同期パスはファイル ppp.conf に定義されており、各定義はキーワード sync_path で始まります。同期パスは、必ずポイントツーポイント IP インタフェースに関連付けられます。
同期パス定義の形式は、以下のとおりです。
sync_path ip_interface ipdptpn unix_device device_name . . . |
sync_path
同期パスの必須パラメータ。同期パス定義の始まりを示します。
同期パスの必須パラメータ。ファイルの ifconfig セクションに定義されているポイントツーポイント IP インタフェースのいずれかと同期パスを関連付けます。複数の同期パスが 1 つの IP インタフェースを共用する場合は、負荷分散機能が使用可能になります。
同期パスの必須パラメータ。ファイル link.conf に定義されている同期デバイスのいずれかと同期パスとを関連付けます。値 device は、マシンにインストールされている同期シリアルインタフェースを示している必要があります。
たとえば、zshn という形式のデバイス名は、オンボードシリアルインタフェースのいずれかとパスを関連付けます。hihn という形式のデバイス名は、高速シリアルインタフェース (HSI) とパスを関連付けます。
同期パスの省略可能パラメータ。送信経路をデフォルトの宛先としてルーティングテーブルに追加します。IP インタフェースに down のマークが付いている場合は、送信経路は削除されます。
同期パスの省略可能パラメータ。リモートホストからの IP アドレスを受け付けます。ローカルマシンのインタフェースに割り当てられている IP アドレスと異なる場合でも、受け付けます。
state 値は、on (使用可能) または off (使用不可) です。デフォルト値は off です。
同期パスの省略可能パラメータ。リンクモニターの現在の状態を示します。使用可能状態のリンクモニターは、定期的なエコー要求をリモートホストに送信します。指定した数の要求を行なってもリモートホストが応答しなかった場合、リンクモニターはリンクに障害が発生したと仮定します。このリンクにおける IP データグラムの伝送を停止するため、リンクモニターは同期パスに関連付けられている IP インタフェースに down のマークを付けます。
state 値は、on (使用可能) または off (使用不可) です。デフォルト値は off です。
同期パスの省略可能パラメータ。リンクモニターが生成する連続的エコー要求の時間間隔を秒数で指定します。
seconds 値は、ゼロより大きい任意の整数です。デフォルト値は 5 秒です。
link_monitor_retries max_retries
同期パスの省略可能パラメータ。リモートホストが接続不可とみなされ IP インタフェースが使用禁止されるまでにリンクモニターが生成する未応答エコー要求の数を指定します。
max_retries 値は、ゼロより大きい任意の整数です。デフォルト値は 12 です。
同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。ppptrace と pppstat がリンクの識別に使用する名前を割り当てます。name 値は、任意の文字列です。
同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。低速リンクにおける性能を Van Jacobson 圧縮方式によって高めるヘッダー圧縮機能の現在状態を示します。
state 値は、vj (使用可能) または off (使用不可) です。デフォルト値は vj です。
同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。ローカルマシンの最大受信ユニット (MRU) を指定します。このパラメータは LCP Configure-request フレームで配信され、リモートホストの最大伝送ユニット (MTU) を設定します。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
デフォルトでは、mru 値は Ethernet ネットワーク用の 1500 バイトに設定されています。
同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。連続的 LCP Configure-request フレームの時間間隔を秒数で指定します。衛星接続など遅延時間が長いネットワークを使用して接続する場合は、LCP 再起動タイマー値を上げる必要が生じることがあります。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
seconds 値は、ゼロより大きい任意の整数です。デフォルト値は 3 秒です。
同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。エンドポイントが接続不可とみなされ、IP インタフェースに down のマークが付けられるまでに生成される未応答 LCP Configure-request フレームの数を指定します。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
max_restart 値は、1 〜 255 の任意の整数です。デフォルト値は 10 です。max_restart 値が 255 に設定されている場合は、リモートホストが応答するまで LCP Configure-request フレームが定期的に生成されます。
同期パスと非同期パスの省略可能パラメータ。ローカルホストがリモートホストによる認証を要求すること、および認証プロトコルを使用することを指定します。認証機能が使用可能のときにリモートホストが自分自身を認証しなかった場合は、接続が切断されます。
mode 値は、off (認証なし)、pap (PAP による認証)、chap (CHAP による認証)、または pap|chap (PAP と CHAP による認証) です。デフォルト値は off です。
PAP と CHAP の両方が使用可能の場合は、CHAP 認証が最初に行われます。CHAP 認証をサポートしないリモートホストは、PAP 認証だけを行うことができます。
ローカルホストが PAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。リモートホストから希望の PAP 識別子を指定します。pap_id 値は、0 〜 255 文字の任意の文字列です。ゼロ長の値は、expect_pap_id "" によって表します。
ローカルホストが PAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。リモートホストから希望の PAP パスワードを指定します。pap_passwd 値は、0 〜 255 文字の任意の文字列です。ゼロ長の値は、expect_pap_passwd "" によって表します。
ローカルホストが CHAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。リモートホストから希望の CHAP 名を指定します。chap_name 値は、1 〜 255 文字の任意の文字列です。
ローカルホストが CHAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。リモートホストから希望の応答を生成するために、チャレンジ値とともに使用する CHAP シークレットを指定します。chap_secret 値は、1 〜 255 文字の任意の文字列です。
省略可能パラメータ。リモートホストが要求した認証ネゴシエーションをローカルホストが行なったかどうか、および認証プロトコルを使用するかどうかを指定します。
mode 値は、off (認証なし)、pap (PAP による認証)、chap (CHAP による認証)、または pap|chap (PAP と CHAP による認証) です。デフォルト値は off です。
リモートホストが PAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。認証を要求するときに、リモートホストに送信する PAP 識別子を指定します。pap_id 値は、0 〜 255 文字の任意の文字列です。
ゼロ長の値は、expect_pap_id "" によって表します。
リモートホストが PAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。認証を要求するときにリモートホストに PAP パスワードが送信されます。pap_passwd 値は、0 〜 255 文字の任意の文字列です。
ゼロ長の値は、expect_pap_passwd "" によって表わします。
リモートホストが CHAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。認証を要求するときにリモートホストに送信する CHAP 名を指定します。chap_name 値は、1 〜 255 文字の任意の文字列です。
リモートホストが CHAP 認証を要求する場合の必須パラメータ。リモートホストに送信する応答を生成するチャレンジ値とともに使用する CHAP シークレットを指定します。chap_secret 値は、1 〜 255 文字の任意の文字列です。
以下の同期パス定義では、ローカルホストがリモートホストから PAP 認証と CHAP 認証を要求します。ただし、リモートホストによって認証が要求されたとき、ローカルホストは PAP ネゴシエーションだけを行います。
sync_path ip_interface ipdptp0 unix_device zsh0 expect_authentication pap|chap expect_pap_id epic_id expect_pap_passwd epic_passwd expect_chap_name epic_name chap_peer_secret epic_secret send_authentication pap send_pap_id papyrus_id send_pap_passwd papyrus_passwd |
以下の同期パス定義では、1 つの IP インタフェースを使用する 2 つの同期パスにおいて負荷分散機能を使用可能にします。
sync_path ip_interface ipdptp2 unix_device hih0 sync_path ip_interface ipdptp2 unix_device hih1 |