この節では、Backup サーバーとストレージノードで使われるデーモンとプログラムについて説明します。これらのデーモンとプログラムは、バックアップのためにクライアントと交信し、サーバーが持つクライアントファイルインデックスとメディアデータベースを保守します (ストレージノードの詳細は、「ストレージノードでの Backup の動作」を参照)。Backup のデーモンとプログラムの詳細は、Backup 関連のマニュアルページにも説明されています。表 A-1 に、サーバー側のデーモンとプログラムを示します。
表 A-1 サーバーのデーモンとプログラムの機能
デーモン/プログラム |
機能 |
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アクティブな save セッションまたは recover セッションを監視するデーモン。save セッションまたは recover セッションに応答して nsrd デーモンが生成するエージェントプロセスである |
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個々のセーブセットの進行状況を監視するデーモン。savegrp プログラムによって起動されるエージェントプロセスである |
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クライアントファイルインデックスの整合性を検査するデーモン。この整合性の確認が必要になった時点で nsrd デーモンによって起動される |
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Backup のクライアントに対して RPC ベースの save サービスと recover サービスを提供する。マスターの Backup デーモンである |
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サーバーが持つクライアントファイルインデックスを自動的に管理するデーモン。savegrp プログラムの終了時に起動される |
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save プログラムが渡す情報に基づいて、クライアントファイルインデックスにエントリを挿入するデーモン |
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デバイスをサポートし、マウント要求を生成し、マルチクライアントをバックアップする際のセーブセットデータを多重化するデーモン。nsrd デーモンを使って、デバイスの「Target Sessions」属性に指定されている数以下の nsrmmd デーモンを起動できる。メディア多重化デーモンである |
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ローカルの nsrd と nsrmmd の両デーモンに対してメディアデータベースとセーブセットのデータベース管理サービスを行い、メディアデータベースにエントリを記述するデーモン。メディア管理データベースデーモンである |
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save プロセスによって Backup クライアントのグループを実行するプログラム |
マスターの Backup サーバーデーモンである nsrd によって、次のタスクが行われます。
ほかのデーモンを起動する
サーバーマシンとストレージノードマシンでメディアデーモンを割り当てる
クライアントに対してバックアップサービスと復旧サービスを認証する
スケジュールされたバックアップのためにクライアントと交信する
Backup 構成情報を管理する
バックアップセッションと復旧セッションを監視する
サーバー統計情報とメッセージログを管理する
スケジュールされた、または必要性に応じたバックアップ要求を受け取ると、Backup サーバーデーモン nsrd は、Backup クライアントデーモン nsrexecd とクライアント側のプログラムを呼び出します。一時的なサーバーエージェントデーモンである ansrd は、Backup サーバー上でバックアップセッションの進行状況を監視します。表 A-2 に、クライアント側のデーモンとプログラムを示します。
表 A-2 クライアントのデーモンとプログラム
デーモン/プログラム |
機能 |
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Backup サーバーのリモートからの実行要求を認証し、クライアント上で save コマンドと savefs コマンドを実行するデーモン |
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Backup サーバーが持つクライアントファイルインデックスをブラウズして、指定されたファイルを主ディスクストレージ上に復旧するプログラム |
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nsrmmd デーモンによってメディアにバックアップし、nsrindexd デーモンによってエントリをクライアントファイルインデックスとメディアデータベースに挿入するために、指定されたファイルを多重化データストリームを介して Backup サーバーに送るプログラム |
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クライアントをバックアップするために、セーブセットについての情報を送るプログラム。前回のレベルの save コマンド以後に変更されたセーブセットのデータを識別する |