バックアップのパフォーマンスは、Backup の設定内容とともに、Backup が運用されているネットワーク環境に大きく左右されます。パフォーマンスの算出には、CPU の速度、データストレージデバイスの速度、ネットワーク上の制約、およびネットワークトラフィックの量など、Backup の外部の要因をいくつか考慮する必要があります。
Backup 内部では、次の 2 つの属性を変更することで、パフォーマンスを調整できます。
「Parallelism」 - 「Server」リソースのこの属性には、サーバーに到達できるセーブストリームの最大数を設定します。「Parallelism」に指定できる値の上限は、購入した Backup のバージョンによって異なります。
「Target Sessions」 - 「Devices」リソースのこの属性には、ストレージデバイスが管理し、1 つのボリュームに対して多重化できるセーブストリームの数を設定します。この属性を使って、個々のデバイスのパフォーマンスを最大にできます。
ストレージデバイス上にあるデータを多重化する (複数のデータに分割する) ように設定することによって、バックアップの速度を改善できます。これにより、複数のセーブセットのデータを 1 つのストレージボリュームに書き込むことや、1 つのセーブセットのデータを複数のボリュームに分散させることができます。多重化されるセーブセットは、定義上、ストレージボリュームの同じプールに属していなければなりません。この多重化によって、複数のクライアントからのデータの流れを最適化し、Backup で使用できるすべてのストレージデバイスに分散します。
復旧時に、1 つのセーブセットのデータが複数のボリュームに書き込まれるためにパフォーマンスが低下することがあります。
Backup では、セーブセット識別番号 (ssid) を使ってデータにコードを付けて追跡することによって、各セーブセットのデータの整合性を保っています。特定のストレージデバイス上で可能な多重化の程度は、そのデバイスの「Target Sessions」の値を使って定義します。
一般に Backup では、複数のセーブセットをそれぞれ別々のデバイスに書き込むよりも、同じボリュームに対して多重化する方が高い効率を実現できます。このため、各デバイスに、そのデバイスの「Target Sessions」の数だけセーブセットを割り当て、この数を超えると次のデバイスにセーブセットを割り当てるようにしています。