Sun Management Center ソフトウェアは、多彩な機能を持つ、オープンソースのシステム管理ツールです。Sun Management Center 製品は 3 つのベースコンポーネントに分かれており、システム管理をサポートする製品としてさらに 4 つのベースアドオン製品が用意されています。また、その他のアドオン製品で説明しているように、プラットフォーム固有のサポートを行うアドオン製品もあります。
この節の内容は次のとおりです。
第 6 章「Sun Management Center 3.5 のインストールと設定」で説明しているように、Sun Management Center ソフトウェアはすべて (アドオン製品を含む ) インストールと設定の作業を単一のインストールコマンドで実施できます。
Sun Management Center ソフトウェア管理フレームワークは、Sun Management Center の中核機能を提供するコンソールコンポーネント、サーバコンポーネント、およびエージェントコンポーネントから成る 3 層アーキテクチャをベースとしています。
Sun Management Center サーバは、管理作業を実行するとともに、管理作業の実行要求を Sun Management Center エージェントへ送信します。サーバには、ネットワークハードウェアとソフトウェアの情報や、ネットワークと Sun Management Center の構成などがデータベースとして保存されます。Sun Management Center サーバは、通常、専用のマシン 1 台にインストールされます。つまり、ネットワーク当たり 1 つあればすみます。
Sun Management Center エージェントは、Sun Management Center サーバの指令に対する応答、ローカルマシン上の管理情報のアクセス、アラームの判定、ローカルリソースの監視などの機能を果たします。エージェントは Sun Management Center サーバマシンには自動的にインストールされますが、ネットワーク上のほかのマシンについてはオプションです。各マシンに Sun Management Center エージェントをインストールすると、徹底した管理機能とレポート機能を利用できるようになります。
Sun Management Center Java コンソールは、ネットワークの監視と管理に使用できるグラフィカルユーザインタフェースです。
Sun Management Center Web サーバはサーバレイヤと同じホストに、サーバレイヤと共にインストールされます。
Web サーバを使用すると、以下のどちらかの Web ブラウザをサポートする任意のシステムから Sun Management Center の Web サーバコンソールにアクセスできます。
Netscape NavigatorTM 4.5.1 以降
Internet エクスプローラ 5.0 以降
Sun Management Center は、各システムにインストールされた Sun Management Center エージェントに要求を送信することによって処理を開始します。エージェントは SNMP 技術にもとづいてサーバ要求を処理するほか、データをローカルに収集して処理するというように自発的な処理も行います。エージェントは、SNMP トラップの送信や管理作業の実行のために監視状態で動作できます。また、管理者との連絡が困難な場合でも、カスタマイズされたルールやしきい値にもとづいてアラームを生成したり特定の処理を開始したりもできます。SNMP の詳細は、セキュリティキーと SNMP コミュニティ文字列とSNMP デーモンとレガシーエージェントを参照してください。
Sun Management Center エージェントの管理機能と監視機能は、読み込み可能なモジュールとして構成されます。柔軟性のあるこれらのエージェントモジュールを利用することで、システムごとに必要なだけの監視と管理を行えます。Sun Management Center コンソールから Sun Management Center エージェントにモジュールをさらに読み込む必要がある場合は、管理システムとエージェントシステムを妨害することなく動的に行えます。Sun Management Center モジュールの詳細は、『Sun Management Center 3.5 ユーザーガイド』の「Sun Management Center ソフトウェアのモジュール」を参照してください。
Sun Management Center には、Sun Management Center ディストリビューションの一部として CD または Web ダウンロードイメージで配布される次の 4 つのアドオンが付属しています。
Advanced System Monitoring — 総合的なカーネルリーダー、Solaris の健全性監視、ファイルシステムの監視、ディレクトリサイズの監視、プロセスの監視、IPv6 プロトコルの監視、MIB-II の測定、ログ表示などの機能があります。
Service Availability Manager — ネットワークサービス (DNS/NIS ネーミングサービス、Web サーバ、ディレクトリ、LDAP、Telnet、FTP、メール、Solaris カレンダなど) の可用性のテストと測定を行う製品です。
System Reliability Manager — 信頼性を向上させます。このアドオンを利用することで、サービスレベルの向上と管理コストの削減を実現しやすくなります。
ベースアドオン製品とその他のアドオン製品の詳細は、Sun Management Center の Web サイト http://www.sun.com/software/solaris/sunmanagementcenter/ を参照してください。
Sun Management Center ソフトウェアをインストールするハードウェアプラットフォームによっては、システムがプラットフォーム固有のアドオンを別途必要とする場合があります。これらのアドオン製品には、特定の Sun ハードウェアアーキテクチャのサポート、構成リーダー (Config-Reader)、新規エージェントの管理などの機能が含まれます。特定のハードウェアプラットフォームの詳細は、使用しているハードウェアプラットフォームについての Sun Management Center 補足資料を参照してください。Sun Management Center の追加アドオンの詳細は、Sun Management Center Web サイトを参照してください。
個々のハードウェアプラットフォームに Sun Management Center ソフトウェアをインストールする場合は、事前にそのプラットフォームについての Sun Management Center 補足資料に必ず目を通し、アーキテクチャ固有のインストール方法を確認してください。詳細は、Sun Management Center 3.5 CD (2 of 2) のドキュメント用サブディレクトリを参照してください。
アドオン製品は、次に示す 2 つの方法でリリースされています。
Sun Management Center ディストリビューション (CD または Web ダウンロードイメージ) の一部としてリリース
個別にリリース (アドオン製品のみ)
Sun Management Center ディストリビューションの一部としてリリースされたアドオン製品は、Sun Management Center のインストールプロセス中にインストールされます。 (ベースコンポーネントがまずインストールされ、続いてアドオン製品がインストールされる)。
アドオン製品の多くにはアーキテクチャ固有のサポートがあるため、インストールプログラムによってハードウェアのチェックが行われます。たとえば、アドオン製品がワークステーションシステムをサポートする場合には、ユーザはワークステーションホストに Sun Management Center をインストールする時にワークステーション用アドオンをインストールするかどうかを選択できます。通常は、アドオン製品のインストール前に確認を求めるメッセージが表示されます。
Sun Management Center CD ディストリビューションとは別にアドオン製品がリリースされる場合には、そのアドオン製品に付属の補足資料でその製品のインストール方法が説明されます。
開発環境では、さまざまな方法で Sun Management Center ソフトウェアの機能性を拡張できます。たとえば、次のような作業を行えます。
独自の管理モジュールを作成する
Sun Management Center とインタフェースをとるクライアントプログラムを作成する
Sun Management Center コンソールにアプリケーションを統合する
開発環境をインストールしている場合、Sun Management Center 3.5 の開発環境と本稼働環境はそれぞれ別の専用サーバで実行する必要があります。
Sun Management Center 3.5 開発環境の詳細は、『Sun Management Center 3.5 Developer Environment Reference Manual』を参照してください。