Trusted Solaris 管理の手順

トラステッドパス属性

トラステッドパス属性は、ブート時、あるいはプログラムが管理役割ワークスペースで動作しているときに取得できます。プログラムがトラステッドパス属性を取得できるのは、そのプログラムがブートプロファイルまたは管理役割に割り当てられているプロファイルに指定されているときだけです。

多くの管理コマンドやアクションにはトラステッドパス属性が必要です。たとえば、プロファイルシェルが管理役割の代わりに起動されるとき (たとえば、デフォルトのプロファイルシェルで端末エミュレータを起動するときや、(管理) 役割がプロファイルシェルのスクリプトを実行するとき)、プロファイルシェルはトラステッドパス属性を検査します。管理役割ワークスペースにウィンドウを作成するコマンドやスクリプト (多くのインストールスクリプトなど) にはトラステッドパス属性が必要です。次の表に、これ以外のコマンドやツールの一覧を示します。

表 4-1 トラステッドパスを必要とするコマンド、オプションおよびアプリケーション
 コマンドまたはアプリケーション オプション

audit(1M)

 

auditd(1M)

 

login(1)-d および -f
lpsched(1M) 
runpd(1M) 
sendmail(1M)-ba, -bd, -bi, -bs, -bt, -bv, -M, -X, -d, -q
 Database Manager (dbmgr) 
 Group Manager (groupmgr) 
 Host Manager (hostmgr) 
 Printer Manager (printermgr) 
 Profile Manager (profilemgr) 
 Serial Manager (serialmgr) 
 User Manager (usermgr) 

トラステッドパスの警告

デフォルトのシステムでは、作業しやすくなるように、管理役割には All Commands プロファイルが割り当てられています。All Commands プロファイルが割り当てられた役割は、特権または他の拡張セキュリティ属性なしにコマンドを実行できます。あるプログラム (コマンド) が役割のプロファイルの 1 つに明示的に指定されていないとき、プロファイルシェルは常にトラステッドパス属性を無効にし、(そのプログラムが起動されると)、次のようなメッセージを表示します。

WARNING: Command operating outside of the Trusted Path!

このメッセージは、実行しようとしているコマンドにセキュリティ制限を回避する権利が与えられていないことを役割に知らせます。コマンドが成功したとしても、警告は表示されます。エラー警告を抑制するには、-Q オプションを使います。つまり、管理役割はプロファイルシェルのコマンド行で set -Q と入力するか、$HOME/.profile ファイルに set -Q を入力します。

プログラムが失敗したとき、プログラムにトラステッドパス属性が欠如していることを示す警告が表示されます。このエラーは、インストールプログラムが管理役割ワークスペースでウィンドウを起動しようとして失敗したときに表示されます。また、トラステッドパス属性を持たない管理役割はプロファイルシェルを起動できないため、シェルスクリプトがプロファイルシェルを使ったときにもこのエラーが表示されます。どちらの場合でも、修正するには、役割に割り当てられているプロファイルにインストールプログラムまたはシェルスクリプトを追加します。

ほとんどの管理作業で使われる Solstice AdminSuite ツールはトラステッドパス属性を検査します。したがって、表 4-1 の一覧にあるプログラムやオプションなどにアクセスする必要がある新しい役割をセキュリティ管理者が作成する場合、セキュリティ管理者役割は新しい役割を管理役割として指定する必要があります。