N1 Provisioning Server 3.1, Blades Edition インストールガイド

N1 Provisioning Server バージョン 3.1 へのアップグレード

使用中のファームを含む I-Fabric 上の N1 Provisioning Server ソフトウェアをアップグレードすることができます。 Provisioning Server サービスがファーム変更要求を処理しているときは、Provisioning Server ソフトウェアのパッチのインストールおよびアップグレードを行うことができません。 ファーム変更要求は、ファームの起動、待機状態への移行、ファームスナップショット、DHCP 同期などを含みます。 アップグレードを開始したときに処理中の要求があると、アップグレードプロセスは終了します。 アップグレードを実行する前に要求が終了するのを待つか、すべての要求を停止するように求められます。 アップグレード前にキューに入れた要求は、アップグレード後に要求が処理されても失敗することがあります。 したがって、キューに入れたすべての要求は、アップグレード前に削除してください。

N1 Provisioning Server バージョン 3.0 から N1 Provisioning Server 3.1 へのアップグレードでは、以下のタスクを順に行う必要があります。

最新リリース後に新しくなったパッケージの一覧や、新規パッケージおよびアップグレードの特殊な指示の一覧など、アップグレードに関する詳細情報については、『N1 Provisioning Server 3.1, Blade Edition ご使用にあたって』を参照してください。

Procedureキューに入れた要求を削除する

アップグレードは、要求が処理中ではなくキューにない場合にのみ実行できます。 アップグレードプロセスは、アップグレードを開始する前に、処理中の要求がないことを検証します。 ただし、キューに入れた要求に対しては、この検証が行われません。 以下に説明にしたがって、アップグレードを開始する前にキューに入れた要求がないことを確認する必要があります。 キューに入れた要求またはキューブロックされた要求をシステムから削除せずに N1 Provisioning Server ソフトウェアを更新すると、アップグレード後にこれらの要求の一部は失敗またはエラーとして表示される可能性があります。 失敗した要求は削除するか、無視することを選択できます。 アップグレード前に削除した要求や、アップグレード後に失敗として表示された要求については、Control Center から再発行する必要があります。

手順
  1. コントロールプレーンサーバーに root (su - root) でログインします。

  2. キューに入れた要求とキューブロックされた要求を一覧表示します。

    opt/terraspring/sbin/request -l と入力して、キューに入れた要求と処理中の要求をすべて一覧表示します。

  3. キューに入れた要求とキューブロックされた要求を削除します。

    キューに入れた要求またはキューブロックされた要求がある場合は、 コマンド /opt/terraspring/sbin/request -d request_id を入力します。request_id は、要求の ID になります。 この手順は、request -l コマンドで一覧表示された各要求に対して行う必要があります。

ProcedureN1 Provisioning Server バージョン 3.0 からバージョン 3.1 にアップグレードする

始める前に

アップグレードプロセスを開始する前に、以下のタスクが実行済みであることを確認してください。

手順
  1. コントロールプレーンサーバーに root (su - root) でログインします。

  2. N1 Provisioning Server, Blades Edition version 3.1 DVD-ROM を DVD-ROM ドライブに挿入します。

  3. コマンド /cdrom/crom0/install を入力して、アップグレードを開始します。

    次のメッセージが表示されます。


    N1 Provisioning Server Software version 3.0 is already installed on
    this system.
    Continuing will upgrade to version 3.1.
    
    Continue (y/N):

    y と入力して Return キーを押します。

    • Provisioning Server とイメージサーバーの組み合わせをアップグレードしている場合は、次のメッセージが表示されます。


      Upgrading Roles: PS IS
      Continue (y/N):
    • Provisioning Server のみのマシンをアップグレードしている場合は、次のメッセージが表示されます。


      Upgrading Roles: PS
      Continue (y/N):

    y と入力して Return キーを押します。

  4. データベース管理者ユーザー名の入力が求められます。

    Enter database administrator user [system]:

    データベース管理者ユーザーの名前を入力するか、Enter キーを押してデフォルトの system を使用します。

  5. データベース管理パスワードの入力が求められます。

    Enter database administrator Password:

    データベース管理者パスワードを入力します。 データベース管理者パスワードの確認が求められます。 パスワードをもう一度入力します。

  6. フラッシュ許可を有効にするかどうかを確認されます。

    Do you want flash permission enabled?[y/n]

    フラッシュ許可を有効にするには、y と入力します。 フラッシュ許可を無効にするには、n と入力します。

    次のメッセージと似たメッセージが表示されます。


    removing TSPRblibl package.
    Parsing /tmp/Upgrade_24373__WML__ ...done!
    
