この章では、Sun Management Center 3.5 の概要、この製品のインストールと設定の手順、およびベースとなるハードウェアとソフトウェアの要件について簡単に紹介します。具体的な要件については、第 2 章「Sun Management Center 3.5 の要件」で説明します。サイズ情報については、付録 C 「必要となるハードウェアリソースの確認」で説明します。
この章の内容は次のとおりです。
Sun Management Center ソフトウェアは、多彩な機能を持つ、オープンソースのシステム管理ツールです。Sun Management Center 製品は 3 つのベースコンポーネントに分かれており、システム管理をサポートする製品としてさらに 4 つのベースアドオン製品が用意されています。また、その他のアドオン製品で説明しているように、プラットフォーム固有のサポートを行うアドオン製品もあります。
この節の内容は次のとおりです。
第 6 章「Sun Management Center 3.5 のインストールと設定」で説明しているように、Sun Management Center ソフトウェアはすべて (アドオン製品を含む ) インストールと設定の作業を単一のインストールコマンドで実施できます。
Sun Management Center ソフトウェア管理フレームワークは、Sun Management Center の中核機能を提供するコンソールコンポーネント、サーバコンポーネント、およびエージェントコンポーネントから成る 3 層アーキテクチャをベースとしています。
Sun Management Center サーバは、管理作業を実行するとともに、管理作業の実行要求を Sun Management Center エージェントへ送信します。サーバには、ネットワークハードウェアとソフトウェアの情報や、ネットワークと Sun Management Center の構成などがデータベースとして保存されます。Sun Management Center サーバは、通常、専用のマシン 1 台にインストールされます。つまり、ネットワーク当たり 1 つあればすみます。
Sun Management Center エージェントは、Sun Management Center サーバの指令に対する応答、ローカルマシン上の管理情報のアクセス、アラームの判定、ローカルリソースの監視などの機能を果たします。エージェントは Sun Management Center サーバマシンには自動的にインストールされますが、ネットワーク上のほかのマシンについてはオプションです。各マシンに Sun Management Center エージェントをインストールすると、徹底した管理機能とレポート機能を利用できるようになります。
Sun Management Center Java コンソールは、ネットワークの監視と管理に使用できるグラフィカルユーザインタフェースです。
Sun Management Center Web サーバはサーバレイヤと同じホストに、サーバレイヤと共にインストールされます。
Web サーバを使用すると、以下のどちらかの Web ブラウザをサポートする任意のシステムから Sun Management Center の Web サーバコンソールにアクセスできます。
Netscape NavigatorTM 4.5.1 以降
Internet エクスプローラ 5.0 以降
Sun Management Center は、各システムにインストールされた Sun Management Center エージェントに要求を送信することによって処理を開始します。エージェントは SNMP 技術にもとづいてサーバ要求を処理するほか、データをローカルに収集して処理するというように自発的な処理も行います。エージェントは、SNMP トラップの送信や管理作業の実行のために監視状態で動作できます。また、管理者との連絡が困難な場合でも、カスタマイズされたルールやしきい値にもとづいてアラームを生成したり特定の処理を開始したりもできます。SNMP の詳細は、セキュリティキーと SNMP コミュニティ文字列とSNMP デーモンとレガシーエージェントを参照してください。
Sun Management Center エージェントの管理機能と監視機能は、読み込み可能なモジュールとして構成されます。柔軟性のあるこれらのエージェントモジュールを利用することで、システムごとに必要なだけの監視と管理を行えます。Sun Management Center コンソールから Sun Management Center エージェントにモジュールをさらに読み込む必要がある場合は、管理システムとエージェントシステムを妨害することなく動的に行えます。Sun Management Center モジュールの詳細は、『Sun Management Center 3.5 ユーザーガイド』の「Sun Management Center ソフトウェアのモジュール」を参照してください。
Sun Management Center には、Sun Management Center ディストリビューションの一部として CD または Web ダウンロードイメージで配布される次の 4 つのアドオンが付属しています。
Advanced System Monitoring — 総合的なカーネルリーダー、Solaris の健全性監視、ファイルシステムの監視、ディレクトリサイズの監視、プロセスの監視、IPv6 プロトコルの監視、MIB-II の測定、ログ表示などの機能があります。
Service Availability Manager — ネットワークサービス (DNS/NIS ネーミングサービス、Web サーバ、ディレクトリ、LDAP、Telnet、FTP、メール、Solaris カレンダなど) の可用性のテストと測定を行う製品です。
System Reliability Manager — 信頼性を向上させます。このアドオンを利用することで、サービスレベルの向上と管理コストの削減を実現しやすくなります。
