。
右側の区画で「ジョブ」タブを選択します。
「リソース変更ジョブ」表で、名前の横のチェックボックスを選択し、変更するジョブを選択します。
チェックボックスにチェックマークが表示されます。
リソース変更ジョブを更新ウィザードを起動するには、「リソース変更ジョブを更新」ボタンをクリックします。
パネルを移動する詳細な手順については、「リソース変更ジョブを使用してプロジェクトを変更する」を参照してください。
変更を完了したら、「完了」をクリックします。
ウィザードが終了します。ジョブの変更内容は保存されます。
 リソース変更ジョブのログを表示する
リソース変更ジョブのログを表示する完了した変更ジョブのログを表示するには、次の手順に従います。ジョブで複数のホストが変更された場合は、ホストごとのジョブの状態がログに記録されます。
Container Manager の GUI が開いていない場合は、「Container Manager の GUI を起動する」に従って起動します。
ナビゲーションウィンドウでコンテナ表示を選択します。
右側の区画で「ジョブ」タブを選択します。
「リソース変更ジョブ」表で、名前の横のチェックボックスを選択し、ログを表示するジョブを選択します。
チェックボックスにチェックマークが表示されます。
「ログを表示」ボタンをクリックします。
リソース変更ジョブのログファイルが表示されます。