Trusted Solaris のラベル管理

チャネルの指定

label_encodings ファイルの CHANNELS セクションで、バナーページとトレーラページの下 1/3 に表示される PRINTER BANNER 行の下の行を定義します。印刷ジョブの機密ラベルにコンパートメントが含まれていれば、CHANNELS セクションで指定して文字列を出力できます。

図 3-8 の例では、チャネルに相当する行は、DISTRIBUTE ONLY TO HUMAN RESOURCES EMPLOYEES (NON-DISCLOSURE AGREEMENT REQUIRED) です。民間のサイトでは、任意のコンパートメントビットを選択して、CHANNELS セクションに表示するテキストを指定できます。

図 3-8 印刷ジョブのバナーページの CHANNELS 指定の民間での使用例

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官公庁でインストールされた場合は、バナーページのチャネル行は、規定により、ジョブの機密ラベルのコンパートメントに関連付けられた警告を表示するように指定されます。図 3-9 の例では、HANDLE VIA (CH B)/(CH A) CHANNELS JOINTLY が、官公庁のインストールにおける印刷ジョブのバナーページの典型的な CHANNELS に関する警告部分です。

次は、CHANNELS 文字列の HANDLE VIA (CH B) / (CH A) CHANNELS JOINTLY を、その機密ラベルがコンパートメント語句の A と B を含むジョブに対して指定する方法を説明し、図示します。例による解説を目的としているので、(CH A)(CH B) だけを適用します。ただし、3 番目のチャネル (CH C) に対するコンパートメントビットがそれらの定義に含まれているため、(CH C) についても説明します。

この例では、次のようになっています。

図 3-9 印刷ジョブのバナーページの CHANNELS 指定の官公庁での使用例

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次の図では、CHANNELS JOINTLYCHANNELS ONLY の 2 つの接尾辞と HANDLE VIA の接頭辞が定義されています。


例 3-4 官公庁の label_encodings ファイルの CHANNELS セクションに定義されている接尾辞と接頭辞


CHANNELS:

WORDS:
name= CHANNELS JOINTLY;         suffix;
name= CHANNELS ONLY;            suffix;
name= HANDLE VIA;               prefix;

例 3-4 では、接頭辞と接尾辞の定義の後にチャネル名として (CH A)(CH B)(CH C) が目的に応じて、次の 2 つの方法で指定されています。


例 3-5 個々のチャネルと単独で表示されるように定義された CHANNELS ONLY 接尾辞


CHANNELS:

WORDS:

name= CHANNELS JOINTLY;         suffix;
name= CHANNELS ONLY;            suffix;
name= HANDLE VIA;               prefix;
name= (CH A);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY;
compartments= 0 ‾1 ‾6;
name= (CH B);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY;
compartments= ‾0 1 ‾6;
name= (CH C);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY;
compartments= ‾0 ‾1 6;

例 3-5 に示されている CHANNELS セクション中のチャネル名定義の最初の 3 行の結果は、次のようになります。


例 3-6 官公庁の label_encodings ファイルにおける CHANNELS セクションに複数のチャネルがある場合のエンコーディング例


name= (CH A);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY; compartments= 0 ‾1 ‾6;
name= (CH B);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY; compartments= ‾0 1 ‾6;
name= (CH C);   prefix= HANDLE VIA; suffix= CHANNELS ONLY; compartments= ‾0 ‾1 6;

CHANNELS 指定は、コンパートメントをエンコーディングする場合の順序の重要さを具体的に示します。例 3-6 に示されている最初の 3 行が、チャネルコンパートメントビットの 1 つだけがオンとなっている場合を取り扱っているので、複数のビットがオンになっている場合は、最後の 3 行が対処することになります。したがって、最後の 3 行では、どのコンパートメントビットも明示的にオフにする必要はありません。ジョブのラベル中に、チャネル語句のどれかが単独で現れる場合はすべて対処済みであるので、この最後の 3 行の結果は、ラベル中に、チャネルに関連する 3 つのコンパートメント語句の中のどれか 2 つ以上が存在する場合に、CHANNELS JOINTLY が常に印刷されることになります。


例 3-7 コンパートメントビット 6 に関連する機密ラベル語句


SENSITIVITY LABELS:

WORDS:
  .
  .
  .	
name= CC;                       minclass= TS; compartments= 6;

例 3-8 は、機密ラベル語句 B に関連しているコンパートメントビット 1 を示します。


例 3-8 コンパートメントビット 1 に関連する機密ラベル語句


SENSITIVITY LABELS:

WORDS:
  .  .  .	
name= B;                        minclass=  C; compartments= 1;

例 3-9 は、機密ラベル語句 A に関連しているコンパートメントビット 0 を示します。


例 3-9 コンパートメントビット 0 に関連する機密ラベル語句


SENSITIVITY LABELS:

WORDS:
   .   .	   .
name= A;                        minclass=  C; compartments= 0;

まとめると、チャネル行は、次の理由により、 HANDLE VIA (CH B) / (CH A) CHANNELS JOINTLY と印刷されます。

CHANNELS の計画に次の表を使用できます。

表 3-3 CHANNELS プランナ (接頭辞、チャネル、接尾辞用)

このコンパートメントビットのとき 

この接頭辞を印刷 

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この接尾辞を印刷