ベースアドオン製品とその他のアドオン製品の詳細は、Sun Management Center の Web サイト http://www.sun.com/software/solaris/sunmanagementcenter/ を参照してください。
Sun Management Center ソフトウェアをインストールするハードウェアプラットフォームによっては、システムがプラットフォーム固有のアドオンを別途必要とする場合があります。これらのアドオン製品には、特定の Sun ハードウェアアーキテクチャのサポート、構成リーダー (Config-Reader)、新規エージェントの管理などの機能が含まれます。特定のハードウェアプラットフォームの詳細は、使用しているハードウェアプラットフォームについての Sun Management Center 補足資料を参照してください。Sun Management Center の追加アドオンの詳細は、Sun Management Center Web サイトを参照してください。
個々のハードウェアプラットフォームに Sun Management Center ソフトウェアをインストールする場合は、事前にそのプラットフォームについての Sun Management Center 補足資料に必ず目を通し、アーキテクチャ固有のインストール方法を確認してください。詳細は、Sun Management Center 3.5 CD (2 of 2) のドキュメント用サブディレクトリを参照してください。
アドオン製品は、次に示す 2 つの方法でリリースされています。
Sun Management Center ディストリビューション (CD または Web ダウンロードイメージ) の一部としてリリース
個別にリリース (アドオン製品のみ)
Sun Management Center ディストリビューションの一部としてリリースされたアドオン製品は、Sun Management Center のインストールプロセス中にインストールされます。 (ベースコンポーネントがまずインストールされ、続いてアドオン製品がインストールされる)。
アドオン製品の多くにはアーキテクチャ固有のサポートがあるため、インストールプログラムによってハードウェアのチェックが行われます。たとえば、アドオン製品がワークステーションシステムをサポートする場合には、ユーザはワークステーションホストに Sun Management Center をインストールする時にワークステーション用アドオンをインストールするかどうかを選択できます。通常は、アドオン製品のインストール前に確認を求めるメッセージが表示されます。
Sun Management Center CD ディストリビューションとは別にアドオン製品がリリースされる場合には、そのアドオン製品に付属の補足資料でその製品のインストール方法が説明されます。
開発環境では、さまざまな方法で Sun Management Center ソフトウェアの機能性を拡張できます。たとえば、次のような作業を行えます。
独自の管理モジュールを作成する
Sun Management Center とインタフェースをとるクライアントプログラムを作成する
Sun Management Center コンソールにアプリケーションを統合する
開発環境をインストールしている場合、Sun Management Center 3.5 の開発環境と本稼働環境はそれぞれ別の専用サーバで実行する必要があります。
Sun Management Center 3.5 開発環境の詳細は、『Sun Management Center 3.5 Developer Environment Reference Manual』を参照してください。
Sun Management Center 3.5 ソフトウェアのインストールと設定は、グラフィカルユーザインタフェースまたはインストールスクリプトを使用して行えます。インストールでは、コンソールレイヤ、サーバレイヤ、およびエージェントレイヤを個別にインストールすることも、まとめてインストールすることもできます。また、インストールする機能固有のアドオン製品を選択することもできます。
Sun Management Center ソフトウェアは、必要となる最小のディスク容量が確保できれば、システム上の任意の位置にインストールできます。デフォルトでは、/opt/SUNWsymon にインストールされます。
Sun Management Center を使用するには、あらかじめ次に示す製品レイヤをインストールする必要があります。
サーバ – 少なくとも 1 台のマシンにインストールする
サーバをインストールすると、そのサーバマシンに Sun Management Center エージェントもインストールされます。
エージェント – 監視したい任意のマシンにインストールする
Java コンソール – ユーザが Sun Management Center にログインするために使用するマシンにインストールする
3 つのコンポーネントレイヤ (エージェント、サーバ、およびコンソール) をすべてインストールするには、SPARCTM プラットフォームマシンで Solaris 8 または Solaris 9 オペレーティング環境を使用している必要があります。サーバは、Solaris バージョン 8 または Solaris バージョン 9 を必要とします。エージェントとコンソールは、Solaris バージョン 2.6、Solaris バージョン 7、Solaris バージョン 8、および Solaris バージョン 9 で動作します。コンソールは、Solaris バージョン 2.6、Solaris バージョン 7、Solaris バージョン 8、Solaris バージョン 9、Microsoft Windows 98、Microsoft Windows NT、および Microsoft Windows 2000 で動作します。
次の例に、Sun Management Center 3.5 を新規にインストールしたり、旧バージョンの Sun Management Center を Sun Management Center 3.5 にアップグレードしたりするときに必要な主な手順の要約を示します。