    Encrypting passwords ...done!Check for pending requests in progress ...done!
    Configuration of Combined Provisioning and Image Server software and setup
    in progress (Please wait) ...
    Determining packages to upgrade/install ...removing TSPRblibl package.
    Parsing /tmp/Upgrade_24373__WML__ ...done!

    アップグレードプロセスはすべての Provisioning Server サービスを停止し、Control Center データベースをバックアップしてからドメインを停止します。 その後、アップグレードプロセスは、古いパッケージを削除して Provisioning Server パッケージをアップグレードします。そして、コントロールプレーンデータベースと状態を更新し、Control Center データベースを更新してから、Provisioning Server サービスを開始します。

    Provisioning Server サービスが開始されると、アップグレードプロセスは Provisioning Server 設定を更新し、イグニションオペレーティングシステムを設定して、Control Center を開始します。 Control Center が開始されたあと、アップグレードプロセスは各サーバーブレードをテストします。

参照

サーバーブレードの検証テストが完了すると、アップグレードプロセスは終了しシステムプロンプトに戻ります。 次に、 「シャーシの物理状態とデータベース内の情報を同期する 」の指示に従って、I-Fabric 内の各シャーシの同期を行う必要があります。

Procedureシャーシの物理状態とデータベース内の情報を同期する

始める前に

「N1 Provisioning Server バージョン 3.0 からバージョン 3.1 にアップグレードする」の指示に従って、Provisioning Server ソフトウェアのアップグレードが完了していることを確認してください。


注 –

インストールで各シャーシを同期する必要があります。 1 つのシャーシの同期が完了したら、別のシャーシの同期を行えるオプションが表示されます。


手順
  1. コントロールプレーンサーバーに root (su - root) でログインします。

  2. 同期プロセスを開始するには、次のコマンド opt/terraspring/sbin/shelfsyncを入力します。

    シャーシの IP アドレスまたはデバイス ID の入力が求められます。

  3. 同期を行うシャーシの IP アドレスまたはデバイス ID を指定します。

    シャーシの IP アドレスまたはデバイス ID を入力します。

    アップグレードプロセスはそのシャーシについてデータベースを照会し、シャーシのネットワーク接続を確認して、シャーシの検出を実行します。 シャーシの管理インタフェースユーザー名の入力が求められます。

  4. シャーシの管理インタフェースユーザー名を指定します。

    シャーシユーザー名を入力します。 次に、シャーシユーザー名のパスワードの入力が求められます。


    注 –

    デフォルトのシャーシユーザー名は、admin です。


  5. シャーシユーザー名のパスワードを指定します。

    シャーシユーザー名のパスワードを入力します。 次のプロンプトが表示されます。

    Are the switch user name and password the same as the management user 
    name and password?
    [yY/nN]
  6. スイッチユーザー名およびパスワードが、管理ユーザー名およびパスワードと同一であることを確認します。

    • ユーザー名およびパスワードが、スイッチとシャーシ管理で同じである場合は、y と入力します。


      注 –

      シャーシスイッチユーザー名およびパスワードと、シャーシ管理ユーザー名およびパスワードは、インストール中にデバイスが検出された場合にのみ同じでなければなりません。 シャーシを変更したり新しいシャーシを追加して、shelfsync を実行している場合には、ユーザー名およびパスワードを同一にする必要はありません。 shelfsync についての詳細は、『N1 Provisioning Server 3.1, Blades Edition システム管理ガイド』を参照してください。


    • ユーザー名およびパスワードが同じでない場合は、n と入力します。

    次のプロンプトが表示されます。

    Is there any new switch added to the shelf that you want to bench configure?
     [yY/nN]
  7. 新しいシャーシスイッチおよびシステムコントローラを構成します。

    • シャーシに新しい SCC が含まれている場合は、y と入力します。

      デフォルトゲートウェイ IP アドレス、ネットマスクアドレス、VLAN 範囲、スイッチの IP アドレス、およびスイッチの SSC 番号について、順にプロンプトが表示されます。 各プロンプトで要求された情報を入力したら、アップグレードプロセスは新しい SSC を構成します。 その後、アップグレードプロセスは、以下に説明するようにシャーシで検出を実行します。

    • どのシャーシにも新しいスイッチがない場合は、n と入力します。

      アップグレードプロセスは、シャーシで検出を実行し、そのシャーシの WML 出力を /var/tmp に書き込み、データベース状態を取得します。

      推奨するアクションの一覧が表示されます。 以下に例を示します。


      Recommended actions:
                      Recommended
      #  Cause        Action     Identification       Conflicting IDs
      -- -----------  ------- ----------------------- ---------------
      0  Discovered   ADD     50211 00:03:BA:26:91:AD
      1  Discovered   ADD     50251 sw_50251_SSC1 
      
