Trusted Solaris 管理の手順

マルチラベルディレクトリ内のメールボックス

sendmail プログラムは、/var/mail MLD 内にメールボックスファイルを作成し、このファイルに受信したメールを格納します。

以下の例を参照して、たとえば、NEED TO KNOW ENGINEERING という機密ラベルを持つユーザー roseanne 宛てのメールをシステムが初めて受信した場合、NEED TO KNOW ENGINEERING という機密ラベルで /var/.MLD.mail/.SLD.0 が作成され、そのメールは .SLD.0 内の roseanne という名前のメールボックスに格納されます。この後、NEED TO KNOW ENGINEERING という機密ラベルを持つ別のユーザー jhoman 宛てのメールをシステムが受信した場合、そのメールは .SLD.0 内 の新規に作成された jhoman という名前のメールボックスに格納されます。続いて、PUBLIC ラベルを持つ roseanne 宛てのメールをシステムが受信した場合、今度は .SLD.1 が作成され、そのメールは .SLD.1 内の roseanne という名前のメールボックスに格納されます。NEED TO KNOW ENGINEERING ラベルを持つユーザー roseanne および jhoman 宛てのメールがそれぞれ .SLD.0 内のメールボックス roseanne および jhoman に格納され、PUBLIC ラベルを持つ roseanne 宛てのメールが .SLD.1 内の別の roseanne メールボックスに格納されている様子を次の図に示します。


例 6-2 異なる機密ラベルを持つ SLD 内のメールボックス群


$ cd /var/.MLD.mail/
$ ls -R .SLD.*
.SLD.0
roseanne
jhoman
.SLD.1
roseanne