Sun Management Center をインストール、アップグレード、および設定するには、各マシンにスーパーユーザとしてログインする必要があります。
この例では、Sun Management Center のサーバ、エージェント、コンソール、および Advanced System Monitoring (ASM) アドオンを 3 台のマシンにインストールします。
マシン A に、コンソールと ASM アドオンをインストールします。
マシン B に、サーバと ASM アドオンをインストールします。
エージェントは自動的にサーバと一緒にインストールされます。
マシン C に、エージェントと ASM アドオンをインストールします。
Sun Management Center はまだ、どのマシンにもインストールされていません。
次に、Sun Management Center と ASM をインストールするのに必要な主な手順を要約します。
各マシンがサポート対象のプラットフォームであることを確認します。
サポートされるプラットフォームを参照してください。
各マシンが必要なリソースを持っていることを確認します。
インストール前のチェックリストを参照してください。
CD または CD イメージのどちらからインストールするのかを決定します。
インストールソースの確認を参照してください。
マシン B にサーバをインストールします。Solaris プラットフォームへの Sun Management Center 3.5 のインストールを参照してください。
インストール中:
本稼働環境を選択します。
サーバレイヤだけを選択します。エージェントレイヤは自動的に選択されます。
Advanced System Monitoring (ASM) アドオンを選択します。
Advanced System Monitoring (ASM) アドオンを使用すると、サーバマシンを詳細に監視できます。詳細については、その他のアドオン製品を参照してください。
インストールが完了すると、/etc/system ファイルが更新されたためにシステムをリブートする必要があるというメッセージが表示されます。インストールプロセスを終了して、システムをリブートします。
マシン B で Sun Management Center サーバを設定します。
システムのリブートが完了したら、コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/es-guisetup を入力して、Sun Management Center サーバを設定します。
サーバを設定する場合:
セキュリティキーを生成するためのパスワードを指定します。
パスワードはすべての Sun Management Center マシンで同じである必要があります。
SNMPv1 セキュリティ文字列を指定します。
このセキュリティ文字列はすべての Sun Management Center マシンで同じである必要があります。
サーバの設定が終了すると、Advanced System Monitoring の設定が実行されます。
Advanced System Monitoring の設定が終了すると、Sun Management Center コンポーネントを起動するかどうか確認されます。すべてのコンポーネントを起動します。
マシン C にエージェントをインストールします。Solaris プラットフォームへの Sun Management Center 3.5 のインストールを参照してください。
インストール中:
本稼働環境を選択します。
エージェントレイヤだけを選択します。
ASM (Advanced System Monitoring) アドオンを選択します。
Advanced System Monitoring (ASM) アドオンを使用すると、エージェントマシンを詳細に監視できます。詳細については、その他のアドオン製品を参照してください。
エージェントをサーバマシンにインストールする必要がある場合、エージェント更新イメージを作成すれば、このイメージを使用してエージェントをインストールできます。エージェント更新イメージによるエージェントの Sun Management Center 3.5 へのアップグレードを参照してください。
エージェントのインストールが終了すると、設定を実行するかどうか確認されます。設定を実行します。
マシン C で Sun Management Center エージェントを設定します。
エージェントを設定するとき:
手順 5 で指定したものと同じセキュリティキー生成用パスワードを指定します。
手順 5 で指定したものと同じ SNMPv1 コミュニティ文字列を指定します。
Sun Management Center サーバマシンの名前を指定します。
エージェントの設定が終了すると、Sun Management Center エージェントを起動するかどうか確認されます。エージェントを起動します。
マシン A にコンソールをインストールします。Solaris プラットフォームへの Sun Management Center 3.5 のインストールを参照してください。
インストール中:
本稼働環境を選択します。
コンソールレイヤだけを選択します。
ASM (Advanced System Monitoring) アドオンを選択します。
Advanced System Monitoring には、コンソール用のコンポーネントとメニューがあります。
コンソールのインストールが終了すると、設定を実行するかどうか確認されます。設定を実行します。
設定が終了したら、コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -c を入力して、コンソールを起動します。
この例では、Sun Management Center 3.0 のサーバ、エージェント、およびコンソールを 3 台のマシンにインストールします。
