ここでは、管理サーバーで、ALOM ベースのプロビジョニング可能なサーバーからのイベントの電子メール通知を受け取ることができるようにシステムファイルを設定する手順を説明します。特定の管理サーバーのシステムファイルは、Solaris OS および Linux OS に共通ですが、オペレーティングシステム固有のファイルもあります。ここでは、まず共通ファイルの設定手順について説明し、そのあとでオペレーティングシステム固有のファイルの設定手順を説明します。
この項では、次の内容について説明します。
管理サーバーに、root でログインします。
/etc/nsswitch.conf ファイルの hosts エントリを更新します。
/etc/nsswitch.conf ファイルを編集します。必ずファイルに次の行が含まれるようにしてください。
hosts: files dns
/etc/resolv.conf ファイルの search エントリおよび nameserver エントリを更新します。
/etc/resolv.conf ファイルを編集します。必ずファイルに少なくとも 1 つのネームサーバーを設定してください。次に例を示します。
# cat /etc/resolv.conf search nameserver.company.com nameserver name server IP address |
この例では、nameserver.company.com は、管理サーバーからアクセスできるネームサーバーの名前で、name server IP address は、ネームサーバーの IP アドレスです。1 つ以上のネームサーバーを指定できます。各ネームサーバーは、管理サーバーからアクセス可能である必要があります。
/etc/mailsendmail.cf ファイルの送信メール SMTP IP アドレスの設定を更新します。
/etc/mailsendmail.cf ファイルを編集し、SMTP 行を作成します。SMTP 行は、次の例のようになります。
# SMTP daemon options O DaemonPortOptions=Port=smtp,Addr=127.0.0.1, Name=MTA
DaemonPortOptions 行では、127.0.0.1 を管理サーバーの IP アドレスに変更し、ファイルを保存して閉じます。
/etc/mail/local-host-names ファイルで、メールサーバーが受容するドメインを設定します。
/etc/mail/local-host-names を開いて、管理サーバーのドメインの完全指定名とドメインの別名の完全指定名を追加します。管理サーバーの IP アドレスも追加できます。
たとえば、管理サーバーに次の値が割り当てられているとします。
管理サーバー名が n1sm-manager、割り当てられている IP アドレスが 10.0.5.67。
管理サーバーに割り当てられている別名が engineering、その IP アドレスが 10.0.5.10。
組織のドメイン名が company.com。
この場合、/etc/mail/local-host-names ファイルのエントリは次のようになります。
n1sm-manager.company.com engineering.company.com 10.0.5.67 10.0.5.10
管理サーバーで、アカウント用のユーザーアカウントとパスワード、ユーザーディレクトリ、およびユーザーのメール受信箱を作成します。
ユーザーアカウント、パスワード、およびメール受信箱は、ALOM アーキテクチャーのプロビジョニング可能なサーバーが送信するイベント通知を受け取るために使用されます。これらは、N1 System Manager 専用に予約されるべきです。設定プロセスの実行中に電子メールのユーザーアカウント、パスワード、メール受信箱の設定を求めるメッセージが表示されます。ALOM イベント電子メール通知によって、N1 System Manager のブラウザインタフェースの「イベントログ」タブでイベントログを表示できるようになります。
メールアカウントの作成と設定については、ご使用のオペレーティングシステムのマニュアルを参照してください。
/etc/aliases ファイルに、ユーザーアカウント名とホームディレクトリ名を追加します。
/etc/aliases を開いて、ファイルに ALOM 電子メールアカウントを追加します。たとえば、ALOM 電子メールアカウント名が emailuser1の場合は、/etc/aliases ファイルに次の行を追加することになります。
emailuser1: emailuser1
newaliases コマンドを入力してシステムのメールの別名を更新します。
Solaris の管理サーバーでメールサービスを設定する場合は、「Solaris 管理サーバーでメールサービスを設定する」の手順に従って、メールサービスの設定を完了させます。
Linux の管理サーバーでメールサービスを設定する場合は、「Linux 管理サーバーでメールサービスを設定する」の手順に従って、メールサービスの設定を完了させます。
管理サーバーに、root でログインします。
/etc/inetd.conf ファイルに、次の行を追加します。
imap stream tcp nowait root /opt/sfw/sbin/imapd imapd pop2 stream tcp nowait root /opt/sfw/sbin/ipop2d ipop2d pop3 stream tcp nowait root /opt/sfw/sbin/ipop3d ipop3d
inetconv コマンドを入力し、電子メールサービスマニフェストを生成します。
