Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド

Solaris プラットフォームへの Sun Management Center 3.5 のインストール

この節では、es-guiinst コマンドを使用して Solaris プラットフォームに Sun Management Center 3.5 をインストールする方法について説明します。インストールでは、コンソールレイヤ、サーバレイヤ、およびエージェントレイヤを個別にインストールすることも、まとめてインストールすることもできます。また、インストールする機能固有のアドオン製品を選択することもできます。インストールプロセスが完了すると、設定ウィザード es-guisetup が実行され、ベースコンポーネントとアドオンコンポーネントを設定できます。

このインストール作業は、ネットワーク上の CD イメージディレクトリから Sun Management Center をインストールすることを想定しています。詳細については、CD イメージの作成を参照してください。インストール時に行う選択によっては、一部の手順を省略できます。


注 –

Sun Management Center 3.5 開発環境をインストールする予定がある場合、開発環境は別の専用マシンにインストールする必要があります。開発環境マシンには、Sun Management Center のサーバレイヤ、エージェントレイヤ、およびコンソールレイヤが自動的にインストールされます。

Sun Management Center 開発用マシンは、Sun Management Center サーバレイヤの最小限のハードウェア要件とソフトウェア要件に適合する必要があります。開発環境マシンは、エージェントレイヤ、コンソールレイヤ、およびインストールする任意のアドオンの要件に適合する必要があります。詳細については、第 2 章「Sun Management Center 3.5 の要件」を参照してください。


Solaris プラットフォームに Sun Management Center 3.5 をインストールする
  1. 端末ウィンドウを開き、ウィンドウ内にコマンド xhost + を入力します。

    また、環境変数 DISPLAY にマシンのディスプレイが設定されていることを確認します。

  2. Sun Management Center 3.5 のベースコンポーネントとアドオンをインストールしたいマシンに、スーパーユーザとしてログインします。

  3. /etc/nsswitch.confgroup エントリに、最初のトークンとして files が記述されているかを確認します。


    group: files nis

  4. インストールを継続する前に、/disk1/sbin/INSTALL.READMEdisk1/sbin/INSTALL_README.HWDS を見直します。

    README ファイルにアクセスするには、インストール CD イメージディレクトリ disk1/sbin に移動します。例えば、


    # cd 
    /net/machine-name/cd-imagedir/disk1/sbin
    

    machine-name にはインストールイメージを作成したマシンを指定し、cd-imagedir にはインストール CD イメージが入ったルートディレクトリを指定します。

  5. CD イメージディレクトリ disk1/sbin に移動します。

  6. es-guiinst スクリプトを実行します。


    # ./es-guiinst
    

    「ようこそ」画面が表示されます。表示された情報が存在することを確認して、「次へ」をクリックします。

    • 旧バージョンの Sun Management Center がマシン上に存在する場合、「以前のバージョンの Sun Management Center を検出」画面が表示されます。手順 7 に進みます。

    • 旧バージョンの Sun Management Center がマシンにインストールされていないか、あるいは旧バージョンの Sun Management Center がすでにアンインストールされている場合、「インストール先ディレクトリの指定」画面が表示されます。手順 8 に進みます。

  7. 「次へ」をクリックして、旧バージョンの Sun Management Center をアンインストールします。

    Sun Management Center の旧バージョンの es-uninst スクリプトが、端末ウィンドウで動作します。

    • 旧バージョンの Sun Management Center インストールに Sun Management Center コンソールしか含まれない場合、旧バージョンの Sun Management Center をアンインストールするかどうかを確認するメッセージが表示されます。旧バージョンの Sun Management Center をアンインストールする場合、y を入力します。

      旧バージョンが正常にアンインストールされたところで、 y を入力して継続します。端末ウィンドウが閉じ、「インストール先ディレクトリの指定」画面が表示されます。手順 8 に進みます。

    • 旧バージョンの Sun Management Center インストールに Sun Management Center サーバまたは Sun Management Center エージェントだけが含まれているか、あるいはサーバとエージェントの両方が含まれている場合、旧バージョンの Sun Management Center のデータを移行するかどうかを確認するメッセージが表示されます。

      • 旧バージョンの Sun Management Center の構成データ、アラーム、およびデータベースを保存および移行して、新バージョンの Sun Management Center 3.5 インストールで使用できるようにするには、y を入力します。

        旧バージョンの Sun Management Center のデータが保存されて、旧バージョンの Sun Management Center をアンインストールするかどうかを確認するメッセージが表示されます。

        y を入力します。旧バージョンの Sun Management Center がアンインストールされます。

        旧バージョンが正常にアンインストールされたところで、y を入力して継続します。端末ウィンドウが閉じ、「インストール先ディレクトリの指定」画面が表示されます。手順 8 に進みます。