マシン A に、Sun Management Center 3.0 コンソールをインストールします。
マシン B に、Sun Management Center 3.0 サーバをインストールします。
マシン C に、Sun Management Center 3.0 エージェントをインストールします。
次に、3 台すべてのマシンで Sun Management Center 3.0 インストールを Sun Management Center 3.5 にアップグレードするときに必要な手順を要約します。
Sun Management Center 3.0 インストールに Performance Reporting Manager が含まれる場合、アップグレードプロセス を使用すると、Sun Management Center のデータと Performance Reporting Manager のデータを移行できます。Performance Reporting Manager がインストールされているマシンが Sun Management Center 3.5 に必要な十分なリソースを持っていることを確認します。表 2–4を参照してください。
各マシンがサポート対象のプラットフォームであることを確認します。
サポートされるプラットフォームを参照してください。
各マシンが必要なリソースを持っていることを確認します。
インストール前のチェックリストを参照してください。
CD または CD イメージのどちらからインストールするのかを決定します。
インストールソースの確認を参照してください。
マシン B に Sun Management Center 3.5 サーバをインストールします。サーバのアップグレードを参照してください。
インストール中:
旧バージョンの Sun Management Center をアンインストールします。
旧バージョンの Sun Management Center のデータを移行するかどうかを選択します。
「データを保存」を選択した場合、Sun Management Center 3.0 のデータは保存され、Sun Management Center 3.5 で使用できます。
「データを保存」を選択しなかった場合、Sun Management Center 3.0 のデータは保存されません。
本稼働環境を選択します。
サーバレイヤだけを選択します。エージェントは自動的にインストールされます。
サーバのインストールが終了すると、設定を実行するかどうか確認されます。設定を実行します。
マシン B でサーバを設定します。
サーバの設定中:
セキュリティキーを生成するためのパスワードを指定します。
このパスワードは、Sun Management Center 3.0 を設定したときに指定したものと同じパスワードである必要があります。
SNMPv1 セキュリティ文字列を指定します。
この セキュリティ文字列は、Sun Management Center 3.0 を設定したときに指定したものと同じセキュリティ文字列である必要があります。
Sun Management Center 3.0 のデータを Sun Management Center 3.5 に移行することを選択していた場合、Sun Management Center 3.0 のデータを復元するかどうかを選択します。
Sun Management Center 3.0 を設定したときに指定したものとは別のセキュリティシード生成用パスワードをサーバに指定した場合、エージェントを設定するときには、サーバに指定したものと同じセキュリティシード生成用パスワードを指定する必要があります。Sun Management Center 3.0 エージェントを Sun Management Center 3.5 にアップグレードしない場合、Sun Management Center 3.0 エージェントマシン用のセキュリティキーを生成し直す必要があります。セキュリティキーの再生成を参照してください。
サーバの設定が終了すると、Sun Management Center コンポーネントを起動するかどうかを確認されます。すべてのコンポーネントを起動します。
マシン C に Sun Management Center 3.5 エージェントをインストールします。エージェントのアップグレードを参照してください。
エージェントのインストール中:
マシン C でエージェントを設定します。
エージェントの設定中:
セキュリティキーを生成するためのパスワードを指定します。
このパスワードは、Sun Management Center 3.5 サーバを設定したときに指定したものと同じである必要があります。
SNMPv1 セキュリティ文字列を指定します。
このセキュリティ文字列は、Sun Management Center 3.5 サーバを設定したときに指定したものと同じである必要があります。
Sun Management Center 3.0 エージェントのデータを Sun Management Center 3.5 に移行することを選択していた場合、Sun Management Center 3.0 のデータを復元するかどうかを選択します。
エージェントの設定が終了すると、Sun Management Center エージェントを起動するかどうか確認されます。エージェントを起動します。
マシン A に Sun Management Center 3.5 コンソールをインストールします。
コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/es-uninst を入力して、Sun Management Center 3.0 コンソールをインストールします。
Sun Management Center 3.5 コンソールをインストールおよび設定します。Solaris プラットフォームへの Sun Management Center 3.5 のインストールを参照してください。
設定が終了したら、コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -c を入力して、コンソールを起動します。
