Trusted Solaris 7 のインストールと構成 (Sun Enterprise 10000 版)

デュアル SSP 構成のインストール

デュアル SSP 構成でサポートされる SSP ソフトウェアの組み合わせを次の表に示します。

表 3-1 サポートされるデュアル SSP 構成

メイン SSP のバージョン 

スペア SSP のバージョン 

3.1 

3.1 または 3.1.1 

3.1.1 

3.1 または 3.1.1 

スペア SSP に Trusted Solaris SSP 3.1.1 をインストールするには
  1. スペア SSP (ここでは SSP2) に、スーパーユーザーおよびセキュリティ管理者の役割になれるユーザーとしてログインし、root 役割になります。

  2. root 役割のラベル admin_low で、「CD-ROM からのインストール」の手順を実行します (まだ実行していない場合)。

  3. Tools ディレクトリに移動します。


    ssp# cd /cdrom/root/Tools
    
  4. 次のように入力して、SSP2 に Trusted Solaris SSP 3.1.1 ソフトウェアをインストールします。


    ssp# ./ssp_install pathname
    

    ここで pathnameProduct ディレクトリのパス (/cdrom/root/Product) です。

  5. SSP 3.1.1 AnswerBook (SUNWuessp パッケージ) をインストールするかどうかの質問が表示されます。インストールする場合は y を、インストールしない場合は n を入力します。

    SSP 3.1.1 Answerbook をインストールする場合は、次のプロンプトに答える必要があります。

    1. インストールオプションを選択するよう指示されたら、2 (heavy オプション) を入力します。

      Select an installation option: 2

    2. AnswerBook2 Collection の親パスを指定するよう指示されたら、SSP 3.1.1 AnswerBook をインストールするディレクトリのパスを入力します。

      /opt ディレクトリにインストールすることをお勧めします。

      Specify the parent path of this AnswerBook2 Collection directory: /opt

    3. 次のプロンプトに対して y を入力します。


      This package contains scripts which will be executed with super-user
      permission during the process of installing this package.
      
      Do you want to continue with the installation of <SUNWuessp> [y,n,?] y
      

  6. SUNWsspfp パッケージをインストールするかどうかの質問に対し、y を入力します。


    Do you want to install the SUNWsspfp package? (y/n) y
    This package contains scripts which will be executed with superuser 
    permissions during the process of installing this package.
    Do you want to continue with the installation of <SUNWsspfp> [y,n,?] y
    
  7. Custom Root Role プロファイルから /cdrom/root/Tools/ssp_install コマンドを削除します。

    1. secadmin 役割になります。ラベル admin_low でプロファイルマネージャを起動します。

    2. 「プロファイルマネージャ : 読み込み (Profile Manager: Load)」ウィンドウで「ネームサービス (Name Service)」メニューから「なし (none)」を選択し、「了解 (OK)」ボタンをクリックします。

    3. 「プロファイルマネージャ : 開く (Profile Manager: Open)」ウィンドウで「Custom Root Role」を選択し、「変更 (Modify)」ボタンをクリックします。

    4. プロファイルマネージャのメインウィンドウのメニューバーから「表示 (View)」を選択し、サブメニューから「コマンド (Commands)」を選択します。

    5. 「含む (Included)」リストから /cdrom/root/Tools/ssp_install コマンドを選択し、これを「含まない (Excluded)」リストに移動します。

    6. プロファイルマネージャのメインウィンドウのメニューバーから「プロファイル (Profiles)」を選択し、サブメニューから「プロファイルを保存 (Save Profile)」を選択して、プロファイルを保存します。

    役割のプロファイルからのコマンドの削除について詳細は、『Trusted Solaris のインストールと構成』の「役割のプロファイルからコマンドを削除するには」の節を参照してください。

  8. root 役割になり、ラベル admin_low で次のコマンドを使用して /cdrom/root のマウントを解除します。


    ssp# umount /cdrom/root
    
  9. root 役割のラベル admin_low で、デバイス割り当てマネージャを使用して CD-ROM ドライブの割り当てを解除します。CD-ROM を取り出します。

    ボリュームマネージャは Trusted Solaris 環境では使用不可になっているので、これを使用してはなりません。

  10. メイン SSP のバックアップファイルがある場合は、SSP2 でそれを復元します。

    1. root 役割のラベル admin_low で、ssp_backup.cpio ファイルを SSP2 のバックアップディレクトリにコピーします。

    2. 次のように入力します。

      ssp# /opt/SUNWssp/bin/ssp_restore ¥
      backup_directory/ssp_backup.cpio
      

      ここで backup_directory は、手順 10ssp_backup.cpio ファイルをコピーしたディレクトリです。このコマンドによってスペア SSP に SSP 環境が復元されます。

  11. ssp_config(1M) コマンドを使用して、メイン SSP (ここでは SSP1) をスペア SSP になるよう構成します。

    1. SSP1 が Solaris ソフトウェアを実行している場合は、SSP1 にスーパーユーザーとしてログインします。SSP1 が Trusted Solaris ソフトウェアを実行している場合は、root 役割になれるユーザーとしてログインし、root 役割になります。

    2. 次のように入力します。

      ssp# /opt/SUNWssp/bin/ssp_config
      Beginning setup of this workstation to act as a MAIN or SPARE SSP.
      Are you currently configuring the MAIN SSP? (y/n)n
      SPARE SSP configuration completed.