      * = action has been run, entering -y will suppress acknowledgement prompts
      
      enter line number(s) from above or q for quit: 
  8. 一覧表示された問題を解決するか、アップグレードプロセスを継続します。

    • 問題を解決するには、問題の行番号を入力します。 たとえば、前の手順で示されたデバイス 50211 を追加するには、0 と入力してデバイスを追加します。そして、プロンプトで要求された情報を入力します。

    • アップグレードプロセスを継続するには、q と入力します。

      現在のシャーシの再同期、別のシャーシの同期、あるいはアップグレードプロセスの終了を選ぶことができます。

  9. アクションを選択します。


    What do you want to do next:
    #1. Re-sync the current SFB1600 device with its saved state.
    #2. Synchronize another SFB1600 device with its saved state.
    #3. Exit.
    Make selection (1-3):
    • 現在のシャーシを再同期するには、1 と入力します。

    • 別のシャーシを同期するには、2 と入力します。

    • 終了してシステムプロンプトに戻るには、3 と入力します。


    注意 – 注意 –

    インストールで各シャーシを同期する必要があります。 シャーシが複数ある場合は、2 を入力して次のシャーシの同期を行います。 同期を行うシャーシの IP アドレスまたはデバイス ID の入力を求めるプロンプトが表示されます。 手順 3 に進んでください。


参照

シャーシの同期を完了したら、次の手順の 「Control Center アプリケーションサーバーを更新する 」の指示に従って、Control Center アプリケーションサーバーを更新します。

ProcedureControl Center アプリケーションサーバーを更新する

始める前に

Control Center アプリケーションサーバーを更新する前に、以下のタスクが実行済みであることを確認してください。

手順
  1. コントロールプレーンサーバーに root (su - root) でログインします。

  2. Provisioning Server とアプリケーションサーバーを停止します。

    コマンド /opt/terraspring/sunone/bin/appserv stop を入力します。 次のメッセージが表示されます。


    Stopping admin server instance...
    Instance admin-server stopped
    Stopping server server_gw...
    Instance server_gw stopped
    • 管理者サーバーの停止に失敗した場合は、次のコマンドを入力します。

      /opt/terraspring/sunone/domain_gw/admin-server/bin/stopserv

    • アプリケーションサーバーの停止に失敗した場合は、次のコマンドを入力します。

      /opt/terraspring/sunone/domain_gw/server_gw/bin/stopserv

  3. Control Center アプリケーションサーバーを更新します。

    /opt/terraspring/sunone/bin/setup7.sh -silent -upgrade と入力します。

    setup7.sh プロセスは、更新に必要なファイルをコピーし、 サーバーとセキュリティデータベースを更新して、必要なデータベースキーとセキュリティキーを生成します。 更新が完了すると、更新プロセスは終了してシステムプロンプトに戻ります。

  4. アプリケーションサーバーを再起動します。

    コマンド /opt/terraspring/sunone/bin/appserv start を入力します。 次のメッセージが表示されます。


    Starting admin server instance...
    Instance admin-server started
    Starting server server_gw...
    Instance server_gw started
    • 管理者サーバーの起動に失敗した場合は、次のコマンドを入力します。

      /opt/terraspring/sunone/domain_gw/admin-server/bin/startserv

    • アプリケーションサーバーの起動に失敗した場合は、次のコマンドを入力します。

      /opt/terraspring/sunone/domain_gw/server_gw/bin/startpserv

    管理者サーバーとアプリケーションサーバーが起動されたら、次の手順の「オペレーティングシステムイメージをインポートする 」の指示に従って、オペレーティングシステムイメージをインポートします。

Procedureオペレーティングシステムイメージをインポートする

始める前に

N1 Provisioning Server バージョン 3.1 オペレーティングシステムイメージをインポートする前に、以下のタスクが実行済みであることを確認してください。

手順
  1. イメージサーバーマシンに root (su - root)でログインします。

  2. コマンド ps -ef | grep mountd を入力して、ネットワークファイルシステム (NFS) デーモンが実行中かどうかを確認します。

    NFS デーモンが実行されていない場合は、/etc/init.d/nfs.server start と入力して NFS デーモンを起動します。

  3. オペレーティングシステムイメージをインポートします。

    コントロールプレーンサーバーで、次のコマンド /opt/terraspring/sbin/imagewizard -n -i /cdrom/cdrom0/Images を入力します。 N1 Provisioning Server installation DVD-ROM に含まれる Solaris イメージがイメージサーバーにインポートされます。

参照

イメージがインポートされたら、次のタスクを実行してください。