この例では、Sun Management Center 2.1.1 のサーバ、エージェント、およびコンソールを 3 台のマシンにインストールします。
マシン A に、Sun Management Center 2.1.1 コンソールをインストールします。
マシン B に、Sun Management Center 2.1.1 サーバをインストールします。
マシン C に、Sun Management Center 2.1.1 エージェントをインストールします。
次に、3 台すべてのマシンで Sun Management Center 2.1.1 インストールを Sun Management Center 3.5 にアップグレードするときに必要な手順を要約します。
各マシンがサポート対象のプラットフォームであることを確認します。
サポートされるプラットフォームを参照してください。
各マシンが必要なリソースを持っていることを確認します。
インストール前のチェックリストを参照してください。
CD または CD イメージのどちらから Sun Management Center 3.5 をインストールするのかを決定します。
インストールソースの確認を参照してください。
マシン B で Sun Management Center 2.1.1 サーバをアップグレードします。
各マシンが必要なリソースを持っていることを確認します。
インストール前のチェックリストを参照してください。
http://www.sun.com/sunmanagementcenterから移行ユーティリティをダウンロードします。
移行ユーティリティを実行して、Sun Management Center 2.1.1 から Sun Management Center 3.5 にアップグレードします。
アップグレードプロセスの Sun Management Center 3.5 インストール段階中:
本稼働環境を選択します。
サーバレイヤだけを選択します。エージェントは自動的にインストールされます。
Sun Management Center 2.1.1 のデータを移行するかどうかを選択します。
「データを保存」を選択した場合、Sun Management Center 2.1.1 のデータは保存され、Sun Management Center 3.5 で使用できます。
「データを保存」を選択しなかった場合、Sun Management Center 2.1.1 のデータは保存されません。
アップグレードプロセスの Sun Management Center 3.5 設定段階中:
セキュリティキーを生成するためのパスワードを指定します。
パスワードはすべての Sun Management Center マシンで同じである必要があります。
SNMPv1 セキュリティ文字列を指定します。
このセキュリティ文字列はすべての Sun Management Center マシンで同じである必要があります。
Sun Management Center 2.1.1 のデータを Sun Management Center 3.5 に移行することを選択していた場合、Sun Management Center 2.1.1 のデータを復元するかどうかを選択します。
サーバの設定が終了すると、Sun Management Center コンポーネントを起動するかどうかを確認されます。すべてのコンポーネントを起動します。
マシン C で Sun Management Center 2.1.1 エージェントをアップグレードします。
マシン C に Sun Management Center 3.5 エージェントをインストールします。Solaris プラットフォームへの Sun Management Center 3.5 のインストールを参照してください。
エージェントのインストール中:
「データを保存」を選択した場合、Sun Management Center 2.1.1 のデータは保存され、Sun Management Center 3.5 で使用できます。
本稼働環境を選択します。
エージェントレイヤだけを選択します。
エージェントのインストールが終了すると、設定を実行するかどうかを確認されます。設定を実行します。
マシン C でエージェントを設定します。
エージェントの設定中:
手順 4 で指定したものと同じセキュリティキー生成用パスワードを指定します。
手順 4 で指定したものと同じ SNMPv1 コミュニティ文字列を指定します。
Sun Management Center サーバマシンの名前を指定します。
Sun Management Center 2.1.1 エージェントのデータを Sun Management Center 3.5 に移行することを選択していた場合、Sun Management Center 2.1.1 のデータを復元するかどうかを選択します。
Sun Management Center 3.0 を設定したときに指定したものとは別のセキュリティシード生成用パスワードをサーバに指定した場合、エージェントを設定するときには、サーバに指定したものと同じセキュリティシード生成用パスワードを指定する必要があります。Sun Management Center 3.0 エージェントを Sun Management Center 3.5 にアップグレードしない場合、Sun Management Center 3.0 エージェントマシン用のセキュリティキーを生成し直す必要があります。セキュリティキーの再生成を参照してください。
エージェントの設定が終了すると、Sun Management Center エージェントを起動するかどうか確認されます。エージェントを起動します。
マシン A に Sun Management Center 3.5 コンソールをインストールします。
Sun Management Center 2.1.1 コンソールをアンインストールします。『Sun Management Center 2.1.1 Installation Guide』を参照してください。