      • 旧バージョンの Sun Management Center のデータをすべて破棄するには、n を入力します。

        /var/opt/SUNWsymon 内のデータがすべて削除されることと、独自のスクリプトがあれば別の場所に移動させる必要があることを知らせるメッセージが表示されます。作業を継続する前に、必要に応じて、独自のスクリプトを保存します。

        既存のデータを削除するかどうかを確認するメッセージが表示されます。

        旧バージョンの Sun Management Center インストールをアンインストールする場合、y を入力します。旧バージョンの Sun Management Center がアンインストールされます。

        旧バージョンが正常にアンインストールされたところで、 y を入力して継続します。端末ウィンドウが閉じ、「インストール先ディレクトリの指定」画面が表示されます。手順 8 に進みます。

  8. 「次へ」をクリックしてデフォルトの /opt インストールディレクトリを受け入れるか、希望のディレクトリ名を入力して、「次へ」をクリックします。

    Sun Management Center 3.5 は、必要となる最小のディスク容量が確保できるかぎり、システム上の任意の場所にインストールできます。デフォルトの場所は /opt です。

    「環境の選択」画面が表示されます。

  9. Sun Management Center 本稼動環境または開発環境のどちらか一方を選択します。


    注 –

    開発環境をインストールする場合、Sun Management Center 3.5 開発環境と Sun Management Center 3.5 本稼動環境を個別の専用サーバで稼動させる必要があります。


    • デフォルトでは、本稼働環境が選択されています。本稼働環境をインストールするには、「次へ」をクリックします。Select Sun Management Center Components 画面が表示されます。手順 10 に進みます。

    • 開発環境をインストールするには、「開発環境」を選択します。Sun Management Center のサーバレイヤ、エージェントレイヤ、およびコンソールレイヤがインストールされるように、これらのレイヤが自動的に選択されます。「次へ」をクリックします。

      ベース製品の契約が表示されます。手順 11 に進みます。

  10. インストールしたい Sun Management Center コンポーネントを選択し、「次へ」をクリックします。


    注 –

    サーバを選択すると、エージェントも同時にインストールされるように自動的に選択されます。


    • 「サーバ」を選択するか、あるいは「サーバ」、「エージェント」、および「コンソール」を選択すると、サーバレイヤの バイナリコードライセンスが表示されます。手順 11 に進みます。

    • 「コンソール」を選択するか、あるいは「エージェント」と「コンソール」を選択すると、「言語サポートの選択」画面が表示されます。手順 12 に進みます。

    • 「エージェント」だけを選択すると、「アドオン製品の選択」画面が表示されます。手順 13 に進みます。

  11. サーバレイヤのバイナリ−コードライセンス契約書を確認します。

    サーバレイヤのバイナリ−コードライセンス契約書をよく読んでください。インストールを継続するには、ライセンス条項に同意する必要があります。

    「同意する」をクリックしてライセンスに同意するか、あるいは「同意しない」をクリックしてインストールを中断します。

    ライセンスに同意すると、インストールプロセスは JDK バージョンが有効であるかどうかをチェックします。

    • 有効な JDK バージョンがインストールされていない場合、そのことを知らせるメッセージが表示され、インストールプロセスが中断し、システムプロンプトに戻ります。

    • 有効な JDK バージョンがインストールされている場合、「言語サポートの選択」画面が表示されます。

  12. 言語サポートを選択します。

    ヘルプファイルとサポートファイルはほかの言語でもインストールできます。使用したい追加の言語を選択して「次へ」をクリックします。「使用可能な製品の検査」画面が表示されます。利用できるアドオン製品のチェックが完了すると、「アドオン製品の選択」画面が表示されます。


    注 –

    Sun Management Center のオンラインヘルプは『Sun Management Center 3.5 ユーザーガイド」』にもとづいており、特定のトピックについてすばやく調べたい場合に便利です。Sun Management Center のオンラインヘルプは、ディレクトリ /opt/SUNWsymon/lib/locale/dir/help 内に Sun Management Center サーバと共に自動的にインストールされます (dir は特定の言語バージョン)。


