Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド

第 2 章 Sun Management Center 3.5 の要件

この章では、特定の Sun Management Center ソフトウェアソリューションを実装するために配分または確保すべきオペレーティングシステム、ストレージ、およびコンピュータリソースを確認する上で参考となる情報を示します。

この章の内容は次のとおりです。


注 –

Sun Management Center 3.5 開発環境をインストールする予定がある場合、開発環境は別の専用マシンにインストールする必要があります。開発環境マシンには、Sun Management Center のサーバレイヤ、エージェントレイヤ、およびコンソールレイヤが自動的にインストールされます。Sun Management Center 開発用マシンは、Sun Management Center サーバレイヤの最小限のハードウェア要件とソフトウェア要件に適合する必要があります。開発環境マシンは、エージェントレイヤ、コンソールレイヤ、およびインストールする任意のアドオンの要件に適合する必要があります。


旧バージョンとの互換性

Sun Management Center 3.5 ソフトウェアは、以下のソフトウェアとの互換性があります。

Sun Management Center ソフトウェアには、以下の機能は存在しません

次の表に、Sun Management Center のベース製品レイヤごとにこの製品の旧バージョンとの互換性を示します。Sun Management Center バージョン 2.0 と 2.0.1 は Sun Enterprise SyMONTM ソフトウェアと呼ばれており、バージョン 2.1、2.1.1、3.0、および 3.5 は Sun Management Center と呼ばれています。

表 2–1 Sun Management Center の旧バージョンとの互換性 (ベース製品別)

コンソール 

サーバ 

エージェント 

3.0 

3.0 

2.0.1、2.1、2.1.1、3.0 

3.5 

3.5 

2.0.1、2.1、2.1.1、3.0、3.5 

サポートされるプラットフォーム

サポートされるハードウェアプラットフォームについての最新情報は、Sun Management Center の Web サイト http://www.sun.com/sunmanagementcenter を参照してください。 ハードウェア構成情報には、構成リーダモジュールが必要です。

次の表に、サポートされるプラットフォームの例を示します。

表 2–2 サポートされるプラットフォームの例

オペレーティングシステム 

Sun Management Center のレイヤ 

ハードウェア例 

Solaris 

エージェント、コンソール、アドオン 


注 –

一部のアドオンは プラットフォームに固有です。


  • SPARCStation 1、2、5、10、20

  • Ultra 1、2、5、10、30、60、80、450

  • 100、1000

  • T1 100、T1 105、T1 AC200、X1、T1 1120、T1 1125、T1 1400、T1 1405

  • Sun Enterprise 2、150、220R、250、420R、450、3000、3500、E3500、4000、4500、E4500、5000、5500、E5500、6000、6500、E6500、10000

  • Sun Ultra Enterprise 2、5、10、150、220R、250、420R、450、3000、3500、E3500、4000、4500、5000、5500

  • Sun Fire 280R、V880、3800、4800、4810、6800、15000

  • SPARCcenter® 2000、2000E、1000、1000E

Solaris 

エージェント、コンソール、サーバ、アドオン 


注 –

一部のアドオンは プラットフォームに固有です。


  • 小型サーバ:350 台までのノードを管理。

    500MHz の UltraSPARC® IIe CPU 以上を 1 つ搭載した Netra X1、Netra T1、または Sun Blade 100

  • 中型サーバ:600 台までのノードを管理。

    450MHz の UltraSPARC II CPU 以上を 2 つ搭載した Sun Enterprise 420R または Ultra 60

  • 大型サーバ:750 台までのノードを管理。

    750MHz の UltraSPARC III CPU 以上を 2 つ搭載した Sun Fire 280R、Netra T4、または Sun Blade 1000

  • 超大型サーバ:1,000 台までのノードを管理。

    900 Mhz の UltraSPARC III CPU 以上を 4 つ搭載した Sun Fire 480R または相当機種

Windows 98、Windows NT、Windows 2000 

コンソールレイヤと一部のアドオン 

Pentium 233MHz 以上 

構成リーダモジュールと動的再構成 (DR) モジュールは、一部の Sun ハードウェアプラットフォームではサポートされていません。しかし、Sun Management Center のほかのベースモジュールはすべて Sun ハードウェアプラットフォームでサポートされています。

ベースモジュールの詳細は、『Sun Management Center 3.5 ユーザーガイド』を参照してください。

Sun Management Center ベースレイヤの要件

次に、Sun Management Center 3.5 のベースレイヤの要件を示します。必要となるリソースの合計を確認する方法についての詳細は、 付録 C 「必要となるハードウェアリソースの確認」を参照してください。