Sun Management Center 3.5 コンソールをインストールおよび設定します。Solaris プラットフォームへの Sun Management Center 3.5 のインストールを参照してください。
設定が終了したら、コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -c を入力して、コンソールを起動します。
この例では、ネットワーク中のマシンに Sun Management Center 3.5 と Sun Management Center 3.0 が次のようにインストールされていると仮定します。
マシン A には、Sun Management Center 3.5 のコンソールとエージェントがインストールされています。
マシン B には、Sun Management Center 3.5 のサーバとエージェントがインストールされています。
マシン C から Z までには、Sun Management Center 3.0 のエージェントがインストールされています。
次に、C から Z までのすべてのマシンを Sun Management Center 3.5 エージェントにアップグレードするときに必要な主な手順を要約します。
Sun Management Center サーバマシン B 上で Sun Management Center のすべてのコンポーネントが動作していることを確認します。Solaris プラットフォーム上におけるコンポーネントの起動を参照してください。
エージェント更新イメージを作成します。es-gui-imagetool を使用してエージェント更新イメージを作成するを参照してください。
マシン C から Z までにエージェント更新イメージを適用します。agent-update.bin を使用して、エージェント更新イメージからエージェントをインストールまたは更新するを参照してください。
各マシンへのエージェント更新イメージの適用中:
セキュリティキーを生成するためのパスワードを指定します。
このパスワードは、Sun Management Center 3.5 サーバを設定したときに指定したものと同じである必要があります。
SNMPv1 セキュリティ文字列を指定します。
このセキュリティ文字列は、Sun Management Center 3.5 を設定したときに指定したものと同じである必要があります。
Performance Reporting Manager には、サーバレイヤ、エージェントレイヤ、およびコンソールレイヤのコンポーネントがあります。
サーバレイヤコンポーネントは、Sun Management Center サーバと同じマシンにインストールする必要があります。Performance Reporting Manager バージョン 3.5 には、次のような 3 つの構成があります。
小 - 5G バイトの空きディスク領域が必要です。
中 - 12G バイトの空きディスク領域が必要です。
大 - 24G バイトの空きディスク領域が必要です。
Sun Management Center サーバマシンが十分なリソースを持っていることを確認します。表 2–4を参照してください。
エージェントコンポーネントは、性能、パッケージ、パッチ、およびハードウェア構成に関するデータを収集したい各マシンにインストールする必要があります。
各 Sun Management Center エージェントマシンが十分なリソースを持っていることを確認します。表 2–4を参照してください。
コンソールコンポーネントは各コンソールマシンにインストールする必要があります。コンソールコンポーネントは Sun Management Center コンソールのメニューと選択を更新して、Performance Reporting Manager をサポートします。
ハードウェア構成データを収集するには、エージェントマシンとサーバマシンにハードウェア固有モジュールがインストールされている必要があります。
Performance Reporting Manager は、次のように各マシンにインストールできます。
Sun Management Center 3.0 から Sun Management Center 3.5 にマシンをアップグレードしている場合、サーバのアップグレードの指示に従います。Sun Management Center 3.5 のアップグレードプロセスを使用することによって、Sun Management Center のデータと Performance Reporting Manager のデータを移行できます。
インストールプロセス中、Sun Management Center 3.5 の Performance Reporting Manager アドオンを選択していることを確認します。
Sun Management Center 3.5 を新規にインストールしている場合は、インストールプロセス中、 Sun Management Center 3.5 の Performance Reporting Manager アドオンを選択していることを確認します。
Sun Management Center 3.5 をすでに各マシンでインストールおよび設定している場合は、Performance Reporting Manager をインストールおよび設定します。『Sun Management Center 3.5 Performance Reporting Manager ユーザーガイド』の「Performance Reporting Manager のインストールとセットアップ」を参照してください。
Sun Management Center サーバで Sun Management Center 3.5 を設定しているとき、選択した構成について 3 つの異なるディレクトリへのパスを求めるメッセージが表示されます。可能であれば、3 つの異なるファイルシステム上にあるディレクトリを指定します。このようにディレクトリを分離することによって、ディスクの競合を減らし、性能を向上させることができます。