次に例を示します。
# inetconv inetconv: Notice: Service manifest for 100235/1 already generated as /var/svc/manifest/network/rpc/100235_1-rpc_ticotsord.xml, skipped inetconv: Notice: Service manifest for tftp already generated as /var/svc/manifest/network/tftp-udp6.xml, skipped inetconv: Notice: Service manifest for 100083/1 already generated as /var/svc/manifest/network/rpc/100083_1-rpc_tcp.xml, skipped inetconv: Notice: Service manifest for 100068/2-5 already generated as /var/svc/manifest/network/rpc/100068_2-5-rpc_udp.xml, skipped imap -> /var/svc/manifest/network/imap-tcp.xml Importing imap-tcp.xml ...Done pop3 -> /var/svc/manifest/network/pop3-tcp.xml Importing pop3-tcp.xml ...Done |
inetd サービスを再起動します。
inetd サービスのプロセス ID を確認し、kill -hup processid コマンド構文を使用してサービスを再起動します。
次に例を示します。
# ps -ef | grep inet root 410 1 0 16:12:20 ? 0:04 /usr/lib/inet/inetd start # kill -HUP 410 |
pop3 および imap メールサービスが起動していることを確認します。
inetadm | grep pop3 コマンドおよび inetadmin | grep imapコマンドを入力します。次に例を示します。
# inetadm |grep pop3 enabled online svc:/network/pop3/tcp:default # inetadm |grep imap enabled online svc:/network/imap/tcp:default |
/etc/init.d/sendmail restart と入力して、メールサービスを再起動します。
管理サーバーに、N1 System Manager ソフトウェアをインストールします。『Sun N1 System Manager 1.2 インストールおよび構成ガイド』を参照してください。
管理サーバーに、root でログインします。
pop3 メールサービスを設定します。
/etc/xinetd.d/ipop3 を編集します。必ずファイルに次のエントリが含まれるようにしてください。
# default: off # description: The POP3 service allows remote users to access their mail \ # using an POP3 client such as Netscape Communicator, mutt, \ # or fetchmail. service pop3 { disable = no socket_type = stream wait = no user = root server = /usr/sbin/ipop3d log_on_success += HOST DURATION log_on_failure += HOST instances = 50 cps = 70 30 }
chkconfig --level 345 ipop3 on コマンドを入力し、ipop3 サービスが、レベル 3、4、および 5 で実行されるように設定されていることを確認します。
次のコマンドを入力して、メールサービスを再起動します。
2 つ目のコマンドは、1 つ目のコマンドが完了してから入力してください。
/etc/rc3.d/S80sendmail restart
/etc/rc3.d/S56xinetd restart
次に例を示します。
[root]# /etc/rc3.d/S80sendmail restart Shutting down sendmail: [ OK ] Shutting down sm-client: [ OK ] Starting sendmail: [ OK ] Starting sm-client: [ OK ] [root]# /etc/rc3.d/S56xinetd restart Stopping xinetd: [ OK ] Starting xinetd: [ OK ] |
次のコマンドを入力して、メールサービスが再起動したかどうかを確認します。
netstat -an |grep 110
netstat -an |grep 25
次に例を示します。
[root]# netstat -an | grep 110 tcp 0 0 0.0.0.0:110 0.0.0.0:* LISTEN [root]# netstat -an | grep 25 tcp 0 0 192.168.1.104:25 0.0.0.0:* LISTEN |
管理サーバーに、N1 System Manager ソフトウェアをインストールします。『Sun N1 System Manager 1.2 インストールおよび構成ガイド』を参照してください。