表 2–3 Sun Management Center 3.5 のベースレイヤシステムの要件

ベースレイヤ 

オペレーティングシステム 

ディスク容量 

RAM 

Swap 

サーバ 

Solaris 8、Solaris 9 の Solaris Developer Software Group インストール 

合計 800M バイト:/opt に 300M バイト、/var/opt に 500M バイト

最小 512M バイト 

小型サーバから大型サーバまでには 1G バイトを推奨 

超大型サーバには 2G バイトを推奨 

1G バイトを推奨 

エージェント 

Solaris 2.6、Solaris 7、Solaris 8、Solaris 9 リリース 

エージェント当たり、/opt/SUNWsymon に 18M バイト。 エージェント当たり、/var/opt/SUNWsymon に 2M バイト

読み込まれるモジュールとシステムの種類に応じ、エージェント当たり 10 から 29M バイト 

 

Java コンソール 

Solaris 2.6、Solaris 7、Solaris 8、Solaris 9 リリース

Solaris プラットフォーム: 62M バイト

Solaris プラットフォーム:256M バイト

Solaris プラットフォーム: 130M バイト

 

Microsoft Windows 98、Microsoft Windows NT SP 4 以降、Microsoft Windows 2000 Professional

Microsoft Windows プラットフォーム: 35M バイト

Microsoft Windows プラットフォーム: 256M バイト

Microsoft Windows プラットフォーム: 768M バイト

コンソールとサーバのデフォルトの最大ヒープサイズはそれぞれ 64M バイトですが、es-start によるコンポーネントの起動で説明しているようにこの最大サイズはカスタマイズできます。

Sun Management Center ベースアドオンの要件

次の表に、ベースアドオンをインストールする上で Sun Management Center の各レイヤに必要な最小のディスク容量を示します。必要となるリソースの合計を確認する方法についての詳細は、 付録 C 「必要となるハードウェアリソースの確認」を参照してください。

表 2–4 ベースコンポーネント別アドオンディスクの容量要件

ベースアドオン 

オペレーティングシステム 

ディスク容量 

Advanced System Monitoring 

Solaris 2.6、Solaris 7、Solaris 8、Solaris 9 リリース 

Windows 98、Windows NT、Windows 2000 

サーバ: 3300K バイト 

エージェント: 2020K バイト 

コンソール: 270K バイト 

Service Availability Manager 

Solaris 2.6、Solaris 7、Solaris 8、Solaris 9 リリース 

サーバ: 1600K バイト 

エージェント: 1000K バイト 

コンソール: 500K バイト 

System Reliability Manager 

Solaris 2.6、Solaris 7、Solaris 8、Solaris 9 リリース 

サーバ: 3000K バイト 

エージェント: 1000K バイト 

コンソール: 0K バイト 

Performance Reporting Manager 

Solaris 2.6、Solaris 7、Solaris 8、Solaris 9 リリース 

Windows 98、Windows NT、Windows 2000 

サーバ:選択したレポートオプションによって異なる。 

  • 小規模構成: 5G バイト

  • 中規模構成: 12G バイト

  • 大規模構成: 24G バイト

エージェント: 最小 8000K バイト。5 分間隔でログ化される 1000 個のプロパティが存在する場合、80M バイト必要 

コンソール: 3M バイト 

 


注 –

Performance Reporting Manager は、1G バイトの RAM と 1G バイトのスワップ空間を必要とします。


JDK バージョンの要件

次に、Sun Management Center 3.5 の JDK 要件を示します。

表 2–5 JDK 要件

コンポーネント 

JDK バージョン  

コマンド行によるインストールと設定 

不要 

エージェントのグラフィカルユーザインタフェースによるインストールと設定 

JDK 1.2.2 

コンソールのグラフィカルユーザインタフェースによるインストールと設定 

JDK 1.3.1 

サーバのグラフィカルユーザインタフェースによるインストールと設定 

JDK 1.4 

Sun Management Center エージェントを実行する 

不要 

Sun Management Center コンソールを実行する 

JDK 1.3.1 

Sun Management Center サーバを実行する 

JDK 1.4 

インストールされている Java のバージョンを確認する
  1. コマンド which java を入力すると、どこに Java がインストールされているかがわかります。

    Java 実行可能ファイルへのパスが表示されます。たとえば、次のようになります。


    > which java
    /bin/java

    注 –

    表示されるパスはシンボリックリンクである可能性があります。


  2. コマンド java -version を入力します。

    Java のバージョンが表示されます。


    >java -version
    Java(TM) 2 Runtime Environment, Standard Edition (build 1.2.0_01-b03)
    Java HotSpot(TM) Client VM (build 1.2.0_01-b03, mixed mode)