Microsoft Windows マシンに旧バージョンの Sun Management Center がインストールされている場合、Microsoft Windows プラットフォームからの Sun Management Center のアンインストールに記載されているとおりに、コンソールをアンインストールします。
Sun Management Center 3.5 コンソールをインストールするには、Microsoft Windows への Sun Management Center 3.5 のインストールに記載されているとおりに、コンソールをインストールします。
Solaris プラットフォームでインストールと設定が正常に完了すると、表 1–1に示すようにディレクトリが作成されます。
Microsoft Windows では、C:\Program Files\SUNWsymon ディレクトリしか作成されません。
表 1–1 Sun Management Center のデフォルトの Solaris ディレクトリ
ディレクトリ |
説明 |
---|---|
/opt/SUNWsymon |
Sun Management Center の基本ファイルとアプリケーションを含むルートディレクトリ |
/etc/opt/SUNWsymon |
Sun Management Center ソフトウェアアプリケーションの init スクリプトが含まれる |
/var/opt/SUNWsymon |
使用しているシステム用の Sun Management Center 構成ファイルとデータファイルが含まれる |
/usr/apache/tomcat |
Web サーバが含まれる Web サーバは、Sun Management Center サーバと共にインストールされます。 |
/var/apache |
Web サーバ用のドキュメントとサンプルが含まれる |
この節では、Sun Management Center のインストールによって変更されるシステムファイルについて説明するとともに、オペレーティングシステムのパッチの概要を述べます。
/etc/system ファイルに示された値は、Sun Management Center システムパラメータのデフォルトです。shmmax 値は、マシンで利用できる RAM にもとづいて計算されます。
Sun Management Center ソフトウェアのインストールでは、/etc/system ファイルに指定されている限度値がサービスレイヤを期待どおりに稼動させる上で十分なものか検査されます。たとえば、次のエントリが存在しない場合は /etc/system ファイルにこれらのエントリが追加されます。存在する値が適当でない場合は、それらの値が適宜更新されます。
**************************************************** * This file has been modified by Sun MC 3.5 setup. * * DO NOT REMOVE THESE TWO COMMENT LINES. * **************************************************** set shmsys:shminfo_shmmax=201326592 set shmsys:shminfo_shmmin=1 set shmsys:shminfo_shmmni=100 set shmsys:shminfo_shmseg=10 set semsys:seminfo_semmni=100 set semsys:seminfo_semmsl=115 set semsys:seminfo_semmns=200 set semsys:seminfo_semopm=100 set semsys:seminfo_semvmx=32767 |
Sun Management Center ソフトウェアのインストールによって /etc/system エントリのどれかを変更した場合には、処理を進める前にシステムをリブートする必要があります。システムがリブートした後、es-setup または es-guisetup を使用して、設定プロセスを再度実行する必要があります。
Sun Management Center ソフトウェアの前回のインストールで /etc/system が変更されている場合は、システムリブートの必要はありません。
Sun Management Center ソフトウェアのインストールプログラムは、マシン上のローカルファイル /etc/group にグループ esadm、esdomadm、および esops を追加します。Sun Management Center サーバがインストールされるマシンでは、/etc/group 内にデータベースグループ smcorag 用のグループエントリが作成されます。
Sun Management Center の設定時に管理者として指定されるユーザは、esadm グループと esdomadm グループに追加されます。たとえば、スーパーユーザアカウントを Sun Management Center 管理者として指定すると、インストールプログラムは /etc/group に次の行を追加します。
smcorag::101011: esadm::1000:root esdomadm::1001:root esops::1002:
Sun Management Center ソフトウェアのインストールでは、/etc/passwd ファイルにユーザ smcorau が追加されます。ユーザアカウント smcorau は、Sun Management Center サーバレイヤのデータベースを実行するために必要なものです。
/var/opt/SUNWsymon/cfg/esusers ファイルは、権限を持った Sun Management Center ユーザを定義するために使用されます。詳細は、ユーザ、グループ、および役割の概要を参照してください。