PAP フレームは、リンク確立フェーズで構成オプションの 1 つとしてパスワード認証プロトコル (PAP) による同位認証が要求された場合に、同位認証フェーズで交換されます。図 A-4 に、通常の PAP フレームの形式を示します。
アドレスフィールドは PPP 用 HDLC 式フレームの一部で、長さは 1 オクテットです。必ず 0xff に設定します。
制御フィールドは PPP 用 HDLC 式フレームの一部で、長さは 1 オクテットです。必ず 0x03 に設定します。
プロトコル識別子はフレームの情報フィールドにある情報の種類を識別します。PAP フレームの場合は、必ず 0xc023 に設定します。
コードフィールドは、以下のコードによって PAP フレームの種類を識別します。長さは 1 オクテットです。
0x01 Authenticate-request 0x02 Authenticate-ack 0x03 Authenticate-nak |
識別子フィールドには、要求と応答の照合に使用される識別子があります。長さは 1 オクテットです。
長さフィールドの長さは 2 オクテットで、コード、識別子、長さ、データの各フィールドで構成される PAP フレームの全長を示します。このフィールドの値は、最大受信ユニット (MRU) を超えないでください。
長さフィールドに示されているとおり、データフィールドの長さはゼロオクテット以上です。認証ネゴシエーションに関する情報をコードフィールドに示されている形式で格納します。
PAP Authenticate-request フレーム (コード 0x01) は、認証のために送信される PAP 識別子と PAP パスワードを格納しており、認証フェーズを開始するために送信されます。10 個を超える PAP Authenticate-request フレームを送信しても応答がない場合は、認証フェーズが失敗します。図 A-5 に、PAP Authenticate-request フレームの形式を示します。
PAP 識別子はファイル ppp.conf の send_pap_id パラメータによって指定される文字列で、PAP 識別子長さフィールドに示されているとおり、長さはゼロオクテット以上です。
PAP パスワードはファイル ppp.conf の send_pap_passwd パラメータによって指定される文字列です。PAP パスワード長さフィールドに示されているとおり、長さはゼロオクテット以上です。
PAP Authenticate-ack フレーム (コード 0x02) は、有効な PAP 識別子と PAP パスワードを持つ認識可能な PAP Authenticate-request フレームを受信した認証側によって送信されます。
PAP Authenticate-nak フレーム (コード 0x03) は、認識不能な PAP Authenticate-request フレームまたは無効な PAP 識別子と PAP パスワードを持つ PAP Authenticate-request フレームを受信した認証側によって送信されます。リンクは必ず切断されます。