    上記例では、/bin/java にインストールされている Java のバージョンは、グラフィカルユーザインタフェースで Sun Management Center 3.5 をインストールするには十分ではありません。また、この Java のバージョンは、Sun Management Center のコンソールとサーバを実行するのにも十分ではありません。

    グラフィカルユーザインタフェースを使用して Sun Management Center のコンソールとサーバをインストール、設定、および実行するには、必須バージョンの Java ソフトウェアをインストールする必要があります。必須バージョンの Java ソフトウェアは Sun Management Center 3.5 installation CD 1 of 2 に格納されています。

必須バージョンの JDK をインストールする
  1. スーパーユーザとしてログインします (su - root)。

  2. 現バージョンの Java ソフトウェアへのパスを削除します。

    現バージョンの Java ソフトウェアがインストールされている場所は /bin/java であり、 /bin/java/usr/j2se へのシンボリックリンクであると想定します。

    .login または .cshrc ファイルを編集して、PATH ステートメントから /bin/java を削除します。

  3. 現在の Java ディレクトリの名前を変更します。

    現在の Java のバージョンは 1.2 であると想定します。コマンド mv j2se java1.2 を使用すると、現在の Java ディレクトリの名前を Java バージョン 1.2 に変更できます。例えば、


    # cd /usr
    # mv j2se java1.2
    # ls java1.2
    COPYRIGHT     README.html   jre/          opt/
    LICENSE       bin/          lib/          src.zip
    README        include/      man/

    注 –

    必要に応じて、JAVA_HOME 環境を設定し直すことによって、現バージョンの Java ソフトウェアをほかのプロジェクトに使用できます。


  4. シンボリックリンクを削除します。

    たとえば、/bin/java/usr/j2se へのシンボリックリンクである場合、コマンド rm /bin/java を入力します。

  5. Sun Management Center 3.5 installation CD 1 of 2 から JDK をインストールします。

    1. CD-ROM ドライブに Sun Management Center 3.5 CD 1 of 2 を挿入します。

      CD-ROM の内容を表示します。


      # ls -p /cdrom/cdrom0
      Copyright                 classes/                  lib/
      JDK1.4.1_02/              image/                    sbin/
      ThirdPartyLicenseReadMe   install/

      表示される JDK ディレクトリのバージョンは、使用している Sun Management Center 3.5 マシンによって異なる可能性があります。

    2. CD-ROM 上の JDK ディレクトリに移動します。

      JDK ディレクトリの内容を表示します。


      # cd /cdrom/cdrom0/JDK*
      /cdrom/cdrom0 # ls -p
      Solaris/  Windows/
    3. pkgadd を使用して、JDK パッケージをインストールします。

      コマンド pkgadd -d /cdrom/cdrom0/jdk_dir/Solaris を入力します。ここで、jdk_dir は CD-ROM 上にある JDK ディレクトリの名前です。

      パッケージのリストが表示されます。そして、インストールしたいパッケージを選択するように求めるメッセージが表示されます。

      Return キーを押すと、すべてのパッケージがインストールされます。JDK パッケージは /usr/j2se ディレクトリにインストールされます。

  6. JAVA_HOME 環境変数を /usr/j2se に設定し直します。

    • C シェル環境の場合:


      # setenv JAVA_HOME /usr/j2se
      
    • Bourne 環境または Korn シェル環境の場合:


      # JAVA_HOME=/usr/j2se
      # export JAVA_HOME
      

      ヒント –

      .login または .cshrc ファイルに JAVA_HOME 環境変数を設定します。


空きディスク容量の確認

この節では、Solaris プラットフォームと Microsoft Windows プラットフォーム上で空きディスク容量を確認する方法について説明します。

Solaris システム上で空き容量を確認する
  1. 端末ウィンドウを開きます。

  2. df -ak と入力し、マシン上のファイルシステムごとに使用済み容量と空き容量を表示します。

Microsoft Windows システム上で空き容量を確認する
  1. 「スタート」、「プログラム」、「Windows エクスプローラ」の順に選択します。

    「エクスプローラ」ウィンドウが表示されます。

  2. 「マイコンピュータ」の左側にあるプラス記号 (+) をクリックします。

    リストが展開されて、システム上のハードドライブが示されます。

  3. ドライブ名にポインタを合わせてマウスボタン 3 を押します。

    ポップアップメニューが表示されます。

  4. このポップアップメニューから「プロパティ」を選択します。

    「ディスクのプロパティ」ウィンドウが表示され、使用済み領域と空き領域の容量が示されます。

  5. 「OK」をクリックして「ディスクのプロパティ」ウィンドウを閉じます。