Sun Management Center 3.5 Update 1 は、Sun Management Center のサーバーとエージェント間における SNMP 通信の暗号化をサポートします。 SNMP 暗号化は CBC-DES 対称暗号化アルゴリズムをサポートします。 次の事項に注意してください。
SNMP 暗号化をサポートにするには、Sun Management Center のサーバーとエージェントの両方のホストに SUNWcry パッケージがインストールされている必要があります。 このパッケージは個別にインストールしてください。
SUNWcry がインストールされていても、Sun Management Center 3.5 以前のサーバーとエージェントは SNMP 暗号化をサポートしません。
サーバーまたはエージェントの設定中に SUNWcry パッケージが検出されると、SNMP 暗号化のサポートは自動的に構成されます。
エージェントが SNMP 暗号化をサポートする場合、SNMP 暗号化を Sun Management Center サーバー上で有効にするには、 es-config スクリプトを使用します。 このスクリプトを使用することによって、自動ネゴシエーション機能をオンまたはオフに設定できます。 詳細は、SNMP 暗号化の有効化を参照してください。
暗号化をサポートする Sun Management Center 3.5 Update 1 は、エージェントが暗号化をサポートするかどうかにかかわらず、エージェントを動的にサポートするように設定できます。 この機能のことを「自動ネゴシエーション機能」と呼び、オンまたはオフに設定できます。
自動ネゴシエーション機能をオフに設定している場合、サーバーは常に、エージェントとの通信を開始するときに暗号化を使用します。 厳密なセキュリティーポリシーを使用する環境では、この設定のほうがいいでしょう。 自動ネゴシエーション機能をオフに設定している場合、エージェントは次のように動作します。
エージェントが暗号化をサポートする場合、エージェントは暗号化された SNMP メッセージを理解します。
エージェントが暗号化をサポートしない場合、エージェントは暗号化された SNMP メッセージを理解しません。 したがって、タイムアウトが発生し、「Agent is not responding. (エージェントが応答しない)」というメッセージがコンソールに表示されます。 エージェントログにはタイムアウトが記録されます。
自動ネゴシエーション機能をオンに設定している場合、サーバーがエージェントとの SNMP 通信を暗号化するのは、エージェントが暗号化をサポートしているときだけです。 結果として、次のうちの 1 つのイベントが発生します。
エージェントが暗号化をサポートする場合、エージェントは暗号化された SNMP メッセージを理解します。
エージェントが暗号化をサポートしない場合、SNMP メッセージの認証だけが行われ、暗号化は行われません。
SNMP 暗号化の現在の状態を表示するには、es-config コマンドを引数なしで実行します。
次のコマンドを入力して、SUNWcry パッケージ (/usr/lib/libcrypt_d.so 暗号化ライブラリを含む) がインストールされていることを確認します。
% pkginfo | grep SUNWcry |
パッケージがインストールされていれば、次のようなメッセージが表示されます。
application SUNWcry |
SUNWcry パッケージは Solaris Encryption Kit の一部です。 Solaris Encryption Kit を入手する方法については、Sun の販売代理店に問い合わせてください。 セキュアなシステムの管理についての詳細は、Solaris システム管理マニュアルを参照してください。
サーバーのホストからスーパーユーザーとして、次のコマンドを実行します。
# es-config -r |
SUNWcry パッケージの存在が検出されると、Sun Management Center のすべてのコンポーネントは自動的に停止されます。 次に、セキュリティーシードを入力するよう求められます。
セキュリティーシードを入力します。
次に、 SNMPv1 コミュニティー文字列を入力するよう確認されます。
暗号化された通信を開始するかどうか確認されたとき、暗号化された通信を開始するには y を入力し、開始しないときには n を入力します。
自動ネゴシエーション機能を有効にするかどうかを確認されたとき、自動ネゴシエーション機能を有効にするには y を入力し、無効にするには n を入力します。
自動ネゴシエーション機能についての詳細は、ネゴシエーション機能を参照してください。
エージェントの初期設定後に SUNWcry パッケージを追加または削除した場合、es-config スクリプトを使用すると、エージェントの SNMP 暗号化を有効にできます。