    3. SSP1 が現在 SSP 3.1 を実行している場合は、rarpd プロセスを終了します。

      ssp# ps -ef | grep rarpd
      ssp# kill -9 rarpd_pid
      

      ここで rarpd_pid は、ps コマンドで表示される rarpd のプロセス ID です。rarpd プロセスを終了することにより、制御ボードのブート要求に対して SSP が応答しなくなります。

  12. SSP2 がメイン SSP になるよう変更します。

    1. SSP2 に root 役割になれるユーザーとしてログインし、root 役割になります。

    2. 次のように入力します。

      ssp# /opt/SUNWssp/bin/ssp_config
      Beginning setup of this workstation to act as a MAIN or SPARE SSP.
      Are you currently configuring the MAIN SSP? (y/n)y
      MAIN SSP configuration completed.

    インストール手順で SSP 環境を復元しなかった場合は、システム情報の入力を要求するプロンプトが表示されます。詳細については、「プラットフォームと制御ボードに名前を付けるには」を参照してください。

  13. SSP2 をリブートします。

  14. SSP2 に ssp 役割になれるユーザー install としてログインします。ユーザー install のパスワードは install です。

    Trusted Solaris SSP 3.1.1 のインストールによって ssp 役割が作成され、ssp 役割がユーザー install に割り当てられます。

  15. ssp 役割 になります。ssp 役割のパスワードは ssp です。

  16. ssp 役割で端末エミュレータウィンドウを開き、次のログメッセージを確認します。


    ssp% tail -f $SSPLOGGER/messages
    

    「Startup of SSP programs complete」メッセージが表示されるまで待ちます。

  17. 各ドメインで、スーパーユーザーとして次の手順を行います。

    ドメインが Trusted Solaris ソフトウェアを実行している場合は、root 役割になり、次の手順を行う必要があります。root 役割から Trusted Solaris ドメインにアクセスする方法は、手順 1 を参照してください。

    ドメインが Solaris ソフトウェアを実行している場合は、netcon(1M) を使用してそのドメインのスーパーユーザーになり、スーパーユーザーとしてログインします。

    1. /etc/ssphostname ファイルを編集して、SSP1 のホスト名を SSP2 のホスト名に置き換えます。

    2. コンソール通信を SSP1 から SSP2 に切り替えます。

      ドメインが Trusted Solaris 7 または Solaris 7 5/99 以降のリリースを実行している場合は、次のコマンドを発行します。

      # /etc/init.d/cvc stop
      # /etc/init.d/cvc start
      

      ドメインが Solaris 2.5、2.6、または Solaris 7 3/99 以前のリリースを使用している場合は、次のコマンドを発行します。

      # ps -ef | grep cvcd
      # kill -9 cvcd_pid
      # cvcd_path/cvcd
      

      ここで cvcd_path は、Solaris 2.5 および 2.6 オペレーティング環境では /sbin であり、Solaris 7 オペレーティング環境では /platform/SUNW,Ultra-Enterprise-10000/lib/cvcd です。

  18. SSP2 で、「Trusted Solaris SSP 3.1.1 の構成」に示す手順に従います。

  19. 代替パス指定を希望する場合は、第 5 章「Sun Enterprise 10000 サーバー上の Trusted Solaris Alternate Pathing 2.2」で説明する方法に従って Trusted Solaris AP 2.2 をインストールします。

  20. SSP2 をインストールし構成した後は、SSP1 をインストールできます。

    1. SSP1 に Trusted Solaris 7、Trusted Solaris SSP 3.1.1、および Trusted Solaris AP 2.2 をインストールします。

    2. SSP 環境または SSP2 に変更を加えた場合には、新しいバックアップファイルを使用して 2 つの SSP を同期させます。

      1. root 役割のラベル admin_low で、SSP2 上でバックアップファイルを作成します。


        ssp# /opt/SUMWssp/bin/ssp_backup target_directory 
        
      2. root 役割のラベル admin_low で、SSP1 上でバックアップファイルを復元します。


        ssp# /opt/SUMWssp/bin/ssp_restore  ¥
        backup_directory/ssp_backup.cpio