この節で説明する手順が該当するのは、Solaris 2.5 または Solaris 2.5.1 上で、Solstice DiskSuite 4.0 または 4.1 が稼働している x86 マシンを、Solaris 2.6 にアップグレードする場合に限られます。
この作業を始める前に、すべてのファイルシステムのバックアップを作成してください。詳細については、ufsdump(1M) のマニュアルページを参照してください。
エラーの起きたミラーがある場合は修復する。
メタデバイス状態データベースの構成、メタデバイスの構成、デバイスの割り当て、および /etc/vfstab をリモートディスクまたはフロッピーディスクに保存する。
マシンの再起動時、オペレーティングシステムのアップグレード時、新バージョンの DiskSuite のインストール時に、上記のうち 1 つ以上のファイルが上書きされることがあります。以下に、メタデバイス状態データベースの構成、メタデバイスの構成、および /etc/vfstab をローカルフロッピーディスクに保存するコマンド例を紹介します。
# /usr/opt/SUNWmd/sbin/metadb > /fd/metadb.cfg # /usr/upt/SUNWmd/sbin/metastat -p > /fd/metadevice.cfg # cp /etc/vfstab /fd/meta_vfstab # ls -l /dev/rdsk/*s0 > /fd/binding # cp /etc/path_to_inst /fd/path_to_inst |
次のコマンド例では、アップグレード対象のシステムと接続しているネットワーク上の other_machine という別のマシンに、メタデバイス状態データベースの構成、メタデバイスの構成、および /etc/vfstab を保存します。
# /usr/opt/SUNWmd/sbin/metadb -i > /net/other_machine/save/metadb.cfg # /usr/opt/SUNWmd/sbin/metastat -p > /net/other_machine/save/metadevice.cfg # cp /etc/vfstab /net/other_machine/save/meta_vfstab # ls -l /dev/rdsk/*s0 > /net/other_machine/save/bindings # cp /etc/path_to_inst /netother_machine/save/path_to_inst |
必ず、メタデバイス状態データベースの構成、メタデバイスの構成、および /etc/vfstab を保存してから、次の手順に進んでください。アップグレード後に、メタデバイス状態データベースの構成、メタデバイスの構成、および /etc/vfstab を復元できないと、データが失われ、場合によってはシステムが完全に停止します。
Solaris のアップグレード時に使用される可能性のあるトランスメタデバイスを消去する (/usr、/var、/opt など)。
トランスメタデバイスの消去 (ログの削除) 方法については、『Solstice DiskSuite 4.2 ユーザーズガイド』を参照してください。消去すべきトランスメタデバイスを特定できない場合は、すべてのトランスメタデバイスを消去してください。
/etc/vfstab で、メタデバイスにマウントされているファイルシステムのうち、単純メタデバイスまたは単純ミラー以外のファイルシステムをコメントにする。
単純メタデバイスは、開始ブロック (Start Block) が 0 の単純コンポーネントで構成されます。単純ミラーはサブミラーで構成され、このサブミラーはすべて単純メタデバイスです。
metadetach コマンドを使用して、残りの (単純) ミラーを 1 面ミラーに変換する。
アップグレードは、ミラーごとに 1 つのサブミラーについて行われます。アップグレード後に、metattach コマンドを使用して、他のサブミラーを同期させます。
ルート (/) をメタデバイスまたはミラーにマウントしている場合は、メタデバイスの基礎となっているコンポーネント、または残っている接続サブミラーの基礎となっているコンポーネントにマウントするルートファイルシステムを設定する。
metaroot コマンドを使用すると、安全にこの作業を実行できます。
/etc/vfstab ファイルを編集して、手順 3 以後もメタデバイスまたはミラーにマウントされているすべてのファイルシステムまたは swap デバイスを変更する。
メタデバイスの基礎となっているコンポーネント、または残っている接続サブミラーの基礎となっているコンポーネントに、ファイルシステムをマウントします。
DiskSuite の起動ファイルに対するシンボリックリンクを削除して、起動時に DiskSuite の起動ファイルが初期化されないようにする。
# rm /etc/rcS.d/S35SUNWmd.init /etc/rc2.d/S95SUNWmd.sync |
これらのリンクは、Solaris をアップグレードした後に、DiskSuite を再インストールすると、元どおりに追加されます。
マシンを停止し、Solaris をアップグレードした後に、マシンを再起動する。
必ず Solstice DiskSuite 4.2 と互換性のあるバージョンの Solaris (すなわち、Solaris 2.6 または Solaris 7) にアップグレードしてください。
必ず、適切なスライスをアップグレードしてください。ミラー型ルートファイルシステムを使用しているマシンでは、Solaris インストールソフトウェアによって、ルートミラーで使用されているすべてのスライスが、アップグレードで使用可能として表示されます。システムの起動元スライスを選択してください。起動スライスの特定方法については、「Solaris オペレーティングシステムのアップグレード時にシステム起動スライスを検索する方法」を参照してください。
「Solstice DiskSuite の初期インストール」で説明する手順に従って、Solstice DiskSuite 4.2 ソフトウェアをインストールする。
手順 9 で削除したシンボリックリンクが再び設定されます。
ルート (/) がメタデバイスまたはミラーにマウントされていた場合は、元のメタデバイスまたはミラーに再びマウントするルート (/) ファイルシステムを設定する。
metaroot コマンドを使用すると、この作業を安全に行うことができます。
/etc/vfstab ファイルを編集して、手順 7 で変更したファイルシステムまたは swap デバイスが、元のメタデバイスまたはミラーに再びマウントされるようにする。
/etc/vfstab ファイルを編集して、手順 4 でコメント扱いにしたファイルシステムを元に戻す。
マシンを再起動して、ファイルシステムを再びマウントする。
消去したトランスメタデバイスを再作成する。トランスメタデバイスの作成方法については、『Solstice DiskSuite 4.2 ユーザーズガイド』を参照してください。