Solaris Container Manager 1.1 インストールと管理

公平配分スケジューラ (FSS)

Container Manager では、公平配分スケジューラ (FSS) を使用して、設定した最小 CPU シェア数が確保されます。公平配分スケジューラは、デフォルトのスケジューラです。公平配分スケジューラでは、プロジェクトのシェア数を、有効なプロジェクトのシェアの総数で割って、プロジェクトに割り当てる CPU の割合が計算されます。有効なプロジェクトは、CPU を使用するプロセスが 1 つ以上あるプロジェクトです。アイドル状態のプロジェクト (有効なプロセスがないプロジェクト) のシェア数は、計算に入れられません。

たとえば、営業、マーケティング、およびデータベースの 3 つのプロジェクトにそれぞれ 2 つ、1 つ、および 4 つのシェアが割り当てられるとします。すべてのプロジェクトが有効です。リソースプールの CPU リソースは、営業プロジェクトに 2/7、マーケティングプロジェクトに 1/7、データベースプロジェクトに 4/7 が配分されます。営業プロジェクトがアイドル状態の場合は、マーケティングプロジェクトに 1/5、データベースプロジェクトに 4/5 が配分されます。

公平配分スケジューラでは、CPU の競合がある場合にのみ CPU の使用が制限されます。システムで唯一有効なプロジェクトであるプロジェクトは、シェア数にかかわらず、CPU を 100 パーセント使用できます。CPU サイクルは無駄になりません。あるプロジェクトにおいて、実行する処理がなく、使用する権利があるすべての CPU が使用されていない場合、残りの CPU リソースはほかの有効なプロセスの間で配分されます。プロジェクトの CPU シェア数が定義されていない場合は、1 つのシェアが割り当てられます。シェアが 0 個のプロジェクト内のプロセスは、実行の優先順位が最低になります。このようなプロセスが実行されるのは、シェア数がゼロ以外のプロジェクトが CPU リソースを使用していないときだけです。