Solstice Backup 5.1 管理者ガイド

インデックス管理

Backup では、バックアップしたファイルは、クライアントファイルインデックスとメディアデータベースに記録されます。クライアントファイルインデックスによって、セーブセットに属しているファイルが追跡され、メディアデータベースによって、ボリュームの名前、ボリューム上のセーブセットのバックアップの日付、および各セーブセット内のファイルシステムが追跡されます。Backup では、設定したブラウズポリシーと保持ポリシーに従って、クライアントファイルインデックスとメディアデータベースの大きさを自動的に制御できます。ブラウズポリシーと保持ポリシーの詳細は、「ブラウズポリシーと保持ポリシーによるデータライフサイクルの管理方法」を参照してください。

インデックスの大きさと構造

クライアントファイルインデックスの構造は、ファイルサイズに関するオペレーティングシステムの制約を受けずに、クライアント一台に対応するクライアントファイルインデックスは増大し続けることができるように構築されています。クライアントファイルインデックスの増大に伴って、2G バイトのセグメントへと分割されます。クライアントのファイルインデックスの大きさをチェックするには、次の例のように nsrls -f コマンドを使用します。


# nsrls -f /nsr/index/clientname/db

この例に示すパスは、デフォルトパスです。インデックスが置かれるパスを変更するには、「Clients」リソースの「Details」ビューで「Index Path」属性の値を変更します。

クライアントのファイルインデックスの大きさのチェックに UNIX の ls コマンドは使用できません。nsrls -f コマンドの出力は、次のような形式です。


# nsrls -f /nsr/index/mars/db
Volume id 0: /nsr/index/mars/db
 Fid |    Kbytes |     Count | Name
------------------------------------------
   0 |     18504 |    119798 | sr
   1 |      2016 |    119798 | sr_i0
   2 |      1768 |    119436 | sr_i1

クライアントファイルインデックスとメディアデータベースを手動で縮小するには

クライアントファイルインデックスとメディアデータベースの大きさを手動で制御することもできます。

ボリュームがパージまたは削除されても、クライアントファイルインデックスが自動的に縮小されるわけではありません。インデックスにできた隙間は、あとで追加されるレコードに割り当てられます。インデックスのエントリをパージまたは削除した直後にクライアントファイルインデックスの大きさを小さくするには、次のコマンドを実行します。


# nsrck -C clientname

すべてのクライアントのインデックス領域を解放するには、 /nsr/index ディレクトリに移って、 nsrck -C コマンドを実行します。

インデックスが大きいと、nsrck コマンドを使った圧縮に数時間かかることがあります。詳細は、nsrckmminfoscannernsr、および nsrmm のマニュアルページを参照してください。

保持ポリシーを無効にするには

セーブセットは、その期限が切れるまで、ボリュームとメディアデータベースに保持されています。通常、セーブセットは、セーブセットそのものと、復旧のためにそのセーブセットに依存しているすべてのセーブセットが保持ポリシーに適合する場合に、期限が切れた時点で再利用可能になります。ただし、セーブセットに対して有効期限を明確に指定して、保持ポリシーを無効にすることもできます。この場合でも依存関係の規則は適用されるので、セーブセットが再利用可能としてマークされるためには、そのセーブセットに依存しているすべてのセーブセットが「再利用可能」としてマークされる必要があります。

保持ポリシーを明示的に無効にするには、手動バックアップコマンドの save -e を入力します。


# save -e