  13. Sun Management Center アドオン製品とハードウェアパッケージを選択します。

    「アドオン製品の選択」画面に、インストール可能なアドオン製品の一覧が表示されます。インストールしたいアドオンを選択し、「次へ」をクリックします。


    注 –

    アドオンとパッケージの中にはプラットフォーム固有のものがあります。各アドオンとパッケージの詳細については、『Sun Management Center 3.5 ソフトウェアご使用にあたって』、Sun Management Center リリースキットに付属のプラットフォーム補足資料、および Sun Management Center のWeb サイト http://www.sun.com/sunmanagementcenter/ を参照してください。


    • アドオンコンポーネントをまったく選択しなかった場合、あるいは、選択したアドオンコンポーネントで利用できる追加コンポーネントが存在しない場合、インストールプロセスはディスク容量をチェックします。手順 16 に進みます。

    • 選択したアドオン製品のどれかにオプションコンポーネントが存在する場合、「オプションのアドオン製品コンポーネント」画面が表示されます。手順 14 に進みます。

    • 次のベースアドオンコンポーネントを 1 つまたは複数選択し、かつ、追加のアドオンコンポーネントをまったく選択しなかった場合、アドオン製品の バイナリコードライセンスが表示されます。手順 15 に進みます。

      • Advanced System Monitoring

      • Performance Reporting Manager

      • Service Availability Manager

      • System Reliability Manager

  14. 必要に応じて、オプションのアドオンコンポーネントを選択します。

    インストールしたいオプションコンポーネントを選択して、「次へ」をクリックします。

    • オプションのアドオンコンポーネントをまったく選択しない場合、インストールプロセスはディスク容量をチェックします。手順 16 に進みます。

    • 次のアドオン製品のどれかを選択した場合、アドオン製品の バイナリコードライセンスが表示されます。

      • Advanced System Monitoring

      • Performance Reporting Manager

      • Service Availability Manager

      • System Reliability Manager

  15. アドオン製品のバイナリコードライセンスを確認します。

    アドオン製品のバイナリコードライセンスをよく読んでください。インストールを継続するには、ライセンス条項に同意する必要があります。「同意する」をクリックしてインストールを継続するか、あるいは「同意しない」をクリックしてインストールを中断します。

    「同意する」をクリックした場合、インストールプロセスはディスク容量をチェックします。

  16. ディスク容量をチェックします。

    選択した製品のインストールに必要なディスク容量があるか、インストールプロセスによりチェックされます。

    • 十分なディスク容量がある場合、選択した製品が表示され、選択内容を確認することを求めるメッセージが表示されます。手順 18 に進みます。

    • ディスク容量が十分でない場合、代わりとなるファイルシステムを指定するようメッセージが表示されます。空き容量と、必要となる容量が表示されます。

  17. 十分なディスク容量のある別のファイルシステムの名前を指定します。

    十分な空き容量のあるファイルシステムとディレクトリの名前を入力します。


    ヒント –

    マシン上の各ファイルシステムの使用済み容量と空き容量を表示するには、Sun Management Center をインストールするマシンの端末ウィンドウで、df -ak を入力します。


    ディスク容量がもう一度チェックされます。十分なディスク容量がある場合、選択した製品の一覧が表示されます。インストールについての選択内容を確認することを求めるメッセージが表示されます。

  18. インストールについての選択内容を確認します。

    Sun Management Center のベースコンポーネントとアドオンコンポーネントの一覧が表示されます。

    • 一覧の内容が正しくない場合、「戻る」をクリックして「アドオン製品の選択」画面に戻り、インストールしたい製品を選択します。新しい選択内容を確認します。

    • 一覧の内容が正しい場合、「次へ」をクリックして Sun Management Center のインストールを開始します。

      「インストールしています...」画面が表示されます。


      注 –

      インストールプロセスは、選択された製品に応じて数分から 30 分、またはそれ以上かかる可能性があります。


      • インストールプロセスが完了すると、設定ウィザードを実行するかどうかを確認するメッセージが表示されます。設定ウィザードの実行については、次の手順を参照してください。

      • インストールが失敗した場合、概要を示す画面が表示されます。

        /var/opt/SUNWsymon/install にあるインストールログを調べて、インストールに失敗した原因を見つけ、問題を解決します。

  19. 設定ウィザードを実行するかどうかを選択します。


    注意 – 注意 –

    es-guiinst を使用してアドオン製品だけをインストールした場合、「閉じる」をクリックして、インストールプロセスと設定プロセスを終了します。アドオン製品は、es-setup を使用してアドオン製品を設定するに示されている方法で設定する必要があります。この作業を怠るとセキュリティキーが上書きされ、すべてのマシンのすべてのエージェントを正しく稼動させるためにそれらのエージェントを設定し直さなければならなくなります。