/var/spool/mqueue はマルチラベルディレクトリ (MLD) として実装されており、ここには異なる機密ラベルを持つメールが格納され、実際の配送を待つことになります。次の例に、ユーザーが /var/spool/mqueue ディレクトリに移動した時の例を示します。この場合、ユーザーは現在のプロセスと同じ機密ラベルを持つ SLD である「.SLD.2」に自動的にリダイレクトされています。.SLD.2 の内容として表示されているメールメッセージは、現在の機密ラベル付きで送信されるのを待機しているものです。
trustworthy% cd /var/spool/mqueue trustworthy% mldpwd /var/spool/.MLD.mqueue/.SLD.2 trustworthy% ls dfNAA00212 dfNAB00212 dfNAC00212 trustworthy% cd /var/spool/.MLD.mqueue trustworthy% ls -R .SLD.* ls: .SLD.1: Permission denied .SLD.0: .SLD.2: dfNAA00212 dfNAB00212 dfNAC00212 |
mqueue MLD 内にあるすべての SLD の内容の表示は、次のことを意味しています。
「.SLD.1: パーミッションが与えられていません。」は、「.SLD.1」が現在の機密ラベルよりも完全に優位なラベルを持つことを意味します。
「.SLD.0」は空です。
「.SLD.2」には、現在の機密ラベル付きでの送信を待機しているメッセージがあります。
Trusted Solaris オペレーティング環境は、/var/mail も MLD として作成し、このディレクトリ内にすべてのアカウント用のラベルを格納します。詳細は、「マルチラベルディレクトリ内のメールボックス」を参照してください。